No.056 | ||||
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震電改 | 艦上戦闘機 | |||
装備ステータス | ||||
火力 | 雷装 | |||
爆装 | 対空 | +15 | ||
対潜 | 索敵 | |||
命中 | 回避 | |||
戦闘行動半径 | 2 | |||
装備可能艦種 | ||||
駆逐艦 | 軽巡洋艦 | 重巡洋艦 | 戦艦 | |
軽空母 | 正規空母 | 水上機母艦 | 航空戦艦 | |
備考 | ||||
開発不可、改修不可、入手方法 | ||||
九州飛行機&海軍航空技術廠が生み出した、先進的なエンテ型の試作戦闘機「震電」。 推進プロペラを後方に配置し、重火力を機体前部に集中させた後進翼の機体は、まさに未来と希望を感じさせるもの。 現実世界では、海上に飛び立つことのなかった機体ですが、「艦これ」では着艦フックと尾翼等を補強して登場です! |
ゲームにおいて
- 2013年春イベント「敵艦隊前線泊地殴り込み」E-4クリア報酬として登場後、長らく入手不可能な状態が続いた。
- 23年春に艦これが10周年を迎えた際に、期間限定任務『【艦隊10周年記念任務:拡張任務】特別工廠』の選択報酬として、2023/6/14まで入手可能であった。
- また、24年新春任務拡張作戦においてもカタパルト等との選択報酬として入手可能であり、いずれの機会も期間限定ながら現状では最大3機の所有が可能。
13春イベで入手した提督はあきつ丸など一部の艦娘は全スロット震電改で埋めるという荒業も可能となった。初登場から10周年記念任務までの約10年間、他の入手手段が一切無かった艦これ最大の幻の装備。
- 13年春の『敵艦隊前線泊地殴り込み』はサービス開始から一ヶ月も経っていない時期のイベントだったため入手者はかなり少なく、「オーパーツ」「全装備図鑑コンプの最難関」とも呼ばれていた。
これと最上位ランカーにのみ配布された装備の存在により、現在では装備図鑑コンプを達成している提督は1人も居ないようだ。- 他サーバーはこのイベント後に開設されたため、基本的には横須賀鎮守府サーバにしか所持者が存在しない。
横須賀鎮守府でも様子見・不参加で未入手の人が多い。ただし横須賀鎮守府から他サーバに異動した人もいるため横鎮以外に所持者がいないとは言い切れない。- 5周年目の節目で第二期の一環として、全鯖から任意鯖異動が抽選でできるようになったため、
所持提督が異動すれば全鯖で一応見れる可能性が出てきた。
- ちなみに、6年以上正式実装されていない装備としてもう一つ有名なのは53cm艦首(酸素)魚雷。
こちらはユーザ数が激増した時期のイベントで、しかも入手条件が簡単であったため所有者自体は割と多い。- 両方共半ば黒歴史となってしまっている可能性がある
- ちなみにこのイベント、あまりの難易度の高さのためか、後でE-1~E-3の難易度が下がった。
なお、下がる前にE-3を攻略していた人には彗星一二型甲が手に入った。- もっとも難易度が下がっても当時の5%ほどの提督しかE-4を突破できなかった。
下がる前は1%未満とか言われていた。 - 難易度が高かった原因としては艦種指定もそうだが、装備が全然ないこと、「無慈悲なうずしお(※公式表現)」、当時の潜水艦の仕様(正規空母も吸われた&耐久が高い)、当時のゲージ回復の早さ等があった*1+猫爆撃
- また当時は建造・開発レシピ、キラ付遠征の法則、夜戦攻撃の法則、制空権の法則、攻撃力の計算方法など多くの仕様が未解明だった。
- 決め手はボス前完全ランダム羅針盤や渦潮による資源不足と当時は中破轟沈説が主流だったこと。
この点、当時の難易度を推測することは容易だろう。(当時米帝プレイをやっていた人は楽だったのかは不明)
- 艦娘・装備が充実し仕様の解明が進んだ現在であれば、仮に復刻されたとしても多くの提督が突破できるだろう。
- もっとも、最初期の10%/1hのゲージ回復まで復刻されると羅針盤の問題もあり別問題だが…
