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Backstory/PPCC_PART_I_THE_CAPSULE_AND_THE_CLONE

Last-modified: 2009-01-04 (日) 10:56:24

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POLYVESSEL PILOT, CAPSULE CLEARED: PART I
THE CAPSULE AND THE CLONE

 

1. カプセル (The Capsule) Edit

 
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78年前にJove人によってCaldariに与えられた当初、静水カプセル (hydrostatic capsule) には、内部で死にゆく者をクローン体に再移植する設備は含まれていなかった。その上、カプセルはあらゆる点で人体には極めて不適応であるとされていた。一般的な人類と、その遺伝子強化された片割れであるJove人とのあらゆる生理学的な違いが、ポッドを原初の人類にとって極めて危険なものとしており、最も厳しい訓練法によってさえ、mind lockやwetgravingの恐怖から人々を救えないのが常であった。

 

それに加えて、ワイヤーやチューブに繋がれ、仮死状態の体を生かすための液体に満たされた静水カプセルのような、見るからに異質なものに入り込むことを考えるだに、大部分のパイロットにとっては (昔も今も) 気に入らないものであった。数十年来、カプセル内の人間に起こりうるおぞましい出来事に関する恐ろしい話は多数存在してきた (穏やかでないことに、そのほとんどは事実であった)。

 

長い間、どの国家も企業も、この一般認識を変えようと試みるほどには、ポッド技術に対して充分な利権を持っていなかった。Jove人はCaldariにポッド技術を解放した時からその技術についての特許を保持していたが、ポッドの生産に対する金銭的な報酬を頑なに拒んでいた。彼らは、このあからさまな高潔さの表明について何も説明しなかったし、彼らのような遺伝的な優位性に恵まれていない者たちのために、その技術の実用性を向上させようとすることもなかった。その真意については様々な憶測が乱れ飛んでいるが、いまだ意見の一致をみていない。

 

カプセルとクローンが巡り逢う以前の時代において、ポッドは、長期の使用によって起きる強烈な吐き気や幻覚、全般性の精神不安に対処しうる選ばれた少数の間に用途を見いだされていた。Gallente-Caldari戦争の末期において、Caldari側について戦ったポッドパイロットの英雄が、満載した船員と、操船に音声による命令や反射神経が必要な煩わしさに悩まされる船には考えられない機動を行っていたという話が残されている。しかしながら、このようなパイロットは希少であった。ポッド技術が抱える問題のために、カプセルを搭載した船は未だ大量生産が行われず、従って現行艦への搭載には多大な労力と費用を要した。

 

これらの欠陥により、馬鹿げたほどの費用のかかる命懸けの運動として一般用途から排除されたため、カプセルは長く雌伏の時を過ごすこととなった。

 

2. クローニング (Cloning) Edit

 
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クローンの作成と再移植に関する新技術により、かつてよりも安価で効率的になっているとはいえ、カプセルを用いないクローニングは、その特有の問題と、見込み客に必要とされる未だに莫大な費用により、惑星居住者の大多数にとっては事実上考慮する余地のない選択肢である。さらに、クローン製品が利用可能な社会ではどこでも、この分野で行われてきた研究に対する道徳的・宗教的な反発がある程度表面化している。信仰を同じくしない者には軽蔑を持って"Doomies"として知られるこれらの反対論者たち (時に有力な政治的・宗教的な主導者であることもある) はそれでも、クローニングへの一般大衆の受け取り方に大きな影響力を振るってきた。商業的なクローニングが始まって以来、多くの土地で、まれながら抗議運動や暴動が起こっており、クローニング企業のたゆまぬマーケティングにより、この数年で大幅な大衆の支持を得ることができた一方で、いまだに多くの人々が、この技術分野は人類の精神性を否定するものであり、より「安全な」研究へ切り替えるべきであると強く感じている。

 

クローン技術の進歩にかかわらず、死に際してのほとんどあらゆる状況下における精神の再移植は、いまだリスクの高い分野である。プロセスにおける最重要の要素は、死の決定的瞬間に行われクローンに送られる脳スキャンのスナップショットであり、従って、経神経焼成スキャナー (the transneural burning scanner) は、常に人物の近くのいずこかにマウントされていなければならない。スナップショット自体が灰白質に重大な物理的損傷をおよぼすため、少しの誤差も許されることはない。死のその瞬間に正確に行われなければならないのである。惑星上で用いられる車両について、クローニング企業が経神経スキャナーを様々な場所に取り付けて実験を行ったが、ほぼ無限とも言える惑星依存環境の潜在的可能性は、幾度となくそれが全く安全でないことを示した – スナップショットが誤った刺激によって起動し、健康なクライアントが植物状態となったり、セーフガード機構によっては予想しえなかった状況により起動に失敗し、クライアントが再移植されることなく死亡したままになったりした。

 

しかし、カプセルの中では状況は変わってくる。装置はただポッドの破損を検出しさえすればよい。なぜならば – 士官候補生ならば誰もが訓練の始めから頭に叩き込まれることだが – ポッドの破損は、例外なく、内部の人間の破滅を意味するからである。従って、卵が割れ始めた瞬間に、二つのことが起きる。パイロットの頭部に装着されたワイヤーキャップが血流中に即死性のナノ毒を流し込み、スキャナーが頭蓋に鋭い光を投げかける。数瞬の後には、数光年彼方の新しい体の中で、ゆっくりと意識を取り戻し始めるのである。

 

3. 運命の出会い (A Match Made in Heaven) Edit

クローン製造業者が、静水カプセルを自社技術の基盤とすることによる大きな可能性に気づいたのは8年前のことであった。宇宙でも有数の巨大企業複合体の出資により、適切な機関からオリジナルの青写真を修正する許可を買い取り、カプセルの研究と開発に乗り出したのである。

 

数年の熱心な研究の後に、ブレイクスルーが生まれた。YC 104年 (2年前)、最初の経神経焼成スキャンインターフェイスをカプセル内部に導入することに成功したのである。六ヶ月のテスト期間において、試験例の99.7%でポッド破損時における完全なクローンの再移植に成功した技術 – 今までのどのクローニング産業が達成したものよりも遙かに高い信頼性の水準であった。

 

ここに至り、自由に使える多量の資本を利用して、クローニング企業は絶え間ない狡猾なマーケット戦略により、自社産業が静水カプセルによって脚光を浴びるよう世論を変えようとした。6ヶ月間の徹底的な試験と精力的なマーケティングの後、経神経焼成スキャンインターフェイスは完成し、世論の準備は整った。

 

この出来事と同時に、CONCORDは、カプセル装備艦の操縦許可を持つパイロットごとにクローンの契約を命ずるとともに、製造されたあらゆるカプセルに経神経反響焼成スキャナー (a transneural echo burning scanner) を設置することを要求する法的措置を策定、可決した。この法律に対する公的な根拠として、カプセル装備による生存能力の向上により、未踏の深宇宙だけでなく、技術の最先端のさらなる探求が可能になるからであるという点が挙げられた。もちろん、クローニング企業が巨大企業の後ろ盾をもって法改正を行ったということが広く囁かれたが、これらの意見が完全に証明されることはなかった。

 

実際の原因が何であれ、結果は残った – カプセルとクローンは今や分かちがたく結びつき、法令がそれを強化している。これがPCパイロットの起こりであった。

 

 

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