はじめに
楽器用アンプにプラグを挿抜するとき、電源のON/OFFやマスターボリュームの操作によるスピーカー保護が必要なのはご存じの通り。
気が向いたときに楽器握って、すぐ投げ捨てる自分にとってこれがかなり不都合でめんどくさい。
エフェクタやアンプの電源は入れっぱなしで、気軽にスタンドからなにかしらの楽器をとってプラグをさせれば便利だと思っていた。
問題点はもう1つある。楽器側のプラグを抜いて使用していると、プラグのTipに人体が容易に触れてしまい、内部回路が静電気破壊する可能性が高まる。しないにせよ、過ってTipに触れてしまうとアンプから盛大にハムがなりビックリする。
まぁハムがなるのは自分がものぐさでアンプのボリュームを落とさずスボスボ挿抜しているからなのだが。しかし、前者はバカにできない。
まともな回路ならクランプ回路とかが入っていて静電気対策はされていると思うが、自作の糞回路は横着してそれを入れなかったため過入力で軽くふっとぶ。
事実床に垂れていたコネクタのTipだけを素足で踏みつけ、静電気で入力段のオペアンプを破壊させた経験がある。修理がめちゃくちゃ面倒だったし、高い市販のエフェクタとかをESDでふっとばしたと考えると泣ける。
なのでプラグが抜かれた状態でのTipをスリーブ=GNDに短絡することは、接地の観点でも望ましいのだ。
世の中にはこんな工夫されたプラグが存在する。
- G&H スイッチ付プラグ L型 cocosound
なかなかよく考えられていて、スリーブがスライドするような構造をしている。挿入時はTipとSleeveがスライドし短絡ており、ジャックと結合したタイミングでこれらが引き離されて楽器の出力がアンプへ入力される仕組み。
しかし如何せん高い。プラグ1つに800円弱・・・。俺にはだせない。
ということで、その辺のゴミからほぼ同じ機能を持つプラグ?シールドケーブルを製作することにした。
目的
- TSフォーンプラグのTipとSleeveを短絡/開放をユーザの操作により切り替えることができるシールドケーブルを製作する。
原理と方法
- 既存のシールドケーブルのプラグのTipとSleeveにそれぞれ新たな電線を半田付けして、プラグの外に引っ張り出しスイッチで短絡/開放する。・・・w
製作
導線の半田付け
スイッチの取り付け
- 目的に合ったスイッチを半田付けする。
- 完全に電力用スイッチだけどまぁこんな目的なので適当で良いでしょう・・・。
スイッチの固定
- タイラップで共締めしたので見た目が悪い。
- 収縮チューブでプラグごと絞ればだいぶ見た目が良くなるのではないか。
- タクトスイッチを使った場合、ボタンが押されっぱなしになりそうな気もするので、穴を開けたり工夫する必要があるかも。
結果
- 超使い勝手がいい!
- 楽器にプラグを挿す→スイッチを開放側へ→弾く→スイッチを短絡へ→プラグを抜く→床へ投げ捨てる→素足で踏む
- 切り替え時のポップノイズも無いようです。そりゃ無いとは思うけど。
- ケーブルを素足で踏んだり、入力段がESD対策されてる機材を使ってる人で挿抜時ミュートだけあればいい人は、
プラグと一緒にタクトスイッチのようなモーメンタリのスイッチを摘みながら挿抜すればおk
おわりに
アンプの電源を入れっぱなしで挿抜できるシールドケーブルが実現した。短絡時はTIPを触ってもハムが出ることも無く安心である。
スイッチの固定方法が甘く、見た目も悪いのでこれらの点は要改善。便利で簡単に作れるので試してみてはいかがだろうか。