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アンブローズ・アキンムシーレ / Ambrose Akinmusire

Last-modified: 2017-08-08 (火) 20:25:26

僕は50年代のビバップ・プレイヤーの人生なんて生きていないから、あんな音は出せない。(略)そこに良いも悪いもないし、そんなところを取り繕ってもボロが出るだけ。自分に起きたことの全部を受け入れて、真摯に自分の音を探す。(CDジャーナル 2011年6月号)

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編集履歴

バイオグラフィー Edit

1982年カリフォルニア州オークランドでナイジェリア出身の父親とミシシッピ州出身の母親の間に生まれる。
幼少期、教会で4歳から始めたピアノでゴスペルを演奏していたことが、自分の音楽ルーツであると振り返っている。12歳の時音楽の授業が切っ掛けでトランペットを始める(2011, CDジャーナル)。また11歳から1年間ドラムも練習していた(2014, Ottawa Citizen)。
その後14歳の時ベイエリアとオークランドのミュージシャンが主催したジャズプログラムに出席する。彼らは週末には受講者をレコードコレクターのところに連れていき、演奏や理論よりも音楽の歴史を中心に教えていたという。「それが自分の音楽への入り口だった」とアキンムシーレは回想している(2014, Ottawa Citizen)。
地元のジャズシーンにはボビー・ハッチャーソン、ジョー・ヘンダーソンらがいた。

 
師事歴
時期学校・機関教育家主な内容
10代地元ミュージシャンRobert Porter, Eddie Marshall, E.W. Wainwright, Ed Kelly, Khalil Shaheed不明(2017, Jazz Times)
10代後半〜20代前半マンハッタン音楽院不明不明
10代後半(2001年)以降マンハッタン音楽院?ローリー・フリンクトランペット(2014, All About Jazz)
20代前半セロニアス・モンク・インスティチュートハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、テレンス・ブランチャード不明
 

バークレイ高校に進学し、ジャズアンサンブルに所属する。
高校ではジャスティン・ブラウン(1〜4作目参加)、チャールズ・アルトゥラ(3作目参加)、ダイナ・スティーヴンズ、ジョナサン・フィンレイソンなどと知り合う。
また当時、サックス奏者のスティーヴ・コールマンに声をかけられ彼のバンド、ファイブ・エレメンツにフィンレイソンとともに加わる。ファイブ・エレメンツには大学卒業まで所属した。

 

その後、NYのマンハッタン音楽大学に進学。ウォルター・スミス三世(1〜3作目参加)と同じバンドに所属し、大学講師だったジェイソン・モラン(3作目参加)と知り合う。
卒業後は西海岸に戻りロサンゼルスの南カリフォルニア大学の修士課程に進学。同地のセロニアス・モンク・インスティテュートに仲間のウォルター・スミス三世やジョー・サンダーズとともに入り、ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、テレンス・ブランチャードに二年間師事する。また2005年にロサンゼルスの"ミント"で定期的にギグを行っていたハリッシュ・ラガヴァン(1〜4作目参加)と知り合う(2014, Ottawa Citizen)。

 

2007年、セロニアス・モンク・コンペティションで優勝し、同年フレッシュ・サウンド・レーベルより第1作「Prelude…To Cora」をリリース。その後ニューヨークに戻りヴィジェイ・アイヤー、アーロン・パークス、エスペランサ・スポルディング、ジェイソン・モランなどと共演。ブルーノート・レーベルのオーナー、ブルース・ランドヴァルの目に留まり同レーベルと契約する。

 

2011年第2作「When The Heart Emerges Glistening」をリリース。
2014年第3作「The Imagined Savior Is Far Easier to Paint」をリリース。

 

2010年代はじめから故郷のオークランドに住んでいる。

作品 Edit

2008 - Prelude to Cora
2010 - When The Heart Emerges Glistening
2014 - The Imagined Savior Is Far Easier To Paint
2017 - A Rift in Decorum: Live at the Village Vanguard

発言 Edit

音楽観 Edit

僕は50年代のビ・バップ・プレイヤーの人生なんて生きていないから、あんな音は出せない。音楽一家に生まれたわけでもないし、テレビやラジオからヒップホップが流れる地元で育った。そこに良いも悪いもないし、そんなところを取り繕ってもボロが出るだけ。自分に起きたことの全部を受け入れて、真摯に自分の音を探す。アルバムに詰まっているのは僕そのものなんだ」
[CDジャーナル 2011.6]

 

ジャズとヒップホップに対して


ヒップホップの後にジャズを聴いた時はそんなに大きな跳躍だとは思わなかった。両方ともポップミュージックよりもリズムに重点を置いているし、アートフォームを前に押し進めよう、何か新しいものを見つけようという考え方を信じているしね。(2011, JazzTimes)

 

『The Imagined Savior』でストリングスを使っている事を聞かれて


最新作ではあることを試したかったんだ。僕は長い間、ジャズにサスティンが足りないという事に対処しようとしてきた。大抵のジャズ楽器は、音をとても長く伸ばすことができない。ドラム、ピアノ、ベース、ギター、それにトランペットでさえ長時間(音を)出し続けることができない。だからストリングスを入れて、長く持続させてみてはどうかと考えたんだ。もしくはループペダルを使ってセオ・ブレックマンにヴォイスをレイヤリングしてもらってはと。僕は無音の瞬間がほとんど訪れないアルバムを作りたかったんだ。それがこのアルバムで音響的(sonically)な意味で取り組んでいることさ。
(2017, Liquid Music: On my last album...on that album sonically.)

