1.0.2キャリア・SSTO入門編/1.0.2SSTO8号機

Last-modified: 2015-05-29 (金) 17:03:55
 
 

splv1_0801.jpg
見た目は別物ですが、一応2号機がベースです。
なお、1.0で計算することが増えたためだと思いますが
うちのPC環境だと描画を最低に落とさないと重いので、画質は御容赦のほどを。

  • 「だったらE.V.E.とか外せよ」というツッコミは甘んじて受けますw
 

機体諸元と解説

パーツ数27
コスト9,223(7,984 + 1,279)*1
重量17.804t(4.345 + 13.499)
TWR(Kerbin)
離陸時
1.23 ~ 5.04
1.15
ΔV(真空中)4,156m/s
 
  • 技術ツリーはこんな感じ
    splv1_0802.jpg
    新ツリーでは、技術Aviationに「飛行機に欲しいパーツ」がひととおり揃っているので
    2号機に比べて開発に必要なサイエンスポイントは多少ながら軽減(200→153)。
    Basic Scienceは電池のためだけに開放しているので、外せば更に作成可能時期は早くなりますが
    後述の理由で問題があると判断しました。
     
  • 現verでは機体を浮かせるのに必要な翼はそれほど大きく(多く)なくていいですし、
    ただでさえ2号機では0.90の時点でも揚力過剰だったので、大幅に減らします。
    Wing Connecter type Bの左右2枚でも多い(...あとでかいし)ので、1.0で大型化したTail Finを採用。
    まめ

    1.0.2で翼パーツの揚力中心の位置が変わったので
    splv1_0803.jpgsplv1_0804.jpg
    更に若干の軽量化とパーツ削減も可能(前は重心の位置に揚力があったので外見的に使えなかった)
    ただ、これだと重心が左右にずれるので今回は非採用としました(たぶん影響は軽微なんでしょうが)

     
  • Tail Finは可動翼化していますが、本機の場合
    上昇時(エンジン噴射中)ピッチ操作をこれで行うと機体が上下に振動します(再突入時=滑空中ならOK)
    なので尾翼は必要ですが、ここも軽量化のためElevon 1を単体で制御カナードに使う小細工をしています。
    • 結果、揚力が微妙に足りなくなってAV-T1を増設する羽目になりましたが
       
  • と言った感じで「空力性能<軽量化」な設計になっているためSASを切るとまっすぐ飛びませんw
    なので電池必須。(あとキャリアではPilot緑専用機)
    有翼の機体は断熱圧縮(による機体の加熱)をあまり起こさずに打ち上げ/再突入が出来ますが、
    念の為に、本機で最も耐熱温度が低いこのパーツをコマンドポッドの底面に配置して熱から守ります。
    まめ

    ...全パーツを検証したわけでは無いので、間違ってるかもしれませんが。

     

    0.90以前と同様、現verにおいても固定翼・可動翼やインテークを始めほとんどのパーツは
    他のパーツで前を遮っても内部に埋め込んでも全く問題無く機能します。
    また、空気抵抗も他のパーツの位置の影響を受けず加算されているようです。

     

    ただ、物事には大抵の場合「例外」という奴があるわけでして。

    • ロケットとジェットの噴射は普通に他パーツで遮断されます......って皆さん知ってますよね?
      まぁこれは逆に「ロケットとジェット以外」、具体的にはRCS、O-10一液式エンジン、
      それとイオンエンジンは遮断されない...と書いた方が「まめちしき」っぽいかも
       
    • フェアリングの内部、および閉じたカーゴベイとサービスベイ内部も例外です。
      • 内部のパーツに揚力、空気抵抗が発生しないのは勿論、エンジンやRCSも作動しなくなります
      • 状態(Status)表示のあるパーツの場合、この状態ではOccluded(塞がっている)と表示されます
      • インテークは(中に空気が残ってる扱いなのか)ごく短い時間だけ機能します
        変なところで細かいなKSP!
      • カーゴベイは前後が思いっきり開いてるように見えますが、判定しているのはドアの開閉だけのようです
        変なところで細かくないなKSP!!
         
