百合歴史

Last-modified: 2017-06-06 (火) 22:56:35

百合の歴史を知ることは非常に意義があると思います。歴史を知ることによって、百合というジャンル全体の中で、その作品はどういう意味を持つのかという視点が生まれるからです。
例えば、二人の結びつきを制度化した作品には、マリア様がみてるのスール制度が大きな影響を与えたと知っていれば、鑑賞中にスール制度との違いはどこだろうと考えることができます。
つまり、歴史=作品の予備知識は、作品の新しい楽しみ方を提供するため、百合歴史も取り上げていきます。






・・・・・個人的な見解を述べられる程の知識がないので、当分はwikiの下記ページ中程を参照下さい。
(いずれは物語の鑑賞を軸にした百合歴史を、まとめられたらとは思っています。)



百合(ジャンル)









私的百合歴史(10年間の回顧)

百合好きになって10年が経つので、懐古もかねて個人的な私的百合歴史10年間を記しておこうと思います。これから書く散文も歴史家・文学者の研究材料ぐらいにはなるかとおもうので。


ストロベリーパニックとの出会い 2007年春

百合民が少なからず拡大し、浸透していっている現状、どれぐらいの百合スキは巷にいるのでしょうか。
まぁ浸透してるとはいってもBL人口よりは明らかに少ないです。売り場面積の差で誰が見ても分かりますよね、具体的に参考になりそうな数字で言えば、
2017年現在、やがて君になるという百合好きなら確実に購入しているだろう人気作品でも、3巻で累計発行部数20数万部らしいです。
つまり、日本人1億なんたら人の中で、7,8万ぐらいしか百合スキはいないのではないでしょうか。あるいは、百合雑誌ガレットの応援のための金額寄付者数、訳400人という数字もあります。
雑誌を買うだけじゃなく応援のためにもっとお金を出すというエリート百合民に絞られるとしても、日本中にたった400!!という現状です。
まぁ卑近に言えば、私的なリアルの出会いの中で、百合スキの友人知人にあったことはないですね。一人だけ、飲み会の席であった人の友達が・・・というニアミスがあったぐらいです。
私は人間が出来た友人とオタク系友人には百合好きカミングアウトしてます。家族には本棚をみられ、人の趣味は人それぞれだからと白い目ながら放置されてます。



さて、そんな今よりももっと百合が広まっていない10年前、しかし、ストロベリーパニックというTHE百合アニメが地上波で放映されました。
新たな百合好きが日本中に誕生する中で、私もその一人でした。明確に百合好き!百合最高!という自覚はないものの、クソゲーオブサイヤーにも名を連ねるストパニのゲームを予約したり、
その少し後のSF百合アニメシムーンを鑑賞したり、百合姫の初期の方の発売コミック、春夏秋冬、シムーンを購入しました。
当時まだ完結していないマリみての漫画版や小説、アニメを百合の大御所としてチェックし始め、立派な百合スキの一歩をスタートさせたのが十年前の今頃です。




百合姫と百合姫Sの定期購読の開始 2007年夏より

百合コミック購入→連載している雑誌百合姫に気づく→定期購読という自然の流れではまり。まだ毎月発行ではなく季刊?隔月?の百合姫を心待ちに日々を過ごしてました。
百合姫系列の、百合姫セレクション、ワイルドローズ(エッチな百合姫)、百合姫Sと、新しい百合雑誌の告知を見ては、色々購入してました。
振り返ってみれば、まさか百合姫Sで見かけたあのゆるゆる漫画なゆるゆりが、一番ロングセラーの人気作になっていてアニメもいまや3期+OVAとは驚きです。
まぁ、百合好きでない芳文社4コマ系枠アニメ好きの友人(ひだまらー)が視聴していたので、間口が広かったからでしょう。
ちょっと話がそれましたが、BOOKOFFや本屋で百合漫画を見かけるたびに、買う読むと徐々に百合を拡大伸長していきました。
一迅社の百合姫以外に、年に1冊ぐらいは他社発行の百合雑誌・アンソロも当時からでてました。他社の発行ペースはいまもそんなものかな。



雑誌・アンソロでいえば、この10年だと4~5年前が山のピークで、いまはまた谷に下りてきて落ち着いた感じがします。
ピーク時は、百合姫・つぼみ・ひらりの3強に、年に2,3冊ぐらいの他社のものと重なって、毎月ではなかったですが本屋の新発売の平積み棚に見かけることがありましたから。
ただ、白状すると、大学卒業引越しのドタバタで雑誌の処分がいかに大変か・・・、BOOKOFFは雑誌引き取らないみたいで無理、まんだらけに電話して聞いても、同じく無理。
結局雑誌ゴミの日にだすことになって以降、棚に並べておきにくいサイズの雑誌は、購入を控えるようになりました。




