はじめに
- 以下の理由で自作に至りました
- 弦交換は何かと面倒。
- ペグ巻き付け量、そして折り曲げ量を「こんなもんだろ」ってのがなんか気持ち悪い。
- 市販品で売られているが、高い。
Ver.1
結果
- コンセプトは市販品を基本とした
- ベースでは重要な作業である、弦の折り曲げ長さを各目盛に対して加算する改良。
- 実際につかってみると、市販品が弦交換の実態にそぐわない事が判明。
- 非常に使いづらい。これをつかって交換したことがあるのか疑問。
- そもそもギターとベースだと弦交換の感じが違うことが原因かも。
問題点
- 幅が広く、ネックと並行に使おうとすると隣接ペグに干渉してしまい傾く。
- それを防ぐためにぎりぎりまで浮かせて使うと、テンプレートがペグから外れていらいら。
- 弦は直角に曲げてから切る
- 折り曲げ長さを目盛に加えておいても、曲げてから切るのでどこで曲げて良いのか分からない。→切り位置に加え、曲げ位置の線を更に追加(線が煩雑に・・・)
- そして、直角に曲げてしまうと、目盛から弦が外れるため、今度は切り位置がどこなのか分からなくなる(切り位置の線意味無いじゃんw)
Ver.1の反省からくる改良点
- テンプレートの幅はペグに干渉しないように
- ・・・というのは難しいので、別の策を考えます
- ネックの平行線上には曲げ位置のみ
- 曲げ位置から90度の方向へ伸びる、切り線(ペグ深さの曲げ線も引ければなお良し)
Ver.2
改良版構想
本計算
単位系変換について
- 弦直径はインチ表記
- 1[inch]=25.4 [mm]
- 計算は弦の表示値*25.4 [mm]
- したがって.105の4弦の直径は2.667[mm]
- 面倒なので自分用テーブル
- アーニーボールレギュラースリンキー、ダダリオEXL160ミディアムゲージ等
弦 ゲージ mm表記 1 .105 2.7 2 .085 2.2 3 .070 1.8 4 .050 1.3
- アーニーボールレギュラースリンキー、ダダリオEXL160ミディアムゲージ等
弦直径Dpについて
- このテンプレートには精度も要らないし、4種類の弦の直径を考慮していたらやっていられないので、適当にDp=0.070[inch]=1.8[mm]を使う。
差し込み長Liについて
- 手持ちのペグで、スリットからペグ底につくまでの長さを弦などを使って間接的に測定
- もしくは、交換前の弦の折り曲げ長を測るなど、お好みで。
計算
第1曲げ位置(巻きつけ長と同義)Lw計算
- ペグへの正接からペグ中心へ弦を曲げる箇所
- これまでにLiとDsを定数として定めた。
- ペグ直径Dpはノギスなどで測定し、D=Dp+Dsを算出
- n=1,2,3のときの巻長さLwを3つ計算する。
- てか等間隔なのでπDを1回計算して、間隔Lwを開けた線を引いて曲げ位置目盛とする
- Lw=πDn
- てか等間隔なのでπDを1回計算して、間隔Lwを開けた線を引いて曲げ位置目盛とする
第2曲げ位置Lb計算
- ペグの半径の長さだけ内側に曲げる
- Lb=D/2
切り位置Lc計算
- ペグの深さだけ穴の中へ向けて曲げる
- 当然差し込み長Liに等しい。
- Lc=Li
ごちゃごちゃうるせえー
干渉問題について
- フェンダー系ベースのペグはこういう配置になっていて、弦の間隔とほぼ等しい間隔でペグが並ぶので、ネックと平行にテンプレートを使おうとすると干渉を避ける術がない。
- しかし、ペグに穴をはめて使う原典の使い方は、ペグの穴の大きさからペグ直径を割り出すために使われているだけで、別に作業中に通しておく必要はない気がしてきた。
- ということで、なんの機能もないただの直角定規を作ることに。
実際に設計
- 手持ちのGOTOH製GB2のペグを元に説明していきます。
定数の定義
弦直径Ds | 1.8 | [mm] |
差し込み長Li | 21.0 | [mm] |
ペグ直径Dp | 14.0 | [mm] |
(GOTOH,GB2,実測値)
定数から各値を算出
- 実効直径D
- D = Dp+Ds = 15.8 [mm]
- 1巻あたりの長さLw
- Lw = πD = 49.6(4) [mm]
- 第2曲げ位置Lb
- Lb = 0.5D = 7.9 [mm]
- 切り位置Lc
- Lc = Li = 10.5 [mm]
完成品と使用方法
- まずはブリッジにポールを当たる所まで完全に弦を引く。
- その状態でペグに弦が正接する点をつまみ、そこにテンプレートの原点を添える。
- 所望の巻数の目印の部分で左に曲げる
- (2)bendの所で下に曲げる
- 弦の角度を変えて、(2)~(3)に沿わせ、(3)cutの位置で弦を切る
- 後はペグに挿入して巻いていくだけ。