- もっとも難易度が下がっても当時の5%ほどの提督しかE-4を突破できなかった。
- 仮に開発可能となっても開発可能理論値の時点でボーキ280と電探レシピのボーキ(250)を超えてしまう。
- 14年秋イベでFuMO25 レーダーが実装されてこちらも開発不能だがボーキの理論値は290とついに首位陥落した。
- 初のレアリティ☆5装備であったが、2014/06/06アップデートで天山一二型(友永隊)が出現したため、唯一ではなくなった。
- その後着々と☆5装備が増加し、更に☆6装備まで出てきた。
- 2019年8月17日で実装から6周年を迎えた頃、艦これアーケードで同イベントが開催されたが、
その際の最終海域突破報酬は烈風改(現名称:烈風 一一型)に差し替え。この事から今後も一般配布される可能性は極めて低いと見られていた。- その後、艦これアーケードでは次イベ「南方海域強襲偵察!」イベントの最終海域突破報酬(甲作戦)として配布されることになった。
なお現時点で甲作戦は最凶最悪難易度と言われている模様、13春と同じく歴史は繰り返す
- その後、艦これアーケードでは次イベ「南方海域強襲偵察!」イベントの最終海域突破報酬(甲作戦)として配布されることになった。
- 13年春の『敵艦隊前線泊地殴り込み』はサービス開始から一ヶ月も経っていない時期のイベントだったため入手者はかなり少なく、「オーパーツ」「全装備図鑑コンプの最難関」とも呼ばれていた。
装備の運用について
- 対空値+15と言う、超高性能の代物。
- 「試製烈風 後期型」の1.5倍の性能であり、2014年春イベントでも配布された「烈風 一一型」と比べても1.25倍である。
- 具体的には、加賀改の46スロに乗せると制空値101、烈風 一一型は81、試製烈風 後期型は67。
- 熟練度maxにすると制空値126に上昇し、これだけで優勢可能な海域が一気に増える。
- 後に、基地航空隊の局戦「三式戦 飛燕(飛行第244戦隊)」が実装された。
「基地航空隊出撃」での局戦の対空値の計算が「対空+迎撃×1.5」であるという報告から計算すると、こちらの対空値も「出撃」においては対空値15相当になる。 - また17年4月に陸戦の「一式戦 隼II型(64戦隊)」が実装され、こちらは対空値18.5相当とついに震電改の対空値を上回る機体が登場した。
それ以降、基地航空隊においては出撃時の対空値換算で震電改を越える局戦/陸戦は増えつつある。- ただし、これら陸戦/局戦の場合は行動半径の影響でフルに実力を発揮できないケースや、スロットが18機で固定である点、加えて基地航空隊が使える一部海域にしか派遣できないという点であまり比較にならない。
震電改の真価は、そう言った縛りの多い局戦/陸戦ですら一部の機体のみに許された制空値を、加賀改二の3スロ目(44機)などの大編隊で他の艦載機と共に運用しつつ、空母さえ持ち込めれば海域のどこでも振り回せるという点にある。*2
もっとも、基地航空隊の陸戦/局戦も撃墜数への寄与などが大きいので、やはり単純比較できるものでは無いが。
それこそ選択対象が64戦隊でなくて良かったという声がチラホラ…なおこちらも今年の秋刀魚漁で入手可能となった
- ただし、これら陸戦/局戦の場合は行動半径の影響でフルに実力を発揮できないケースや、スロットが18機で固定である点、加えて基地航空隊が使える一部海域にしか派遣できないという点であまり比較にならない。
- しいて欠点を上げるなら、最初期に実装された艦戦故に対空値+15以外の強みが一切ないという点。他の上位艦戦の殆どは対空以外のステータスが上がったり装備ボーナスがあったりするため、ここは明確に劣っていると言えるだろう。
とはいえ、艦戦として一番最重要な対空値が他の追随を許さない高さなのでこれだけで釣り合いが取れているのが本装備の恐ろしいところ。
- ものすごく余談だが、実装当時震電改の制空値が0になるという特大なバグがあった。(地味に紫電改二もだが)
