プロ野球選手の間で行われていたとされる罰金や賭博などによる金銭のやり取りのこと。
最初に発覚した読売ジャイアンツが円陣によるものだったため「金銭授受(¥)が発生する円陣」という意味で誕生した。
概要
2016年3月14日、野球賭博問題の主犯格・笠原将生が「巨人の複数の一軍選手が、自チームの勝敗に絡んで現金のやり取りをしていた」と暴露した内容が産経新聞に掲載された。
試合前に選手が現金を出し合い、投手と野手に分かれて行われる「円陣」を組み、「声出し」と呼ばれる発声を担当した選手が、その試合に勝てば1人あたり5000円の「ご祝儀」を受け取り、負ければ全員に1000円ずつ支払うルールで一度に最大14万円の現金が動いていたという。
これを受けたNPBの要請で各球団が調査を行なったところ、翌15日に阪神タイガースと埼玉西武ライオンズが、16日に福岡ソフトバンクホークス、17日に広島東洋カープ・東北楽天ゴールデンイーグルス・千葉ロッテマリーンズの計6球団で巨人と同様に公式戦の勝敗にからむ金銭のやり取り*1を、20日には横浜DeNAベイスターズでは高校野球を対象とした金銭のやり取りをしていた事が各球団から発表された。
また、22日には阪神タイガース・東京ヤクルトスワローズ・福岡ソフトバンクホークスが高校野球に対する賭博行為、埼玉西武ライオンズの選手が笠原並びに飲食店経営者B氏と思われる人物と賭け麻雀をしていたことが発表された。
そして24日にはオリックスバファローズも罰金等で金銭授受があったと発表した。
各球団の円陣・罰金・賭博問題の詳細
※以下、野手の場合16人、投手の場合12人が金銭のやり取りに参加することを前提とする。
巨人
- 円陣問題
- 投手もしくは野手が円陣で声出しをする。
- 試合に勝つと声出し担当に5000円を支払い、負けると声出し担当から1000円を徴収。
- 連勝で金額アップ(球団はこれを否定)。
- 金銭のやり取りは投手・野手それぞれの内部で行う。
- 勝利→声出し担当が野手なら最低75000円、投手なら最低55000円が貰える。
- 敗戦→声出し担当が野手なら15000円、投手なら11000円を支払う。
- 賭博問題
- プロ野球に対する賭博問題(2015年10月に発覚済み)。
- 高校野球に対するくじ方式での賭博。
- 笠原、飲食店経営者B氏との賭けゴルフ(42人)、賭け麻雀(14人)、賭けトランプ(23人)、闇スロット。
阪神
- 円陣問題
- 野手のみ3連勝以上で声出し担当に5000円を支払う。
- 連勝で金額アップ、敗戦なら金銭やり取りなし。
- 3連勝以上で・・・
- 声出し担当以外の野手15人がそれぞれ5000円を支払う(最低金額)。
- 声出し担当は75000円を貰える(最低金額)。
- 賭博問題
- 高校野球に対するくじ方式での賭博。
- 1人5000円程度を出し合い「くじ引き」で1人につき数チームを振り分け、優勝校を当てた選手が総取り。
- 高校野球に対するくじ方式での賭博。
西武
- 円陣問題
- 野手のみ4、5連勝で声出し担当に1000円を支払う。
- 敗戦なら金銭やり取りなし。
- 4、5連勝以上で・・・
- 声出し担当以外の野手15人がそれぞれ1000円を支払う。
- 声出し担当は15000円を貰える。
- 賭博問題
- 某選手が元巨人笠原氏、飲食店経営者B氏と思われる人物と賭け麻雀。
- 2015年10月下旬に当人から報告があったが、その時点では公表されなかった。
ソフトバンク
- 円陣問題
- 野手のみ3~5連勝で声出し担当に1000円を支払う。
- 敗戦なら金銭やり取りはなし。
- 3~5連勝以上で・・・
- 声出し担当以外の野手15人がそれぞれ1000円を支払う。
- 声出し担当は15000円を貰える。
- 賭博問題
- 高校野球に対するくじ方式での賭博。
- 球団職員やスタッフ等が、1人3000円で8強入りした学校からくじを引き、引き当てた学校が優勝すると総取りする。
- 選手は参加していなかった。
広島
- 円陣問題
- 野手のみ5連勝から声出し担当に1000円を支払う。
- 最近は5連勝がなく2015年は10000円に増額。
- 敗戦なら金銭やり取りなし。
- 5連勝以上で・・・
- 声出し担当以外の野手15人が1000~10000円を支払う。
- 声出し担当は15000円~15万円を貰える。
- 野手のみ5連勝から声出し担当に1000円を支払う。
楽天
- 円陣問題
- 2014年交流戦勝利時、野手のみ声出し担当に1000円を支払う。個人使用はなし。
- 敗戦なら金銭やり取りなし。
ロッテ
- 円陣問題
- 勝利時に声出し担当が10000円を選手会費に回す(野手のみ、2013~2015年まで)。個人使用はなし。
- 敗戦なら金銭やり取りなし。
DeNA
- 賭博問題
- 高校野球に対するくじ方式での賭博。
- 約10人が1人10000円程度を出し合い「くじ引き」で1人につき数チームを振り分け、優勝校を当てた選手が総取り。
ヤクルト
- 円陣、罰金制度がなかったことを公式に明言。
- 賭博問題
- 高校野球に対する賭博(くじ方式ではない)。
- 2015年の夏の甲子園大会では約10人(それ以前はより多くの選手)が10000円を出してスコア予想する方式。
中日
- 罰金問題
- エラーした場合に罰金、このお金は寄付に回され個人使用はなし。
オリックス
- 円陣、賭博問題がなかったことを公式に明言。
- 罰金問題
- 練習でエラーをした選手から500~1000円の罰金を徴収。このお金は選手会費に回され個人使用はなし。
日本ハム
- 円陣、賭博問題がなかったことを公式に明言。
関連項目
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