南、帰宅する

Last-modified: 2024-01-10 (水) 19:04:44

2012年8月30日の千葉ロッテマリーンズ対東北楽天ゴールデンイーグルス戦(QVCマリンフィールド*1)で起きた珍事。


概要

7回表開始前の投球練習中、南昌輝がリリーフカーに乗ってグラウンドに登場する。だがマウンドでは先発投手・小野晋吾が降板せずに投球練習を行っていた。
球場全体が困惑ムードとなったが野球規則に則り小野は続投、南を乗せたリリーフカーは何事もなかったかのようにブルペンに戻っていった。しかもその後の試合の中で小野の後を継いだのは益田直也薮田安彦で、南はグラウンドに現れたのに登板しないまま試合が終了した*2

 

これにより「南は突然リリーフカーに乗って現れ周囲を走り回り、気が済んだらそのまま帰路に着く」というキャラが設定され、即退場するキャラとして男村田スレのレギュラーとなった。
また、後述の様にリリーフカーで帰宅する投手が現れる度に蒸し返されるなど不動の(?)地位を築いている。

公認野球規則5.10(i)

既に試合に出場している投手がファウルラインを跨いでフェアグラウンドに入ってしまうと原則的に相手打者一人の打席を完了させなければ交代できない。
よって先頭打者に代打が出ない限り、小野は続投しなければならなかった。

動画


類似例

阪神加藤、帰宅する

阪神加藤、帰宅する
2013年9月26日の阪神対DeNA戦(甲子園)で発生。

8回表に阪神がピンチを迎え、中西清起投手コーチがマウンドの松田遼馬へ声を掛けるも松田は続投。ところが代打・後藤武敏が打席に入ったところで、なぜかリリーフカーがグラウンドに入ってきてしまう。すぐにバックで退場したが、リリーフカーに乗っていた加藤康介の憮然とした表情、リリーフカー嬢のひきつった笑顔がなんJ民を大いに沸かせ、yahooの一球速報では「投球前」「珍プレイ」と表示されていた。
結局松田は後藤に四球を与え降板、その後は安藤優也が登板したので「ブルペンが単に『安藤』『加藤』を聞き間違えたのではないか?」と推測され、二重の笑いを呼ぶことになった。

 

なお当時のベンチの動きは以下の通り。
左打者の松本啓二朗に左腕の加藤を登板準備→右打者の後藤が代打に送られる→急遽加藤の登板取り止め→松田続投を決めるがブルペンに伝わらず。


動画

阪神高橋、帰宅する

阪神高橋、帰宅する
2017年5月17日の阪神対中日戦(甲子園)で発生。

8回表の中日の攻撃前の投球練習中に阪神・高橋聡文がリリーフカーに乗ってグラウンドに入るが、マウンド上で投球練習をしていたのは前のイニングから投げていた桑原謙太朗であった。リリーフカーの進入に気づいた香田勲男投手コーチはリリーフカーに戻るようジェスチャーをし、高橋を乗せたリリーフカーはブルペンへと戻っていった*3

 

なお前述の南や加藤とは異なり、その後一死1塁で高橋に登板機会が訪れたものの、京田陽太の初球が送りバント→続く大島洋平への初球が死球となり、ワンポイント起用のため僅か2球で降板した。

ロッテ内、リリーフカーを降りてベンチに帰宅する

ロッテ内、リリーフカーを降りてベンチに帰宅する
2018年7月6日のロッテ対日本ハム戦(ZOZOマリン)で発生。

この日は小雨と豪雨を交互に繰り返しており、小雨の間を縫って試合が行われていた。
10回表に抑えの内竜也が登板しようとするが、直後に審判団の判断で試合が一時中断。リリーフカーで登場済みだった内はリリーフカーを降りるとそのままベンチに直帰した
なお試合再開後に内はきっちり3人で締めリリーフカーで帰宅した選手で初めて与えられた仕事をこなした