百合キャラの許容と広がり 2008年2009年

百合姫定期購入、機会につけ百合作品を手に取ると、立派な百合民の1員になって1,2年がたったころ、1つ社会の変化を感じました。
百合を意識するようになったから気にするようになったのか、偶然なのか、昔より作品に”百合キャラ”が登場するようになったことです。
特に代表的なのは、当時社会的ブームになったけいおん!のムギちゃんですね。ツンデレ、美少女な男の子、ボクっ子、お金持ち、そうしたテンプレ的なキャラ属性の中に、
百合キャラも含まれ、百合作品以外でも、作品内に百合風味が登場するようになったと思います。
百合を足したほうが売れる?という営業戦略、百合好き作者の隠し味、百合風味でも容認許容されるようになった社会、様々な要因が影響しているのでしょう。
ただ、反面、なんちやって百合、微百合作品、百合百合詐欺と、百合作品と一般作品の線引きが曖昧になって、思ったより百合ではないという残念な結果も増えていきました。
まぁ、プリキュア系の打ち合わせ記録に、大きい大人向けの”百合”を組み込むどうたらという記載があったとか、
ジブリの想い出のマーニーのテーマに明確に百合が入っていたりとか、ちょっと味を足すだけで、百合効果で売上が伸びるなら・・・、と、営業戦略百合として、お金ゆえの部分もあるのかもしれません。




百合への渇望とサイト設立 2010年2011年

それまではアナログ人間だったので、手の届く範囲、目に映る範囲で百合を探していましたが、徐々に見つけにくくなるのと情熱の高まりの結果、ネットで百合作品がないか検索して鑑賞するようになっていきました。
ただ色々な情報が散見するものの、ちらばっているような状態で、この作品名は他のサイトでも何度か見かけたな、よし買ってみるかという具合で、
体系的や網羅的な作品のリストやまとめがないことに不満を抱きながら、新しい百合作品との出会いに飢えていました。
色々調べていく中で、国会図書館にしかもはや現存していない1900年初頭のふるい百合?小説の存在や、百合ゲーム、少女漫画の古い百合など、
それまで全く知らなかった作品を知ることが出来ましたね。さて、そうしてないなら自分で作ることに思い至り、当サイトを立ち上げました。更新が落ち着く2015年頃までの、
特に漫画はほぼすべて網羅していると思います。同人系、電子書籍系、小説、海外(フランス)映像・映画やら、その辺りはまだまだ全然不十分ですけどね。




百合姫事件にみる、商業主義的なコンテンツ消費社会 2015年10月

(勝手に命名)百合姫商業主義事件と、なんちやって百合の増加台頭。それらによる消化速度やお金の損耗がなければ、
心に刻む一作、魂の一作を求めて今も作品まとめの更新と、鑑賞読破を必死に続けていたと思います。しかし、同人作品の百合姫名義での発売で百合漫画の冊数が増え、
芳文社の百合風味4コマも増え、アニメでも百合風味が増えと、百合が盛り上がっているように見える反面、なんちやって百合(ハズレ)に疲れてしまい、
もうオススメだけ見られればいいやという気持ちになって、時間も金ももったいないと思ったが最後、まとめ化への情熱を失いました。
まぁ、数年間も百合スキ(1つのジャンルに特に固執)をしていてようやく気づきましたが、商業作品は消費されていくものなんですよね。
全く売れずに埋もれていく作品、そこそこ売れても埋もれていく作品、どんなに人気があっても時代の流れに埋もれていく作品。
もっと評価されるべきな2番目の作品は掘り起こし記録にとどめる価値はありますが、1番目は無意味で3番目は記録する前にそもそも十分記憶に残る。
結局のところ、資料価値としての作品まとめであって、例えば、学者や熱心な作家さんが、過去作と比較検討するときに使ったりと、ごくごく一部の用途でしか目録化リスト化の意義はあまりないと今更気づきました。
一応、今後もリスト化するべきとか思うときには、適宜更新して以降と思います。短期的視点だけでなく、長期的視点でオススメをまとめていくこういうサイトも少しは価値があるかなとは信じています。




