続スペースプレーン・レベル1

Last-modified: 2015-04-08 (水) 19:25:15

まずはじめに。本記事は、前回(スペースプレーン・レベル1)の続きとなっております。
まだ読んでない方は、よろしければ併せてお読みいただけるとありがたいです。

 
 
 
 

3号機

さて、と。
試作3号機を完成させるべく、残っていた最終テストと調整(あとSS撮影と記事作成)をするために、記事用のセーブデータに機体を移したのですが...

  • (本記事は縛りプレイのレポではなく、あくまで「スペースプレーン紹介」なので特に説明しませんでしたが、
    機体作成~テスト飛行まではMechjebを使えると楽なので、ある程度進めている別データで行っています)

なんかロード画面に赤い警告文が......あ。
...Roktomax X200-8が開放される技術、間違って覚えてた...orz

 

このパーツ(というか技術Advanced Constructionですね)は制限に抵触しませんから、開放しても良いのですが...
一応、出来るだけ技術ツリーの開放はしないという目標を掲げていますし、
幸い性能的にはFL-T800でほぼ問題なく代用できるため、これを置き換え(て形を整え)る事にしました。

 

前回貼ってしまったSSはどうしようか...うん。
「※画面は開発中のものです」ということでw

 

施設と技術ツリー

今回の目標を達成するためには大幅な航続距離(ΔV)の増加が必要です。
現状でこれをクリアするには「燃料搭載量を増やす」以外の選択肢があんまり無いため、

  • 発射台(Launch Pad)または滑走路(Runway)のアップグレード

が必須となります。
ちなみに筆者は費用が安い発射台を選びましたが、(レベル2発射台はバグ持ちらしいですし、後々の離着陸を考えても)
出費と「滑走路からの垂直打ち上げ」が気にならないのなら滑走路の方がいいのかも。

 

もう一方の機体設計上の制限であるパーツ数ですが、色々と試してみた結果
実用性を極限まで切り詰めれば30パーツ以内での構成が可能と判明したので組み立て施設(VAB/SPH)は初期のままです。

  • 必要になったらパーツ追加する方が逆より簡単だし現実的ですよね
     

また当然、大型タンクとエンジンでパーツ数削減しないと収まらないですし、長期航行にはソーラーパネルがほぼ必須。
なので
splv1_303.jpg
こんな感じで技術ツリーを開放します。

 

なお、例によって必須ではありませんが、
他天体に行くのにマニューバ無しとか無理ゲーにも程がありますし、到達してもEVAや旗立てもせず帰るのは寂しいので

  • 発射管制棟(Mission Control)
  • 宇宙飛行士総合センター(Astronaut Complex)

のアップグレードを行っています。

 

機体諸元と解説

splv1_304.jpgsplv1_305.jpg
...ようやく「スペースプレーン」っぽい見た目になった(ブースターから全力で目を背けながら)

 
全体オービター
パーツ数3016
コスト61,405(52,005 + 9,400)13,084(12,487 + 587)
重量125.8t(23.4 + 102.4)10.1t(3.7 + 6.4)
TWR(Kerbin)1.05 ~ 4.45(ブースター)0.51 ~ 1.38
ΔV(真空中)9,086m/s(ブースター5,234)3,852m/s
 

上で「燃料搭載量を増やす」とは書きましたが。
TWR確保の関係上、燃料だけを増やす事は出来ずΔV上昇には限界があるため、
ターボジェットや核エンジンなどの高効率エンジンを使わないかぎり単段でのMun往還は不可能だと思います。

  • 使えれば18t以下のMun往還機もそれほど難しくは無いのですが
 

ということで(今更説明するまでもなくお分かりかとは思いますが)SSTO形式は諦めましたw
で、「全パーツ回収」の都合上、無駄な着陸用装備を増やさないため二段式を選択。
更にKSPの仕様上、一段目の時点で大気圏外に出ないと分離後の回収はまず不可能、
加えてKSC付近に降ろすことを考えると、一段目は実質

  1. ほぼ垂直のまま上昇する
  2. 周回軌道に乗せてしまう

の2択。前者は一段目のΔVが少なめで済むのですが、二段目、また機体全体でのΔVは(たぶん重力損失のため)相当無駄に消費します。
従って後者の方式で飛ばすわけなのですが
......となるとこの機体、TSTOでも無いのでは...
いや実際、どう分類すればいいんでしょうねコレ。FSTO?

