AARパーツ考察/PPBの計算方法

Last-modified: 2017-01-14 (土) 15:00:41

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エンジンのPPB

 このページではキャブレタ式エンジンのPPB (出力体積比、power per blocks) の理論値および実際の数値の計算方法について説明します。このページはエンジンのパーツの機能を理解し、エンジンの自作の経験があり、さらなる高性能化を望んでいる方を対象として想定しております。キャブレタ式エンジンがよくわからない方は本wikiのfuel enginesの項、およびsteamガイドにあるエンジンガイドを読んだ上で、5x5xnのエンジンを一度構築してみることをお勧めします。

PPBの計算方法

 まずはエンジンの実際のPPBの計算法を説明します。PPBは100%で稼働しているエンジンの出力を、そのエンジンに使用されているブロックの体積で割ることで計算できます。エンジンを100%で稼働させ続けるためにはインベントリのMiscにあるシールドを設置して、距離、大きさ、効果を最大にする方法が便利です。シールドプロジェクタ1個につき約15000の出力を要求するため、必要に応じて数を増やしましょう。

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 今回例として用いる5x5x7の5200型エンジン。PPF重視の構成なのでPPBの説明には向かない。

 エンジンの占める体積はいちいち数え上げてもよいですが、もっとスマートな方法があります。ブロック数を知りたいエンジンを一旦プレハブに登録し、new objectsからビークル(または要塞か構造物)を新たに作り、プレハブから先ほどのエンジンを置きます。そのうえでVキーのgeneralに表示されている上から4番目の枠にあるVolumeの数字がエンジンの体積です。ただし、new object設置時の最初のブロックが残っている場合はこの数字から1を引いてください。

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 Volumeの数値を用いる。

 この値で100%稼働時の出力を割ればPPBを求めることができます。このエンジンのPPBは

5193/163=31.8

31.8でした。


PPBの理論値の計算方法

 キャブレタ式エンジンでは排気を通したターボチャージャー、またはインラインターボチャージャーをキャブレタに接続することで燃費を改善することができます。また、シリンダには排気管を接続して熱を取り除かなくてはなりません。そこで、以下の2つの条件の下でPPBの理論値を計算していきます。

条件1、全てのキャブレタに1つのターボチャージャーを接続する
条件2、すべてのシリンダに1つのパイプを接続する。

 するとエンジンの占める体積は、キャブレタ1つにつきターボチャージャー(2ブロック)が1つ、シリンダ1つにつき排気管(1ブロック)が1つ必要になるので、次のように計算できます。

(エンジンの占める体積)=(クランクシャフトの数)+(アダプタの数)+(キャブレタの数x3)+(シリンダの数*2)+(ジェネレータの数)

 クランクシャフトの数、アダプタの数さえ数えれば、ジェネレータにカーソルを合わせた時の表示から、シリンダの数と配管やエンジンジェネレータを除くエンジンの総使用ブロック数が分かるので、キャブレタの数を計算することができます。
稼働していないときの表記出力をエンジンの占める体積で割ることで、そのエンジンのPPBの理論値を計算することができます。

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 Carbsはキャブレタのことだが、そのものの個数ではなくシリンダとの接続が認識されている面の数である。

 このエンジンの場合は、クランクシャフトの数は5個、アダプタの数は6個で、シリンダの数は20個。使用パーツ数が45個なので、キャブレタの数は45-(5+6+20)=14個です。表記出力は5200なので、これで理論値が計算できます。

5200/(5+6+14x3+20x2+1)=5200/94=55.3

 この55.3がPBBの理論値です。
 先ほど計算した理論値と実際の値の差はターボチャージャーの数とターボチャージャー同士の接続、排気をまとめるための接続に使う配管に起因するものです。そこでターボチャージャー1つにつき、接続のための配管1つを計算に含めることにより、実現可能なPPBの最大値に近い理論値を計算できます。この理論値の計算ではキャブレタの数にかける値を3ではなく4にして計算することになります。

(エンジンの占める体積)=(クランクシャフトの数)+(アダプタの数)+(キャブレタの数x4)+(シリンダの数*2)+(ジェネレータの数)

 このようにして先ほどのエンジンのPPBの理論値を計算し直してみると次のようになります。

5200/5+6+14x4+20x2+1)=48.15

 以上の2つの計算方式を、ここでは便宜的に3倍方式、4倍方式と呼称することにします。
 5x5xn型エンジンの場合は4倍方式による理論値が実状に近いです。なぜなら、最大出力を達成するブロック配置であれば、ターボチャージャー同士を直接接続することはできないからです。しかし、9x5型などのマルチコアエンジンではターボチャージャー同士が直接接続することがあり得るため、4倍方式による理論値を超えることができます。
 (5x5xn型エンジンであっても、シリンダにターボチャージャーを直付けすることにより、4倍方式による理論値を超えることができます。ただしPPFは悪化し、集合排気ではなくなります)

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 ターボチャージャー同士の熱いキス。摂氏400度。キャブレターの赤と緑の色分けはターボチャージャー同士が直接接続が可能か否かを表す。

 だからと言って3倍方式の理論値を目指すことは無謀です。なぜなら9x5xn型エンジンでは、ターボチャージャー同士の直接接続は2つのエンジンコアに挟まれている面でしかありえないためです。
 ターボチャージャー同士の直接接続が可能なキャブレターの数は、9x5xn型エンジンの場合は総キャブレター数の1/3であり、これを考慮すると9x5xn型エンジンの占める体積の理論値は次のように計算できます。ジェネレーターを長さに含んで9x5x16の大きさのエンジンの場合は、PPBの理論値は55.4になります。

(エンジンの占める体積)=(クランクシャフトの数)+(アダプタの数)+(キャブレタの数x3x(1/3))+(キャブレタの数x4x(1-1/3))+(シリンダの数*2)+(ジェネレータの数)
           =(クランクシャフトの数)+(アダプタの数)+(キャブレタの数x(11/3))+(シリンダの数*2)+(ジェネレータの数)

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 9x5xn型エンジンではターボチャージャーを4つ直接接続していくことも可能ですが、シリンダから排熱できなくなるか、繰り返し単位が増大します

 PPBはあくまでエンジン設計の指標の1つであり、用途により優先すべき構成や性能は異なります。より良いエンジン設計のためには、まずは用途を定めることが必要です。
 求める性能は出力ですか?燃費ですか?スペースを決めて設計することも選択の一つです。皆様のよりよいエンジン盆栽ライフを心より願っております。
補足説明

コメント

  • ∠(`・ω・´)オツカレサマデス!・・・そのまま燃料エンジン項目に移設してもいい出来では・・・!w -- 管理人/びんせんとー? 2017-01-07 (土) 23:06:49
  • PPBの計算方法はtipsに置いてもいいかもしれませんが、初心者がPPBだけで設計するようになってしまったら、それはよくない気もします。 -- Bento_Box? 2017-01-07 (土) 23:13:06
    • ふむむ・・・そういう意味では研究内容の共有的な側面も持たせてみたいこの項目でイイカナー? -- 管理人/びんせんとー? 2017-01-07 (土) 23:25:58