新垣渚(元ダイエー・ソフトバンク→ヤクルト)の暴投に由来する蔑称。
転じて、暴投(ワイルドピッチ)そのものを指す言葉。
概要
入団当初は速球と荒れ球、そして「バニッシュボール」と渾名された鋭い縦変化のスライダーを武器に、斉藤、和田、杉内と共にホークス4本柱を形成し最多奪三振のタイトルを取るなど活躍していた新垣。
しかし、2007年を境にその荒れ球ぶりが深刻化*1。併せて得意の縦スライダーも捕手が止めきれなくなった*2ことで暴投数が一気に増加してしまう。
- シーズン25暴投のプロ野球記録(2007年)*3
- 1イニング3暴投のプロ野球タイ記録(2008年8月20日)
- 1試合5暴投のプロ野球記録(同上)
- 1試合4暴投をセ・パ両リーグで記録(プロ野球史上初)
- 1試合4暴投を通算3回記録(プロ野球史上初)
- 村田兆治、石井一久に次いで史上3人目となるプロ通算100暴投*4
- 2007年以降でリーグ最多暴投が4回(いずれも規定投球回未満)*5
これらの輝かしくも褒められない記録を持つ彼の栄誉を讃え、その名前は暴投の代名詞として定着していった。
この「暴投=ARAKAKI」に倣って特定のプレーに選手の名前を付けようと努力するファンも存在したが、
結果的に定着したのはKURA(捕逸)・ISOBE(併殺打)・GG(外野手のエラー)・HIYANE(同左)程度である。
関連動画
その他、暴投の多い投手たち
- 越智大祐(元巨人)
山口鉄也と「風神雷神」コンビで活躍した越智だが非常に暴投が多かった。一軍での実働は5年、リリーフでの登板のみだったにも関わらず現役通算242イニングで24暴投、およそ10.0イニングに1回と頻度では新垣を上回っている。一軍デビュー年の2008年に記録した15暴投は、先発のない投手のシーズン記録としては歴代最多。 - 小川一平(阪神)
ルーキーイヤーだった2020年は21試合に登板し21回を投げて5暴投、約4イニングに1回と頻度が極めて高く*6、一時はセ・リーグ最多暴投に躍り出た*7ことから「新垣二世」という蔑称を付けられた。ただ2021年以降は暴投が激減し、この蔑称は殆ど使われなくなった。