31スレ/ももいろひめとむらさきひめ

Last-modified: 2014-04-22 (火) 18:06:24
309 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/09/20(木) 03:14:51.95 ID:n4uRSzx40
「ももいろひめ と むらさきひめ」 さく あけみほむら え かなめまどか
むかしむかし あるところに「ももいろの国」と「むらさきの国」というふたつの国がありました。
ももいろの国には、とてもやさしくてかわいらしい「ももいろひめ」というお姫さまが
むらさきの国には、とてもゆうがでうつくしい「むらさきひめ」がおりました。
ふたりのお姫さまはたいそう仲良しで、たびたびお城をぬけだしては
お花ばたけでたのしく遊んでいたのでした。
あるとき、ももいろひめが、むらさきひめがやってくるのを待ちながらひとりで遊んでいると
「やあ!そこのかわいいおじょうさん」と、だれかが話しかけてきました。
見ると、真っ白なからだに赤い目をしたねこが、ももいろひめのあしもとに座っていました。
「こんにちは。あなたはだあれ?」
「ぼくは魔法使い。かわいらしいおじょうさん、きみの願いをなんでもひとつだけ叶えてあげよう」
すなおでやさしいももいろひめは、願い事を言いました。
「わたし、むらさきひめといつまでもずっとずっと仲良しでいたい!」
「それがきみの願いだね?よしよし叶えてあげよう。そのかわり、ぼくといっしょにきてもらうよ」
魔法使いの目が、きらりと光りました・・・。
「ごめんなさい、遅くなって。・・・ももいろひめ?どこにいったの?」
すこし遅れてやってきたむらさきひめ。しかし、そこにももいろひめの姿はありません。
「むらさきひめ、むらさきひめー!」
空からももいろひめの声が聞こえます。むらさきひめは空を見上げてびっくり。
なんとももいろひめが、空に浮いていたのです!
「ももいろひめー!」
むらさきひめは叫びます。
しかしももいろひめを捕まえていた白い魔法使いは、むらさきひめの声には耳を貸さずに飛び去っていきました。
なんと、魔法使いはわるい悪魔だったのです!
むらさきひめは、立ち尽くすことしかできませんでした。
しかしそのときです。
きらっ きらっ
むらさきひめは、足元にきらきらと光るものを見つけて、手にとりました。
しずくの形をした、ももいろの宝石。ももいろひめが、いつも大切に身につけていた宝石でした。
いつもは美しくかがやいている宝石が、どこかくすんで、にごっているように見えます。
かがやきを無くした宝石を見て、むらさきひめは決心しました。
「ももいろひめ、あなたは私がかならず助け出してみせる」
そのときです。むらさきひめの身につけていた、ひし形のむらさきいろの宝石が、ぴかっと強くかがやいたのです!
気がつくと、むらさきひめの手には、ふしぎな魔法の盾と、不思議な魔法の弓が握られていました。
ももいろひめが悪魔に連れ去られたために、ももいろの国はおおさわぎ。
ももいろの国の女王さまはたいそう悲しみ、そして怒り、むらさきひめに向かって言いはなちました。
「ももいろひめをぶじに助け出すまで、ももいろの国に入ることは許しません」
しかしむらさきひめは、堂々と宣言しました。
「はい、私が必ずももいろひめを助け出します」
むらさきひめは、時を止める魔法の盾と、なんでも貫く魔法の弓を手に、ももいろひめを救い出す果てしない旅に出るのでした・・・。
「ねえほむらちゃん、こんなお話なんだけどどうかな・・・?」
「ええ、素敵なお話だわ。私たち、頑張ってこの絵本を完成させましょう」
「うん♪わたし、ほむらちゃんとならなんでもできそうな気がするよ・・・♪」
「私もよ、まどか」
「わけがわからないよ。これじゃあボクが悪役みたいじゃないか」

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