レポート/【アンセムレポート】

Last-modified: 2023-11-29 (水) 11:06:05

KH

かつてホロウバスティオンの統治者だった賢者アンセムが残したとされるレポート。
実際は、レポート0以外は、彼の弟子ゼアノート及び、そのハートレスである闇の探求者アンセムが書き記したもの。
彼がどのような過程を経て世界の心の存在やハートレスの生成方法を知り、また闇に魅入られていったのかがわかる。
0~12とナンバリングされているが、これは書き記された順であり入手順ではない。また10~12はFM版で追加されたものである。
偶数番号のレポートはヴィランを倒すと手に入ることが多い。奇数番号のレポートは物語の終盤にまとめて手に入る。

  • つまり、表面的にはまともに見える偶数番号のレポートを出しておくことで、黒幕が判明するまでレオン達が話す「アンセム」に疑いを持たせないようにする構造になっている。

アンセムレポート0

長い長い時間をかけて、私は
多くの知識を身につけてき
た。
 
私の知識が力となって、この
世界の平和を守っていること
を、疑う者はいないだろう。
 
民は笑顔を絶やすことなく、
私を尊敬してくれる。
 
だが、賢者と呼ばれている
私にも、わからないことがあ
る。
 
人の心の奥深くには、かなら
ず闇が眠っている。
どんなに純粋な者の心にも。
 
たったひとかけらの闇が、ふと
したきっかけで大きくふくら
み──やがて心のすべてを
闇に染めてしまった例を、私
は何度となく見てきた。
 
 
 
闇。心の闇。
 
どこから来て、どこへ行くの
か。
 
この小さな世界を治める者
のつとめとして、どうしても
知っておかねばなるまい。
 
闇にとらわれた者どもが、
この世界の平和を乱す前
に…。


KHIIで明らかになるが、「アンセムレポート」の中で唯一本物の賢者アンセムによって書かれた手記である。

アンセムレポート1

人の心に潜む闇。
その正体を暴かねば。
 
数種類の実験を行なう。
 
人の心の闇を、とりのぞく実
験。
 
純粋な心に、闇を発生さ
せる実験。
 
闇を抑制する実験と、逆
に増幅する実験。
 
ところが、心の領域に手を
出したとたん、被験者の心は
ことごとく崩壊してしまった。
強い精神力を持つと思われ
た者も例外ではない。
 
心とは、なんともろいものか。
 
治療を施したものの、彼ら
は回復するきざしを見せず、
完全に心を失った。
 
そんな痛ましい姿を民に見
せるわけにはゆかない。
私は彼らを城の地下に幽
閉した。
 
それからしばらく後、城の地
下で奇妙な存在を発見した。
 
闇から生まれでたような、
生物…いや、あれが本当に
生物なのか、確証はない。
 
あれはいったい何者か。
 
心をなくした者たちの、影な
のだろうか。 


ここからゼアノートによって書かれたものとなる。
ゼアノートが心の実験を行なった結果ハートレスが発生したことがわかる。

アンセムレポート2

城の地下深くの暗闇にうご
めく影たち。
 
あれは心をなくした者の末
路なのか?
 
あるいは、心の闇が具現化
したものか?
 
それとも、まったく異質な
存在なのか?
 
私の知識をもってしても答
えは出ない。
 
確かなのは、あれがいっさい
の感情を持っていないこと
だけだ。
 
おそらく彼らの正体や目的
が判明すれば、心の謎を解
く鍵が見つかるだろう。
 
さらなる研究を続けねば
ならない。幸いサンプルの
数に不安はない。
 
彼らは次から次へと発生
しているのだ。
 
彼らの呼称が必要だ。
 
よろしい。
心なきもの…ハートレスと
名づけよう。


このレポートを記載している時点で、彼は闇への狂気に取り憑かれてしまっている。マスター・ゼアノートの思想が表面に出てきているのだろうか?