 

103オービター

上記の通り、この機体の場合二段目で軌道投入する訳ではないので、正確にはこれ「Orbiter」では無いんですが。
「二段目」とか「本体」だと味気ないので、便宜上こう呼ぶ事にしています。

 

さて機体構成ですが、例によって基本的には2号機の改修版です。
今回は1~2号機と違いオービターには1以上のTWRが必要ないですから、エンジンには燃費に優れるLV-909を採用。
これによって、機体重量(主に燃料)約8tの軽量化とKerbin低軌道~Mun往復に必要なΔVを両立しています。

  • ちなみに計算上ΔVの最小値は2,640m/sですが、これだと操作ミスは一切許されませんし、
    往復ともに着陸場所も選べず到底実用に耐えないため余裕を見ておきます。
 

今回はこれまでとは違い重量制限をあまり考える必要はありませんが、代わりにパーツ数制限が厳しくなっています。
タンクの削減だけでは明らかに足りないので翼を減らし、この時点での合計パーツ数は25。
あとは、それなりの大きさと重量があるため機体のバランスを崩さずに後から追加するのが面倒で、
かつ通常は再使用不可なので数があればあるほど便利な実験機器を2セット選択(重心調整も兼ねています)
残り1枠は...ぶっちゃけると何でもよくて

  • ソーラーパネルか電池
  • クルーレポート複数取得(送信)の為のアンテナ(EVA→Take Dataでも対処可能なので重要度はさほど高くないです)
  • Mechjebチップ等MODパーツのために空けておく

などの案もあったのですが、正直1パーツくらいなら後でどうにでも変更できますし、
実際の機体ではあまり深く考えずブースター側のリアクションホイール増設にあてています。
(実はこれも目に見えて分かるほど改善していないので、不要と言えば不要なのですが)

 

103ブースター

こちらも運用上は「リフター」と呼んだ方が正確なんでしょうが、
軌道上での補給を行う事によってそのまま大気圏外用ブースターに転用できるため、分かりやすい用語で命名しています。

  • R&Dがレベル2以上ないと燃料移動できないので、本記事においては全く意味の無い命名ですがw
 

余談はさておき
splv1_306.jpg
ブースターを何も考えず後ろに繋げると重心がずれてまともに飛ばせなくなります。
羽を(ブースターに)付けるのも手ですが、今回そんなパーツ数の余裕は無いので、重心を動かさない、つまり横付けします。
ただし、これも普通にラジアルデカプラ等で繋ぐと(デカプラの接続力は弱めなので)針金必須となりパーツ数オーバー。
なのでオービター後部のデカプラからタンクを前方に伸ばして重心を調整します(分離時にバラけないためでもあります)
加えて飛行中の燃料消費を考えると、(燃料パイプ無しでは)エンジンは前側のタンクに繋げないとダメで、
更にジンバル機構での姿勢制御補助(ホイールだけだと打ち上げ時に機体を傾けるのがきついです)を考えると前すぎてもいけない。

  • ジンバルは可動翼と違い取り付け位置を反映して動作してくれません。
    ちなみに同じ理由で牽引式、つまりブースターを前方につける方式を非採用としています。
 

......とまぁ、この奇抜なブースター形状、実は選択の余地がほとんどありません。
あと筆者の美意識的には何かの冗談か罰ゲームにしか思えないんですが「有人ブースター」です。
無人化は不可能では無いのですがコマンドポッドの代わりに無人ポッド+リアクションホイール+電池で最低3パーツが必要となり
オービターの実験機器を減らさなければならないため諦めています。緑は部品

 

運用

準備

と言ってもわざわざ「準備」というほどの事をするわけではなく
打ち上げ前にやることは、「ブースター席に緑を乗せる」くらいです(筆者はわりと忘れます)

 

