鳥取大学
鳥取大学の原豊准教授(風車工学・流体工学)が、排気風力発電の実験を行い、その結果をまとめて下さいました。
風車のない場合と比べ、風車を設置すると排気口における風速はわずかに低下し、これによるエネルギー損失は0.06Wです。
一方、風車の発電量は0.226Wであり、損失との差し引きでもプラスとなり、排気の持つエネルギーを回収できていることがわかります。
もっとも、この実験で得られた発電量は小さいですが、その要因として
- 風車は実験用プロトタイプであり、性能が最適化されていない(風速6m/s時に効率7%程度)。
- 風車の大きさや設置位置なども最適化されていない。
- 風速も4m/sと低い。
といったことが挙げられます。各種条件の最適化を進めれば、発電効率の向上も可能と考えられます。
また、テクノ菱和の製品では排気風速8m/s以上を推奨していますし、4m/sというのは発電には不利な条件です。
原先生の研究しておられるバタフライ風車は低風速域での効率向上も期しているそうですので、こちらの進展も期待したいと思います。
テクノ菱和
テクノ菱和については、排気口と風車間の設置距離や風車径の最適点を探った実験結果が公開特許公報に掲載されています。
- 排風を利用した風力発電装置 - 特開2008-2322
これによると、設置距離は排気口径以上にすればダクト内静圧への影響がほぼなくなり、また風車径を排気口径の2倍程度にすると発電効率が最高になり、その場合において気流の持つエネルギーの4割弱を回収できることが示されています。