アンセムレポート3

ハートレスは複数で出現し、
さらに増殖しているようだ。
 
数種のサンプル(生物・無生
物)を与えてみると、生物の
みに反応した。
 
ハートレスは生物から何か
を吸収して、さらに増殖。
そして対象となった生物は、
跡形もなく消失した。
 
ハートレスは、生物から何を
吸収しているのか。
 
私は彼らが「心」を奪ってい
るのではないかと考えている。
 
ハートレスは心をなくした者
から生まれ、他の生物から
心を奪って増殖する。
 
ハートレスに奪われた心は、
新たなハートレスを生み出
す糧となる。
確証はないが、私は自説に
自信を持っている。
 
さらに大量の生物を与えて
検証しよう。
 
また、ハートレスの行動原理
についても研究を進めなけ
れば。
 
感情を持たないと思われる
彼らだが、知性はあるようだ。
 
しかしコミュニケーションの
方法が分からない。
 
ふと思う。
 
あれは私が長年追い求め
てきた心の闇、そのものでは
ないか。


3D冒頭におけるムービーからして、既にこの時点でマスター・ゼアノートとしての人格が無意識ながらほぼ復活していたのかもしれない。

アンセムレポート4

ハートレスの行動原理を探
るため、1体のハートレスを選
び、行動を観察してみた。
 
しばらく触手を揺らしていた
が、やがて目標を感知したの
か、城の奥をめざして歩き出
した。
 
やがて城の最深部に到達
すると、さらに何かを探す
かのように、触手を振動さ
せる。
 
すると突然、奇妙な扉が出
現した。
私の城に、こんなものが隠さ
れていたとは。
 
扉には大きな鍵穴があった
が、鍵がかかっている様子は
ない。
 
自ら扉を開いてみた。
 
…あれはなんだったのか。
 
扉の奥で見たものは、私の知
識を超えていた。
非常に強力なエネルギー
体。
 
その正体はいったい?
 
この夜、多数の流星を観
測した。
扉を開いたことと関わりが
あるのだろうか。


今回のレポートは、ハートレスは自ら鍵穴を呼び出すことが可能であることの証明になっている(普段見えていないだけであり、発見されれば鍵穴が出現するのだろう)。

  • アンセムレポート8の時点ではレイディアントガーデンは闇に包まれていないため、この扉を見つけたハートレスは、実験の邪魔にならないようゼアノートの手によって始末されたと考えていいだろう。

レポートに記述されている扉は世界の扉の事であり、常人では開くことは出来ない。
筆者はかなりあっけなく世界の扉を開いているが、これはゼアノートが記憶喪失になっていたキーブレード使いであるため。本人は「鍵がかかっている様子はない。」と記述しているが、無自覚に鍵を開けてしまっていたのである。

アンセムレポート5

ハートレスがめざした扉の奥
には、巨大なエネルギー体
が存在した。
 
おそらく、あれこそがハートレ
スの最終目的だろう。
 
その正体は何か?
 
