アズカバンの囚人/PoA-notes3

Last-modified: 2023-07-11 (火) 15:57:15


うっちゃり

3巻12章
“かの有名な殺し屋が、チームのシーカーを狙っているという話は
 うっちゃったまま、ウッドが言った。”

4巻1章
“フランクはヤカンをその場にうっちゃり、痛む足の許す限り・・・”

「捨てる」とか「ほうっておく」って意味でつかってるみたいだけど、
標準語じゃないだろ、そんな言い方。
地の文に使うなよ orz

「うっちゃる」も「ほったらかす」も広辞苑に載ってはいるけど口語的な表現だよね。
「打ち捨てる」「放る」「脇に置く」などほかに地の文にふさわしい言い方があるのに
使うべきじゃないと思う。
相撲の決まり手である「うっちゃり」を「振り落とすこと」という意味で使うのは論外。

3巻なんだけど、ファイアボルトにかけられているかも取れない呪いを調べるという話で
「うっちゃりの呪い」って・・・何?
うっちゃりって、相撲のうっちゃり?

3巻、ファイアボルトにかけられているかもしれない呪いの訳で
「うっちゃりの呪い」って…ひどすぎるね。
原語はHurling Hex
たぶん箒から放り出されるといった意味だと思うので「振り落とし」くらいでいいのでは。

うっちゃりは土俵際で相手を投げ飛ばす相撲の決まり手。
転じて土壇場で形勢を逆転させるという意味もあるが…
どちらにしても魔法の箒にかけられる呪いとは何の関係もなさそう。
たしかに「振り落としの呪い」くらいでよさそうなものなのに。
なんでそんなワケのわからない訳にしたのだろうね。
さすがは謎の翻訳者というべきか…w

松岡さん「うっちゃり」とかよく使うよね。

Hurling Hex 「うっちゃりの呪い」

「かの有名な殺し屋が、チームのシーカーを狙っているという話は
 うっちゃったまま、ウッドが言った。」(邦版3巻12章p305)

「フランクはヤカンをその場にうっちゃり、痛む足の許す限り(略)」(邦版4巻1章p12)

「そっちのけ」や「放り出して」とかでいいんでない?

まだ病気

些細なことなんだけど。
3巻で、ルーピンが満月前後に具合が悪い話で
「ルーピンはまた(“まだ”だったかな?)病気みたい」というのにすごく違和感があった。
「また具合が悪いみたい」「また調子悪いらしい」っていくらでも言い方はあるのに
sickといったら「病気」という訳語しかないのかと思った。

吸魂鬼祓い

>p316「吸魂鬼祓いの練習―」→「吸魂鬼防衛術の練習―」(350)
吸魂鬼防衛術の練習??
これ、吸魂鬼を防衛する術の練習って意味になっちゃわないか?
ちなみに原文:Anti-Dementor lessons(UK p174)

言われるまで語呂が悪いなぁぐらいしか考えてなかったけど、確かにそうだ。
吸魂鬼を守っちゃってるね。
「闇の魔術に対する防衛術」の「防衛術」は、正しい意味に使われてるのに。

>吸魂鬼を守っちゃってるね。
ちょ、ちょっと待てwww 「ミサイル防衛」はミサイルを守るのかwwwミサイル「から」守るだろwww
「A+防衛」の場合は「Aから守る」のと「Aを守る」の二つがあるに決まってるだろww

英語ではMissile-DefenseとAnti-Missileでは大違いだが
日本語では一緒くたにしていうんだね。
でもミサイル防衛はちょっと特殊っぽい言い方で
普通は祖国を防衛するとかタイトルを防衛するとか
「Aを守る」の意味に使うことが多いような気がするけどね。

>でもミサイル防衛はちょっと特殊っぽい言い方で
ちょっと検索してみたところ、
「~を防衛する」「~に対して防衛する」って使うのが普通みたい。
「ミサイル防衛」は、Missile Defenseを日本語にするときに、
どっかのお役人がDefense=防衛と思って、適当に訳したのかも。
ほかに「ミサイル防衛」みたいな「防衛」の使い方あったっけ?
「対ミサイル防衛」とすべきだったのでは?
だから「対吸魂鬼防衛術」?

>「~を防衛する」「~に対して防衛する」って使うのが普通みたい。
そうだよね。他にもミサイル防衛みたいな言葉あるかもしれないが
一般的にはそういう使い方が普通だと思う。
Anti-Dementor lessonsは別にたくさん出てくる言葉じゃないみたいだし
「吸魂鬼から身を守る練習」としても良かったのじゃないかと思う。

刺々した文字

(5巻タブから)
上のルーン文字の件読んでなんかモヤモヤしてるものが
3巻あたりであったように思って読み返したら見つけた。

(12章の最後、326ページ)
ロンはハーマイオニーの翻訳文の上に何かを投げつけた。ハーマイオニーと
ハリーが覗き込んだ。奇妙な刺々した文字の上に、落ちていたのは、数本の
長いオレンジ色の猫の毛だった。

スキャバ―ズがクルックシャンクスに食われたと思ったロンが、猫の毛を投げつけたところ。
前のページにハーが「古代ルーン語」の翻訳をしているとあるのでこれはそのノートだと思う。
ハーの文字が刺々してるのかと思ったが、もしかしてルーン文字だから尖ってるのか!

原文:Ron threw something down on to Hermione's Rune translation.
Hermione and Harry leant forward. Lying on top of the weird,
spiky shapes were several long, ginger cat hairs.(UK版p186)

Hermione's Rune translation は「翻訳文」じゃなくて
呪文か何かをルーン文字で書き表したものっぽいな・・・。
weird, spiky shapes は「神秘的な釘のような形(の文字)」みたいに
訳すべきじゃないかな。明らかにマグルのルーン文字の特徴だね。
でもこの訳ではハーマイオニーの筆記の特徴が刺々してるみたいw

だね。
あと、ロンが猫の毛を「投げつけた」にも違和感があったんだ。
ボールみたいなものならともかく、猫の毛みたなフワフワしたものを
投げつけると言う表現するかな、と。
threw down なら「放り投げた」とかにできないもんかな。

そういや「投げつけた」も変だね。
「投げ捨てた」とか?

あとlong, ginger cat hairs はなんで「長いオレンジ色の毛」?
長い赤茶猫の毛だと思うけど。
クルックシャンクスの毛色のorangeは「茶色」って訳すべきなのに
オレンジ色にしてきたせいか・・・orz

魔法界だからいろんな色の猫がいるんだと思ってたorz

ええー。あの猫ってオレンジ色じゃないの?
ずっとそう書いてあったから、信じてた。
映画の猫の色はくすんでるなと思ってたよ。

英語じゃ茶色い毛の猫のことを「オレンジ」というんだってな
うちには茶トラ猫がいるけど、それだと「オレンジタビー」ってことになるらしい
ずっと前に猫のサイトで見た覚えがある

外国人が「青リンゴ」を「ブルーアップル」って訳すような間違い?
これは「グリーンアップル」にしないとね。
こういう色名の揺れはどこの国にもあるから気をつけないと。

なんだかな、魔法界だからそういうこともありなんだろう・・・
って自分を納得させてたけど、実際は全然違うって言う例が
ものすごくいっぱいありそうだ。

英語でジンジャーヘアーっていうと、赤毛か赤茶色もしくは薄い赤茶色の髪。
ぬこの場合は、まあふつーにそのへんにいる薄茶~茶色の毛だわな。
それを邦訳でオレンジはないだろうオレンジはw
日本人がオレンジ色って聞いたら、普通はいわゆる橙色を思い浮かべるよなぁ…

つーか回転さんの文章は特に色彩の描写が多いのも特徴なんだから
色ぐらいはせめてちゃんと訳して欲しいよゆうこりん。

車酔いで顔色が悪くなってる魔女(faintly green witch)を緑色の顔の魔女と
訳した人なので、オレンジ色のネコぐらい許してあげてくださいwwww

当たるところ

3巻13章331p

みんなが地上に降り立つと、ウッドは一言も文句のつけようがなかった。
ジョージ・ウィーズリーが、そんなことは前代未聞だと言った。
「明日は、当たるところ敵なしだ!」
文頭と文末がうまくつながってない感じ。こそあどの使い方もなんか妙。
それと、『向かうところ』じゃないのかな?
原書だと何かひねった台詞になってるから
あえて『当たるところ』にしてあるの?
>それと、『向かうところ』じゃないのかな?

