ヤクルトは新潟に移転して解散しろ

Last-modified: 2024-02-14 (水) 14:46:39

2009年9月頃から使われ始めた謎理論。


概要

1990年代後半以降のヤクルトスワローズは東京を本拠地にするが故の地味さ*1に端を発する観客動員数の伸び悩みが続いており*2、地方に移転したほうがよいとする意見がなんJの内外で多く出ていた。
移転地の候補として挙げられたのが新潟(後述)や愛媛*3であったことから、上記の言葉が出現したとみられる。
その中でも「移転してから解散」という流れ作業的かつ理不尽な二度手間を要求するフレーズがなんJ民に受け、定型句として広まっている。


一例

万年最下位のヤクルトは新潟移転して解散しろ
https://live23.5ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1258587539/

2 :ぱるさー ◆vRt95MXZxHjW :2009/11/19(木) 08:42:02.55 ID:pdTG0Z8c
解散すんなら移転するなや
 
3 :風吹けば名無し:2009/11/19(木) 08:43:52.47 ID:2MP+9vW3
移転するなら解散すんなよ
 
9 :風吹けば名無し:2009/11/19(木) 08:47:32.13 ID:BIvKroUr
解散するなら移転しなくていいだろ

このように「解散するなら移転するな」などのツッコミがお約束となっている。


派生ネタ

2013年ごろから「ヤクルトはもうダメだ、新潟に移転するしかないorz」というコピペが確認されている

【不人気】ヤクルトは新潟に移転すべき【NO.1】
https://kohada.5ch.net/test/read.cgi/npb/1269380082/

177 :無礼なことを言うな。たかが名無しが:2013/09/19(木) 19:41:38.35 ID:6pmyJTgu
ヤクルトはもうダメだ、新潟に移転するしかないorz


移転構想の経緯

ここからはヤクルトの移転構想の経緯について解説する。

前史:新潟県のスポーツ振興活動の隆盛

新潟をホームタウンとするJリーグクラブのアルビレックス新潟は、1999年のJ2参入以降観客動員を増やし続け、2001~2012年にかけて浦和レッズに次ぐ動員数2位の座を長らく保持した*4ことから、地域密着を掲げるJリーグチェアマンから「地方/中堅都市の星」と賞賛を受けた。
さらに2007年には野球方面でも二匹目のドジョウを狙うかのごとく独立リーグ球団*5の新潟アルビレックス・ベースボール・クラブが設立され、着々と地元に根ざしたスポーツ環境づくりの基盤が固められていった。

NPB誘致へ

2009年7月の新潟県立野球場*6の完成を契機に、新潟県ならびに新潟市はプロ野球の開催数増加、さらには本拠地誘致を目指す運動を積極的に展開していった。この本拠地誘致のターゲットに選ばれたのが、球場使用契約で当時毎年のように揉めていたヤクルトと横浜だった。

相次ぐ問題点の露呈~誘致活動の停滞、そして自然消滅へ

しかし実際に試合を開催すると、以下をはじめとする観客輸送を中心とした数々の問題が明らかとなる。

  • 球場が最寄り駅の新潟駅から4kmほど離れているため路線バスが必須。シャトルバス等、専用輸送手段のインフラも未整備*7
  • 隣接するデンカビッグスワンスタジアム*8と駐車場を共用するため、Jリーグ開催とのバッティング時は周辺の交通が混雑する。
  • 新潟空港の立地は(空港としては)近いものの周辺の渋滞が多く、アクセスが安定しない。
  • 新潟周辺の気候変動の激しさから試合中止となるケースが多い。
  • 新潟都市圏、ひいては新潟県そのものの人口の少なさ*9

これらがネックとなり各球団とも本拠地移転および新潟開催に及び腰となったことから、観客動員数は開催2年目の2万7000人*10をピークに伸び悩むこととなった。移転を渇望されていたヤクルトの主催試合に至っては2012年の2試合 *11が唯一の例となっている。

追い討ちをかけるように、誘致活動を主導していた新潟県知事*12の交代や、アルビレックス新潟の深刻な経営難*13及び成績低迷に伴うJ2降格*14による県民のスポーツ熱低下も重なり移転話は事実上消滅した形となっている。

現状と今後の見通し

現在、新潟での試合が多いのはもう一つの移転候補であったDeNA*15だが、そのDeNAでさえホームゲーム開催を横浜スタジアムに集中する方針へと舵を切っているため、2016年以降は毎年1試合のみ*16*17に留まっている。

その後、2024シーズンより二軍限定ではあるものの、BCリーグであったオイシックス新潟アルビレックスBCがプロ野球チームとして加わることになった。


余談

  • 横浜ベイスターズは2010年に住生活グループ(現:LIXIL)への身売りを打診したものの、住生活側が新潟や静岡への移転を主張したため神奈川財界と揉め破談となっている。
    • 移転の話題が上がった当時は「新潟住生活ベイスターズ」や、新潟県の特産品であるを掛けて「米スターズ」「ライスターズ」などと呼ばれていた。
  • 新潟県市は2011年シーズンからチーム名と同じ「つばめ」にちなんだ交流事業などをヤクルトと行っている。


関連項目


*1 東京には同じセ・リーグに読売ジャイアンツが存在すること、東京は地方出身者が多く地域密着の利点が生まれにくいなどの理由から。もっとも東京都の人口は1,404万人(2022年時点)と日本の全人口の1割を占めており、その半分でも千葉県以上、愛知県や埼玉県にも匹敵するという巨大都市である。それゆえ東京に本拠地があることは巨人の影に隠れるデメリットはあれど、多くの報道機関が集中することや交通の利便性が高いことなど、メリットが皆無というわけでもない。
*2 90年代初頭の1試合平均3万人超えが続いた時代をピークに減少傾向。2005-14年の10年間にわたり2万人を割り込んでいた。ソース(球団公式HP)
*3 正岡子規の出身地かつ高校野球の伝統校を複数擁する「野球王国」であることに加え、ヤクルトの主催試合や秋季キャンプに使用される松山坊っちゃんスタジアムの存在などが理由。しかし地理的に近く交通の便も良い広島とのファン競合のおそれから、現在は移転話はほとんど出て来ない。
*4 J2優勝(≒J1初昇格)を決めた2003年は1位
*5 BCリーグ所属
*6 現:HARD OFF ECOスタジアム新潟
*7 NPB本拠地のように、万単位の観客を捌くイベントを年間百試合近く開催する実績を持たなかったことは考慮に入れる必要がある。
*8 アルビレックス新潟の本拠地
*9 広大な新潟県全体で人口215万人(2022年時点)と、中日の本拠地がある名古屋の人口(約232万人)を下回っている有様である。
*10 4試合平均
*11 9月8, 9日
*12 泉田裕彦。2004-2016年
*13 スポンサー企業による動員や無料招待券の濫発により入場者数の割に観客収入が少ないことが原因。これを理由にJリーグ以上に費用のかかるプロ野球において「新潟県の体力ではプロ野球興行は難しい」との見方も根強い。
*14 2018-2022年
*15 オーナーの南場智子氏が新潟県出身のため、「南場がベイスターズを連れてきてくれる」と期待する向きは僅かながらあった。またDeNA身売り以前からも新潟での主催試合は行われていた実績もあった。
*16 新潟の1試合を除きホームゲームは全て横浜スタジアム開催。(2021年は例外的に、東京五輪の影響で横浜スタジアムが使用できない時期を他球場で代替開催している。)
*17 2021年は2連戦の予定が組まれていたが、1試合が雨天中止となったため結果的に例年と同じ1試合開催となった。