733 名前: イドゥンと世間話とニニアンおぜうさま [sage] 投稿日: 2008/05/16(金) 23:02:49 ID:X27Qn7sd
~紋章町、路上~
イドゥン (……あら、あれは……)
ニニアン 「ああ、一体どうしたら……」
イドゥン 「ニニアン。電柱の影で何をしているの?」
ニニアン 「い、イドゥンお姉さま……あの、あちらに、あちらに……!」
イドゥン 「エリウッドさんがいらっしゃるわね」
ニニアン 「そ、そうです……折角のチャンスだからお話したいんですけど、できなくて……」
イドゥン 「よく分からないわ。どんな話がしたいの?」
ニニアン 「え? ……ええと……なんでもいいです。お天気のこととか、最近暖かくなってきましたね、とか、
フロリーナさんのお家で新しい天馬が産まれたんですよ、とか、そういう他愛もない……
……でも、わたしはエリウッドさまの前では緊張して上手く」
イドゥン 「そう。では代わりにわたしが言ってきます」
ニニアン 「はい……え? ちょ、お姉さま……!」
慌てるニニアンの前で、イドゥンはスタスタとエリウッドに接近し、5分ほど話し込んだ後に戻ってきた。
イドゥン 「話してきたわ。天気に関しては、『今日はとてもいい天気ですね。イドゥンさんみたいにお散歩するのも悪くないな』と。
暖かくなってきたことに関しては、『そうですね、でも季節の変わり目ですから、風邪を引かないように気をつけてくださいね』と。
それから天馬のことに関しては『ああ、フィオーラから聞きましたよ。可愛いらしいですね』と。
それでわたしも少し興味が湧いたので見てみたいと言ったら、
『僕もフィオーラに誘われているんです。せっかくですから今度一緒に見に行きましょうか』と」
ニニアン 「……」
イドゥン 「わたしもあまり言葉が上手ではないので少し不安だったけれど、
ニニアンが言いたかったことはちゃんと伝わったようで、良かったわ」
ニニアン 「……お姉さまなんか嫌いですーっ!(タタタタタターッ!)」
イドゥン 「……!!」
~その夜、竜王家~
ユリア 「イドゥンお姉さまー! 出てきてくださーい! (ドンドン!)」
ニルス 「あれ、どうしたのみんなして、イドゥンの部屋の前に集まって」
ユリウス 「なんか、『ニニアンに嫌われたのが悲しいので引きこもります』とか言って部屋に閉じこもってな……」
ニルス 「……ニニアン?」
ニニアン 「だって、あんなにあっさりお喋りを……!」
ニルス 「いや、何言ってるのか全然わかんないよ」