まじ、笑ってしまったw
ほんと、そのとおりだよね
やっぱりプロ校正者雇わないで、自分たちだけでチェックしてるとしか思えない

「一言も文句のつけようがなかった」という表現ももたついているよね。

あと「前代未聞」というのも不祥事のときとかに良く使われる言葉でここにはふさわしくないような。
…and by the time they hit the ground again, Wood didn’t make a single criticism to make,
which, as George Weasley pointed out, was a first.
‘I can’t see what’s going to stop us tomorrow!’(UK 189)
★皆が再び地上に降りたったとき、ウッドは一言も文句を言わなかった。
こんなことは初めてだとジョージ・ウィーズリーが言った。
「明日は向かうところ敵なしだぞ!」

異常なお節介

3巻14章で夜中に忍びの地図を持って徘徊していたハリーをスネイプが見つけるシーン
忍びの地図に浮かび出てきた4人の文章のうちのムーニーの部分、
abnormally large noseって、ワームテールの髪を洗え、と同じく
個人の容姿攻撃入ったイヤミな言葉遣いだと思うんだけど、
そこが「異常なお節介」と濁されてるのはイマイチ。
意味は通じるけど、あえて「鼻」に言及した部分は活かしておかないと。

こういう、ムーニーにもイヤミなところがあるってのは別にそのまま出していてもいいのでは?
5巻の過去エピソードでもけっして「いい子」じゃないルーピンの姿は出ているし。
逆に、こういうイヤミなところが消されていたから、
5巻邦訳版発売時の過剰なルーピンたたきが出てきたのかな、とか。

8同様、登場人物の性格付けが変わるような改変はよろしくないかと。

あれは、容姿と性格の両方をかけてる言い方だと思うよ。
他人のことにいちいち干渉したがったり、詮索したりする人のことを
nosy(noseが語源)って表現するから・・・・・・。
そういう人のことをbig noseって呼ぶのは割と普通の表現。

容姿と性格の両方にかけた言葉遣いをいかすなら、
「他人事にそのデカイ鼻を突っ込むのをやめろ」とか?

あ、いいね、その感じ!
でもルーピンなので、言い方はやっぱりあくまでもていねいなんだよね。
「他人事にその非常に大きな鼻を突っ込むのをやめてください」って感じかな?

「その異常に大きな鼻を他人事に突っ込むのをおやめください」って感じ?>ルーピン

あそこはバカ丁寧と言うか慇懃無礼な言葉づかいが好きなので、
「その異常に大きな鼻を他人事に突っ込むのをやめていただきたい」あたりはどうか?
松岡訳の「お控えくださるよう、切にお願いいたす次第」でも悪くない。

神秘の震え

「あなたがたは、未来を透視する神秘の震えを乱していますわ」(3巻15章 p387)
‘You are disturbing the clairvoyant vibrations!’(UK p219)

水晶占いの授業にて。
ばかばかしいと思って談笑してしまった三人組に対するトレローニーの反応。

clairvoyantを「未来を透視する~」としたのはまあいいけれど
vibrationsを「神秘の震え」っていうのが苦しすぎる。なんだよ~「神秘の震え」ってw

この場合のvibrationは「震え」ではなくて「霊気」とかに近い意味だと思う。
透視のためには静かに気を張りつめなければければならないのに
三人がそれを乱してしまったと怒っているのだろう。

『あなた方は、透視に必要な集中の気を乱しています』とでもすればどうかな。

あと前後するけどおなじくトレローニーのセリフ。

「~未来の響きへの感受性というものがほとんどございませんわ」(3巻 6章 p142)
‘…Very little receptivity to the resonances of the future.’(UK p83)

ハーマイオニーへの言葉。
receptivity to the resonances of the future=「未来の響きへの感受性」って
まんま直訳でなんとなく意味がわからなくもないけどやっぱり苦しい。
『未来と共鳴し受け入れる感性』とでもすればもっとすんなり読めると思う。

試訳のほうは霊能力みたいなのに全然興味ない人には
確かにわかりづらいかもしれないな。
特に「未来と共鳴し・・・」ってところがわかりづらいかも?
でもトレローニーの言わんとしてることには近い訳と言えるかもしれない。
邦訳のほうは相変わらず、深い意味を考えずに直訳しただけって感じ。
特に「震え」と「響き」が訳してる本人もワケわかんないまま適当に言葉を
あてはめてるみたい。
よって、自分としては試訳のほうに白星あげたいw

vibrationは「波動」というか、音が空気を震わせるみたいに
神秘的な力が及ぼすなにがしかの影響に対して云々という話なんだろうね。
難しい訳だけど震えが乱れるというよく分からん訳よりは>17の方が的確だと思う。
うーん「千里を見通す神秘の波動を濁していますわ」とか・・・?難しいねこれ。

>18に関しては原著も改訳もあまり変わらないかも?
トレローニーのセリフはいちいち回りくどくてわかりにくいのがキャラクターとしても正確だと思うから
日本語としての明確な間違いでなければ誰が訳しても似たようなものかもね。

ああ、でも、感受性がほとんどない、というのは少しおかしいかもしれない。
感受性があるとか感受性がないという言い回しはしないような。
感受性に乏しい、という言い方ならするかな。
「未来の予兆に対する感受性に欠けてらっしゃるのですわ」とかかなあ。

このvibrationを「神秘の震え」としたのはskinを「赤むけ」にしたのとちょっと似たような印象を受けた。
つまり訳語の取り間違いで、自分的には限りなく誤訳に近い珍訳だと思う。

このvibrationの訳は確かに「気」みたいな意味の方でしょう。
(辞書には「霊気」とか「直感的に感じる雰囲気」とか載ってるね)
したがってthe clairvoyant vibrationsは「透視のための気」でいいと思うけど
「透視に必要な集中の気」くらいの意訳はOKだと思うよ。

でもreceptivity to the resonances of the futureが『未来と共鳴し受け入れる感性』というのは
精神世界が好きな私にはわかるけどw他の人にはちょっと難しいのかなぁ。
直訳に近いとこで「未来の波動を感じる力」とかどう?
「波動」なら邦訳の「響き」より、時空を超えて伝わってくるという感じがあるから。
トレローニーが言いたいのは占いをする人は「未来からのエネルギーを受け取る力がないと」
みたいなことだと思うので。

まあ原書のトレローニーのセリフからして神秘系に免疫がないとわかりにくいのは確か。
それにしてもやっぱ邦訳は工夫が足りなすぎだよね。

邦訳:「あなたがたは、未来を透視する神秘の震えを乱していますわ」(3巻15章 p387)
原文:‘You are disturbing the clairvoyant vibrations!’(UK p219)
試訳:「あなた方は、透視に必要な集中の気を乱していますわ」

水晶占いの授業にて。
ばかばかしいと思って談笑してしまった三人組に対するトレローニーの反応。
clairvoyantを「未来を透視する~」としたのはまあいいけれど
vibrationsを「神秘の震え」というのがいかにも苦しい。
このvibrationは「震え」という意味ではなく、「気」のような意味。
(辞書には「霊気」とか「直感的に感じる雰囲気」などと載ってる。
つまり辞書の訳語を選び間違えているので限りなく単純誤訳に近い)
したがってthe clairvoyant vibrationsは「透視のための気」でいいと思うけど
「透視に必要な集中の気」くらいに意訳してもいいかもしれない。

邦訳:「~未来の響きへの感受性というものがほとんどございませんわ」(3巻 6章 p142)
原文:‘…Very little receptivity to the resonances of the future.’(UK p83)
試訳:「~未来からの波動を感じる力というものがほとんどありませんのね」
試訳2:「~未来の予兆に対する感受性に欠けてらっしゃるのですわ」

ハーマイオニーへの言葉。
トレローニーが言いたいのは占いをする人は「未来からのエネルギーを受け取る力がない」
みたいなことではないか。
「波動」なら邦訳の「響き」より、時空を超えて伝わってくるという感じがあるから
上のように訳してみたが、試訳2のようにかなり意訳してしまってもいいかもしれない。
原書のトレローニーのセリフからして神秘系に免疫がないとわかりにくいのは確かだが
邦訳は深い意味を考えずただ直訳したという感じを受ける。

「未来からのエネルギーを受け取る力がない」、ではなく、「・・・・力が必要」ってことではない?
あるいは、ハーマイオニーには「未来からのエネルギーを受け取る力がない」か・・・・。
個人的には>>137の解説のほうがわかりやすい気がするんだが・・・・。

>「未来からのエネルギーを受け取る力がない」、ではなく、「・・・・力が必要」ってことではない?
いえ。邦訳か原文を読んでください。
ここでトレローニ先生はハーマイオニーを見限ったような言い方をしています。
でもこのくだりはどう説明しても難しいところなのであえてまとめサイトなどに出さなくてもいいかもしれません。

最終(?)まとめ案

邦訳:「あなたがたは、未来を透視する神秘の震えを乱していますわ」(3巻15章 p387)
原文:‘You are disturbing the clairvoyant vibrations!’(UK p219)
試訳:「あなた方は、透視に必要な霊気を乱していますわ」

水晶占いの授業にて。
ばかばかしいと思って談笑してしまった三人組に対するトレローニーの反応。
clairvoyantを「未来を透視する~」としたのはまあいいけれど
vibrationsを「神秘の震え」というのがいかにも苦しい。
vibrationは「震え」という意味のほかに「霊気」「直感的に感じる雰囲気」
などの意味がある。これは明らかに「霊気」の方だろう。

