2007年公開のホイチョイ・プロダクションズ原作*1の邦画『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』に関連する、2010年日本シリーズ・中日ドラゴンズ対千葉ロッテマリーンズ戦の別称。バブ川GO児とも。
【目次】
概要
2010年11月6日、日本シリーズ第6戦は延長15回引き分け・試合時間5時間43分という大熱戦で日本シリーズ記録*2を更新してしまう。
日本シリーズでのテレビ中継は全編放送する義務があるため中継は3時間10分の延長。その結果、『バブルへGO!!』は『土曜プレミアム』枠なのに日曜0:10~2:20へとズレ込む事態となってしまった。
フジテレビ側もここまでの放送延長は想定しておらず、23時以降に流すCMがなくなり23:00~翌日0:10の間は一切CMなしという珍事も発生した。
このような深夜の放送となってしまったにもかかわらず視聴率16.3%(関東地区)という高い数字を叩き出した…のだが、これはビデオリサーチ側のミス*3で、同日のうちに9.0%へと訂正された。それでも日付が変わってからと考えれば、十分な高視聴率であったと考えられる。
なお翌日の第7戦も4時間56分(当時歴代2位)の延長戦となり、21:00から放送予定であったドラマ『パーフェクト・リポート』第4話が23:20~翌0:14へとズレ込んだ。
これもまた全10話の中で最高視聴率を記録、平均視聴率を約3.0%超える9.7%(関東地区)を記録するという皮肉な結果を生んだ。
21世紀に入って以降地上波でのプロ野球中継が減少し、あったとしても延長が行われない状況であるものの、日本シリーズと代表戦では現在でも延長無制限での完全中継が実施されるため、試合展開によって大幅に後続の番組が遅れるとしばしば本作品が引き合いに出される。
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類似現象
1988年10月19日
いわゆる10.19である。
「このカードがおそらくパ・リーグの(レギュラーシーズンの)最後に回って、優勝を決める大一番になる」と予測した近鉄バファローズの地元の朝日放送がテレビ朝日の中継回線を借り、かつて西鉄ライオンズ、ロッテオリオンズがそれぞれ本拠地にしていた福岡の九州朝日放送、仙台の東日本放送がネットして15時のダブルヘッダー第1試合開始から中継していた。
19時20分*4からの全国ニュースでも試合レポートが行われていあたり、ラジオ中継を聞いた視聴者から中継を求める電話がテレビ朝日に殺到、21時からの『さすらい刑事旅情編』*5の放送時刻を10分間繰り下げてナイター中継を入れる予定が、ズルズル伸びて結局放送休止、次の『ニュースステーション』*6も試合終了の22時44分を過ぎるまで中継した。
1997年9月28日
ヤクルトの優勝マジックが1になったことにより、20時から放送予定だった『ダウンタウンのごっつええ感じ』が急遽ヤクルト対阪神戦の中継放送に差し替わった。ヤクルトがこの試合に勝てば優勝*7という試合であり、フジテレビはヤクルトと業務提携を結んでいたため中継は必須ともいえるものだった。
しかしこの中継は局側から司会のダウンタウンに一切連絡が無く行われたものであり、さらにこの日の放送内容はこの番組で生まれたスペシャルユニット『エキセントリック少年ボウイ』のCD発売記念イベントの模様を収録した内容であったことから*8松本人志は激怒。その後、番組は11月で突然の打ち切りに追い込まれ、松本とフジテレビの関係は一時悪化した。この一連の動きに対して豊田泰光は週刊ベースボールの連載コラムにて松本を批判。一方大沢啓二は「自分の仕事にプライドを持ってやっているということだろう」と松本に一定の理解を示した。
2021年夏の甲子園
2021年8月15日の第103回高校野球3日目は、前日夜から降り続く雨によって第1試合・明桜高校対帯広農業高校が当初の予定から3時間遅れの11:00から試合開始。特にNHKはすべての試合を試合終了まで完全生中継するため、夜以降の番組編成に大幅な変更がされることが予想された*11。
結果的に第4試合・小松大谷高校対高川学園高校は21:40に試合終了*12。この第4試合をリレー中継したNHKEテレでは、本来18:30から放送される予定だった『ネコメンタリー 猫も、杓子も。』が3時間20分遅れの21:50から放送されるという事態になった*13。一方、総合テレビは18:00以降通常番組をそのまま放送したため『NHKニュース7』や『大河ドラマ 青天を衝け』など夜間の各番組は予定通りの時間に放送された。
一方、NHK同様全試合の完全中継を行っていた朝日放送制作・BS朝日の中継においては、延長オプションを使い切った結果21:18に中継終了の憂き目にあってしまった*14。この影響で報道番組『日曜スクープ』が予告無く放送中止になったほか、この大幅中継延長が影を落としたのかBS朝日2Kでの高校野球中継はこの年限りで打ち切られた(BS朝日4Kとバーチャル高校野球では2022年以降も放送・配信を継続)。
2022年の日本シリーズ
この年はヤクルト・オリックスの実力が拮抗しており試合が長引いたのに加え、ほとんどの試合が18時30分開始だったために5戦目まではすべて22時以降の試合終了となった。
23日の第2戦(テレビ朝日系)は全7戦のうち唯一の18時試合開始かつ21時台がニュース番組(サンデーステーション)だったため試合時間が多少伸びたところで影響が少ないように見えたのだが、9回裏にヤクルト・内山壮真が同点3ランホームランを放ったことで延長戦へ突入。ニュース番組『サンデーステーション』の枠を60分繰り下げた上でこのまま野球中継に丸々使うことになった。しかし試合は延長12回引き分け*20にまでもつれ込んだため、サンデーステーション枠も40分延長することに。これにより後続の『くりぃむナンタラ』は100分繰り下げの23:35開始となった*21。試合時間は5時間3分。2021年の第6戦より3分長く、バブルへGO!!に次ぐシリーズ史上2番目の試合時間を更新。
原因
上記の通り、類例の大半は18~19時の試合開始にもかかわらず*222時間程度で終わるだろうと考え、21時から次の番組を編成する放送枠の設定の甘さが最大の原因である。試合が予想をはるかに超えて大幅に長引いた試合はともかく、平均試合時間が3時間越えが当たり前な現代のプロ野球を、2時間程度の枠で納めるのは現実的に無理がある*23。
ただ、近年は日本シリーズであっても視聴率が2桁になる試合は限られ、CS終了後1週間程度で放送局を決めなくてはならないため、既に決まっている編成に割り込むには2時間しか枠が取れないという事情もある*24。キー局ではレギュラー番組を優先する傾向が強いため、いくら野球の試合が長引いたとはいえ、おいそれと放送休止にできないのも事実である*25*26。
過去はデーゲームだった日本シリーズがテレビ中継の視聴率を稼ぐため全試合ナイトゲームになった*27ように、結局はテレビ局とスポンサーの都合である。