あ、準備段階ではもうひとつ「オービターの燃料搭載量を調節する」事が一応出来ます。
初期状態では、燃料を満載すると(筆者の腕では)軌道投入の時点でブースターの燃料をほぼ使い切り安全な回収が出来なくなるので、
オービターの搭載量を若干絞って軽量化する事でΔVを確保しているのですが。
筆者はそれほど操作が巧い方ではない(と思う)ので、腕前に自信があれば増やしてΔV向上させてもいいですし、
またブースターを使い捨てるつもりなら満載でも問題ないので、合計ΔVは9,506m/sまで上昇します。
(ブースターの帰還用に燃料を残す必要も無いため、実質的にはさらに+200m/s位の効果があります)
...なのですが。
(回収前提でコスト高めな)103ブースターの機体代およそ4万と引き換えにしたい程の性能向上だとは思えませんし、
それ以前に、実際の運用上ΔV約8,800と9,500では到達できる場所が変わらない(はず)なので、お勧めしません。

 

逆に燃料を減らせば、ブースターのΔVは最大で5,923m/sに達し、オービターを分離させずに
「Kerbin周回軌道、高度約500kmまで往復可能なSSTO」として機能し無改造で救出ミッションに対応しますが、
これも明らかにオーバースペックで、1号機か2号機を無人化した方が安上がりなので、同じく非推奨です。

 

打ち上げ

splv1_307.jpg
安心と実績の垂直離陸

 

今回も1~2号機と同じく、通常のロケットと同様の手順で軌道投入を目指すわけなのですが。
103の場合(ロケット式の打ち上げ機としては圧倒的に低い)離床TWR1.05のため、いくつかの注意点があります。

  1. 離陸直後(Navball上では)垂直でなくずれて上昇している...ように見える
    • 上昇速度が小さいため相対的に大きくずれて見えるだけです。放置して問題ありません。
       
  2. 遅い
    • 効率は良くないのでしょうが上昇に問題がある訳ではないので、これも放置(というか対処のしようがありません)
      とは言えさすがに、通常機体を傾け始める高度7~10kmまで(2分強かかります)なにもせず待つのもアレなので
      物理倍速を使いたくなるんですが、これは基本的には禁止。3~4倍速でも機体は壊れませんが、歪んでまっすぐ飛ばなくなります。
      使う場合は、なんとか制御できる2倍速を短時間・断続的(微妙に歪むので連続使用はおすすめ出来ません)に限定するか、
      どうしても我慢できない人はKerbal Joint Reinforcementを導入しましょう。4倍速に問題なく耐えるようになります。
 

軌道投入した時点でブースターの燃料(Liquid Fuel)が180くらい残っていれば上出来です。
あとは分離して打ち上げ手順終了となります。

 

ブースター回収

別に後回しにして放置でも全く問題はないのですが、なんとなくこっちを先に。

 

splv1_308.jpg

 

ブースターの着陸形式は、1号機と同じ「パラシュート+エンジン併用の減速」なわけですが。
機体の大型化、およびパラシュートの減速力低下のため、1号機よりシビアなスロットル操作が要求されます。
なので、あらかじめエンジン出力を(20%位に)制限しておくと楽です。

  • なお、1号機では操作が楽だったので説明しませんでしたが、
    エンジンを吹かし過ぎて機体が上昇すると高確率でパラシュートが外れるため、一気に減速せず徐々にスロットルを開けていくのが原則です。
 

また同じく大型化(と形状)のせいで、平地以外に着陸すると倒れて壊れます。
KSCの敷地内は意外と坂や段差(あと建物)が多く危険なので、周辺の平地を狙うか

 

splv1_309.jpg
いっそ着水の方が簡単かもしれません。

 

なお余談ですが、上記のパラシュート損失を除く事故(燃料切れや転倒)の場合でも後部タンクがクッションになって
コマンドポッドと緑は生還します(数回試してみただけなので確実に大丈夫なのかはわかりませんが)

 

月旅行

それでは、いよいよオービターに操作を移して月まで行ってきます。
...と言っても、大気圏外においては普通の宇宙船とスペースプレーンは基本的には何も変わらないので、特に説明することもなく

