99スレ/縋る相手は

Last-modified: 2014-04-24 (木) 02:13:58
287 名前: ◆HOMUMADOj61K [sage] 投稿日:2014/04/14(月) 01:28:40.32 ID:GnzwhDTu0
>>282
今日も、ここに来てしまった。
あの偽街の中でまどかと語り合った花畑。
二人で椅子を並べて座った思い出も、今はもう見る影もない。
崖の淵に置いてある椅子に座れば、見滝原が一望できる。
この星空のような明かりのどこかに、まどかがいる。
それだけで私は満たされる。
まどかをあの唾棄すべきケダモノどもからも、永遠の孤独からも、私はまどかを守れたのだ。
『まどかを守る私になりたい』
その願いは確かに叶った、いや、私の手で叶えたのだ。
まどかがこの世界で生きている。それを私は見守ることが出来る。
だから、私の胸を満たすのは喜びなのだ。
まどかにどう思われても関係ない。
この胸を突き刺すような痛みは、願いを叶えた嬉しさから来るものだ。
頬を濡らす涙は願いを叶えた事による歓喜の涙だ。
他に理由など、あるものか。
だから、今日も踊ろう。
全身で喜びを表現しよう。
例えまた、奈落に落ちようとも。
「ほむらちゃん、ここにいたんだ」
幻聴が聞こえる。ここにあの子がいるはずがない。
「そんな所で踊ってたら危ないよ。こっちでお話しよう?」
幻覚が見える。ここにあの子がいるはずがない。
「この子がね、教えてくれたの。ほむらちゃんが、ここにいるって。一人ぼっちで泣いてるって」
そこで初めてまどかの耳に見覚えのあるイヤーカフがあることに気付いた。
いつの間にか私の耳からいなくなっていたことにも今更気づく。
また勝手に出歩いたのか。
「一人ぼっちになったらダメだよ。何か辛いことがあるなら、私でよければ力になりたいなって」
あぁ、これは悪夢か。
きっと私はいつの間にか眠っていて、目が覚めればまどかはいないのだ。
だってまどかがこんな私に優しくしてくれるはずがない。
私にそんな資格があるはずがない。だから、今近づいてくる足音も幻だ。
耳にかかる吐息も、抱きしめてくれる腕も、ぬくもりも。
全部、全部幻なのだ。
「だからね、ほむらちゃん。お話しよう。わたしは、あなたのお友達になりたい」
幻を相手に縋って泣くのは、果たしてどんな罪になるのだろうか。
例えばこんな感じですかねぇ

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