第一章«二人の悩み事»
ツチノコ「あいつらがいなくなってから何も新しい物が見つからない···退屈だ···外に新しい物を探しに行くのもいいが、この遺跡も落ち着くからなぁ···」
スナネコ「あの二人が行ってから、ずっとひまだなぁ~。何もめずらしい物が無いし、ずーっとごろごろしてるのも良いんだけど···刺激が欲しいなぁ···そうだ!あの道の奥に何か無いかな?」
スナネコは以前見つけた道の奥へと歩き出した。 «続»
第二章«未知との遭遇»
スナネコ「おお~。何だか不思議なとびら~。このはさまってるのは、なんだろ~。」
スナネコが挟まっていたものを取った途端、扉の奥から声が聞こえてきた。
声「あ゙~っ!それを取るなぁーっ!早く、早く元に戻せぇーっ!」
ギギギギ···バタン。
―憐れ、声の主の願いは叶う事なく、扉は閉まってしまった。
スナネコ「なんだか面白そう···。もう少しここで待ってみよ~。」
今日は珍しく熱冷めやらないスナネコであった。 «続»
第三章«兎にも角にもご挨拶»
―かくして数十分後。
ツチノコ「···お前か。」 スナネコ「はい。」
ツチノコ「···『はい』じゃねーだろー!?あの遺跡から出るの、大変だったんだぞ!?だから挟めておいたのに、お前が···!」
しばしの静寂。
ツチノコ「···まあいい。俺はツチノコだ。お前は?」
スナネコ「ぼくはスナネコです。めずらしい物を探してここに来ました。」
ツチノコ(珍しい物、か。また面倒な奴が···!とにかく、今はここを守らなくては!) «続»
第四章«お出掛けの前にお支度を»
ツチノコ「そ、そうだ。もうここには珍しい物は無いし、なんなら外で探すの手伝ってやろうか?」
スナネコ「あ、それ『でーと』っていうのですね。前に博士に教えてもらいました~。」
ツチノコ「ーッ!」
スナネコ「ツチノコさ~ん。どうしたんですか~?お顔が真っ赤ですよ~。」
ツチノコ「うっ、うるさい!わーっ!も、もうこっち来るなー!何だおのれー!キシャーッ!」
スナネコ「いいじゃないですか~、でーとぐらい~。とにかく、落ち着いてくださいよ~。」
ツチノコ「い、いいか!?デ、デートっていうのはだな、男の子と女の子が仲良くお出掛けすることなんだよー!」
スナネコ「おとこのこ?ツチノコさん、『おとこのこ』って、何ですか?」
ツチノコ「あー···男の子っていうのはだな、自分の事を『俺』とか『僕』っていう奴のことだな。俺たちはフレンズ化してるからみんな女の子、もといアニマルガール、とか呼ばれてたけど、元の姿がオスのフレンズもいるんじゃないか?」
スナネコ「ふーん···そうなんですかぁ···」
ツチノコ「お前冷めるの早すぎじゃないか!?」
やっぱり熱しやすく冷めやすいスナネコであった。 «続»
第五章«さばくちほーに出発»
そして二人は洞窟の外。そう、一面の砂漠である。
スナネコ「でも~、ツチノコさんって自分の事『俺』っていうし、やっぱりお出掛けじゃなくてでーとになるんじゃないですか?」
ツチノコ「そしたらお前だって自分の事『ぼく』って言ってんじゃねーかよー!ってか、お前どんだけデート推しするんだよー!」
閑話休題。
ツチノコ「···まあいい。日が暮れる前に出掛けるぞ。」
二人の「お出掛け」はどうなる事やら。 «続»
第六章«君といるだけで»
二人が出発してからしばらくの事。
ツチノコ「いやー、何も無いな。ことごとく何も無い。」
スナネコ「何もないですね~。そうだ!ちょっと休憩にしませんか?」
ツチノコ「ああ、そうだな。どこかおすすめの場所でもあるのか?」
スナネコ「はい。少し進んだ所にお水のあるところが。」
ツチノコ「こんな砂漠に水が湧く所があるのか···面白そうだな、行ってみよう!」
そして数分後。
スナネコ「着きましたよ~。ここからお水が湧くんですよ!不思議ですねぇ~」
ツチノコ「なん···?ここだけ木や草が生えて、みずべちほーみたいじゃないか!不思議だ···不思議だ···」
スナネコ「ツチノコさん···楽しそう···でもまぁ、騒ぐほどでもないか・・・」 «続»
小説/けもフレ百合シリーズ