黒姉

ミゼ：
あら、あなた、何しに来たの？
うちの子たちなら今はいないわよ。
プレイヤー：
いや…お店にくる用事といえば買い物だと思うんだけど…。
そして店員が誰もいないって…それって問題じゃないのかな…。
ミゼ：
いいの。うちのミセから物を盗もうなんて命知らずはいないでしょ、ここ。
元々、道楽で始めたことだし、別に構わないわ。それに今は
私がいるし、ね。
プレイヤー：
それはそうなんだけど…ところでカレンやルキノはどこに？
ミゼ：
さぁ？ルキノは例によってサボりじゃないかしら？
で、カレンはそれを追いかけた、と。
いいコンビでしょ？あの2人。
プレイヤー：
……そ、そうかなぁ？まぁ確かに仲は良さそうだけど…。
？？？：
あ、いらっしゃいっ！お買い求めですねっ！

ミゼ：
あらカレン、早かったのね。
あの子を見つけるのは諦めたの？
それとも私に逢いたかったのかしら？ふふっ。
カレン：
オーナーの気まぐれに付き合うほど私、暇じゃありませんからっ！
ルキノは見つかりませんでしたけど、この子が見つかったので
とりあえず帰ってきました。
ベルカ：
ね…姉さま！…そのベ、ベルカはまだ売り終わってなくて…
あぅぅ………怖いよぅ………。
ミゼ：
ふぅぅん…ベルカあなた…まだ全部売れてないようねぇ…。
お仕置き、必要かしらね？ふふふっ。
ベルカ：
ベ！ベルカは頑張るから！ちゃんと売ってくるから！
お仕置き…怖いよぅ…あぅぅ…
カレン：
大丈夫よベルカ。お仕置きといっても痛い事とかじゃないわ。
オーナーが考えそうなことくらい予想は簡単よ。
………きっと肩たたきとかね！
ベルカ：
ベルカ一生懸命頑張るから！そういうのなら任せて！
ベルカに叩かれたら疲れなんてカンタンにとんでっちゃうんだからっ！
プレイヤー：
絶対違うと思うけど……まぁカレンの頭ではあれが限界かな…。

ミゼ：
さて、せっかく私が来てあげたんだし、カレン、あなたにまた
チャンスをあげるわ。この私に挑戦なさい。どんな方法でも構わない。
この私を超えて見せなさい。まぁ妹が姉を超えることなどありえないけど。
カレン：
誰が妹ですかっ！でも…まぁ…その…悪い気はしないけど…。
と、とにかく私、勝っちゃいますよ！負けるわけがありません！
勝負方法は……方法は…そうね…競争とか？
プレイヤー：
いやダメでしょ。というより勝負事で店取られちゃってるんだから
カレンはそういうの才能ない気がするよ？
カレン：
ううううるさいっ！そんな昔のことは忘れたわ！
私は常に未来に生きる女なのっ！
ミゼ：
ふふっ、別に私は何でもいいわよ？
かわいい妹が決めた事だもの。従ってあげる。
どうせ勝つのは私だし。過去も未来も結果は一緒、ね。
プレイヤー：
……その上で煽るから性質悪いよね…
ミゼ：
そこ、うるさいわよ？…そうね、あなたが審判なさい。
ただ突っ立ってるだけじゃ暇でしょ？
プレイヤー：
いやいや暇じゃないし！それに用あってここに来たんだし！
カレン：
なんでもいいわ！とにかく私はオーナーに勝つ…ってあの影は…
……やっぱりルキノ！あんたねぇ…あれほどサボるなって…あ、こら！
にげるなー！
ルキノ：
きゃわわわわあああ！見つかった！
裏をかいて店に戻ればだれもいないと思ったのにぃ～～～！
カレン：
このバカルキノっ！私と一緒に仕事するのがそんなに嫌かぁああ！
……ふふっ、絶対に逃がさない…捕まえてやるんだからっ！
ミゼ：
勝負方法は決まり、ね。あの子をつかまえた方が勝ち。
……前にもこんなことあったわねぇ…まぁいいわ。
これはこれで…やっぱり楽しいし、ね。
ルキノ：
お、おおおオーナー！！！
捕まったら何されちゃうかわからないよ…。
に、逃げなきゃ！とりあえずあっち！
プレイヤー：
……審判……しなきゃダメなんだろうなぁ…はぁ…。