    • パーツの加熱処理も例外...というより空力計算と熱計算も別に処理している、と考えるのが普通ですし。
      こちらには他のパーツの位置が影響し、前方を遮断されていると(断熱圧縮による)加熱が緩和される気がします。
      • いや、だって、そうでないとヒートシールドの存在理由が...
      • 詳しい所までは未検証です。例えば単純に胴体に埋めただけの極超音速機のインテークとか普通に爆発しますし。
        前方にあるパーツの種類によって遮熱効果が違うのかも?(燃料タンクの効果は小さい、とか)
     

テスト飛行

推力および揚力性能上、滑走路からの水平離陸も十分に可能ではあるのですが

  • 例によって初期滑走路だと事故率高め...というより。
    本機の後輪LY-01は見た目通りかなり跳ねるため、一旦滑走路から降りないとまず確実に事故ります。
     
  • 「離陸のしやすさ」と「性能」が両立しない
    例えば主翼に迎え角をつける、または前後輪の高さを変えて離陸時に同様の効果を得る、などの工夫は
    説明するまでも無い現verの変更点である「機体の向きによる空気抵抗の変化」によって
    比較的軽量なこの機体の場合は離陸時の加速に大きく影響し、結果として軌道投入に必要なΔVが結構増加します。
     
  • そもそも水平離陸するメリットが存在しない
    いやまぁ「とても飛行機っぽい」と言うのはある意味大きなメリットと言えなくもないのですが。
    それ抜きの数値だけで見た場合、水平離陸と垂直離陸では燃料効率的にはあまり差がありません(...と思う)
     

といった問題点のため、今回も発射台に縦置きしての垂直離陸を基本として調整しています。
splv1_0805.jpg
安心と実績の(ry

 

今のところ(上の離陸方法による効率の差を含めて)
「Ver1.0.2での効率的な打ち上げ・機体の傾け方」について確立できたとは、まだとても言えない状況ですし、
当然機体によって変わってくるとは思いますが、本機で軽く試してみた結果

  1. 離陸後しばらくは垂直上昇
  2. 揚力がまともに発生するくらい速度が出たら(20~30m/sくらい?)ピッチ60°までゆっくり傾けながら5kmまで上昇
  3. 以降だいたい5km上昇に対してピッチ10°減少のペースで傾けていく
    • 5km上昇→10°一気に傾ける、とやるとたぶん空気抵抗が増えて効率が悪いので、出来るだけ滑らかに
  4. Ap到達高度および増え方も見ながら調整
  5. Ap付近でアポジキックして軌道投入
    • 胴体の剛性が足りてない(構造上は大量の燃料タンクを縦に繋げただけなので)ため←違ってたorz
      大気圏外で全力噴射すると機体が曲がって微妙にまっすぐ飛びません。
      手動で修正するかスロットルを抑えて対処してください
 

たぶんこれで、残りΔVで換算すると70kmギリギリの周回軌道に乗った時点で300m/s前後は残せると思います。
splv1_0806.jpg
テスト後、SS撮影時のフライトで346m/s残せたのでたまにはF2押さずに撮ってみる
...何がよかったんだろう...?(とまぁこんな感じでまだまだ試行錯誤中)

 

さて、性能的にも機能的にも余裕のない本機は、軌道上でやることが無いのでさっさと帰ります。

  • 現verのGooは軽いので、1~2個くらいなら抱えても飛べそうですが

残り燃料的にあまり深い角度での再突入は出来ませんし、いくら低軌道で比較的速度が遅いとはいえ
splv1_0807.jpg
今まで通りに(SAS切って放置し)機首がPrograde方向のままだと色々と燃え尽きるので、

  • SASは作動させたまま
  • 主翼を右クリックしてピッチ操作を有効化

...の状態で機体を立てて降下し、断熱圧縮が始まる高度まで下がる前に減速。
十分に速度が下がったら機首をKSCの方向に向けて滑空→着陸します。

  • 理論上は、機体は上向き・下向きのどちらでも同様に減速しますが、本機の場合
    (車輪の重さと釣り合いを取って若干高翼配置のため)揚力中心位置の関係で、上向きの方が安定します
  • 機体は完全に(90°)立てず機首角度45°くらいでも十分に減速できます。
    また傾け方を変えることで、かなり減速量は自由に調整できるため
    現状上手く機能してないMechjebや筆者愛用だったけど1.0対応には時間が掛かりそうなTrajectoriesなどの
    MODの助けを借りなくても、KSCへの帰還はそれほど難しくないと思います。
    (もちろん感覚をつかむために何度か練習する必要はあるでしょうが)
    splv1_0808.jpg
    ...とか偉そうに言いながら微妙に失敗し、地上でエンジン噴射して滑走路に戻り誤魔化した図w
 

