10スレ/聖夜の邂逅

Last-modified: 2014-04-08 (火) 00:53:21

928 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/12/24(土) 18:47:33.09

サンタさん頼むよ・・・今日だけはまどか神とリボほむを再会させてやってくれ・・・

931 : 「聖夜の邂逅」(1/1) : 2011/12/24(土) 20:52:54.87
クリスマスなんて……とソウルジェムをにごらせている人(自分含め)へのSS。
強引だけど、>>928氏に触発されて書き上げました。
 まどかが奇跡を願ってから何日たったか、何ヶ月経ったか……。
 とりあえず、冬の寒さが戦うときにもそれなりに堪えることを知ったくらいの時間は経った。
 まどかは今日も世界を飛び回って、絶望を受け止めているのだろう。
 魔獣を狩って家に帰る。いつもと違うのはもう冬休みに入ったから、学校生活を意識せず生活できる事くらい。
 せっかく時間が取れるなら、と、今までの魔獣退治で得た情報を総括しながらすごしていると、時計が0時を告げた。
 時計を見ると、日付は12月25日。
 ああ、もう今年も終わりか。
 とりあえず、生活リズムを崩しすぎるのも問題だと考えて、私は布団に入ろうとした。
 誰かが、窓をたたく。
 こんな時間に家に来る人も、ましてや窓から家を訪ねる人間も知らないけれど、無視するより確認するほうが安全だろうと考えて、様子を伺おうと窓に近寄る。
 ――近寄っただけで、もう確認も心配も不要だと解った。
 まどかだ。
 理由なんか要らない。必要なら後で考えればいい。
 とりあえず窓を開けると、懐かしい笑顔が目に飛び込んできた。
「ほむらちゃん、久しぶりだね」
「……うん」
 話したい事ならいくらでも、すごせる時間なら永遠にほしいけれど、まずは言葉を交わせただけで、うれしい。
 あふれ出す思いが大きすぎるのか、次の言葉を紡ぐのもうまく行かない。
 少し寂しそうな顔をしながら、こちらに手を伸ばすまどか。
 たかが数ヶ月といわれればそれまでだけれど、触れる事が適わなかったその手に触れられる喜びに、手を伸ばそうとした私だったけれど……。
 種を明かせば単純で、私が寒さに対抗する為に思った以上の魔力を使っていただけだった。
 「良く考えるとソウルジェムの色がおかしかった」と気付いて駆けつけてくれた巴さんと佐倉さんに抱き起こされたときには、まどかはいなかったし、
 ソウルジェムの色も濁りが大分たまっているものの、回復不能な状態ではなかった。
 キュゥべえ曰く
 「理解できない円環の理の過程でやっぱり理解できない人間の感情がソウルジェムの汚濁増加を遅らせた事が回復可能・不可能の境界線上を維持する事を成した結果元々」
 らしいけれど、その話を人間の感覚で解りやすく言えば簡単なこと。
 「まどかがいること自体が私を安心させてくれて、それを実感したから精神が安定した」。
 また何か問題を抱えても、その記憶が私を安定させてくれると思える。
 何時まで戦いが続いても、私は歩き続ける。
 まどかがそばにいてくれるから。
 それに気付けた日がクリスマスというのは、ある種のクリスマスプレゼントをもらったと思えて、またうれしくなった。

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