 

splv1_310.jpgsplv1_311.jpg
splv1_312.jpgsplv1_313.jpg
splv1_314.jpg

 

月周回軌道に到着。(Kerbinの月とは言ってない)

  • いや、だって「試験飛行」って普通は性能の限界近くを攻めるものですよね?
  • 最初は(ΔVマップでの計算上では行けるはずの)Dunaを目指していたんですが、実際に試した結果
    1.Dunaの大気ではまともに滑空も減速も出来ず地面に激突 → 爆 散
    2.大気に頼らずエンジンで減速 → 燃料不足で帰還不能 → 永 住
    となり「103ではDuna往復は不可能」と判断、目的地をIkeに変更しました。
  • たぶんGillyへの往復もできると思いますが、面倒になったので試していません。
 

余談はこのくらいにして着陸します。
これも103オービターやスペースプレーンに限った話ではありませんが、0.90で実装されたオートパイロットのおかげで、
(狙った場所にピンポイントで降ろすのでなければ)着陸は以前より格段に簡単になっていて、
SASをRetrograde Holdにして適度に減速しているだけで

 

splv1_315.jpgsplv1_316.jpg
自然に水平速度をほぼ完全に殺すと同時に機体がまっすぐ上を向きます。
後はSASをStability Assistに戻して十分に減速。
そのまま縦向きに着陸しても構いませんし、傾斜地での安定、地表走行による移動、なにより絵面を考えて機首を倒してもいいでしょう。
splv1_317.jpg

 

この状態からでも、IkeやMinmusの重力ならコクピットのホイールの力だけで
splv1_318.jpg
姿勢はどうにでもなる(分かりにくいかもですが静止しています)ので、再離陸には全く支障ありません。

  • Munの場合、ホイールだけでは前輪が微妙に浮く程度ですが(+ジンバルで)滑走距離ほぼゼロでの離陸は可能ですし、
    それでも不安なら、前輪を収納→展開して地面を蹴れば、反動で
    splv1_319.jpg
    このくらいまで機首を上げることが出来ます。
 

帰還

で、(今度こそ説明・余談無しで)Kerbinまで帰還。

 

一旦、低高度の周回軌道に投入してKSCが夜の場合は昼まで待機します。

  • 電池を増設してないので、103オービターは夜間運用できません。
    また理由は後述しますが、早朝だとパネルが陰になるのでもう少し待った方がいいです。
 

splv1_320.jpg
103オービターも、高空ではほぼ機首方向=Progradeで安定しますが、
2号機に対し翼を減らしたため高度と速度の低下につれて揚力が不足し、低空での進行方向は機首より10°強ほど下側にずれます。
これ自体は大した問題ではなく
splv1_321.jpg
機首を上げれば降下速度は十分に抑えられるのですが(見た目的にも着陸っぽい。ちなみに上の朝だとダメな理由がこれ)
翼削減によるもうひとつの影響である「安定性と操作性(特にヨー方向)の大幅な低下」はわりと問題で、
この為に、滑走路への直接着陸がかなり難しい機体になってしまっています。

 

ただ、無駄に揚力が高くない分、着陸自体はむしろ2号機より安定するので下手に旋回しようとせず、
KSC周囲の平地に着陸してから地上走行して滑走路に持っていく方が楽だと思います。

 

4号機

あ、もう既にどう考えても「序盤」じゃありませんし、初期目標も(2号機の時点で)達成済みなので、ここから「おまけ」です。
なので、以降解説と余談は出来るだけ自重しますw(ていうか今までが無駄に長すぎた気がする)

 

では早速本題。
4号機のコンセプトは「技術実証機」です。
(140t制限の関係上)3号機を性能・機能向上するにはジェットエンジンによる軽量化が必要、と判断したのですが。
筆者はまともにBasic Jet Engineを使った事が無いため、まずは簡単な小型機(性能度外視)でノウハウの蓄積を行うことにしました。

  • で、その後これを基に大型・多段化して5号機を作成...の予定。
 

なお今回は(3号機作成時に痛い目見たので)あらかじめ

  • SPHと滑走路のグレードアップ
  • 現在開放可能な技術ツリーの全開放

を行いましたが、後から検証した結果(4号機では)アップグレード無し、技術ツリーは
splv1_401.jpg
となりました。

 