ああ、あとちなみに。
今回は設計段階において「着地時の機体への乗降」は全く考慮していませんが
1.0でのEVA時アクションClimbで緑の身長くらいの段差なら(...あと旗とか)よじ登る事が出来るため
ある程度小型の機体であれば、特に設計を工夫しなくても機体に戻ることができます。

  • ただし操作の方に少し工夫が必要。
    普通に配置した車輪と翼だとClimb可能な高さを少しオーバーするので、ジャンプ中にFキー押して掴まないとダメです
    splv1_0809.jpg
    画像とは特に関係ないけど、Valentinaさんはポニテかわいい
 

結論

と、いう訳で。
Ver1.0.2においてもそれなりの序盤(=初期施設)から作れるスペースプレーンは、一応作成可能ではあるのですが。
まぁ(以前の2号機にも同様の問題がありましたが、今回それ以上に)
「ギリギリ軌道に上がれるだけ」で性能、特にペイロード(Science Jr.とか観光客用の追加座席とか)に余裕がほとんど無いため
実際にキャリアモードのミッションなどで使うのはかなり無理があると思います。

 

なので、実用性を高めるために
(幸い、今のキャリアでは初期ミッション+自動達成ミッションで60万くらい稼げ、最序盤でも資金にはまず困らないので)
滑走路とSPHを改修して、少し機体を大型化した方が良さそうです。

 

追記

筆者愛用MODのひとつであるRCS Build Aidが1.0.2に対応。記事投稿の翌日とかなんの冗談だ
速攻導入して8号機を見てみたのですが。
...KERのTORQUE表示で0.0kNmまであわせたはずの重心と推力中心が、こっちで見るとかなりずれてる。

 

慌てて検証実験を行った結果、以下の事実が判明しました。

  • 現verでは、全てのパーツが数値通り機体重量に加算して計算されるようになりましたが、
    旧来「重量0」扱いだったパーツの重量は、機体の重心に影響を及ぼしません
    また、新パーツにもいくつか(LY-01、05など)この類の「重量だけが計算される」ものがあるようです。
    • 再追記。針金が重心に影響する事を確認。
      「旧重量0」パーツの全てが重心に影響しないという訳でもないようです...また違ってた...orz
実験内容

いや、わざわざSSまで貼る必要も無いとは思いますが、まぁ一応。

 

test01.jpgtest02.jpgtest03.jpg
左右の実験プローブでAp高度が変わるため重量は計算されている
また、左プローブが(SASがOFFでも)真っ直ぐ上昇するので、重心が中心からずれてない事が分かります

  • なおKerbinでは空気抵抗のために曲がりますし、重量0だったパーツの重量が現verで計算されているのを確認した時
    「重量があるなら当然重心も動くよね」と考えてここまで検証してませんでした、不覚です
 

...さて、と...これ、どうしよう?
影響は上に書いた「大気圏外でエンジン噴射すると微妙に機首が上がる」、手動で十分対処できる程度なんだけど
「改善できる」事を知っちゃうとなぁ...

 

という事で、ちょっと修正しました。
splv1_0810.jpg
間違い探しか何かか、って程度の小変更ですが、一応機体データも再掲

 
  • 翼の高さを若干下げて重心を調整。そのついでに
    • 推力中心が重心ギリギリすぎて、燃料を多めに残せた時の滑空安定性が良くなかった
      (失速すると機体がひっくり返る)ので、補助翼を後にも少しずらして対応。
    • エレボンカナードを下げた事により、ここからジャンプ無しで機体に戻れるように修正。
  • やや高翼配置→中翼になったので試した結果、機首下向きでの再突入でもそれなりに安定。
    この方法だとナビボール表示範囲内にターゲット(KSC)と進行方向(Prograde)が収まり調整が楽だけど
    降下速度が落ちにくくなるため機体が加熱しやすく、やはり上向きが推奨です。

*1 括弧内は(機体本体+燃料&酸化剤)