ハートレスの習性をもとに
仮説を立てた。
 
生物の心を奪うハートレスが
求める、非常に巨大なエネ
ルギー体。
 
あれもまた、ひとつの心…
この世界そのものの心なので
はないか。
 
確証はない。
しかし、あの巨大な力を感
じた私は、すでに確信して
いる。
 
あれは世界の心なのだ。
 
ハートレスたちは、生きとし生
ける者の心のみならず、世界
の心までも奪おうとしている。
 
それこそが、ハートレスの真
の目的であろう。
 
だがハートレスたちは、世界
の心を奪いとって、何をしよ
うというのか。

アンセムレポート6

扉を開いた夜に観測された、
無数の流星。
 
それを構成していたとみられ
る物質について研究を進め
ている。
 
まったく未知の物質だ。
弾力性に富んでおり、断片
同士を密着させると容易
に結合する。
 
文献をあたってみたものの、
このような物質が採取され
た記録は存在しなかった。
 
私が扉を開いたことによって、
初めて地上に降りそそいだ
ということか。
 
この小さな世界をつつむ
無限の空間には、こうした
物質が無数に漂っている
のだろうか。
 
できることなら夜空へ飛
び立ち、真理を探究したい
ものだ。
 
あの天のどこかに、私の知ら
ない世界があるのではない
か。
好奇心は強まるばかりだ。
 
…いや、かなわぬ夢を語る
のはよそう。
 
世界の外に出る方法は、
今のところ存在しない。
 
私も他の者たちも、この小さ
な世界にとらわれた囚人
でしかない。


この「未知の物質」とは、おそらくグミシップ構造体となる物質と思われる(レポート8参照)。
 
ソラに放った発言を彷彿とさせる。もちろん、ソラを惑わす意図が強かっただろうが、多少はゼアノートの本心も含まれているのかもしれない。
この時点で過去の記憶を思い出しているのか、それとも思い出さずとも感じるものがあったのだろうか。

アンセムレポート7

ハートレスという存在が、心
と密接な関係があることは
間違いない。
 
ハートレスの研究を進め、そ
の性質を解明すれば、彼ら
の目的のみならず、これまで
謎につつまれていた、心の
構造を突き止められるはず
だ。
 
手始めに、ある装置を開発
した。
ハートレスを人工的に生成
する装置である。
 
ハートレスは心をなくした者
から自然発生した。
ならば心の原理を応用すれ
ば、合成できるのではない
か…。
そう考えた私は、これまでの
研究の成果を活用して装置
を完成させた。
 
試験的に稼動させたとこ
ろ、なんの問題もなくハー
トレスが発生した。
 
この装置をさらに改良すれ
ば、無から心を生み出すこ
とも可能かもしれない。
 
装置で作り出したハートレス
と、自然発生したハートレス
を比較したところ、その性質
や能力には、ほとんど差がな
いことが判明した。
 
しかし、より正確な実験結果
を導き出すためにも、この2
種類のハートレスは厳正に
区別するべきであろう。
 
装置で合成したハートレス
には、識別のためマークをつ
けておくことにする。


エンブレムとピュアブラッドについての内容である。
レポート内容からして、何もない空間には心も存在しないので、エンブレムを発生させる為にハートレス化していない存在を用いていたと思われる。
エンブレムを作り出す為にどれだけの犠牲者が出たのかは計り知れない。

  • KHIIで実際にそのハートレス発生装置が出てくるが、MCPによって再起動され、おびただしい数のハートレスを作り出していた。どこから犠牲者を調達していたのか…。
  • 「無から心を生み出すことも可能かもしれない。」という考えに繋がるあたり、単純に心を必要とせずに無からハートレスを生み出せる装置とも取れる。作中には人の影、道端のといった無生物から発生したり、餌となる心が無くても増殖するハートレスも登場しているので、ハートレスの誕生には必ずしも犠牲者は必要ないと思われる。
    • 3Dでは、ゼムナスがハートレスを生み出す実験は心を放棄させる試みであったと発言している。また、メモリアルアルティマニアでは心の闇を人為的に増幅させて誕生したハートレスがエンブレムであると説明されている。
      ただし、ゼムナスの発言はピュアブラッドを生み出すこと(自然発生でなくとも闇を増幅させれば発生する?)を指しており、エンブレムに関しては別の可能性もある。今後ゼアノートの弟子時代が映像化されることが望まれる。
    • バレルスパイダーなどに関してはKHIIで登場したソードスタチューアックススタチューのようにポセッサーのようなハートレスが物に取り憑いた結果誕生したと考えることができるのではないだろうか。

確かにこれ以前の時間軸のBbSではエンブレムは見られない。しかし、それよりも前のDRではなぜかこの時代にいないはずのエンブレムが大量に存在しており(キャラクター達もこれを怪しんでいた)、これを無意識下で覚えていたゼアノートがこのエンブレムを考案した、という可能性も考えられる。エンブレムの誕生の経緯には語られていない秘密があるのかもしれない。