- 艦戦系統では最強格だが、当時は制空値計算式も不明であり、また仮に知っていても制空値0という罠により制空権喪失となりボーキもぶっ飛ぶという悲しい過去もあった。
- なお、当時の公式修正時の文言が「その性能を発揮しきれず明太子食堂となっていた感のある震電改」という言い方をされた為、古参には明太子食堂と呼ぶ人もいるとかいないとか。
- 何故明太子食堂なのかは、カードイラストの妖精さんを参照。
- 艦戦系統では最強格だが、当時は制空値計算式も不明であり、また仮に知っていても制空値0という罠により制空権喪失となりボーキもぶっ飛ぶという悲しい過去もあった。
アップデート履歴
- 2013/05/17:実装。春イベント『敵艦隊前線泊地殴り込み』最終海域 E-4 海域突破報酬として。
- 2014/10/10:装備ロックが実装され、誤廃棄の危険性は薄れた。
- 2016/08/19:航空戦のグラフィックが専用のものになった。
- 2019/03/22:装備グラフィックが更新され、同時に背景も後発の☆5と同じものに変更された。そこから正式実装まで実に4年あまり。
2019/03/22 アップデート以前の画像
入手方法について
過去の入手方法一覧
- 2013年05月 春イベント『敵艦隊前線泊地殴り込み』E-4 突破報酬
- 2023年 期間限定任務『【艦隊10周年記念任務:拡張任務】特別工廠』選択報酬
- 2024年 期間限定任務『新春【拡張作戦】一航戦五航戦、新年協同作戦!』選択報酬
性能比較表(装備最大値/艦戦上位早見表/テーブルより転送)
装備名 | 対空 | 対潜 | 索敵 | 命中 | 回避 | 火力 | 装甲 | 半径 | 国籍 | 入手方法 | 改修 | 備考 | 追加 |
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震電改 | 15 | 2 | 日 | 任務、イベント | - | 編集 | |||||||
試製 陣風 | 13 | 1 | 1 | 5 | 日 | ランキング、イベント | - | 一部日本艦に装備ボーナス | 編集 | ||||
烈風改二 | 13 | 2 | 1 | 1 | 5 | 日 | イベント | - | 一航戦に装備ボーナス | 編集 | |||
烈風改二戊型(一航戦/熟練) | 12 | 1 | 3 | 2 | 6 | 日 | イベント | - | 夜戦、一航戦に装備ボーナス | 編集 | |||
烈風改二戊型 | 11 | 1 | 2 | 2 | 5 | 日 | イベント | - | 夜戦、一航戦に装備ボーナス | 編集 | |||
烈風 一一型 | 12 | 5 | 日 | 任務、イベント、ランキング | - | 編集 | |||||||
烈風(六〇一空) | 11 | 1 | 2 | 5 | 日 | 任務、イベント、ランキング | △ | 編集 | |||||
烈風改(試製艦載型) | 10 | 2 | 3 | 1 | 1 | 4 | 日 | イベント | - | 一航戦に装備ボーナス | 編集 | ||
試製烈風 後期型 | 10 | 5 | 日 | 開発、初期装備 | - | 編集 | |||||||
紫電改四 | 10 | 1 | 3 | 1 | 4 | 日 | イベント、ランキング、改修 | ◯ | 鈴谷航改二、熊野航改二、龍鳳改二戊/改二に装備ボーナス | 編集 | |||
紫電改二 | 9 | 3 | 3 | 日 | 開発、任務 | ◯ | 編集 | ||||||
零式艦戦64型(制空戦闘機仕様) | 9 | 1 | 1 | 3 | 1 | 5 | 日 | 任務 | ◯ | 鳳翔改二/戦、龍鳳改二/戊に装備ボーナス | 編集 | ||
零式艦戦53型(岩本隊) | 12 | 3 | 2 | 4 | 6 | 日 | 任務 | ◯ | 編集 | ||||
零戦52型丙(付岩井小隊) | 10 | 1 | 1 | 2 | 6 | 日 | 任務 | ◯ | 編集 | ||||
零戦52型丙(八幡部隊) | 10 | 1 | 1 | 1 | 6 | 日 | イベント | △ | 編集 | ||||
