A Pocket Headphone Amp by Chu moy
ここでは、chumoy氏の書かれたアンプの解説の抜き出し和訳を載せています。
是非一度読んでみてください。
注!実際の製作ではもっと細かくパーツ指定を行いますので安心してください。
原典回路図についての掲載許可は取得済みです。
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原典 HeadWize
回路図
(c) Chu Moy, 2001
FROM HeadWize
採用オペアンプについて
OPA134なわけ
最初はOPA132を使用していましたが、生産終了してしまったため、
OPA132のオーディオ版の、OPA134を採用しました。このオペアンプはこの回路で理想的に動作します。私がこれを選んだのはスペックに惹かれてであり、FET入力、HIインピーダンス入力、
低オフセット、8MHZ帯域、20V/usスルーレート、超低ノイズ、超低歪み他もろもろという利点があったためです。
またこれはかなりの低電圧(±2.5V)動作が可能のため、ポータブルアンプにとっては
都合がいいのです。
代用可能なオペアンプ
OPA134は1回路もので2回路入りはOPA2134です。代用品にはDIP品を選ぶように!
SOICは小さすぎて手に負えなくなる可能性があり、また低電圧駆動ができ、出力電流に余裕のあるものがいいでしょう。
オペアンプを取り換える場合
njm2114などバイポーラ入力のオペアンプを使う場合、そのままだと発振します。C1のコンデンサーを4.7uF、R2の抵抗を2KΩに取り換えてください。
回路動作
この回路ではOPA134は非反転増幅、ゲイン11で動作しています。
またこのゲインでは全オーディオ帯域において出力インピーダンス0.2Ω以下です。
またC1とR2で構成されるハイパスフィルターのカットオフ周波数は15hzで、
C1を1ufにすることで1.5hzまで改善される。
電源回路
このアンプの電源は9V電池を分圧し±4.5Vの両電源として使用しています。
注意:9VのDCアダプターから供給する場合、FAQを参照してリップルフィルターを組み込んでください。組み込まない場合、音質が悪化します
なぜ両電源か
たしかにOPA134は単電源でも動作しますがオペアンプ自体、
両電源向けに設計されているからであり、さらにDC出力にするには
両電源が必要なのです。
仮想GND
仮想GNDは4.5Vに固定されますがオペアンプの動作は相対電位差に
よるのでこれで大丈夫です。アイドル時、出力はコンデンサなしで
0V(数mVのオフセットあり)になる。
しかし、プリアンプとしても使う予定なら直流カット用のコンデンサ
を出力に入れてください。また、C1、C2は220ufになっているが、
これはただケースに余裕がなかったためで、できればもっと容量の
大きいものを使ってかまいません。
電源の配線
1回路ものを使うなら、電源は各チャンネルを並列に接続してください。
ローインピーダンスヘッドホン駆動について
OPA134ではインピーダンス32Ω以下などのローインピーダンスヘッドホンを
駆動する際、電源分圧が崩れてしまいます。
また、ローインピーダンスヘッドホンにおいてはノイズが発生しやすい。
改善策
出力に20~50Ωの抵抗を直列に入れるか、コンデンサを入れるか、電源をオペアンプ分圧(もしくはカレントミラー分圧)にしてください。
ノイズ対策
ノイズがある場合、まず、そのノイズがアンプから来るものか試してください。
もしそうなら金属にケースをいれGNDをケースに接地してみてください。ショートに注意!
また、このアンプは高ゲインであり、プレイヤーのノイズを拾いやすく
特に低インピーダンスヘッドホンの場合は起こりやすい。
ヘッドホン端子からでなく、ラインアウト端子を利用し、
もしすでにしているならR3を10k~47kで調整してください。