アンセムレポート8

驚くべき事件が起きた。
外の世界から来訪者があっ
たのだ。
 
彼はある世界を治める王で
あり、あの流星の破片(グミ
ブロックと呼ばれているらし
い)で作った船に乗ってきた。
 
私があの扉を開いたことで、
彼と私の世界を往来できる
ようになったようだ。
 
彼からは実に興味深い話を
いくつも聞くことができたが、
とりわけ気になるのが「キー
ブレード」という鍵に関する
話だ。
 
伝説に現れるキーブレード
は、大きな力を秘めていると
いう。
 
キーブレードを持つ者が世
界を救ったとも、逆に世界
に混沌をもたらしたとも伝
えられている。
 
キーブレードとは、いったい
なんなのか。
 
鍵…すなわち扉を開く力。
 
私が開いたあの扉にも、なん
らかの関係があることは間
違いない。


賢者アンセムが真実に気づいた時、既にこのレポートまで書かれていた。
王様の来訪の記述が共通している。

  • KHIIで王様が、賢者アンセムの弟子とアンセムを騙る男が同一人物だと気づくムービーがあるが、レポート8の時系列はそこの後に当てはまると考えられる。
    KHIIのシークレットムービーにてこのレポートのキーブレードに関する部分が抜粋されて現れる。

アンセムレポート9

人に心があるように、世界も
また心を持つ。
星空に散らばった数多くの
世界…そのひとつひとつに、
心がある。
 
それぞれの世界に存在する
扉の奥には、その世界の心が
隠されているのだ。
 
ハートレスは、それらの心を
求めている。
心の闇から生まれたハート
レスが、より大きな心へ回帰
しようとしているのではない
か。
 
そうだ。
 
ハートレスは心から生まれた。
闇の故郷、それは心だ。
 
世界の心の奥底、そこはハー
トレスの世界なのか。
私にはわからない。
 
ならば確かめればよかろ
う。
そこには必ず答えがある。
私が追い求めた謎…心の
謎の。
世界の心に触れたその時、
私はすべてを知る者となる
であろう。
 
なすべきことは決まっている。
 
鍵となるキーブレードを持つ
者を探し出し、そしてプリンセ
スたちを…。
 
さらに、もうひとつ。
闇に隠された心の謎を探
るためには、私の体はもろ
すぎる。
 
私は行かねばならない。
この体を振り捨て、さらなる
高みへ…闇の奥へ。


この時点で、自身をハートレスにすることを視野にいれたようだ。

  • アンセムレポート3でハートレスに知性が存在するとしているが、それでもほぼ本能的に行動するハートレスでは、本能的に世界の心に辿り着くことはあっても、研究者として「心の謎のすべてを知る者となる」というのは不可能になるとは考えなかったのだろうか?
    それとも、自身の記憶や人格がなくとも「ゼアノートであったもの」が全てを知ったなら、それで満足ということだろうか。

アンセムレポート10

心を収めた世界の扉を開く
ことで、世界を覆う壁がく
だけ散る。
 
その光景が我々の目には、
流星として映っていたのだ。
 
グミブロックと呼ばれる物
質に異空の世界を飛びこえ
る能力がある理由が、これ
で理解できた。
 
世界の壁がくだける原因
はハートレスの出現だが、
世界の扉を見つけ出すには
時間がかかる。
更に、世界の心を奪うことも
同様である。
 
キーブレードと呼ばれる鍵
でその扉を閉じられてしまえ
ば、もう二度と世界の心には
触れられまい。
 
この世界にキーブレードを
持つ者が現れる前に、何ら
かの手を打とう。
 
プリンセスとキーブレードに
密接な関係があるとする
ならば、互いに共鳴しあう
であろう…。
 
 
特別な少女を一人選んだ。
 
彼女がプリンセスと呼ばれ
る者達と同様の能力がある
かは分からない。
 
しかし、これは一つの可能性
であり、実験である。
彼女が鍵を持つ者のいる
場所へ私を導いてくれる
のか…
 
異空の海に送り出してみよ
う。


ここからがFM版で追加されたレポート。
世界の壁がくだける原因はハートレスの出現」と書いてあるが、実際にはハートレスの出現で世界の扉が開かれる可能性が高まるということ。
「特別な少女」とはカイリのことである。知っての通り彼女はセブンプリンセスの一人である。
彼女を囚え異空の海へと送り出す過程はMoMにて詳しく描かれた。

