37スレ/恋する乙女-mdhmください

Last-modified: 2014-04-27 (日) 10:50:09
155 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/11/15(木) 16:22:17.44 ID:UEUtGns90
少女小説のように胸の高鳴りが抑えられなくなるようなmdhmを希望します。
これは、まずい。
立ち寄った書店が恋愛少女小説フェアをやっていたのがそもそもの始まりだ。
もう遠い昔となった入院生活中には、よく読んでいた。
半ば郷愁のような思いに駆られ、オススメPOPの付いていたものを一冊購入した。
メルヘンとも言えそうなくらい少女趣味な内容だったが上手くまとまっていて、なかなか楽しく読めた。ここまでは良かった。
何かそういうものに飢えていたのか、夢で、その…小説のシーンを追体験してしまった。
意外に影響されやすい自分に悲しいものを感じつつ、朝の通学路を歩いていて気がついた。
――可愛いものが、可愛く見える。
いや、当たり前だ。そうではなく、尋常でないレベルで可愛く見える。
その辺を歩いている何の変哲もない猫が、抱きしめて頬ずりしたくなるくらいに。した。手を引っ掻かれた。
逃げていく猫の背中を追いそうになる私に、聞き慣れた声が掛けられた。
「キミがそんな無警戒なことをするなんて珍しいね、暁美ほむら」
した。わけがわからないよを連発していた。逃げた。追ってもう一度した。
アイツにも逃げられて、一人で道の真ん中で立ち尽くす。まずい。昨日読んだ本と見た夢で、変な方向に脳の回路が開いてしまったようだ。
世界がキラキラと輝いて乙女ちっくに見える。自分の中でそういう感情は削ぎ落とされてしまっていたと思っていた。
今の状態でまどかに顔を合わせて、いつも通りで居られる自信がない。当然のように夢では相手役だったし。
今日は病欠すると連絡を入れようと踵を返す。
「ひゃっ!?」
「!?」
いつの間にか真後ろに立っていたまどかと至近距離で向きあう形になった。驚かせようとしたらしい。
「…え、えへへ、おはよ、ほむらちゃん」
「ッ! お、は、ヨウまどか」
「背中に目でも付いてるみたいな反応の良さだなーほむら」
隣でニヤついている美樹さやかが居なければ求婚の言葉が出そうになった。
「そろそろ急がないと遅刻しちゃうよ? 行こ、ほむらちゃん」
「…えぇ」
衝動をこらえるのに精一杯で、具合が悪いから帰るとも言い出せず、ただ足元だけを見つめて歩く。
「何の話してたっけ、そうそう聞いてよほむら。まどかったらさー」
「や、やめてよさやかちゃん!」
意識が混濁してきた。
「一日一善の善を食べるお膳と勘違いしてたんだってさ。一日にお茶碗一杯のご飯で大丈夫だと思ってたって」
「うー! だって!」
このタイミングで私も知らなかったまどかわいいエピソードの開陳。私の中で何かが切れる音が聞こえた。
「いや、あのねほむらちゃん」
「まどか。放課後私の家に遊びに来ないかしら」
「へ? う、うん、別にいいけど…」
あぁ。今日は長い一日になりそうだわ。でも、もう何も怖くない。
放課後編は貴方のこころの中に。mdhmください。

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