おおおおお

よくいわれるのが3巻でハーマイオニーが占い学をやめる場面の
ラベンダーの「おおおおお!」(15章)
(トレローニーの予言が当たったと思って感心してるとこ)
原文は Ooooo! で、これは以前のまとめサイトでは間違えて Oooooh! になってるけど、
実は h がつかないとこがミソ。
今どきのイギリスの若い女の子がよくやる感嘆の声で「うぅ~~」って口とがらせていう感じで
日本の女の子が感心して「わ~ぁ」「ふぅ~~ん、そ~かぁ~」とやるようなニュアンスらしい。
たとえ h つきで Oooooh! になってたとしても「おおおおお!」ってのは日本語として不自然だから
「わあぁぁぁ!」とか女の子なら「まあぁぁぁ!」とかいくらでも訳し方があると思う。
原文でoが5つつながってるから日本語も「おおおおお」ってのは
いくらなんでもそのまんますぎじゃまいか。

アズカバン15章のラベンダーは酷かったよな

「おおおおお!」
「おおおおおおお、トレローニー先生。~略」

“Ooooo!”
“Oooooo, Professor Trelawney,~”

てっきり「お」と“O”の数を一致させてるのかと思ったが
違ってたw

いつにも増して青い顔

>いつにも増して青い顔をしている(マルフォイが)(15章p395)

キックオフ

>「キックオフはいい蹴りができる」(p395)
  クィディッチで足は使わないのでは?

>「キックオフはいい蹴りができる」(p395)
 15章だね。朝食を食べて大広間から競技場へ行ったとこのウッドのセリフ
 「よーし……風らしい風もなし……太陽は少しまぶしいな。
  目が眩むかもしれないから用心しろよ……グラウンドはかなりしっかりしてる。
  よし、キック・オフはいい蹴りができる……」

>「…グラウンドはかなりしっかりしてる。キックオフはいい蹴りができる……」
(3巻15章p395)

‘...ground's fairly hard, good, that'll give us a fast kick-off...’(UK p224)

ゲームに備えてピッチの様子確認してるウッドのセリフ
この「いい蹴りができる」というの私も気になってたんだけど
たぶん「試合開始のときしっかり地面が蹴れる」という意味なんだろうけど
やっぱり「あれ、サッカーだったっけ?」wという印象も否めない。
あとfastには「しっかりした」という意味もあるけど、しっかり地面を蹴れば
速く飛び上がれるわけだから「すばやい試合開始になるぞ」とかいうんじゃダメだろうか。
 

>「試合開始のときしっかり地面が蹴れる」という意味なんだろうけど
そうだよね。
サッカーだったらボールを「蹴る」ことで試合開始、という意味のkick-offだけど、
クイディッチは地面を蹴って飛び上がることで試合開始、という意味のkick-offだよね。
わざわざサッカーでなじみのあるKick-offという言葉を使ったのは、
JKRによる一種のシャレみたいなものなんじゃないだろうか?

もしそのまま生かすんだったら、「キックオフの時、勢いよく飛び上がれるぞ」と
してみたらどうだろう?
「キックオフ」に続いて「いい蹴りができる」なんて言葉をつなげるから
まるでサッカーみたいな印象になっちゃってるんだと思うんだけど。

キックオフは(試合)開始という意味ではあるけれど
やはり日本ではサッカーなどでしか使っていないので混乱の元だと思う。
「飛びあがる」といえばクィディッチでは試合開始のことだとわかるし
ここではわざわざキックオフを使わなくてもいいような気もするな。

「グラウンドはかなりしっかりしてるな。これなら勢いよく飛び上がれるぞ。」
でいいんじゃないかな。

・まとめ案

邦訳:「…グラウンドはかなりしっかりしてる。キックオフはいい蹴りができる……」
    (3巻15章p395)
原文:‘...ground's fairly hard, good, that'll give us a fast kick-off...’(UK p224)
試訳:「…グラウンドはかなりしっかりしているな。これなら勢いよく飛び上がれるぞ。…」

ゲームに備えてピッチの様子を確認しているウッドのセリフ。
「試合開始のときしっかり地面が蹴れる」という意味なのはわかるが
キックオフ(試合開始)、「蹴り」という言葉がサッカーを連想させるので
何かの間違いかと思った読者もいたようだ。
クィディッチでは「飛びあがる」といえば試合開始のことだとわかるので
試訳のようにすれば誤解は避けられたはず。

ぶっとんだ

>フーチ先生が怒りでぶっとんだ(15章p402)
 ぶっ飛んだ…

スリザリンとのクィディッチ優勝戦
>フーチ先生が怒りでぶっとんだ(15章p402)
>>ボールとデリックが双子のいないすきを突き、ブラッジャーでウッドを狙い撃ちした。
  二個とも続けてウッドの腹に命中し、ウッドはウッと言って宙返りし、かろうじて箒にしがみついた。
  フーチ先生が怒りでぶっとんだ。

>フーチ先生が怒りでぶっとんだ
なんとも「現代的」な表現ですなw

>フーチ先生が怒りでぶっとんだ(15章p402)

Madam Hooch was beside helself.(UK p228)

「フーチ先生は怒りで我を忘れた」「フーチ先生は逆上した」って感じか。
「ぶっとんだ」なんてマンガ的なことを書けば子供に受けるとでも思ったのかな。

・まとめ案

邦訳:フーチ先生が怒りでぶっとんだ(15章p402)
原文:Madam Hooch was beside helself.(UK p228)
試訳:フーチ先生は怒りで我を忘れた。/フーチ先生は逆上した。

「ぶっとんだ」はあまりにもマンガ的で品がない。

文法学

ネタ風味ばかりじゃ悪いのでどうやら明らかなミスをひとつ。
ハーマイオニーの本に「数秘学と文法学」というのが出てくる。(p409)
数秘学はともかく「文法学」が平凡すぎるので原書を見て調べたら
Grammatica-古代文献学(文法研究を含む)の間違い。

古い文献を解読しながら数秘学を学ぶための本なのだろう。
小さなミスではあるけれど、こんな大層な本を持ち歩いてるところに
ハーらしさが出てると思うので、文法学ごときに変えないで欲しい。

松岡先生…せめてマメに辞書引いてくださいよ、辞書。…orz

>古い文献を解読しながら数秘学を学ぶための本なのだろう。

それ、邦訳読んだ人はわかりにくいよね。
関連づけることが出来ず、別々の本と思っちゃう。

「数秘学と文法学」

「古文書読解で学ぶ数秘術」
「古代文献解釈による数秘学」
「数秘術のための古代文献読解法」

「古代文献に学ぶ数秘術」なんていいかもしれない。
それにしてもGrammarと似てるからGrammaticaを
文法学にしてしまうなんて乱暴。
数秘術と文法にどんなつながりがあるか、文法学なんて
魔法学校でやることか、すぐに変だと気づきそうなものだ。

ご主人様

既出かもしれないが個人的には「俺様」についで
闇の帝王ヴォルデモート卿のイメージを大きく損ねているものの一つだと思う
三巻の霊媒状態のおどろおどろしいトレローニーの予言のところ
「…その召使は自由の身となり、ご主人様の元に馳せ参ずるであろう
…召使が…ご主人様の元に…馳せ参ずるであろう…」
四巻のワームテールの復活の儀式で暗黒魔術の呪文みたいなところ
「しもべの肉 喜んで差し出されん しもべはご主人様を蘇らせん」
その他にも四巻最後の墓場のシーンでもたくさん出てきて雰囲気ぶち壊し
凶悪な殺人鬼であるデスイーター達がそろいもそろって
「ご主人様、ご主人様」って…おまいらメイドかよっ!?
ただ唯一おかしくないのは五巻の神秘部の戦いでハリーがベラトリックスに
「予言は砕けた、お前のご主人様にそう言え!」のところは相手を
バカにしてる感じがして良かったけど…

「我が主」「我が君」でいいと思う。
それにマイロードのルビをふるとかね
我が主(マイロード)」でハリーのところだけ「ご主人様(マイロード)
ってやると面白いと思う。

あと細かいけど、四巻の最初のほうのヴォルデモートの「なんで」発言
闇の帝王なんだから「なぜ」にしろよ

3巻読んでたら、噂の「ご主人様」に遭遇した
トレローニー先生の予言の場面

(16章・p419)
「今夜、真夜中になる前、その召使いは自由の身となり、ご主人様のもとに馳せ参ずるであろう」
「今夜だ……真夜中前……召使いが……そのご主人様の……もとに……馳せ参ずるであろう……」

と、おどろおどろしい俺様フォントで書いてある
どうも締まらない

あのフォントは子供だましっぽさを強調してるよね

(UK版 PB P349)
“Tonight, before midnight, the servant will break free and set out to rejoin his master.”
“Tonight ... before midnight ... the servant ... will set out ... to rejoin ... his master ...”

