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くー…くー…だわわー…

Last-modified: 2017-03-08 (水) 05:28:54

「昼寝だわわー……」
 暖かな日射しの差し込む縁側で、九尾ちゃんは昼寝をしています。
「くー……くー……だわわー……」
 気持ち良さそうな寝息を立てる九尾ちゃん。
「キューちゃん呼んだ?」
 そこに空狐ちゃんが現れました。
「くー……くー……だわわー……」
「なんだ。寝息だったんだ」
 くすり、と空狐ちゃんは笑います。
「気持ち良さそうな寝顔」
 すやすやと寝息を立てる九尾ちゃんを見て、くすくすと笑う空狐ちゃん。
 そのまま寝ている九尾ちゃんの横に座ります。
 その手が九尾ちゃんの九本ある尻尾の一本に伸びました。
「キューちゃんの尻尾、モフモフ」
「くー……くー……だわわー……」
「気持ちいい……」
 尻尾を撫でているうちに、空狐ちゃんの目はとろんとしたものへと変わっていいきます。
「……ちょっとだけ……ちょっとだけいいかなキューちゃん?」
 とろんとした目をしたまま、空狐ちゃんの顔がゆっくりと九尾ちゃんに近づいていきます。
「ちょっとだけだから……」
 九尾ちゃんはすやすやと眠ったままで、空狐ちゃんは上半身をゆっくりと屈めていって、空狐ちゃんの顔は九尾ちゃんにゆっくりと近づいていき、とうとう空狐ちゃんの小さな唇が、九尾ちゃんの柔らかなそこに、ゆっくりとゆっくりと口付けられました。
 空狐ちゃんは真正面から顔を埋ずめるようにして、それからその柔らかさ堪能するように顔を小さく左右に動かします。
「キューちゃん……柔らかい……」
 やがて頬ずりするように横顔をそこに埋ずめ、とろんとした目の空狐ちゃんは幸せそうに微笑みました。
 そのまま目を閉じて……。
「すー……すー……」
 縁側にはまた一つ、かわいい寝息の音が増えたのでした。

 
 
 

「……図鑑に載せても大丈夫か見て欲しいって言うから読ませてもらったけど」
「どうだった?」
「これ、九尾の尻尾を枕にして空狐が普通に昼寝したってだけじゃないの?」
「うん。でも、すっごくかわいかったなーって」
「……だったら最初から何の問題も無いじゃないの。まったく……、思わせぶりな書き方しないで欲しいわね」
「あれあれ〜? 何を思わせぶっちゃったのかな〜?」
「べ、べつに何も……私はただ、どんなことが書かれているか身構えてただけで……」
「え〜? キスしちゃったんじゃないかとドキドキしちゃったんじゃないの〜?」
「それは……! ……って、やっぱりそういう書き方してたわけね!」
「あっ。バレちゃったかー」
「あなたね〜」

 
 

 すぐ横で見てましが、二人とも乙女ですか! って言いたくなりますね。いや乙女ですけど、ええ。

 
 

「でも大丈夫!」
「何が?」
「最初から澄姫に読ませるためだけに書いたから、図鑑に載せたりしないよ!」
「……そう」
「あれ? 怒らないんだね?」
「まあ、このくらいで怒ってたらきりがないし」
「むう……?」
「なんならまた何か書いて読ませてくれてもいいわよ」
「え? そ、そう? じゃあまた何か書いたら澄姫に読んでもらうね!」
「ええ、よろしく。……それで、もしよければ私も、その、し、ししゅ……」
「え? なんて?」
「や、やっぱり何でもない。またよろしくね!」
「あ。……行っちゃったかー。でも、……また何か思いついたら書いてみようっと」

 
 

 すぐ横で見てましたが、乙女ですね……。ええ、乙女です。ほっこりした気持ちになっちゃいますね。