機体諸元と解説

splv1_402.jpg
嗚呼...普通だ...普通の見た目だ... (;_;

 
ジェットロケット
パーツ数29
コスト21,289(20,507 + 782)
重量13.4t(5.1 + 8.3)
TWR(Kerbin)離陸時1.140.78 ~ 2.00
ΔV445m/s(地表)3,619m/s(真空中)
 
  • ジェット単発+インテーク×7。
    Basic JetとXM-G50の特性上、大量にインテークを盛ってもあまり効果は無かったため、程々で。
  • 4号機にしてようやく無人操縦機能を正式搭載しました。
  • 表のTWRとΔVは参考値です。
    ジェットエンジンのΔVとかほとんど意味のない数値ですし、
    ロケットの方も実際にはジェット燃料が少し残るため重量増で上記より若干低下します。
  • ちなみにジェットとロケットの燃料は独立しています。
 

運用

離陸

初期滑走路からでも離陸できなくはないのですが、例によって事故率高めです。

 

splv1_403.jpg
レアな事故映像。滑走路上で横転、両主翼と片側ロケット喪失するも安定飛行する様子。
なおこの後当然、緊急着陸に失敗し大破。

 

無事に離陸した場合でも大抵、曲がったり傾いたりで修正が面倒なので、滑走路はアップグレード推奨です。

 

なお、主にロケット燃料が重過ぎるため滑走路の端まで加速しても機体は浮きませんが
splv1_404.jpg
実用上離陸に問題はありません。

 

splv1_405.jpg

 

離陸したら機首を70~75°くらいに上げ、高度20,000mくらいまでそのまま上昇します。

  • 上昇角が小さいとジェットでの到達可能高度が低くなり効率低下、
    逆に垂直に近くすると方位角(ナビボールのHDG)を制御しにくくなります。

なおこれ以降、Ap高度とAp到達時間以外の情報は基本的に見ません。
KERがあると楽ですが、使わないならオービタルマップに切り替えておきます。

 
まめ

ジェットエンジンの推力は対地速度によって変動します。
(ちなみに高度=気圧では比推力が変動し、推力には直接影響しません。
 設計画面のKERをATMOSPHERICにしてスライダーを動かしてみると分かりやすいかも)

 

ベーシックジェットはターボジェット、レイピアと違い「加速するほど推力低下」する特性上
到達可能な高度には限界がありますし、機体を傾けても水平速度はほとんど稼げません。

 

上昇角にもよりますが大体、高度22,000~24,000mあたりで上昇速度が下がりはじめApが近づいて来るので
(ステージ進行して)ロケットに点火し、機体を傾けます。
点火直後は大体50°前後、あとはAp到達時間を見ながら、約30秒をキープするように上昇角を調整します。

  • 機体を水平にしてもApが離れるようなら、そのままApが目標高度まで上がるまで加速を続けます。

で、最後にApで再噴射して軌道投入します。

 

4号機を75kmの周回軌道に投入する場合、この時点での残りΔVはおよそ1,300m/s強。
よって「ベーシックジェット併用式の打ち上げ機」には、帰還分を考えてもΔV2,600~3,000m/sくらいあれば十分そうですね。

 

帰還

4号機はそもそも(打ち上げ時の)技術実証が目的なので、帰還とかどうでも良く
ぶっちゃけ帰還させずに片道運用(Revert Flightで終了)しても全然構わないんですが、一応。

 

とは言え、別に特別な手順や操作が必要なわけではなく、普通に大気圏突入→滑空→着陸するだけですね。
(ちなみに滑空性能と操作性は、体感ですが3号機<4号機<2号機、って感じ)
あ、いや...そのはずだったんですが......。

 

splv1_406.jpg
許されざる角度で安定する、ダメな大気圏突入の図

 

えー...原因はMk1 Fuselage-Intakeなので、右クリックして閉鎖すれば
splv1_407.jpg
真っ直ぐ降下するようになります。(代わりにSASつけっぱなしでもOK)

 

104VSE

splv1_408.jpg

 