英語だと意外と言葉が軽くてガッカリすることがある
masterかよwって思ってしまったw

松岡さんは重々しい雰囲気を出そうとしたんだろうけど、
なんか言葉の選び方が間抜けなんだよな
今夜→今宵、召使い→しもべ(僕、下僕)、自由の身→解き放たれ、ではどうかな?

ご主人様っていうのはservant視点ならともかく
第三者の予言で「ご主人様」はおかしいなあw

servant視点なら、ベラ達の「我が君」は良いチョイスだったと思う。
第三者的な表現では「(あるじ)僕・下僕(しもべ)」あたりが適切じゃないかな。

今夜→今宵、召使い→しもべ(僕、下僕)、自由の身→解き放たれ

おどろおどろしいフォントよりこういう言葉のチョイスのが雰囲気出るよね
でもmasterで軽いと思うのは日本語のカタカナ感覚の干渉じゃないかな?
どう考えても「ご主人様」の方が変。「主人」「(あるじ)」ならいいね >845
「召使い」っていうのも家事の使用人イメージが強い

控訴

微妙な日本語といえばヒッポグリフの裁判のときの
ハグリットからの手紙「控訴に敗れた」。
間違ってはない。間違ってはないけど敗訴したでいいじゃないか…
ハグリットは知的なタイプじゃないからわざとなのかと悩んだよ

呪文のように

>広い校庭に出るころには、闇がとっぷりと呪文のように三人を覆った。(3巻17章p430)
>By the time they reached open ground, darkness was settling like a spell around them.(UK p244)
「魔法のように」ならわかるけど、「呪文のように」は変じゃない?

Spellという言葉は呪文だけじゃなくって、魔法とか魔力って意味もありますね。
「魔法のように」でも、「魔術のように」、「魔法のように」でもいいでしょうね。
呪文が覆う、という表現は日本語としてヘンですねw

「呪文のように覆った」は変。Spellという言葉は呪文だけではなく、魔法、魔力という意味もある。
ここは「魔法のように覆った」などとすべき。

殺人パンチ

>3巻17章P433 …ハリーは大声を出し、あとを追おうとしたが、太い枝が
空を切って殺人パンチを飛ばし

UK P246
Harry shouted, trying to follow, but a heavy branch whipped lethally through the air'

whipped lethallyを「殺人パンチ」に・・・・orz
意味は間違いじゃないけど、なんとも安易で安っぽい訳語ですね。

「太い枝が恐ろしいほどの勢いで打ちつけてきた(または、襲ってきた?)」
としたほうが原文のイメージに近いかな?

試訳:ハリーは大声を出しあとを追おうとしたが、太い枝が恐ろしい勢いで飛んできたので~

whipped lethallyの訳として「殺人パンチ」は間違いとはいえないが、
表現が安っぽくて児童文学にふさわしいとはいえない。

ずいーっと

>p436「窓をズーッと見回していた。」→「窓をずいーっと見回していた。」(487)
「ずいーっと」見回す・・・?
相変わらずですなw

「ずいーっと」見回す、という言い方が古くさすぎる(しかも口語的過ぎる?)という
指摘も入れたほうがいいと思う。
すみません、英語版持ってないんで、そこ原語でどうなってるかだれかヘルプ!

邦訳:目を見開き、ハーマイオニーは板の打ちつけられた窓をズーッと見回していた。(3巻p436)
目を見開き、ハーマイオニーは板の打ちつけられた窓をずいーっと見回していた。(携帯版
原文:Her wide eyes were travelling around the boarded windows.(UK p247)
試訳1:彼女は大きく目を見開き、板の打ちつけられた窓をぐるぐる見回していた。
試訳2:彼女大きく目を見開き、その視線は板の打ちつけられた窓をさまよっていた。

ロンとパッドフットを追って叫びの屋敷に入ってしまったシーン。
邦訳のずいーっと(ズーッと)見回したという表現は古臭くておかしいばかりでなく
動揺しておびえているハーマイオニーの様子がまるで伝わっていない。

試訳1が普通かもしれないけど2みたいにするとハーマイオニーの動揺が伝わると思ったんだがどう?
「彼女の大きく見開かれた瞳が板の打ちつけられた窓をさまよっていた」でもいいかもしれない。
厳密には瞳や目がさまようのは少しおかしいけれどね。
それにしてもこんなシーンで「ずいーっと」みたいなギャグを放つとはw

「彼女は目を大きく見開き、板の打ち付けられたあちこちの窓を見回した。」ではどう?
かなり意訳っぽいけど、いくつもある窓がどれも板打ち付けられてるのを見てるわけだから、
このほうが日本語としては自然な気がするんだが・・・・。

たしかに窓はいくつもあるんだよね。
日本語は複数形がないからこんなとき不便だね。
「板の打ちつけられたいくつもの窓を見回していた」としてもいいかもしれない。

まとめ案

邦訳:目を見開き、ハーマイオニーは板の打ちつけられた窓をズーッと見回していた。(3巻p436)
目を見開き、ハーマイオニーは板の打ちつけられた窓をずいーっと見回していた。(携帯版
原文:Her wide eyes were travelling around the boarded windows.(UK p247)
試訳:彼女は大きく目を見開き、板の打ちつけられた窓を一つひとつ見回していた。

ロンとパッドフットを追って叫びの屋敷に入ってしまったシーン。
邦訳のずいーっと(ズーッと)見回したという表現は古臭くておかしいばかりでなく
動揺しておびえているハーマイオニーの様子がまるで伝わっていない。

be travelling around は視線が泳いでさまよっているという印象もあるが
それを表現するのは難しいので意見が一致しやすい試訳としてはこんなものだろうか。

まとめサイト3巻の「ずいーっと」について。
すみません。これをまとめた者ですが間違いに気づきました。

>ロンとパッドフットを追って叫びの屋敷に入ってしまったシーン。
とありますがパッドフットは別に黒犬に変身したときのシリウスの呼び名ではなく
彼の学生時代のあだ名でしたよね。
「ロンとシリウスを追って」に変えたほうがいいと思います。

あと
>be travelling around は視線が泳いでさまよっているという印象もあるが、
>それを表現するのは難しいので、意見が一致しやすい試訳としてはこんなものだろうか
とありますが、この部分は解説ではなく、スレの皆さんに同意を求めた部分ですので
つけなくていいと思います。(正しく書くならeyes are travelling around ですし)

また「ずいーっと」という表現を「古臭い」としてしまいましたが
これは古い、新しい以前に口語的でふざけたような感じの言い方であり
(古いのも確かですが)それが場の緊張感を壊しているというのが一番の問題でした。

修正案を考えてみましたがどうでしょうか。↓

ロンとシリウスを追って叫びの屋敷に入ってしまったシーン。
見回す表現として「ズーッと」「ずいーっと」が使われているが、口語的で
くだけているため地の文にふさわしくない。またこれでは場面の緊張感が台無しになり、
動揺しておびえているハーマイオニーの様子等がまるで伝わらない。
特に「ずいーっと」は古臭くふざけたような印象もあり場面にふさわしくないのでは。

歌舞伎とかの口上でありそうだね<ずいーっと

>歌舞伎とかの口上でありそうだね<ずいーっと
まとめにこれも書いて欲しい

「隅から隅まで、ずずずいーっと」口上の定番だあな~

まとめサイト 3巻の「ずいーっと」について。

565の解説、「歌舞伎の口上」を入れてまとめなおしてみました。
これを入れれば「古臭い、ふざけた印象」は書かなくても伝わると思い
省いてみましたがどうでしょうか。

ロンとシリウスを追って叫びの屋敷に入ってしまったシーン。
見回す表現として「ズーッと」「ずいーっと」が使われているが、口語的で
くだけているため地の文にふさわしくない。特に「ずいーっと」には歌舞伎等の口上を
思いだし、笑ってしまった人もいたようだ。これでは場面の緊張感が台無しになり、
動揺しておびえているハーマイオニーの様子もまったく伝わってこない。

ニヤリ笑い

>ブラックのニヤリ笑いがますます広がった(17章p439)
 ニヤリ笑い…この場面でそんな言葉はあんまりだぁ

>ブラックのニヤリ笑いがますます広がった(17章p439)
それでもロンは、痛々しい姿でハリーの肩にすがり、まっすぐ立っていようとした。
「僕たち三人を殺さなきゃならないんだぞ!」
「今夜はただ一人を殺す」ブラックのニヤリ笑いがますます広がった。

>「今夜はただ一人を殺す」ブラックのニヤリ笑いがますます広がった。(17章p439)

‘There'll be only be one murder here tonight,’ said Black, and his grin widened.(UK p249)

