ある選手が特定の期間内において異次元の成績を挙げている状態のことで、主に野手に対して使われる。
概要
元々同じような用語として「確変」「覚醒」などという表現が存在していたが、それらは『元々それほど成績の良くない選手が平均以上の活躍をしている状態』を指すことが多い。これに対し「スーパー○○」は、『元々レベルの高いスラッガーが、さらに凄まじい成績を叩き出している状態』に付けられる。
なお、2009年のスーパーヤニキの例から「ベテラン選手がスーパー状態に入ると燃え尽きる前の最後の輝きである」という風潮も生まれている。
派生形として、スーパー状態が更に長期化したり、ファンが想像する以上の大爆発を起こすと「ハイパー○○」などに進化する場合もある。
また近年は2016年中盤までの山田哲人の例にならい、多くの成績でリーグトップに立つようになると「DHC○○」と呼ばれることもある。
近年の主な「スーパー○○」
- スーパーうなぎ 阿部慎之助(巨人、2004年4月)
月間MVP。4月9~16日にかけて6試合連続、4月28日には1試合3本塁打を放つなど当時のプロ野球タイ記録の月間16本塁打*1。その後も33試合目で20号など、ずば抜けた成績を叩き出す。打率.372(86-32) 16本 35打点 出塁率.443 長打率.965 OPS1.408
なお年間本数。
- スーパーバレンティン ウラディミール・バレンティン(ヤクルト、2013年8月)
月間MVP。上述の月間本塁打記録を更新。またこの年はシーズン60本塁打の新記録を樹立し、年間MVPを獲得。打率.460(87-40) 18本 35打点 出塁率.583 長打率1.149 OPS1.732
- DHC山田 山田哲人(ヤクルト、2015年7月~2016年7月)
数ある「スーパー○○」の中でも、1年近く続いた稀有な例。
- スーパーツライ 新井貴浩(広島、2016年7月2~19日)
同年は史上最年長でセ・リーグMVPを獲得。打率.526(38-20) 7本 20打点 出塁率.657 長打率1.184 OPS1.841
- スーパー筒香 筒香嘉智(横浜、2016年7月)
上記の新井を抑えて月間MVPを獲得。3試合連続、月間6試合のマルチ本塁打はプロ野球記録。またオールスター戦でも2本塁打、第1戦・全体のMVP。打率.429(84-36) 16本 31打点 出塁率.529 長打率1.095 OPS1.625
- スーパー鈴木誠也 鈴木誠也(広島、2021年9月)
前半戦不調だったが日本の四番を経験し、後半戦覚醒。9月だけで13本のホームランを放ち、6試合連続弾も放つ。さらに打率も大幅上昇し、最終的に首位打者でホームランも38本とトップに1本差だった。この鈴木誠也の活躍はカープの秋のブーストの要因となった。オフにメジャー挑戦。打率.381(84-32) 13本 22打点 出塁率.500 長打率.917 OPS1.417
- 村神(様) 村上宗隆(ヤクルト、2022年)
「スーパー村上」よりもこちらの表記が使われることが多い。
- 6月谷 大谷翔平(エンゼルス、2021年6月、2023年6月)
2021年 打率.309(81-25) 13本 23打点 出塁率.423 長打率.889 OPS1.312
2021年は4、5月でそれまでのキャリアハイを大きく更新するペースでホームランを重ねていたが、6月~7月頭にかけては当たればホームラン状態で一気に数を量産。オールスター前で松井秀喜が持っていた日本人最多のシーズン31本塁打を更新する33本塁打を記録し、オールスター後は調子を崩して数は伸びなかったもののシーズン46本塁打でMLBでの本塁打王まであと一歩のところまで迫った。2023年 打率.394(104-41) 15本 29打点 出塁率.492 長打率.952 OPS1.444
2023年も6月に量産体制に入り、球団新記録となる月間15本塁打を記録。オールスター前で30本塁打に到達し驚異的なペースで数を伸ばした。オールスター後は敬遠の多さなどでやはり伸び悩んだ上シーズン終盤には故障離脱もあったものの、最終的な本塁打数は44本で日本人初(アジア人初)の本塁打王に輝いた*2。
- スーパー安田 安田尚憲(ロッテ、2023年10月)
2023年シーズンの最終盤で覚醒し、CSの切符をめぐるロッテ・ソフトバンク・楽天の三つ巴の戦いを制して2位になる上で大きく貢献した。更に2023年10月16日のCS1stの第3戦では10回裏にサヨナラ2塁打を打つなど獅子奮迅の活躍をした。打率.556(9-5) 1本 1打点 出塁率.692 長打率.889 OPS1.581
ちなみに監督公認の尊称である(動画5:10~)。