おまけのおまけ。

  • 実験機器を増設
  • パラシュートによる垂直着陸機構
  • ジェット/ロケットの燃料タンク共用化による(燃料搭載量調整して)大気圏内運用能力向上

してみました。
あ、いや、それだけですw

 

5号機

上では4号機を大型化して5号機にするような事を書いていますが、実質的には5号機のコンセプトは「強化型3号機」です。

 

具体的には

  • 今度こそDunaまでの往復航行を可能とする
  • (3号機では相当ギリギリだった)軌道投入の成功率と到達可能高度を向上させる
  • 見た目にも気を配るw
 

を目標とします。

 

機体諸元と解説

splv1_501.jpg
......コア・ブースター?(いや、あんまり似てないか)

 

splv1_502.jpg
上から

 

splv1_503.jpg
色々と丸見えな後から

 
全体オービター
パーツ数18245
コスト137,325(129,417 + 7,908)26,696(25,594 + 1,102)
重量128.3t(40.5 + 87.8)18.2t(6.2 + 12.0)
TWR(Kerbin)離陸時1.200.56 ~ 1.68
ΔV(真空中)約2,900m/s(ジェット除く)4,180m/s
 

アクショングループ設定

RCS(R)オービター:巡航/VTOLエンジン切り替え
Abort(BS)オービター:パラシュート展開
ブースター:ロケット(LV-T45)トグル
 

なお、3号機と同様に(実際の運用とは乖離していますが)
1段目を「105ブースター」、2段目を「105オービター」と呼称しています。

 
  • 大気圏内主機関はBasic Jet×10。
    (カスタムアクショングループ未開放のため)エンジンを止めることも(ロケットと併用するため)スロットルを絞ることも出来ないので
    フレームアウトへの対策として、すべて中央に重ねて配置しています。
  • インテーク(40個)はもっと少なくても性能にはほとんど影響しませんが、余裕をみて多めに付けています。
  • 実は固体ロケットは使わない方が同等の性能でも軽量化できるのですが、
    ごちゃごちゃした機体後部を隠す、つまり装飾のために採用しています。
  • 他にも、見た目や余分な機能のために、かなりパーツを無駄遣いしています。
    どうせ全パーツ回収する前提なので、コストは一切気にしていませんw
  • 定員0~2。ブースター、オービターともに無人操縦可能です。
 

運用

離陸

オービターとブースターの接続部(デカプラと鉄骨)の強度的にあまり多用はお勧めしたくないのですが、一応物理4倍速可能です。
機体の大型化(サイズはそれほど大きくないけど重量と主翼の空気抵抗が...)のため特に離陸中は相当操作が鈍いので、
慣れてきたら適度に倍速して時間短縮するのも良いでしょう。

 

splv1_504.jpg
相変わらず滑走路端からジャンプして離陸

 

離陸した後も4号機と同様に、ピッチ70~75°で高度20,000mくらいまで上昇します。
で、やはり同様にジェットの推力が低下するので(フレームアウト音を目安に出来るので4号機より分かりやすいです)
ステージ進行してロケットに点火、機体を傾けて軌道投入します。
splv1_505.jpg

 

なお105ブースターの到達可能高度は(帰還分の燃料を考慮すると)およそ300kmです。
周回高度が高い方がオービターの燃料節約できるので、5号機は原則250~300kmに投入する訳なのですが
この場合は4号機の離陸で説明した時より上昇角(Ap到達時間)が若干大きくても効率に大差が出なくなります。
......まぁ、面倒なら

  1. 固体ロケットの燃焼中はピッチ40°
  2. 燃焼終了したらSASオートパイロット(かMechJeb)でPrograde Holdに設定

でも構いません。

 

splv1_506.jpg

 

ブースター回収

splv1_507.jpg

 

SASを切っても機体は進行方向を向きますが(ちなみにBACCの空気抵抗を利用しています)
この状態では揚力中心が重心より前に来ているため、やや不安定です。素直にSASを稼働させた方が無難でしょう。

 

splv1_508.jpg

 