零戦52型丙(六〇一空) | 9 | 1 | 1 | 6 | 日 | 初期装備、任務、ランキング | ◯ | 編集 | |||||
零式艦戦52型(熟練) | 9 | 1 | 1 | 2 | 6 | 日 | 任務 | ◯ | 編集 | ||||
零式艦戦32型(熟練) | 8 | 1 | 4 | 5 | 日 | 改修、任務 | ◯ | 編集 | |||||
零戦21型(付岩本小隊) | 9 | 1 | 1 | 3 | 7 | 日 | 任務 | △ | 編集 | ||||
零式艦戦21型(熟練) | 8 | 1 | 2 | 2 | 7 | 日 | 初期装備、任務 | ◯ | 編集 | ||||
Fw190 A-5改(熟練) | 11 | 1 | 3 | 2 | 4 | 独 | イベント | - | 編集 | ||||
Fw190T改 | 10 | 2 | 2 | 3 | 独 | 初期装備、イベント | - | 編集 | |||||
Bf109T改 | 8 | 4 | 1 | 2 | 独 | 初期装備、イベント、任務 | - | 編集 | |||||
Re.2005 改 | 11 | 3 | 1 | 3 | 伊 | イベント、改修 | - | Aquila、Graf Zeppelinに装備ボーナス | 編集 | ||||
Re.2001 OR改 | 6 | 2 | 3 | 4 | 伊 | 初期装備、ランキング | ◯ | Aquilaに装備ボーナス | 編集 | ||||
XF5U | 12 | 1 | 2 | 4 | 米 | イベント、ランキング | - | Intrepid、Saratoga、Gambier Bay、Hornet、加賀に装備ボーナス | 編集 | ||||
FR-1 Fireball | 11 | 1 | 3 | 2 | 5 | 米 | 任務 | - | 米英空母に装備ボーナス | 編集 | |||
F6F-5N | 10 | 5 | 3 | 3 | 3 | 5 | 米 | 任務、ランキング | - | 夜戦 | 編集 | ||
F6F-5 | 10 | 1 | 1 | 3 | 1 | 5 | 米 | 改修、ランキング | ◯ | 編集 | |||
F6F-3N | 8 | 4 | 2 | 2 | 3 | 5 | 米 | 任務、ランキング | - | 夜戦 | 編集 | ||
F6F-3 | 8 | 1 | 1 | 2 | 1 | 5 | 米 | 初期装備、改修、任務、ランキング | ◯ | 編集 | |||
F4U-2 Night Corsair | 9 | 5 | 2 | 1 | 2 | 1 | 6 | 米 | イベント、ランキング | △ | 夜戦、米英空母に装備ボーナス | 編集 | |
Corsair Mk.II(Ace) | 11 | 2 | 2 | 2 | 2 | 6 | 英 | イベント | △ | 米英空母に装備ボーナス | 編集 | ||
Corsair Mk.II | 10 | 1 | 1 | 1 | 6 | 英 | ランキング、初期装備 | △ | 米英空母に装備ボーナス | 編集 | |||
Seafire Mk.III改 | 9 | 1 | 2 | 1 | 1 | 4 | 英 | イベント、改修 | - | 編集 |
- 装備ボーナスの詳細は個別装備ページを参照のこと
小ネタ
- 元ネタは大戦末期の日本海軍試作戦闘機J7W1震電。なぜ「改」がつくかの推察は後述。
- 開発元は九州飛行機。作った機体の大半が練習機や偵察機で、零戦等を作った三菱や、紫電改等の川西、九七式艦攻等の中島と比べるとかなりマイナーなメーカーである。
- 実際、震電開発時に九州飛行機の中の人が「本気で主力戦闘機を作ろうとするならウチなんかに頼まないだろう」と自虐している。
- 大手メーカーは戦争末期の苦境の中で過労死状態。こんな斬新過ぎる機体を開発できるメーカーは限られていた。
そんな中たまたま海軍の陸上対潜哨戒機「東海」の開発を終えて余裕のあったこの会社に白羽の矢が立ったというのが実情のようである。
