enchantMOON用語集

Last-modified: 2014-04-08 (火) 00:25:21

 enchantMOONは独自の世界観を持つタブレットです。
 なので、特殊な用語があちこちで使われていて、よくわからなくなるヒトも多いかもしれません。
 ということでenchantMOONに関する用語をまとめてみました。

基本編

  • enchantMOON(えんちゃんとむーん)
     UEIが開発・販売する独自OSを搭載したタブレット型端末
  • MOONPhase(むーんふぇいず)
     enchantMOONに搭載される独自OSの名前。Androidをベースとして開発された基礎部分をSaturn-Vと呼び、その上にColumbia、Eagleと乗っかる。これらの名前の由来はNASAのアポロ計画と言われている。
  • Saturn-V(さたーんふぁいぶ)
     enchantMOONのOSの根幹を成す部分で、Android4.0.3をベースに作られたが、Androidアプリは動作させることができない。手書きに特化した機能を持つ。カーネル部はGPLであり、オープンソースとして公開されている。enchantmoon_kernel
  • Columbia(ころんびあ)
     Saturn-Vの上で動作するenchantMOONのシェル。NO UIを実現する機能に特化している。名前の由来はアポロ11号の司令船から
  • Eagle(いーぐる) / EagleVM(いーぐるぶいえむ)
     Columbiaの上に実装されたGoogle V8ベースのJavaScriptアプリ実行エンジン。enchant.jsを高速に動作させるため最適化されている。名前の由来はアポロ11号の着陸船から
  • enchant.js(えんちゃんとじぇいえす)
     JavaScriptベースのアプリケーションフレームワークで、当初はゲーム開発に特化して作られた。
  • シール台帳
     デフォルトでは画面の長押しでよびだすことが可能。シールをページに貼り付けることができる。初期設定ブロックを使えばダブルタップでの呼び出しにも変更可能
  • シールアプリケーション(Sticker Application)? / HyperSticker
     MOONPhaseでは、いわゆるiPhoneやAndroidアプリのような呼び出し方で使用するアプリケーションは存在せず、全てがシール(英語ではSticker)と呼ばれて、ページに貼り付けることで実行する形式になっている。このシールアプリケーションを組み合わせてページを変化させていくことでユーザは自由にページに罫線を引いたり、日付を入れたりといったことができる。例えばEvernoteシールを貼り付けてタップすると、そのページがEvernoteにアップロードされる。このアプリケーションとデータの逆転関係はMOONPhaseの大きな思想的特徴となっており、度々shi3z氏のブログで言及されている→http://d.hatena.ne.jp/shi3z/20131005/1380925372
  • デジタイザーペン
     iPadなどではスクリーンの表面はタッチに反応する静電容量方式というものが用いられている。これは人間の指に特化しているため、ペンのような細かい作業をするのは不向きであり、解像度は200DPI程度しかない。しかしPCなどではWACOMのペンタブレットなど、より細かい筆跡・筆圧を取得できる方式としてデジタイザーペンが採用されている。enchantMOONに採用されているのはアクティブ式デジタイザーペンで、2048LPIで120Hzの精度で取得が可能。これはディスプレイの10倍近い分解能であり、enchantMOONが細かな筆跡を追跡できる重要な特徴となっている。
  • MOONBlock?(むーんぶろっく)
     enchantMOON上で動作する、シールアプリの開発環境。enchantMOONでは例えばペンの色を変えたり初期設定を変えたりするためには常にこのMOONBlockを利用したプログラミングをしなければならない。しかしプログラミングと言ってもブロックを組み合わせるだけなので奨学生にもできる、というのが特徴になっている。MOONBlockの雰囲気は、PCからでも確かめることができる→http://moonblock.jp

教養編

  • アラン・ケイ
     パーソナルコンピュータの父と呼ばれ、誰にでもプログラミングできる端末を来るべきだと主張し、iPadを批判している。enchantMOONに関連する人物を参照。
  • ダグラス・エンゲルバート
     ハイパーテキストやグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)の父と言われる。マウスの発明者でもある。enchantMOONに関連する人物を参照。
  • ハイパーテキスト(HyperText)
     複数の情報をハイパーリンクによって接続する手法。ヴァネヴァー・ブッシュのMeMexのコンセプトに影響を受けたダグラス・エンゲルバートによって発明されたが、紆余曲折を繰り返し、最終的にはティム・バーナーズ・リーが開発・実装したHTML(ハイパーテキストマークアップ言語)が広く世界に受け入れられた。
  • コンパウンドドキュメント(Compound Document)
     複合文書。複数の形式のデータを一つの文章上で表現するための思想または技術で、かつてMicrosoftが開発したOLE(Object Linkage and Embedding)や、Appleが開発し、撤退したOpenDocなどの実装が有名。この他に東大の坂村健が開発したBTRONの仮身/実身モデルなどがある。enchantMOONでは、コンパウンドドキュメントを実現するために、MOONPhaseというOS本体に文書(ドキュメント)の編集・作成機能を持たせ、そこで作られた文書に対してシールアプリ(HyperSticker)を貼り付けることで変化させるというパラダイムを導入している。
  • 仮身/実身モデル
     従来のようなファイルの概念ではなく、有向グラフ的なハイパーテキストファイルシステムを実現するために考えられたモデルで、BTRONに実装された。貼り付けたハイパーリンクをただリンクとして使うだけでなく、貼り付けたまま開く(開いた仮身)ようなことができる非常に自由度の高い概念である。参照→Wikipediaでの解説