アンセムレポート11

心だけの存在となり、ハート
レスへと回帰したはずだが、
何ら変化は無い。
 
確かに肉体は消滅した。
だが、他のハートレスとは違
い、以前の記憶を持ち、ハー
トレスとしての姿にもなって
はいない。
まだまだ解明しなければな
らないことが多いということ
だ…。
 
この世界では無い闇の側へ
と行くには、世界の心を繋げ
た場所、キングダム ハーツ
の扉の向こう側へと行かなけ
ればならない。
 
世界の心を繋げた奥、闇の
世界へと繋がるその場所。
(詳細は別データに記録
しておこう…)
 
まだ知らぬ世界は数多い。
 
 
現存する世界。
闇の世界。
光の世界。
 
そして、
狭間の世界。
 
 
 
真の楽園はどこに存在する
のか?


冒頭の文章から、これ以降からは闇の探求者アンセムとして書いたものと思われる。
本人としても、ハートレス化しても人間の姿を保ったことは予想外のようだ。

  • あの茶ローブの姿が人間の姿と言えるのかは微妙だが。確かにハートレスとしての姿ではないが…。
    • 「肉体は消滅した」と書かれている通り、人間の姿を保っていたわけではない。彼が言及しているのは彼の内面についてのことだろう。

また、様々な世界についても語られている。「闇の世界に行くにはキングダムハーツの開錠が必要」というのが彼の認識だが、後のシリーズの描写を見る限りは一概にそうとも言えないように思える。
「楽園」というワードはKHFMのシークレットムービーにも登場しているが、未だ謎の多い言葉である。あくまでアンセムにとっての理想郷という意味ならば闇の世界ということになりそうだが、本人も疑問系なあたり何かしらの含みがあるようにも見える。あるいは、彼がMoMで語っていた裏側の世界を示しているのだろうか……?

  • 実験によりマスター・ゼアノートとしての記憶が一部でも戻っていたのであれば、「現存する世界には楽園などない(キングダムハーツにより再創造された世界こそが楽園になりうるかもしれない)」という思想が若干芽生え始めていた可能性はあるかも。
  • ちなみに裏アンセムレポート1では賢者アンセムがレイディアントガーデンのことを「楽園」と称している。少なくともゼアノートはそうは思っていなかったという含みが持たせられている感じはする。

アンセムレポート12

心が肉体を捨て去った時、
その肉体の行き先はどこに
向かうのだろうか?
 
心と魂は別であり、その魂は
肉体に宿ったままとなる。
魂が宿りし肉体を、滅んだと
認識してもよいのか?
 
確かに、心がハートレスへと
回帰するさい、肉体は消滅
する。
 
だが、それはこの世界での
話であり、また別の世界で、
ハートレスの様に姿を変え、
存在しているのではないか?
 
だとすれば、自分以外の自分
がどこかに存在することに
なる。
 
闇でも光でも無い存在。
狭間に生きる存在。
心に捨て去られ、抜け殻と
なり、光も闇もうらむ者。
 
単純には解明できはしない
であろう。
心と肉体の関係は複雑で
ある。
 
だが、自分がここに存在す
る以上、それを存在する者
だとは呼べまい。
 
ならば、こう呼べば良い。
 
   “存在しない者”


後に登場する新たな敵、ノーバディの存在への伏線となっている内容である。

  • ハートレス化しても自我を失っていないアンセムの方が全体的に見ればレアなパターンなのだが、それでも自分ではないほうを「存在しない者」と言い切る主観の強さは、心にこそ重きを置く探求者が故であろうか。