- 大手メーカーは戦争末期の苦境の中で過労死状態。こんな斬新過ぎる機体を開発できるメーカーは限られていた。
- 実際、震電開発時に九州飛行機の中の人が「本気で主力戦闘機を作ろうとするならウチなんかに頼まないだろう」と自虐している。
- もっとも親会社は、今に続く魚雷発射管の名門・渡辺鉄工(2016年現在、海自への納入継続中)であり、海軍では名の知られた会社。発令からわずか13ヶ月で試作機を完成させている。
- 九州飛行機工場の空襲により、機体の一部や部品は博多織の工場で造られた。*3
群馬県の蚕小屋で造られた、橘花と似たエピソード。- ところが、当時紡績系の工場を航空機製造に転換することはわりと多かった。いち早く機械化が進んでいたので、むしろ転換しやすかったのだとか。流石に蚕小屋は違うけど。
- 設計は、海軍航空技術廠の設計者にしてテストパイロット・鶴野大尉。400ノット(740km/h)の戦闘機を実現させるため、この機体構成に行き着いた。彼はいつでも「400ノット」とつぶやいていたという。
- 世界最強戦闘機を自分で設計して自分で飛ばすという「男の子の夢」を実現した史上数少ない人物である。
- 尾翼が機首に付いたその特異な形状(エンテ(Ente)型。ドイツ語で鴨とか雁とかの意)はマニアの間ではおなじみ。ちなみに妖精さんが座っている左側が進行方向です。
- ただ、エンテ型機は零戦のような通常の飛行機に比べ(特に縦方向の)安定性が悪く操縦が難しいという欠点がある。
また後ろにプロペラがあるので、脱出時に操縦士が巻き込まれてミンチになる恐れもあった。
このため震電は、緊急時には仕込んだ爆薬でプロペラをぶっ飛ばす予定だったとか。- もっとも、安定性が悪いということは操作に対して俊敏に反応できるということでもある。問題はどちらをとるかだが……
- ちなみにエンテ型機はラファールといったジェット戦闘機でも採用されている。(厳密にはエンテ型ではなく、それの発展型であるカナード翼機。現行ジェット戦闘機のカナードは機体を制御する目的で付いているので失ってもフライバイワイヤなどで一応飛行できるが、震電のカナードは機体を安定させるために付いているので失った場合は飛行不能になる。)
- 著名な先尾翼機としては、世界初の動力飛行を行ったライト・フライヤー号、初の無着陸・無給油世界一周飛行を行ったルータン・ボイジャー号、ビジネスターボプロップ機のビーチクラフト・スターシップなどが有る。主流とは成らなかったものの長い歴史を持つ形式なのだ。
- ただ、エンテ型機は零戦のような通常の飛行機に比べ(特に縦方向の)安定性が悪く操縦が難しいという欠点がある。
- 鶴野大尉は、震電の設計の利点として、無駄な部分がなく、重量的に有利であることを真っ先に上げている。
- 前部胴体には五式30ミリ固定機銃一型乙4門がみっしり詰まっており「伽藍堂」になっている部分はない。
- その部分はユニット形式になっていて、新しい武装が開発されたときにはそっくり載せ替えられるようになっていた。
- つまり軽量型20ミリ機銃4門装備やロケット弾ポッド搭載なども考えられたというわけ。エンテ型は重心の許容範囲が広く、このような改造は容易である。
- 五式30ミリ固定機銃は1門70kgもあり、99式20ミリ一号機銃の3倍、99式20ミリ二号機銃の倍近い重さがある。薬莢込660gもある弾丸は各々60発・合計240発搭載され、それだけでも160kg近い。
- エンジンは機体の後端にあるわけではなく翼の上にのせてあり、これに延長軸をつけて機体後端のプロペラを回していた。
つまり操縦席より後ろは胴体とは言えず、言うなればエンジンカウルなのである。
エンジンその他駆動系の重量はすべて翼に乗るように工夫され、マスの集中化が図られている。 - 長い主脚は彩雲から、前脚は景雲から流用した。後につけられた接地防止用補助輪も工場にあった白菊の尾輪をつかった。鶴野大尉はこういうところは合理的である。
