働いたら負け

管理官：
………どこに行くつもり？
ルキノ：
！？
ルキノ：
わ、私？
あ、あはは、あははははべべべ別になにもっ！
ルキノ：
ほ、ほんとだってば！サボろうなんてこれっぽっちも。
ほら私サボリとか大嫌いだし………ん？
ルキノ：
ちょっと、違うってその目つきは！誤解よ！偏見！
管理官：
じゃあどこに行くつもりだったの？
ルキノ：
えっと…つまり…その…あれだ！！
そう！急いで行かなくてもよくなった！ここは楽しいから！
ルキノ：
あはははは…は……
むー、そんな誤解と偏見にあふれた目で見ないでよぉ…

ルキノ：
あっ、君も？
実は私もマジメに反省しているの。いやホント。そう思わない？
ルキノ：
自分の失敗と向き合うって大事よね！
で、それを努力して乗り越えなくちゃよね！
管理官：
いいこと言うなあ。
ルキノ：
でっしょお～。だからっ、つまづいたってすぐにあきらめちゃダメ！
今日の失敗は明日の成功ぅ！頑張って上を目指すわっ！
ルキノ：
うおおおっ！
管理官：
それで………何をがんばることにしたの？
ルキノ：
うふふ、サ・ボ・リ♥

ルキノ：
うえっ！ななななに？どどどうしたの？
サ、サボろうなんてしてないよ！うん、うん。
ルキノ：
………過去のこと？
過去のこと…ねえ………
過去のことぉ………えっとぉ………
ルキノ：
う～ん、どんな店だったか………思い出せない。
とにかく覚えてるのはリアーナのお店ってことくらい。
そのころの私はマジメで働き者。誰もが認める優秀な店員だったの！
ルキノ：
むー。その目は信用してないなぁ？
なによ、ご近所さんでも有名だったのよ？こんなマジメな娘は見たことないーって。
ルキノ：
ちょ、ちょっと！どこ行くの？
管理官：
(たいした情報は得られない。そんな気が。)
ルキノ：
むー、逃げないでよ！
管理官：
あっ、ごめん。長くなりそうだったから。
ルキノ：
長かったら逃げるって言うの？
リーダーたる者、みんなの声に耳を傾けるの、大事じゃない？
管理官：
ごもっとも。じゃあ続けて。
ルキノ：
でっしょ？
そのころの私はマジメで働き者。誰もが認める優秀な店員だったの！
ご近所さんでも「こんなマジメな娘は見たことない」って有めっておいぃ！
ルキノ：
ちょっとぉ！どこ行くつもりなのよぉ？

ルキノ：
んん？
また君？いつも急に過去のことばっか聞くんだから。
おかげで少し気になることができちゃったじゃない。んあー！ムカつく！
管理官：
何か思い出したことでもあるの？
ルキノ：
以前、私がどうやって隠れても必ず捕まえるヤツがいたの。
けど、さっぱり名前を思い出せなくて………
ルキノ：
もし私みたいに復活させられたら、サボりたくても捕まっちゃうじゃない！
そんなのダメよ！必ず食い止めないと！
管理官：
けど、今だって成功したことはないんじゃない？
ルキノ：
うっ！この心にグサリと刺さる衝撃はいったい！？

ルキノ：
フフフ………
もうすぐ完成よ………
フハハハハー！
管理官：
これは何なの？
ルキノ：
げげげ！いつの間にそんなとこに！
これは…まずいかも……
花火を打ち上げようとしてるのがバレたら…怒りそう…すごい勢いで。
管理官：
全部聞こえてるよ…。
ルキノ：
あっ！ちょちょ、ちょっと持ってかないで！
せめて1本くらいは置いてってよぉ！
むー、ケチ！みなさぁーん！ここにケチがいるわよおっ！
管理官：
これはこないだのお祭りの残りじゃないの？どうしてキミが？
ルキノ：
さっき倉庫へ持ってくように言われてたの。
けど、何もしなかったらなんかほら、損した気にならない？