この10年で私的記憶に残った百合作品とその軽いレビュー 順不同

  • アニメ編
    • ストロベリーパニック
      多分今見たら突っ込みどころもあるんでしょうが、いきなり女の子同士がキスする!しかも美的で扇情的な絵柄がインパクト大でした。あとPVで主役の二人の声優さんがキスしてたのも印象的。
      地上波では寸止めでしたが、メイキング?では普通にキス&もうっなはにかみ声が収録されてたのも印象的。なばためさんと静さんとか、他にも色々百合声優さんの噂ありましたけど、どうなったのやら。

    • candyboy
      ストパニの後に1年以内ぐらい?にでたTHE百合アニメでしたね。ニコニコアニメチャンネルで放送されてました。私の姉妹百合の扉がここで開かれました。
      あのクオリティのアニメを有料放送(違法のたれ流しバリバリ)、無料視聴期間アリなどで採算とるのはきつかったのか、6,7話で打ち切りに。続きを実は地味に今も待ってるアニメですね。

    • 大正野球娘、とっぷをねらえ2、まどかマギカ
      百合描写や絵柄はどんどん進化していくと思いますが、ストーリーやらと作品と百合が混ざりあって必要性や必然性も絡んだ二人の関係性の進展変化が凄くスキですし、心に残ります。
      大正野球娘は、チーム作りから始まり、最後には試合をしてその対決結果とそこで描かれるピッチャーキャッチャーのパートナー友情百合。
      トップ2は、お姉さまのあとを追いかけるだけのロボ娘とお姉様との関係性変化と、ラストの一悶着後の二人の関係変化。
      まどまぎは、ネタバレなしの説明が難しくて曖昧ですが、思いの末に訪れた結末と、二人の奇跡の結果。続編映画の視聴も必須ですよ。



  • 漫画編(作者編)(50音順で時系列ばらばら)
    私は漫画スキなので、漫画読破数には自負があります。なので逆に、数が多すぎて選別が難しいのですが、つらつらと書こうと思います。オススメに既に挙げているものは除く方向と、短編集も数が多いので除こうかと思います。

    • 青い花
      セクシャリズム?、性倒錯やらの漫画を扱った雑誌Fで連載。1,2巻から購入してましたが、百合漫画として珍しい長編冊数のため、完結までかなり時間が経ちました。
      が、作品への情熱を失ったのか、終わらせるためだけの最終巻にがっくしでした。一応、アニメ化。舞台の江ノ電(鎌倉)も関連してアニメイベントしたりプチ盛り上がりもありました。
      あの頃の私は死にました。真面目な顔してわたしのおっぱいを吸ったんだぜ。とか後半の台詞回しと絵柄が印象的なシーンがいくつかあります。

    • 紺野キタ先生
      百合漫画家さんではないですが、繊細な心理描写を描く少女漫画家で、女の子と女の子を心理を描くのがうまく読み返すほどに発見があります。
      個人的に好きな透明感のある絵柄なのもイチオシ。百合漫画を描いてくれた女の子の設計図も良かったです。・・・ってリストから漏れてました汗、少女漫家といえば、水城せとなさんにも百合漫画を書いてみて欲しいですね。

    • 魅力あるストーリー物一覧。悪戯ちょうちょ、うつゆり、オパパゴト、神無月の巫女、魚のみる夢、3年2組の呪い屋さん、思春期生命体ベガ、制服のヴァンピレスロード。双角カンケイ。
      アニメの項でも述べましたが、百合の高まりとストーリや話の展開高まりが合致したときの必要性必然性溢れる結びつきが大好きです。
      というわけで、百合的関係にプラスα要素が入り、百合の進展が描かれる作品群の紹介でした。意外と百合プラスα要素作品は少ないですね。
      ストーリーのない百合だけを楽しめる、純度の高い百合漫画もありますし読みたいときもありますけどね。



最後に

最近は百合の商業・消費主義の影響による玉石混交を感じ、百合作品をリスト化する意欲がなくなっています。
この作者は本当は百合をすきじゃないのに、書かされたんだろうなと感じる作品すらあります。まぁ、騙されて買ってしまう何かに釣られて買ってしまうことでお金は動くわけですが、
それが続くと客の新規開拓(新刊購入)の手が鈍り、ジャンル自体を衰退させかねないとすら思います。他方、商業的な騙しはなくとも、同人誌の質は別の意味で意欲をなくさせます。
大手サークルさんは外れなく読めるレベル・・・。かと思えば、ド素人の同人誌も多々あり、同人誌の海を探し回っても、隠れた物凄い名作が埋もれているわけでもあまりなさそうだと感じました。同様に、電子書籍・WEB限定流通の作品の質も推して知るべしだと思っています。やはり本当に凄いものなら、表舞台に出ていやでも騒がれますよ。