叫びの屋敷でついに三人組とシリウスが対面するシーン。
「ニヤリ笑い」じゃすごくおちゃらけてるみたいだね。

「今夜殺すのはひとりだけだ」そう言ってブラックはさらに大きくにやりと笑った。
ってところでどうでしょう。

>「ニヤリ笑い」じゃすごくおちゃらけてるみたいだね。
ていうか、「ニヤリ笑い」って普通の言葉じゃないでしょw
「にやりと笑った」が通常の日本語だと思いますw

・まとめ案

邦訳:「今夜はただ一人を殺す」ブラックのニヤリ笑いがますます広がった。(17章p439)
原文:‘There'll only be one murder here tonight,’ said Black, and his grin widened.
    (UK p249)
試訳:「今夜殺すのはひとりだけだ」そう言ってブラックはさらに大きくにやりと笑った。

「ニヤリ笑い」という表現が日本語として自然ではない上、
シリアスな場面にふさわしくない。

遅すぎる

p440「『もう遅過ぎる―』」→「『もう待てない―』」(492)
おっ、これ直ったんだ!
前に指摘があった、シリウスの
‘I've waited too long-’(UK版P250)
だよね。

ずっと前、バレスレで指摘があったやつだよね。
ハリーと格闘になってしまったシリウスのセリフ。
‘I've waited too long-’といったのはピーターをしとめるチャンスをずっと待っていたからだよね。

「もう遅すぎる」はあんまりだけど「もう待てない」もぴんとこないな…。
バレスレで誰かが試訳した「俺はもう十分すぎるほど待った」とかいうのがよかったと思う。

ヒソッ

>「ばかばかしい!」ハーマイオニーもヒソッと言った(18章p452)
 ヒソッと言ったのに、語尾に!が

>「ばかばかしい!」ハーマイオニーもヒソッと言った(18章p452)
18章の冒頭
突拍子もない言葉を、呑み込むまでに数秒かかった。
しばらくして、ロンが、ハリーの思っていた通りのことを口にした。
「二人ともどうかしてる」
「ばかばかしい!」ハーマイオニーもヒソッと言った。

>ヒソッと言った・・・・・orz

>「ばかばかしい!」ハーマイオニーもヒソッと言った(18章p452)
>‘Ridiculous!’ said Hermione faintly.(UK p256)

スキャバーズがピーターだといわれて三人組がショックを受ける場面。
faintlyなのに!がついているのは英語としてはどうなのかよくわかりません。
弱々しくてもはき捨てるような言い方は可能だから、
そういう言い方をしたということなのかな。
それにしても「ヒソッと言った」は変ですね。
「ハーマイオニーも消え入りそうな声で言った」というのはどうでしょうか。
やっぱり!と合わないでしょうか。

>said Hermione faintly.
弱々しい、というより、あまりに突拍子もないこと言われて、
唖然としながら思わず'Ridiculous!'とつぶやいた、って感じだよね、きっと。

「そんなばかな!」と、ハーマイオニーはつぶやいた。・・・・ではどう?

>「そんなばかな!」と、ハーマイオニーはつぶやいた。
それ、いいですね。
一番簡単な表現だけど納得します。
なぜ思いつかなかったんだろう。

・まとめ案

邦訳:「ばかばかしい!」ハーマイオニーもヒソッと言った(18章p452)
原文:‘Ridiculous!’ said Hermione faintly.(UK p256)
試訳:「そんなばかな!」とハーマイオニーがつぶやいた。

スキャバーズがピーターだといわれて三人組がショックを受ける場面。
「ヒソッと言った」という表現が日本語として不自然。

脱狼薬

細かいことですが、「脱狼薬」という訳語に納得がいきません。
せっかく原語に「狼殺し(ウルフスベーン)」という強い言葉が入ってて、危険を伴う薬だとわかるようになっているのに。
そんな、いかにも危険そうな薬を宿敵スネイプが作ってくる、というのが面白いのに、あれじゃただの薬みたい。
「脱」じゃなくて「殺狼薬」なんだよね。下手するとルーピンを殺せるんだよね。

1巻で回転は「とりかぶと=ウルフスベーン」って伏線まで出してるよ。
それがいきなり「脱狼」か・・・・・・orz

トリカブト(ウルフスベーン)は狼を殺すのに使ってた猛毒なんだよね。
だからローリングは狼人間の力封じの薬に使ったわけ。
つまり調合を間違えると、すごく危険な薬のはず。
それをスネイプが、大嫌いなルーピンに作ってるのが面白い。
日本語名も「脱狼薬」じゃなくて「殺狼薬」くらい強いものが適当だと思う。
だいたい「脱」って意味違うし・・・。

賛成。
その方がスネイプとルーピンの緊張関係とか、過去の逸話が分かった時の感じ方が違うと思う。
原語の方が、はるかにスネイプは立派な人だ。

でも人に飲ませる薬に「殺」という字を使うのはちょっと抵抗あるし
狼の部分を殺してくれる(人狼でなくなる)薬のようにも思える。
なんかもう少し誤解を招きにくい 代案があるともっといいかもね。

毒狼薬か害狼薬かな
てか漢字の国の中文だとどう訳してるのか気になるな

駆虫薬があるくらいだから駆狼薬はどうかな

虫下しみたいなもんで、狼下しとか?
迫力なさ過ぎだな。

あれで人狼そのものが治る訳じゃないから、対症療法用の「封狼薬」?

わかるけど、それくらい強い危険な薬ってのは事実なんで
「殺狼薬」でいいと思う。
原語では「Wolfsbane potion」で、もろ「狼殺し薬」。
もちろんWolfsbaneはトリカブトのことだけど。

邦訳では「トリカブト系の脱狼薬」ってなってたが
じゃあ別の「系」もあるんかい、みたいなw

そうだね。
他の候補を見ると殺狼薬が一番いいかもね。
「トリカブト系」っつうのもたしかに何かと思ったw

じゃ、ちょっと軟らかめに「オオカミゴロシ」。

「オオカミゴロシ」良いね

それかハリポタに出てくる他の子供向けな薬の名前にレベルを合わせて
「くたばれ狼薬」とかw

いまさらの wolfsbaneだけど、抑狼薬とか制狼薬はどうだろう

確かにいいかも。薬っぽい。そしたら抗狼薬もどう?
抑狼薬を見てたら、抑うつ剤を思い出し、そういえば抗うつ剤もあるなと。
薬の違いはよく分からないけど。

それだと薬の説明にはなっても、スネイプがルーピンを殺そうとしてるんじゃないかと
ハリーが危惧するような怖さがなくなるのでは?
トリカブトの猛毒と名前が似てるから、薬名を聞いてハリーがびっくりする場面でしょ?

原材料がトリカブト、つまり猛毒。
トリカブトの別名が「狼殺し」で、薬の名も直訳すると「狼殺し薬」。
そこまで紙一重に危険そうな薬をスネイプが作ってルーピンに渡している
っていうのが面白いんだよね。
だから「殺狼薬」くらい強い言葉が一番合ってると思う。
少なくとも「脱」じゃない。

こりぽた読んだだけでは
スネイプがそんな危険な薬作ってるなんてわからなかったよ…orz

p.465 学校時代

ところで細かいことだけど
三巻19章、四巻29章で「学校時代」って言葉が出てくるけど
ふつう「学生時代」じゃない?
三巻のはスネイプ、四巻のはシリウスが
ホグワーツにいた頃の事を指しての言葉だけど

待っていた

>「こいつがわたしを追ってくるとわかっていた!こいつがわたしを狙って戻ってくるとわかっていた!
  12年も、わたしはこのときを待っていた。」(3巻19章p477、ペティグリューのセリフ)
>'I knew he'd come after me! I knew he'd be back for me! I've been waiting for this for twelve years!' (UK p269,270)
このときを待っていたって、待ちわびていたみたいじゃない?

「こんなことになるんじゃないかと、12年間思っていた」、または
「今まで12年間、こういう日が来ると思ってた」(若干、意訳入ってますw)
というのはいかが?

シリウスに追い詰められたピーターのセリフ。
「このときを待っていた」としてしまうと、ピーターがシリウスを待ちわびていたように感じられる。
三行目を「12年間、ずっとこのときが来ると思っていた」などとしたほうが良い。

ヘコヘコ

アズカバンでシリウスが、ヘコヘコした?って言ったところが
妙にツボにはまって笑った記憶。
原語でもこういう語感の言葉なのかな。

ここか。3巻19章

「わたしがいつ、自分より強く、力のある人たちにヘコヘコした?~」

ピーターにスパイ呼ばわりされ死ぬほど怒ってるはずなのにヘコヘコはひどい。
「力のある人たち」も「力のあるヤツら」くらいにしなきゃおかしいだろう。
原書では当然もっとまじめに怒ってるよ!

