芸備線

Last-modified: 2017-02-12 (日) 22:53:21

路線概要

中国山地西部の山間を走るローカル線の一つ。中国自動車道の開通や伯備線の特急列車網の整備などで、広島市から広島県北部を経て木次線を経由して松江市・米子市などと結んでいた陰陽連絡路線のメインルートからは外れ、現在は、広島市 - 三次市間の都市間輸送や広島市 - 三次市 - 庄原市および新見市 - 庄原市東城町といった沿線の通勤・通学輸送が主体の路線となっている。

運行形態

普通列車・快速列車のみの運転で、全線を通して運転される列車はなく備後落合駅と三次駅で運転系統が分かれている。
広島~三次駅間は芸備線の中でも運行本数が多く、広島駅 - 三次駅間で1時間に1本程度運転されているほか下深川駅・狩留家駅・志和口駅止めの区間列車も運転されている。そのほかこの区間では広島発三次経由福塩線府中行きの列車も2本設定されている。
普通列車のほかにも、快速「みよしライナー」が4往復運転されており、所要時間は約1時間20分である。
一部列車は三次駅で分割作業を行い福塩線へ直通するものもある。
三次~備後落合駅間は、すべて普通列車での運転であり、三次駅 - 備後落合駅間5往復と、三次駅 - 備後庄原駅間の区間列車が2往復(朝の1往復は休日運休)運転されており、曜日によっては5 - 6時間ほど運転されない時間帯がある。
このほか臨時列車として、備後落合駅で「奥出雲おろち号」に接続する普通列車が運転日に合わせて三次駅 - 備後落合駅間で1往復運転されている。
新見~備後落合駅間は、全列車が新見駅を発着するが、奥の備後落合駅へ向かう便は半数しかなく東城駅で折り返し運転を行う。そのため、備後落合駅 - 東城駅間は1日わずか3往復の超過疎路線となっており、配線の話が持ち上がることもある。
この区間は快速列車が、新見発備後落合行きとして早朝に1本のみ運転されているが、快速は、私用される車両の方向幕に「快速 備後落合」という表示がないため、方向幕には「備後落合」とのみ掲出、前面窓内側のワンマン灯下に「快速」と記載された種別札を挿入したうえで運転される。

使用している車両

キハ120系?(備後落合より西は広島支所所属の車両が、東側は岡山気動車センター所属の車両が使用される。)
キハ40・47系(広島~三次駅間のみ)

過去の運転形態

かつては急行「ちどり」「たいしゃく」「みよし」などの優等列車が運行され、陰陽連絡線として多くの急行列車で賑わっていた。2007年7月1日に廃止された当線最後の急行「みよし」は、廃止直前時点で4往復が運転されていた。またほかの急行列車が客車や電車、一般形のキハ47形気動車を使用していたことから、急行形気動車のキハ58系で運用される日本で唯一の急行列車となっていた。
国鉄時代は前述の急行列車も多く運転されており、広島駅 - 新見駅間を走破する列車も設定されていた。また、最終列車も早く、広島駅から三次駅までが21時台、志和口駅までが22時台だったが、夜行「ちどり」が存在した当時は、広島を23時50分台に出て志和口・三次・備後庄原などに深夜に到着することはできた。
かつての優等列車は山陽本線・木次線・伯備線・姫新線などと直通で運転されていたが、晩年は芸備線内のみでの運転となっていたがいずれも現在は運転されていない。

  • また、2007年7月1日のダイヤ改正以前は「通勤ライナー」も設定されていた。

高速化提案

1991年には振子式気動車の投入による高速化が要求されるようになり、同年11月にJR四国の特急用気動車である2000系?を借りて使用した試運転が東城駅 - 広島駅間で行われた。
また、2006年には地元経済界による芸備線と木次線の大幅な高速化が提言され、広島支社から本社に対し、広島周辺の一部区間の電化等の要望が挙がっていた。しかし同社は過去の整備事業はほとんどが原則として地元負担となっているため、地元がどう資金を負担するかが鍵となっている。

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