- 景雲の全備重量は8.1トン、彩雲は同5.25トンの上に艦載機であり、同条件で4.9トンかつ前輪式の震電には、むしろ過剰強度といえる脚である。
- アメリカでもXP-55アセンダーというエンテ型戦闘機が開発されたが、無理があったらしく開発中止に。
- 空冷エンジンを用いたことから冷却設計には注意が払われ、後部に強制冷却ファンを装備したほか、エンジン排気を導くことでカウル内の気流を加速し、均等な冷却が行われるように工夫されている。
- B29迎撃用として開発が開始された。最高速度が時速750kmなど計画上での性能は高い。またエンジンが機体やや後部にあるので、前部に30mm機関砲4丁をガン積みする予定だった。
- が、1号機が完成したのが1945年(昭和20年)6月、初試験飛行が行われたのが同年8月3日で、実戦には間に合わなかった。
- 1号機は米軍により押収され、現在はメリーランド州のポール・E・ガーバー維持・復元・保管施設*6にて分解されたまま
埃をかぶっている保存されている。 - 現在はダレス国際空港近郊にあるウドバー・ハジー・センターにて展示中。ただし、主翼は取り外されて脇に置かれており、胴体のみの展示である。
- 1号機は米軍により押収され、現在はメリーランド州のポール・E・ガーバー維持・復元・保管施設*6にて分解されたまま
- この震電は「もし量産開始が間に合っていたら」と語られることが多いが、実戦で使えるシロモノだったのかというのは結構微妙らしい。
- 空襲で量産体制整えられないだろうだとか、操縦するパイロットいないだろうだとか、そういうのを抜きにしても微妙。
例えば「星型空冷エンジンをこんな所に設置してちゃんと冷えんのか?」「ていうか30mm*4を斉射したら振動ヤバくて当たらないんじゃね?」「そもそもエンジンが信頼できない」などなど。- 長い降着装置、プロペラ延長軸、強制空冷など「一個取り入れたらそれだけで納期が延びる要素」満載である……orz
- なお、試験飛行では低速飛行時に発生するはずのエンジン過熱は問題になっていない。
過熱が問題になっていたのはオイルの方で、オイルクーラのインレットの形状を変えることになっていた。 - 九州飛行機の倉持技師によると、搭載エンジンのハ43は「よく回りました。量産の可能性は十分にあったでしょう」と発言し、雷電では問題となった振動も「エンジン支持架の工夫により、音も振動も押さえ込んだ」とのこと。
トルクの反作用については、飛行中の姿を見てもわからない程度で、右傾化の対策も立っており、「ものになる」と見て、主翼のパーツはすでに30機分、工場に積んであったという*7。 - 同じく九州飛行機の西村技師は「ハ43には信頼感を持っていた。地上運転は順調で、不具合は記憶にない。いきなりよく回ったし、実用の域に達した量産可能なエンジンだった」「動力関係の不具合もなく、テストパイロットのクレームは潤滑油温度の上昇だけだった」と証言している*8。
- いずれにしても、震電が空を飛んだ時間は数回の試験飛行で合計45分なので、実際どのような性能になっていたかはわからないだろう。
もしかしたらとんでもない失敗作だったかもしれない- なお、初飛行に成功する数週間前にも飛行試験に挑んでいるのだがその時は機首上げでプロペラを滑走路に擦り見事にプロペラを曲げてしまい失敗している。その対策として側翼の下に練習機用の小さな車輪を取り付けた。
量産時には主脚位置をやや後方に移すことで解決し、車輪は取り付けない予定だった。
- なお、初飛行に成功する数週間前にも飛行試験に挑んでいるのだがその時は機首上げでプロペラを滑走路に擦り見事にプロペラを曲げてしまい失敗している。その対策として側翼の下に練習機用の小さな車輪を取り付けた。
- なお、その時の映像が残されている。
- NHK福岡局の県内番組『ふっくTV』(2015.11.23)にて、震電の映像が放送された。
- 空襲で量産体制整えられないだろうだとか、操縦するパイロットいないだろうだとか、そういうのを抜きにしても微妙。