ヘコヘコの原文はsneak aroundで直訳すると周りでコソコソするみたいな意味。
ここでは強いやつにすり寄って卑屈な態度をとることだろう。
「へつらう」とか「こびる」とかいくらでもふさわしい訳があるのに
よりによってヘコヘコとは…。言葉の引き出しがどんだけ貧しいのかこの訳者は。

ふつう、いわねーよな、「へコヘコする」なんて・・・・・。
そういう言葉の使い方もすごく年寄りくせえ。
だよな、媚びるが確かに相応しい感じがする
へコへコするなんて絶対使わないし

3巻の最後の方見直してて、小さいことかもしれませんが気になったので。

>「~わたしがいつ、自分より強く、力のある人たちにヘコヘコした?~」(3巻19章p480)
>‘…When did I ever sneak around people who were stronger and more powerful than myself?…’
  (UK p271)

>「このヘコヘコしている碌でなしは、あのとき君も死んでいたら、
  それを平然と眺めていたはずだ。」(19章p488)
>‘This cringing bit of filth would have seen you die, too, without turning a hair’
  (UK p275)

叫びの屋敷のシーンでのシリウスのセリフ。
地の文ではないけれど、「ヘコヘコ」はやめて欲しい。
真剣に怒っているという感じがぜんぜん伝わってこない。
こういうときは「媚びる」とか「へつらう」とかいうちゃんとした日本語があるのに
なぜそれを使わないのだろうか。

>「~わたしがいつ、自分より強く、力のある人たちにヘコヘコした?~」(3巻19章p480)
>‘…When did I ever sneak around people who were stronger and more powerful than myself?…’
  (UK p271)

追い詰められたピーターに「シリウスがヴォルデモートのスパイだった」といわれ
憤然と言い返すセリフですね。
sneak around はまわりをうろつくみたいな意味だからこの場合「すり寄る」でもいいかも。
しかしヘコヘコもおかしいけどセリフの全体になんとなく力が入ってない感じがするのは
When did I~を直訳しすぎているからではという気もします。
日本人ならこんなときは「俺は自分より強い奴らにすり寄ったことはない!」とか
「俺は自分より強い奴らにすり寄るような人間じゃない!」とか言いそうなものですよね。

こんなときWhen did I~というのは英語ならではという感じもあるから、直訳して日本語で
「わたしが(俺が)いつ強い奴らにすり寄った?」とやったら迫力が出ないと思います。
(邦訳の「人たち」っていうのも殺人も辞さないほど怒っている男の言葉じゃないですね。)

原文の疑問形を活かして試訳するなら
『俺が自分より強い奴や力のある奴らにすり寄ったことがあるか?』ってところでしょうか。

>「このヘコヘコしている碌でなし(19章p488)
>‘This cringing bit of filth (UK p275)

これは『薄汚い腰抜け野郎』なんてどうでしょう。

ああ、なんかすごくいいかも。シリウスっぽい。
邦訳だとよくわからないうちに死んでしまった変なおじさんだけどw

「すり寄る」よりも「へつらう」のほうがいいんじゃない?

そうですね。
邦訳の「ヘコヘコする」をちゃんとした言葉に直すなら「へつらう」でしょうね。
でもシリウスがスパイ容疑かけられて怒ってるのは単に自分は俺様にぺこぺこしたりしないって
ことじゃなくて、ピーターみたいに強いものに取り入って手先になったりはしないと
いうことのようなので(‘But you, Peter―’という後のセリフから考えても)
その意味なら「すり寄る」の方が近いかなと思ったんです。
まあその辺の印象は人にもよると思うので「へつらう」にしといてもいいとは思いますが。

・まとめ案

邦訳:「~わたしがいつ、自分より強く、力のある人たちにヘコヘコした?~」
    (3巻19章p480)
原文:'…When did I ever sneak around people who were stronger and more
    powerful than myself?…' (UK p271)
試訳:「~俺が自分より強い奴や力のある奴らにすり寄ったことがあるか?~」

追い詰められたピーターに「ヴォルデモートのスパイだったろう」といわれ
憤然と言い返すシリウスのセリフ。
「ヘコヘコ」という表現がおかしくて真剣に怒っている感じがしない。
「すり寄る」「へつらう」「媚びる」など、この場合にふさわしいちゃんとした
日本語があるのに、このような奇妙な言い方にした理由がわからない。
また「力のある人たち」という言い方も丁寧すぎて怒っているセリフにふさわしくない。

さらにセリフの全体になんとなく力が入ってない感じがするのは
When did I~を直訳しすぎてるせいもあるのではないだろうか。
シリウスが言いたいのは「俺は自分より強い奴らにへつらったことはない」とか
「俺は自分より強い奴らにへつらうような人間じゃない」ということ。
こんなときWhen did I~というのは英語ならではという感じもある。
そのまま日本語で 「わたしが(俺が)いつ~」と訳しても迫力が出ないので
試訳のようにした方がいいのではないか。

・まとめ案

邦訳:「このヘコヘコしている碌でなしは、あのとき君も死んでいたら、
   それを平然と眺めていたはずだ。」(19章p488)
原文:‘This cringing bit of filth would have seen you die, too, without turning a hair’
   (UK p275)
試訳:「この薄汚い腰抜け野郎は、目の前でおまえが殺されたとしても
    平然としていただろう」

ピーターを殺すのを止めようとしたハリーに対するシリウスの言葉。
ここでも「ヘコヘコ」という変な表現が場面の緊張感を台無しにしている。
またwould have seen you die とは「死ぬ(殺される)ところを眺めていただろう」
という意味だが、邦訳では「死んでいたら~眺めていたはずだ」となっているので
「死体を眺めていた」とも解釈できるため、わかりにくい文になっている。

『あの人』

3巻の訳で一番たまげたのはピーターを追い詰めるシーンで
シリウスがヴォルデモートを『あの人』といっているところだな。
原文はHIM(怒ってるので大文字)
二重鍵カッコの『あの人』『例のあの人』はYou-Know-Whoの訳だろ。

シリウスやルーピンは断じてヴォルをYou-Know-Whoと呼ぶようなへたれじゃない。
キャラクターを表す上ですごく大事なポイントだと思うんだけどな。
忠実に直訳なんてうそうそ。文庫本(携帯版?)とかじゃ直っているのかな?

状況は3巻のクライマックス、Shrieking Shack(邦訳:叫びの屋敷?)で
ピーターの正体を暴いたシリウスがブチ切れる場面。
原文は‘YOU’D BEEN PASSING INFORMATION TO HIM FOR
A YEAR BEFORE LILY AND JAMES DIDE! YOU WERE HIS SPY!‘
怒鳴っているので大文字だ。松岡訳は:
“おまえはジェームズとリリーが死ぬ一年も前から、『あの人』に密通していた!
おまえがスパイだった!”

HIM が「あいつ」でも「あの男」でもなく勝手に『あの人』に変えられている。
二重鍵カッコの『あの人』『例のあの人』は翻訳中ではYou-Know-Whoのこと。

松岡氏は「あいつ」などでは誰を指すか子供にはわかりにくいと思い、
『あの人』を使ったのかもしれない。
しかし『あの人』You-Know-Whoという呼び方はヴォルデモートを恐れている証。
それを登場当初から使っているかいないか―。
それはJKRが提示した、キャラを理解する上での重要な鍵のひとつだ。
もちろんシリウスは俺様をYou-Know-Whoと言うようなヘタレではない。
それはハリーや読者に、こいつは信頼できる奴かもしれないと思わせる上でも
重要なヒントの一つだったはずだ。
それを肝心のシーンで訳者が勝手に言わせてしまうとは!

たった一言だがキャラクターを大切に思っている人間にとってはショックであり
無神経ともとれる訳であった。

ちなみに問題のセリフの直前にはシリウスにヴォルデモートと言わせている。
セリフの統一性という意味でも『あの人』は問題だ。
また仮に『あの人』がYou-Know-Whoを表していなくても
親友を殺され人生をめちゃくちゃにされた大の男が怒りの頂点で使う言葉としておかしい。
大人向きの本ならシリウスは俺様の代名詞に強烈なスラングを吐いたことだろう。
松岡氏は翻訳者として必要な最低限の想像力に欠けていると思う。

すみません、一応、確認させてください。
松岡版は本当に「密通」って言葉を使ってるの?
「密通」ってのは、「婚姻関係にない男女が配偶者以外の異性と
性的関係をもつこと」なんだけど・・・・。
ピーターと俺様はそういうカンケイだったのかい? 
松岡先生の日本語力には、驚き、桃の木、おったまげです。

シリウスの普段の言葉遣いとあの剣幕からいったら、
あの時のHIMはぜひ「やつ」にしていただきたい。

みっつう【密通】
1 ひそかに通じあうこと。また、ひそかに通知すること。「敵に密通する」
2 道義に反して、男女がひそかに肉体関係を持つこと。

小学館国語大辞典(新装版)