 

作曲方法


楽曲は短い物語や文章をベースに作っている。シド・フィールドの映画脚本についての教本『Screenplay』も参考にしている。「そういったやり方は本当にクールな作曲方法だと思ってる。僕はジャズやインプロヴァイズド・ミュージックの一般的な形式から逃れたかったんだ。(略)今はキャラクターの動かし方[character development]を研究している。全ての物語で、キャラクターを作り彼らのバックストーリーを解き明かそうと試みるわけじゃない。(だけど)いくつかの曲はそういったやり方で書こうとしているんだ」また映画音楽的な手法でアルバムを作るテレンス・ブランチャードとは関係がないと言っている。
(2014, Ottawa Citizen: You wrote a short story...with Terence is doing.)

 

即興について


(2011, JazzTimes; Other than those two exceptions...And I mean anything.)

影響源 Edit

ヴォーカリスト


女性ヴォーカリストに大きな影響を受けている。
「トランペットの音域で演奏することを除いて、僕は女声の歌声のように、またあらゆる言語のように演奏している。男性の歌声よりも多くのエモーションを乗せることができるからね」(2014, Ottawa Citizen)
「フィメール・ヴォイスには本当に惹きつけられているんだ。トランペットと同じ音域だしね。同じ理由で僕はチェロにも惹かれる」(2014, NPR)
最大の影響源はジョニ・ミッチェル。他にもビョーク、サラ・ヴォーン、ビリー・ホリデイ、エラ・フィッツジェラルド(2014, NPR)、クリスティーナ・アギレラ、ハンネ・ヒュッケルバーグ((2014, The Title)を高く評価している。
同時代のシンガーではセオ・ブレックマン、ベッカ・スティーヴンス、コールド・スペックスが好き。(LondonJazz, 2015)

 

トランペッター


ローリー・フリンク(Laurie Frink, 2013年没)には2001年にマンハッタン音楽院で出会って以来、何回もレッスンを受けている。デビュー以降もNY時代はツアーに行く前にレッスンをつけてもらっていた(2014, All About Jazz)。
『When The Heart Emerges Glistening』ライナーノートではブッカー・リトル、ケニー・ドーハム、クリフォード・ブラウンの名前をあげている。

 

マイルス・デイヴィス・クインテットについて


(2012, JazzTimes: his particular group is amazing...So I’m good.)

好きな音楽 Edit

好きな音楽家・作品
時期音楽家・作品ジャンル
幼少期〜10代前半スヌープ・ドッグ(2011, JazzTimes)
母からの影響: アレサ・フランクリン『Amazing Grace』、ジェイムズ・クリーヴランド、ボビー・ブランド
父からの影響: ナイジェリア音楽、キング・サニー・アデ、フェラ・クティ(2017, Liquid Music)
ゴスペル、ヒップホップ、ファンクなどのブラック・ミュージック
不明Jディラ、フライング・ロータスビートミュージック(2011, The New York Times)
ダーティー・プロジェクターズ、レディオヘッドアートロック(2011, The New York Times)
ショパン、サティ、シューベルトクラシック(2011, The New York Times)
ジョアンナ・ニューサムシンガー・ソングライター(2011, The New York Times)
 

音楽以外で(2011, The New York Times)


ジェイムズ・ボールドウィン、マヤ・アンジェロウ、アントン・チェーホフ、ジョージ・レナード

 
  • 弦楽四重奏の作曲家ではラヴェルが最も好き。メロディック・デベロップメントとオーケストレーションのセンスを評価している。(2014, NPR)

他のミュージシャンについて Edit

ケニー・ウィーラーからの影響を指摘されて


彼の『Music for small and large ensembles』、『Angel Song』、『Gnu High』は大好きだ。だけどウィーラーから影響を受けたことはないんだ。思うんだけど、リスナーは僕の演奏と彼の演奏にブッカー・リトルの存在を聴き取っているんじゃないかな。リトルは僕に大きな影響を与えているし、ウィーラーもリトルから影響を受けたと聞いたからね。
(LondonJazz, 2015)

評価 Edit

訳語 Edit

All About Jazzでは発音を「ah-kin-MOO-sir-ee」と書いている(2014, All About Jazz)。日本語表記では「アキンムサリ」が近い。ただし本サイトでは日本での浸透率から「アキンムシーレ」を採用している。

脚注 Edit

雑誌 Edit

(2011.6)CDジャーナル

ウェブサイト Edit

(2011) JazzTimes by Geoffrey Himes
(2011) The New York Times by Nate Chinen
(2012) JazzTimes by Ashley Kahn
(2014) Ottawa Citizen by Peter Hum
(2014) The Boston Globe by Jeremy D. Goodwin
(2014) NPR
(2014) All About Jazz by DanMichael Reyes
(2014) LondonJazz by ?
(2017) Liquid Music by JP Merz
(2017) Jazz Times by Lee Mergner