- 初飛行時のパイロットは鶴野大尉。つまり、ほかならぬ設計者自身である。最初のトライでプロペラを破損した件については、「つい、やってしまったんですな」と後年製作されたTV番組で述べている。
- プロペラをジェットエンジンに変えるだけで飛べる(ように見える)ことから「震電をジェットエンジン、またはロケットエンジンに換装したものが震電改」とされることがある。
実際にはそのような計画は存在せず、開発元の九州飛行機でも「機体はジェット化を目的とした設計では無い」「話には上がっていたが何も進んでいなかった」という事らしい。- 九州飛行機の倉持技師によると「ジェット化の話もあったが実現可能な推力のエンジンが待ち望まれていた」という話。西村技師は「話はあったが、何も進んでいなかった。実現可能だと思っていた」と証言している*9。
- 当時の日本における実用段階のジェットエンジンは、「燃焼噴射推進器」の名称で開発が行われようやく実用段階に到達した「ネ20」が存在する。型式名の「ネ」は先述の推進器の頭文字でもある。
- ドイツのBWM003エンジンのコピーとする文献もあるが、ドイツからの実機と詳細資料を積載した潜水艦は撃沈され失われてしまい、一部の資料しか手に入らなかった。そのため形としてはそれまでの研究の継続だが、そのわずかな資料が実用化に大きく関与したのは間違いないらしい。
- 完成したエンジンは「橘花」に搭載され、日本初のジェットエンジンによる飛行に成功した。1945年8月7日、終戦僅か8日前の出来事である。
- その燃料には松の切り株を原料とした松根油(しょうこんゆ)が混ぜられていた。資源が切迫していた状況での使用とは言え、バイオ燃料によるジェット飛行機の初飛行だったのかもしれない*10。
- しかし、実際に航本ではある程度計画を進めていたとする説もあり、専門家によって意見が分かれる*11。
- ジェット化震電の可能性は有耶無耶ながら、プラモデル化され「震電改」の名称で販売されている。
- ちなみに推進式レシプロ機からエンジン換装でジェット機へと変化した例としてサーブJ21戦闘機が存在するが、性能不足からジェットエンジンへの換装後は攻撃機として使われた。
- 長大な軸流式ジェットエンジンとその吸排気路をどうやって胴体内に納めるのかとか、ネ20の4割増し出力のエンジンを積んだHe162の評価は「パワー不足」だったのに震電はその倍近く重いんじゃないかとかは触れてはいけないのがお約束。
- さて本機も「震電改」であるが、機体解説文に読むに「本来は地上用の震電を改造して艦上戦闘機としたヴァージョン」という艦これオリジナル設定の架空機体と思われる(命名法は紫電改二に倣った発想だね)。
名称に「改」が付いている理由はそういう立ち位置ゆえなのだろう。なお、後ろにプロペラがあるのに、どうやって着艦フックを下ろしているかは不明である。
- 現在でもフィクションでは零戦に次ぐ大人気。ウィキペディアに「震電に関連する作品の一覧」というページが成立するほどである。
- 「未完成の悲劇の機体」「予定では驚異的な高性能」「以上の2つの理由からして、完成していたら勝っていたかもという期待を感じさせる」「レシプロ機とは思えない特異な外見が
厨二マインド永遠の少年達の心を刺激してやまない」という、いろいろな好条件がてんこ盛りゆえだろう。 - 開発がギリギリ間に合って米軍になんとか一矢報いる正統派(?)から、
フィクションで3番目に人気の(これまた計画倒れな)日本の超大型6発戦略爆撃機『富嶽(G10N)』の護衛として米本土まで飛んでいったり、
魚雷や爆弾を積みながら制空戦闘もこなすマルチロールジェット機になったりと、夢とロマンと妄想とチート歴史修正詰め込みすぎの大活躍。 - ゆえに「着艦フックと尾翼を補強して最強の艦上機に」なんてのは非常に大人しい部類に入る。
- 「1950年になっても戦争が続いている」「対米戦争が起こらず、日米同盟でソ連と戦う」ようなif世界と相性がいい。
そのくらいしないと開発できるわけないじゃん、ということでもある。 - こういう状況から、最強の厨戦闘機という異名まであったりする。夢は見たいがあまり現実離れすぎるのも考えものかな……せめてフィクションの中でくらい夢見させてクダサイ