自分の持ってる広辞苑にも広辞林にも清水書院国語辞典にも
「密通・・・・男女がひそかに情を通じ合うこと。みそかごと。」としか
載ってないよ。

たしかに今の日常の中で「敵に密通してた」って言い方はしないよね。
「敵に通じてた」でいいと思う。

だいたい、あからさまに敵に通じるヤツっていないよねw

密通してたのが「あのひと」じゃ確かに男女の秘め事っぽいw

「お前はリリーとジェイムズが死ぬ一年も前からヴォルデモートに
情報を流していた!お前は奴のスパイだった!」

『あの人』とか密通とか微妙な言葉を使う必要はどこにもない。

奇妙な群れ

それより同ページの最初の行の、
>こんな奇妙な群れに加わったのはハリーにとってはじめてだった。
のほうがよほど日本語としておかしいと思うけど。
せめて「群れ」を「一団」にしてほしいもんだわい。

それより気になったのはその直前の:

>こんなに奇妙な群れに加わったのはハリーにとって初めてだった。(同上)
>Harry had never been part of a stranger group.(同上)

「群れ」はないでしょう!「群れ」は! せめて「一団」と言ってください。
あとこんな変な一団に加わるのは「誰にとって」も初めてに決まってます!
「ハリーはこれほど奇妙な一団に加わったことはなかった。」と
普通に訳せばいいものを……。

・まとめ案

邦訳:こんなに奇妙な群れに加わったのはハリーにとって初めてだった。(20章p494)
原文:Harry had never been part of a stranger group. (UK p277)
試訳:ハリーはこれほど奇妙な一団に加わったことはなかった。

ルーピンやシリウスたちとピーターを引っ立てて叫びの屋敷を後にする場面。
「群れ」という表現が適切ではない。
また「ハリーにとって初めてだった」とあるが、こんな状況を経験するのが
二回目以上であるはずがないのでこの言い方もきわめて不自然。

しんがり

日本語版3巻P494の4行目
ハリーとハーマイオニーがしんがりだった

この「しんがり」と訳された部分が、原書ではどうなってるのか気になるw

Harry and Hermione brought up the rear.(UKp276)

bring up the rear で最後尾につくという意味。
別に「しんがり」程度の言葉はいいと思ったけど、皆古い言葉が気になるんだね。

>ハリーとハーマイオニーがしんがりだった(18章p494)
 普通に「一番後ろだった」とかじゃだめなの?

>ハリーとハーマイオニーがしんがりだった(18章p494)
20章冒頭

>ハリーとハーマイオニーがしんがりだった。(20章p494)
>Harry and Hermione brought up the near.(UK p277)

ルーピンやシリウスたちとピーターを引っ立てて叫びの屋敷を後にする場面。
しんがりはそもそも軍隊の最後尾で敵を防ぐことをいうと辞書にあります
単に列の最後の人のこともいうので別に使ってもいいとは思うけどここは微妙ですね。

「しんがり」は指摘するほどの珍訳と思わなかったのでうまくまとめられませんでした。
確かに微妙な表現ですが、隊列の一番最後の人のことをいうのは確かなので
「おかしい」「そぐわない」とかは言い切れない気がして…。どんなもんでしょうか?

心を奪われる

3巻読み返し中の者ですが。
死ぬほどたくさんひっかかりどころがあるんですが、最初に読んだときから違和感があった箇所。
20章、満月が出てルーピンが変身し、ルーピンとシリウスが噛みつきあってるところ。

ハリーはこの光景に立ちすくみ、その戦いに心を奪われるあまり、他のことには何も気付かなかった。

「心を奪われる」って正しい使い方でしょうか?
自分の印象では、好きなものや美しいものなどにうっとりとして我を忘れるというイメージなんですが。
原語はtransfixed。「くぎづけにされて」くらいの意味ではないかと思うんだけど違いますか?

ハリーはこの光景に立ちすくみ、その戦いに心を奪われるあまり、他のことには何も気付かなかった。(20章p498)
Harry stood, transfixed by the sight, too intent upon the battle to notice anything else.(UKp279)

「立ちすくみ」に対応してるのはstood, transfixed
「心を奪われる」は intent upon だね。集中してるという意味。
心を奪われるはたしかに魅力を感じているときの表現だと思う。

「ハリーはこの光景に立ちすくみ、戦いに見入ってしまったので、他のことには注意が回らなかった。」
ってとこ? ここでバトルに見入ってたからピーターに逃げられたわけだけど
気づかなかったというよりは、つい注意を怠った感じだと思う。

こそあど

>「あの人は無実だ……エクスペクト―エクスペクト・パトローナム―」(3巻20章p502)
>‘He's innocent …expect―expect patronum―’(UK p281)

湖のほとりでディメンターに襲われたシリウスを助けるため
ハリーが必死でパトローナスの呪文を唱える場面。
すぐそばに倒れているシリウスを「あの人は」というのはおかしい。
「その人は」「彼は」あるいは「シリウスは」とするべきだと思う。
「こそあど」がおかしいのは今までもあったと思うけど。

・まとめ案

邦訳:「あの人は無実だ……エクスペクト―エクスペクト・パトローナム―」(3巻20章p502)
原文:‘He's innocent …expect―expect patronum―’(UK p281)

湖のほとりでディメンターに襲われたシリウスを助けるため
ハリーが必死でパトローナスの呪文を唱える場面。
すぐそばに倒れているシリウスを「あの人は」というのはおかしい。
「その人は」「彼は」あるいは「シリウスは」とするべきではないだろうか。

ディメンターの声・がっぽり

ディメンターの息を吸う音
前半→ガラガラ(p111,p310,p312)
後半→ザーザー(p502-503)

ディメンターの息を吸う音
(5章p111)ホグワーツ特急の中で
>それから頭巾に覆われた得体の知れない何者かが、
 ガラガラと音を立てながらゆっくりとながーく息を吸い込んだ

(12章p310)吸魂鬼祓いの練習
>吸魂鬼は箱から出て、音もなくスルスルとハリーの方にやってくる。
 深く息を吸い込むガラガラという音が聞こえる。
(p312)同じく練習
>部屋は再び氷のように冷たく、暗くなった。
 吸魂鬼がガラガラと息を吸い込み、滑るように進み出た。

(20章p502) シリウスの声を追って湖のそばへ
>がっぽり空いた形のない穴が、死に際の息のように、
 ザーザーと空気を吸い込んでいる。
(p503)
>何かが、吸魂鬼を追い払っている……何かがハリー、シリウス、
 ハーマイオニーの周りをグルグル回っている……
 ザーザーという吸魂鬼の息が次第に消えていった。

(20章p502) シリウスの声を追って湖のそばへ
>がっぽり空いた形のない穴が、死に際の息のように、
 ザーザーと空気を吸い込んでいる。

・・・がっぽり?本当にがっぽりになってるの?
空洞の表現は普通「ぽっかり」じゃあるまいか。
がっぽりは一攫千金。

>がっぽりは一攫千金
まったくだw

>がっぽり空いた
原文(UK P281)は gaping, shapeless hole だね。
gapingを「がっぽり」に? すばらしい日本語センスですorz

>ガラガラと音を立てながらゆっくりとながーく息を吸い込んだ。(5章p111)

…drew a long slow rattling breath,(UK p66)

>吸魂鬼がガラガラと息を吸い込み(p312)

drawing its rattly breath;(UK p178)

>がっぽり空いた形のない穴が、死に際の息のように、ザーザーと空気を吸い込んでいる。
(20章p502)

…a gaping, shapeless hole, sucking the air with the sound of death-rattle.(UK p281)

>ザーザーという吸魂鬼の息が次第に消えていった。(p503)

…the rattling, sucking sounds of the Dementers were fading.(UK p282)

ディメンターの喉を鳴らす表現はどれもrattleだね。
これは「ガラガラ鳴る」とか「ガタガタ音を立てる」という意味だけど
「臨終の人が喉をゴロゴロ、ゼイゼイいわせる」ときも使うみたいだから
ディメンターのイメージからしてどう考えてもそっちを使うべきだったと思う。

おそらく訳者はdeath-rattle(死に際に喉が鳴る音)という言葉がでてきたとき
そのことに気がついて擬音語を変えたのだろう。(それにしてもザーザーは変だけど)
しかし、そこでそれまで出てきた「ガラガラ」を修正しなかったのが怠慢だなあ。

「ながーく息を」と「がっぽり空いた」がさらなる脱力を誘ってるし。orz

なるほど。
ディメンターは死に際の人のような不気味な呼吸音を響かせていたんですね
はじめてわかりました

>「臨終の人が喉をゴロゴロ、ゼイゼイいわせる」ときも使うみたいだから
でもそんなことを知らなくてもrattlingな breathと書いてあれば
普通の人は息が苦しそうなときのゴロゴロとかゼイゼイとかいう擬音語にしますよね
ガラガラなんて辞書に載ってるままの表現は使わないと思います。