ルキノ：
に、逃げてないです！買い出しです！
きゃ、きゃわわわわわあああ！危ない！
カレン！なんで斬りかかってくるのよぉ！
カレン：
うるさいっ！峰打ちだし、どうせあんたには当たらないでしょ！
なんでいつもいつもサボろうとするのよあんたはぁああ！
ミゼ：
うふふっ、カレン残念、振られちゃったわね。
片思いは辛いわねぇ…。その点、あの子は私のもの。
心も体も全て私のものよ。
カレン：
かたっ……バカオーナー！なにそれおかしいんじゃないの？
そんなこと、そんなことあるわけないじゃない！だいたい
あの子がいけないの！せっかく一緒に仕事できるようになったのに…
ルキノ：
……私は私のだいっ。勝手に決めないでほしいなぁ…。
………おや？あれは……道連れ発見んん！
ベルカ：
うにゃあああああ！
な、なんでベルカの方にくるのぉ！！！
カレン：
あの子…店にいろっていったのにまた…もうしょうがないわね！
捕まえる対象が2人になっちゃったじゃない！
ミゼ：
ふふっ…ベルカのあの表情…怖がってるわね？ふふふふっ。
ちゃんと可愛がって上げるから…そこ動かないように…ねっ！
プレイヤー：
………ハンティングじゃないのこれ？
それにしてもルキノとベルカ……足速いなぁ…
ベルカなんてあんな重そうなの背負ってあの動き…
ルキノ：
まったくもう…どうして私なんかに構うのかな、あの2人は…
ほっといてくれてもいいのに…っと、急がないと捕まっちゃう！

ベルカ：
あぅぅ…捕まっちゃった…お仕置き怖いようぅ……
プレイヤー：
……いや、どうみてもあれわざとミゼに捕まってたよね？
ミゼ、ちょっと怒ってたよ？
ベルカ：
でも！でもベルカは姉さまから逃げるなんて出来ないし…。
ベルカは姉さまに買われた身だから…姉さまの言う事は聞かなきゃ
いけないの。姉さまがそうしろ、っていったらそうするの。
ベルカ：
カレン姉さまもミゼ姉さまもベルカにすごくよくしてくれたの。
特にミゼ姉さまは…時々怖いけど…でもでも！すごく優しくて…
だから…ベルカはミゼ姉さまが望むことをしなきゃいけないの。
プレイヤー：
…そっか、怖いって言ってても、ベルカはミゼのこと大好きなんだね。
ベルカ：
ふぇ？………う、うん…ベルカ、姉さまが…すき…えへへ…。
ベルカ：
でもさっきの様子を見る限りだと…ベルカはあとで
お仕置きなんだろうね…なにされちゃうんだろうねベルカは…。
ベルカ：
…………ベ、ベルカ用事思い出した！
早く商品を売らなきゃなの！値引きできないの！
そそ、それじゃベルカもういくね！

ミゼ：
…で？結局ルキノは捕まえられなかったけど、
ベルカを捕まえたのは私だし、私の勝ちよね？
カレン：
む、無効よ！無効！ルキノを捕まえた方が勝ちって言ったじゃない！
私が負けるなんてありえないんだからっ！
ミゼ：
ふふっ、相変わらず勢いだけは一人前なんだから。
でもあんまり吠えてると、負け犬っぽくきこえちゃうわよ？ふふっ。
カレン：
ま、まだまだぁ！1勝28敗！十分に逆転は可能な範囲よ！
勝負はこれからなんだからぁっ！
ミゼ：
ふふふっ、もう72回は勝負してるんだけどね…
どんな覚え方してるのかしら…まったくかわいいったらないわね…。
カレン：
そんな細かいことはどうでもいいの。
……やっぱり最後は力づく…。今日こそ私の剣でねじふせてやるわっ！
ネヴァン！力を解放なさいっ！全力でいくわよっ！
ミゼ：
ふふふっ、ほんとに魅力的ね。ルキノが羨むのも無理ないわ。
それじゃたまには………私も本気……出してあげる。
精一杯…私を…愉しませなさい…。
ミゼ：
その闘いは苛烈を極めた。カレンが昏倒するまでの半日間、
余波で周囲に破壊をまき散らし、街に甚大な被害を与えた。
漁師が1名、戦いに巻き込まれたようだが、誰も気にしなかった。
ルキノ：
毎度のことながら、よくやりますね、あの2人。
あれだけの力を持ってて…人に優しくて…ほんと、眩しくてみてられない…。
…まぁ私はゆっくりのんびり気だるく過ごせたら幸せですっ☆
ベルカ：
……ベルカはずっと…こんな時が続けばいいって思ってる。
いろいろたいへんだけど…でも、今はすごくしあわせ。
プレイヤー：
……………後始末するの…やっぱり私なんだろうなぁ…
まぁ…仕方ないね。こうして過ごしていくために、私も頑張らなきゃ！