- ただ、その存在の中途半端さ故か、富嶽などに比べると近年は若干不人気である。
理由を端的にいうと「震電を活躍させるのは日本を勝たせるよりも難しい」からである。
- 理由を細かく言うと震電が迎撃一辺倒の兵器であったため、対戦闘機戦での性能が疑問視されることと、……
「そもそも、震電を完成させて生産できるような状況なら勝っている」これ。- それほど日本に有利な状況なら対B-29特化兵器の震電よりも、
四式戦や烈風のような「普通の構造で万能に使える戦闘機」を大量生産している、と考えるのがフツー。 - 逆にそんな状況ならアメリカこそP-55アセンダーやP-63キングコブラ*12にイチかバチかをかけているだろう。
- これは、仮想戦記ブームが成熟していく過程で、『紺碧の艦隊』シリーズに端を発する「厨二病丸出しで超兵器の愉悦」よりも、
「シミュレーションとしてのもっともらしさ」が重視される傾向になったことが主たる要因である。
荒巻鮭御大にとっては不本意だろうが。
すると、アメリカ相手には震電のようなお遊び兵器にかまけるよりも、
零戦→烈風、一式戦・二式単戦→三式戦→四式戦
という正統系の方を数的に強化しないと勝利に結びつかない。
この流れだと、震電どころか雷電すらアウト判定食らっている例があるぐらいである。
一方の厨二病機体の雄・富嶽は“アメリカのチート工業力を直接手にかける能力”としてそれなりに地位はあるのだが……
- それほど日本に有利な状況なら対B-29特化兵器の震電よりも、
- また、「超高性能迎撃機」であればドイツが(後にはイギリスも)実証済みのジェット機に腰を据えればよく、震電という機体自体の開発は、
戦闘機の正統進化系から見ると「裏メニュー」でしかないのがありありと分かるのだ。- とにかく開発動機がB-17からB-36に至る米軍超重爆に苦戦したことが発端なので、
対ソ戦シチュでもいまいち扱いにくいのである。
むしろアメリカ以外の国を敵役にするならビックリドッキリメカの本場ドイツの方が考えやすいぐらいである。
まぁ、日英vs米独って構図の作品もあるっちゃあるんだが。
- とにかく開発動機がB-17からB-36に至る米軍超重爆に苦戦したことが発端なので、
- 理由を細かく言うと震電が迎撃一辺倒の兵器であったため、対戦闘機戦での性能が疑問視されることと、……
- と、“火葬戦記”を卒業した今の日本の仮想戦記コア層からは少し冷めた目で見られている本機だが、その見た目がステキなせいか、相変わらず外人ウケはいいらしい。
- 後述の通り、2023年11月3日に公開された映画『ゴジラ-1.0』にて、震電が映画初登場を果たした。
本作では、戦争末期に僅かに実戦配備された機体の一つが戦後の混乱の中廃棄を免れて残存していたという設定で、主人公・敷島と因縁のある元海軍整備兵の橘たちによって再整備され、さらにとある改造を施されてまさかの震電改、ゴジラ駆除作戦「海神(わだつみ)作戦」にて敷島が搭乗しゴジラを相手に大活躍を果たす。
- 「未完成の悲劇の機体」「予定では驚異的な高性能」「以上の2つの理由からして、完成していたら勝っていたかもという期待を感じさせる」「レシプロ機とは思えない特異な外見が
- 妖精さんが明太子を食しているのは福岡の飛行機メーカー(九州飛行機)が開発に携わったからだろうか。
- 2022年7月からは福岡県の筑前町立大刀洗平和記念館にて実物大模型が展示されている。1/1震電
なお、出所は長らく伏せられていたが、映画『ゴジラ-1.0』の撮影のために制作されたものである事が同映画が公開された2023年11月に公表された。そりゃ出所話せんわな
すまん疲れ切ったうえでの戯言なんだ聞き流して欲しい-- 2024-01-23 (火) 11:27:17自分は一航戦改二と五航戦改二甲、大和型改二が揃ってるから6-4以外はスムーズだった・・・6-4はホント運だねぇ。 -- 2024-01-24 (水) 06:14:35