・まとめ案

邦訳:ガラガラと音を立てながらゆっくりとながーく息を吸い込んだ。(3巻5章p111)
原文:…drew a long slow rattling breath, (UK p66)

邦訳:吸魂鬼がガラガラと息を吸い込み(12章p312)
原文:drawing its rattly breath;(UK p178)

邦訳:がっぽり空いた形のない穴が、死に際の息のように、ザーザーと空気を吸い込んでいる。(20章p502)
原文:…a gaping, shapeless hole, sucking the air with the sound of death-rattle.(UK p281)

邦訳:ザーザーという吸魂鬼の息が次第に消えていった。(20章p503)
原文:…the rattling, sucking sounds of the Dementers were fading.(UK p282)

ディメンターが喉を鳴らす音の表現。
前半では「ガラガラ」だったのがクライマックスシーンでは「ザーザー」になっている。
rattleは「ガラガラ鳴る」とか「ガタガタ音を立てる」という意味だが
「臨終の人が喉をゴロゴロ、ゼイゼイいわせる」ときも使われる。
原文にdeath-rattle(死に際に喉が鳴る音)という表現があることから
作者は吸魂鬼に死に際の人出すような不気味な呼吸音をたてさせようとしていたのだと思われる。
「ガラガラ」も「ザーザー」もどちらも不自然。「ゼイゼイ」などに変えたほうが良い

またdrew a long…を「ながーく」としたのはシリアスなシーンにそぐわないし、
「がっぽり空いた」という表現は日本語としておかしい。「ぽっかり開いた」にするべき。

マダム・ポンフリー

>「ポッピー、吸魂鬼なのよ」(3巻5章p119)‘It was a Dementor, Poppy,'(UK p70)
>「すまないね、ポピー。(省略)」(3巻21章p511)‘My apologies, Poppy,...'(UK p286)
二人ともマダム・ポピー・ポンフリーです。

ポッターの

>「(省略)わし自身、魔法省に、シリウスがポッターの『秘密の守人』だったと証言した」(3巻21章p513)
>I myself gave evidence to the Ministry that Sirius had been the Potters' Secret-Keeper.'(UK p287)
「ポッター」→「ポッター夫妻」だよね?
ダンブルドアがポッターなんて冷たい呼び方をするわけがないし。

the Potters'ですから、「ポッター家」ですよね。この場合は「ポッター夫妻」として
しまってもいいかもしれないけど、あの時点でハリーがもう生まれてたから
正確には「ポッター家」かな?
「ポッターの」だったら Potter's のはずですよね。

ダンブルドアがジェームズとリリーを「ポッター」と呼ぶのは冷たい印象で不自然。
the Potters'は「ポッター夫妻」と訳すべき。(ハリーが生まれていたので「ポッター一家」でもよい)

プッツン

3巻22章553p
荷物を片付けながら、満月だよ全員集合wの昨夜の話をするルーピン。
「セブルスはそれでプッツンとキレた」って・・・こんな最近の流行語を何故使うの?
原語は That was the final straw for Severus.
これって、ロバの背にいくらでも荷物を載せていってたら、最後は藁の1本を載せても潰れるという例えのことですよね?
「我慢の限界を超えたんだ」あるいはちょっと古臭いが「堪忍袋の緒が切れた」くらいでよいのでは?
ルーピンの落ち着いたキャラクターが台無し。

「キレた」は3巻だけで2回あるってことだ。
ハリーがキレ、スネイプがキレ・・・・orz

しかも「キレる」はまだしも、「プッツン」は既に死語。
長く残るべき作品に、こういう流行語は使ってほしくないな。

プロングズ

3巻の最後でルーピンのセリフ。
「君のお父さんはいつも牡鹿に変身した。だからわたしたちはプロングズと
呼んでいたんだよ」

wiki(だったと思う)によるとプロングズというのは「枝が分れた」という
意味があるそうだが、そこを説明してくれないとわかんねーよ。

たとえば「"鹿の角(プロングズ)"と呼んでいたんだよ。」とか?

そう!ハリーがパトローナムを初めて出したとき
何でプロングスと呼んでびっくりしてたのか全然分からなかった。

プロングズは訳は難しいと思うが、なぜ「牡鹿」とつながるのか
それぐらいはわかるようにしないとね。

あだ名に意味があるときは、ルビや注釈を使えばいいと思う
パッドフットより、重要なネタ証しになっているのはプロングズ
だが邦訳はなんの工夫もない
ハリーが牡鹿のパトローナスになぜ「プロングズ」と父のあだ名で
呼びかけたのか、日本の読者はぜんぜんわからんだろうな(3巻21章)

3巻終盤、ハリーがはじめて出したパトローナスがシリウスと自分を救う。
助けに来たのはジェームズじゃなくて少し未来の自分だったのだとわかる。
でも牡鹿のパトローナスの角を見たハリーは父のあだ名の意味がわかり
パトの中に父を感じる、という重要なシーン。
Prongsとハリーがささやくシーンは感動的(日本語版ではわけわかめ)
オーディオブックでは、gもs(z)もハッキリ聞こえる。

その場面だけ「枝角」かなんかに「枝角(プロングズ)」とルビふったらどうかと前言われていたね

Prongsが鹿なんて簡単な意味じゃないとこがいいんだよね
パトローナスの場面でなるほど!と合点がいくのが原作の仕掛け

ブンブン

4巻付録のふくろう通信の「翻訳者はつらいよ」で

ふくろうに詳しい読者から、ふくろうが羽音をさせて飛ぶのはおかしいという

ご指摘をいただいた。ご意見はありがたかったが、原作者が「羽音をさせる」

という言葉を使っている以上、翻訳者として訂正できなかった。
という文があります。

3巻の最後でシリウスから送られてきたピッグが列車内で
飛び回った描写についての指摘のようですが、訳文は

…コンパートメントの中をブンブン飛び回り始めた。
(562ページ)です。

通常ふくろうが飛ぶとき羽音を立てないのは本当らしいですが
原文はどうなっているのか気になりました。
本当に「ブンブン」としか訳しようがなかったのでしょうか?

原文は、... began zooming around their compartment, (UK315)です。

zoomは飛行機が飛ぶときなんかの擬音からでた言葉かな。
英和には「ブーン(ビューン)と音を立てる」という意味も載ってますが
「急上昇する、すばやく動く(飛ぶ)」という意味も載ってます。
手持ちのオクスフォード英英辞書によると第一の語義が
to move or go somewhere very fast(どこかにすごくすばやく移動すること)
となっており、なんと「音を立てる」は載ってません。
「(鳥などが)羽音を立てる」という意味があったとは…初耳です。

原文は
The owldropped its letter onto Harry's seat and began zooming
around theircompartment, apparently very pleased with itself
for accomplishing its task.

zoomはto move veryk quicly と言う意味があるから >>45のように
「ビュンビュン」とするかあるいは擬態語を入れないで
「ものすごい勢いで飛び回り始めた」でもいいんじゃないかと思う。

ブンブンと言う必然性はないし、違和感がある。

ブンブンから連想するのはハチかハエだよね
ブンブン飛ぶ鳥はハチドリくらいしか思い浮かばない

「ビュンビュン」は飛び方のスピードをあらわす擬態語だけど
「ブンブン」は飛ぶ時の音をあらわす擬声語。
原文zoom aroundはすごい勢いで飛び回る、という意味。
よって、「ブンブン」という擬声語をあてはめるのは間違い・・・・としか言いようがない。

46のboomingを「ブーンと吼える」と訳してしまったのと同レベルの誤訳。
この手の基本的ミス、多すぎです、松岡先生 orz
辞書引いても、そこに書いてある訳語自体を誤解釈してるとしか思えん。

マツダのZoom!Zoom!がブン!ブン!ブン!になってしまうんですね

ビュンビュンとすべきところをブンブンとしてしまっただけなら
「センスないね」で済む話かもしれんが
せっかく読者が「ふくろうらしくない」と注意してくれたのに反省せず
作者が「羽音をさせる」という単語を使ったという偽りを言ってまで
言い訳するというのが信じられない。
この行為が今、俺の許容範囲を大きく踏み越えたぞ。

上の zoom だがいろんなものが飛び交うクィディッチのシーンで
ちょくちょく読んだ覚えがあるので、調べたら問題の3巻でハケーン。

‘That will do!’shouted Madam Hooch, zooming between them. 

「それまで!」フーチ先生が一声叫び、二人の間に飛び込んだ。(15章)

おや、ちゃんと訳せてるじゃないか。
zoomが「すばやく飛ぶ」という意味だとわかってるじゃないか。
それじゃ>>41のふくろう通信のいいわけコーナーの

原作者が「羽音をさせる」という言葉を使っている以上、
翻訳者として訂正できなかった。  ――というのはなんなんだ?
調べれば調べるほどわけのわからん訳者じゃのう。

フーチ先生が2人の間にブンブン飛び込んだ、
とは訳さなかったんだねw