巨人中川、リリーフカーを降りてベンチに帰宅する

巨人中川、リリーフカーを降りてベンチに帰宅する
2020年10月3日の阪神対巨人戦(甲子園)で発生。

巨人は7点リードの9回裏に堀岡隼人をマウンドに上げるが髙山俊にタイムリーを浴び1アウトを取っただけで降板。後を継いだ宮國椋丞(現DeNA)も1アウトを取ったのみで近本光司に3ランを浴び3点差まで迫られる。ここで中川皓太がリリーフカーに乗って登場するが実際にコールされたのはルビー・デラロサ。中川は車から降りるとそのままベンチへ戻っていった

こうして登板したデラロサは打者の北條史也をマウンド付近へのフライに打ち取るが捕球体制に入っていた三塁手・田中俊太(現DeNA)のところに一塁手のエスタミー・ウレーニャも捕球しようと入り込み交錯、田中はグラブからボールをこぼすが右脇に挟んで落とさなかったことが認められ、無事試合に勝利した。

阪神岩貞、一旦帰宅してから即出勤

阪神岩貞、一旦帰宅してから即出勤
2021年5月9日の阪神対DeNA戦(横浜)で発生。

阪神が3-1と2点リードで迎えた7回裏、マウンドではこの日4回から登板していた馬場皐輔が投球練習を行っていた*4が、ここで岩貞祐太がリリーフカーに乗って登場。しかし実際には投手の交代は告げられておらず、マウンド上の馬場や阪神ベンチも困惑。結局、岩貞を乗せたリリーフカーはそのまま方向転換し、ブルペンへと戻っていった

その後、DeNA・三浦大輔監督は先頭打者のエドウィン・エスコバーに対して乙坂智を代打に送る*5。これを受けて矢野燿大監督が正式に岩貞への交代を告げる。その岩貞は、今度はリリーフカーに乗らずブルペンから走ってグラウンドに登場。スタジアムのファンからは温かい拍手が送られた。

ドタバタ登板となった岩貞は乙坂を三振としたが、桑原将志にソロホームランを浴び1点差に迫られ、なお1アウト1,2塁のピンチを迎えるも、佐野恵太併殺に仕留めなんとか仕事を果たし、後続もこの点差を守りきり勝利した。

番外:西武十亀、リリーフカーで乱入

番外:西武十亀、リリーフカーで乱入
2021年5月16日のロッテ対西武戦(ZOZOマリン)にて発生。

ロッテ2点リードの7回裏、2死一二塁の好機に角中勝也の代打として井上晴哉が送られた際、突如十亀剣を乗せたリリーフカーが登場してしまう。交代を告げられていない状況だったため審判団はタイムをかけ、いったんグラウンドに入りかけたリリーフカーを停止させる。直後に辻発彦監督が投手交代を告げたため再度リリーフカーは動きだし、無事十亀を送り出す役割を果たした。

登板した十亀は動揺することなく井上を三振に仕留め、8回にコーリー・スパンジェンバーグの2点タイムリーもあり6-6の引き分けに終わっている。

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試合後にこの件についての辻監督のコメントが発表されたが、

(十亀は伝達ミスだったか?)

そう。俺は代えるつもりとだと思ったけど、向こうは代えるあれを伝達してなかったみたいで。また向こうは代えると思って伝達した。勘違いした

どん語レベルの難解な文章だったこともあり、結局事件の詳しい原因は不明。

なお1週間前に同様の事件を被った岩貞は自身のInstagramにて「心中お察しします。」とコメント、それに対して十亀も「恐れいります。」と反応している。

関連項目



Tag: ロッテ 阪神 巨人 西武


*1 現在は「ZOZOマリンスタジアム」。
*2 当日の公式記録も参照。
*3 このイニングの中日の攻撃は投手のラウル・バルデスの打順からであり、代打が出れば高橋が登板する予定であったが、バルデスはそのまま打席に向かおうとしていたため桑原が続投、ブルペンへの伝達が遅れてこのような事態になったと思われる。
*4 先発のジョー・ガンケルがアクシデントで3回1失点で降板しており、馬場はその後を継いでロングリリーフとなっていた。
*5 リリーフカーが登場した段階で乙坂が代打の準備をしていたため、コールを待ってから投手を交代させる予定がブルペンとの伝達ミスで早く出てきてしまった様である。