一応(アクショングループでロケットを止めれば)それなりに動力飛行能力もありますが
帰還時には(重量が離陸時の1/3以下のため)揚力・旋回性能ともに十分確保できているので
滑空だけでも滑走路への直接着陸はそれほど難しくないかと思います。

 

Dunaへ

splv1_509.jpgsplv1_510.jpg

 

たぶん説明するまでも無いと思いますが、
(KSC外観かTracking Station画面でタイムワープして)惑星位置を合わせないと、当然ΔVは足りません。

  • 補足。帰り(Duna→Kerbin)も合わせないとダメです

せっかくなので更に燃料ケチってw、今回はほぼ直撃コースでの直接着陸を狙ってみます。

  • いや、一旦周回軌道にのせる位の余裕は流石にありますよ?
    ...て言うかDunaではエアロブレーキが使えますから軌道投入の為の減速にほとんど燃料は使いませんし
    「そんな余裕も無い」機体は実用上問題があるかと。
 

splv1_511.jpg
パラシュートは早めの展開を推奨

 

減速中に

  • SASを稼働させる(OFFだと機体が暴れます)
  • 車輪を出しておく
  • (Rキーで)VTOLエンジンに切り替え
  • 必要ならOKTOを右クリックして制御を移し、NavBallがVTOLエンジンの向きになるようにする

着陸準備をしておきます。

 

対地高度1,500mでパラシュート全展開(500mのままでもいいのですが減速操作が忙しくなるので余裕を見て設定)
当然、Mk2-R2個では減速しきれないのでエンジン噴射(かなり強め)で更に減速、着陸します。
splv1_512.jpg

 

なお、キャリアモードではエンジニア緑(Bill君とか)が必要でSASオートパイロットと引き換えになり
というかそれ以前にKerbinには使わなくても着陸できるので、パラシュートの再装填はしなくても問題ありません。

 

あとついでに
splv1_513.jpg

 

無重力下でのEVAのために、パラシュートと全実験機器にアクセスできる位置に梯子をつけています(まぁこれも不要パーツなんですが)

 

帰還

Dunaの重力であれば、VTOLエンジンによる文字通りの垂直離陸が可能です。
...が、燃費的には機体を少し浮かせる程度にして機首上げ→巡航エンジンに切り替えて上昇した方がいいでしょう。

 

splv1_514.jpg
いつも通り帰路はばっさりカット

 

105オービターは(重量増の影響もあって)空力的な性能自体はそれほど高くはありませんが
リアクションホイールの強化により、大気圏内の操作性は2号機に匹敵します。

 

なので。
102VSEや104VSEと同等の垂直着陸機能を持っています(但し重量増のためVTOLエンジン併用が必要)が、
これ「出来る」ってだけで、運用目的上、KSC滑走路以外の不整地に着陸する事はまず無いこの機体は通常の着陸で十分ですし
また、VTOLエンジン併用の副産物として
splv1_515.jpg
着水可能ですが、これも実際に行うことは無いかと思います。(...再離水できませんし)

 

欠点

当初から「他天体への往復航行」に特化した設計・調整をしているため、汎用性が全くありません。

 
  • 105ブースター単体で離陸すると、重心・揚力のバランスが崩れてまともに機首が上がらなくなります。
    なので「汎用の打ち上げ機」としての転用(ペイロード輸送)にはあまり向いていません。
     
  • 機体全体での燃料消費による重心移動をあまり考慮していないため、(大気圏内用の)飛行機としてもあまり使えません。
    (というかそもそもロケットエンジンなどデッドウエイトが多すぎて揚力飛行の能力自体がかなり悪いです)
     
  • このため「分離しない状態での大気圏突入と着陸」、つまりSSTOとしての運用も原則としてできません。
    (KSPではまず起こり得ない状況ですが)離陸後のトラブルによるフライト中断、などで緊急着陸する場合、
    重心移動により(可動翼とホイールでは)機首が上がらないため、(手動で)オービターのVTOLエンジンを稼働させる必要があります。
 

クラフトデータ

3号機:fileTSP-103.craft

 

4号機:fileTSP-104.zip

  • 一応VSE仕様も同梱しておきます。
 

5号機:fileTSP-105.craft

 

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