750 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/11/21(水) 13:31:40.96 ID:6Eh1U9Zv0 mdhmいっぱいきてる…。このスレがあるから今日も生きて行けます。
http://ux.getuploader.com/homumado/download/152/hospitalization.txt
60行に収めたけど容量制限食らってしまいました。短文のくせにごめんなさい。 白い病室をピンクに染め上げるようなmdhmください。
http://ikura.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1352871612/
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入院することになったの。 そう告げた時のまどかの顔と言ったら、軽いおふざけのつもりで言った5秒前の自分を引っ叩きたくなるような悲しそうな表情だった。
今となっては無用な検査入院。不要だからといって、受けなければさらなる面倒に繋がることは容易く想像がつく。 本気で心配したんだからね、と頬を膨らませるまどかへ謝罪の言葉と、自宅のポストに投函されていた 病院からの資料を渡しながら、学校へ向かう。 2泊3日の日程。初日は木曜日の午後七時から入院、3日目の土曜日は授業がないので、1日の辛抱ではあるのだけど。
「あなた達に会えないのは辛いわね」
泥水の中を這うような思いで手に入れた日常をこんな事で消費するのは耐え難い。さりとて無視する訳にも行かない。 やや憂鬱な気分でいると、資料を見ながら歩いていたまどかから「うぇヒ」と奇声が漏れた。
「まどか?」
資料の一文を指しながら喜色満面のまどか。指の先には、「付き添いの方がいらっしゃる場合は、前日までにご連絡を」とあった。
こういう時のまどかの行動力の高さというか、押しの強さは計り知れない。ご両親を説き伏せるために家へ招かれ、 しまいには「夜だけでもまどかが居てくれたほうが心強い」という台詞まで言わされた。 これじゃ図々しい変な友達だと認識されるのではないかと心配だったのだが、迷惑にならないように、とか、 ちゃんと金曜日の昼は学校に行くように、とか通り一遍の注意だけで済ませて、すんなりとOKが出てしまった。 おいとまする時にお母さまからそっと耳打ちされた、「最近まどかのやつ、ほむらちゃん絡みの事になると聞かなくってさぁ。よろしくね」 という言葉が、私を嬉しいような不安なような複雑な気持ちにさせるのだった。
以前入院していた部屋へ案内された。少しでも不安を取り除こうという、病院側の配慮なのかもしれない。 ひどく懐かしい。あの時と何も変わらない、白で構成された病室らしい作りの部屋に、あの時と2つだけ違うもの。 私がいつも寝ていたベッドの横に置かれた、患者用のそれより少しだけ低い作りの、付添人用のベッド。 そして、そのベッドに荷物を置くまどか。 ここは私が入院していた部屋だと告げると、大して広くもない部屋を隅から隅まで嬉しそうに眺めていた。
「私とお友達になる前のほむらちゃんのこと、沢山知りたいな」
私はこの時間から絶飲食しなければならなかったため、二人で夕食を済ませてしまってここに来たので、病室で特にすることもない。 大して多くもない、この部屋の思い出話をぽつぽつとまどかに話しながら、1日目の夜を過ごした。 看護師に聞いた、この病院の怪談を披露したら、夜中にトイレに付いて行って欲しいと起こされた。 どっちが付き添いなのかよくわからなくなって、少し可笑しかった。
明けて、2日目。まどかは学校へ。私は検査漬け。 絶飲食も採血も検査器具の冷たさにも慣れっこだ。でも、大切な友人たちに会えないのは随分とこたえるものだ。 これも、あの頃と違うところか。 総計9時間に及ぶ検査。退院してから初めての本格的な検査で、今回の結果が正常であれば、次回からは 日帰りの検診のようなもので済むと主治医は説明した。そうなることを切に願いながら、部屋へ戻る。 まどかは既に戻ってきていて、さらに見舞い客が3人も居た。あの白いだけの病室は、もうどこにも無かった。 まどかに「今日は一緒のベッドで寝ちゃいなよ」としつこく繰り返す美樹さやかの頭をスリッパではたきながら、 巴マミが持ってきたケーキを佐倉杏子と取り合う。「病人はそんなに食べちゃダメだろ」って私は病人でもないし 今夜は様子を見るための入院なだけで明日は検査はない。いつも通り食事をして構わないと言われている。 そうして看護師に窘められるイベントを挟んで、面会時間の終わりとともにまたまどかとふたりきりになった。 さっき感じた、私がひとりで過ごした病室はもう遠くなってしまった、ということをまどかに話したら、とても嬉しそうだった。
「私、もうほむらちゃんのことをひとりにしたくないんだ。償いとかじゃなくて、…ううん、それもどこかあるのかもしれないけど、 ただ、それだけじゃなくて、私がいっしょにいたいから」
私、結局自分のことしか考えてないね、ほむらちゃん相手だと我儘になっちゃうね、ごめんね、とはにかんだまどかの気持ちは 照れてしまうくらいに嬉しくて、 だから、
「じゃあ結婚してくれる?」
と照れ隠しに軽口を叩いてしまった私には罪は無いのと思うのだ。思いたい。
消灯時間。 当然のように私のベッドに入ってくるまどか。不束者ですが ってどこでそんなの覚えたの。早まらないで。まだ若いのよ。 あっ、ちょっと、ここ病室。看護師さんの見回りとか来るのに。大丈夫、きっと大丈夫だよって何なのその 情欲に満ちた目と慈愛に満ちた笑みの両立は。明日は12時までに退院手続きすれば良かったから、ちょっとくらい 夜更かししちゃっても大丈夫だよってまどかあなた。あああああああああ。