プロットヒットコンテスト No10

Last-modified: 2017-03-04 (土) 18:33:20

趣旨

天才的なバックギャモンの才能を持つ少女の成長譚。
(現時点でマイナーゲームであるバックギャモンの魅力そのものをテーマにしても大多数の読者にはピンと来ない可能性が高そうなので、「登場人物の成長」という普遍的なテーマにフォーカスする)

 

舞台

現代日本。
ただし、バックギャモンの知名度は現実よりも大幅に高く、ついに第1回プロリーグが開催される運びとなっている(仕様は将棋でいう名人戦に近い)。TVなどのメディアによる注目度も高いものとなっている。
リーグ出場者は国内外で実績のあるプレイヤーだが、大規模な予選を通過することでアマチュアもリーグ入りすることが可能。(将棋でいう竜王戦に近い)
また、大規模な国内オンラインサーバーも存在する。

 

キャラクター

名前は決めていないため記号で表記しています
・【A】
主人公。15歳、4月から高校生。女性。
平均PR1点前後を叩きだす天才だが、感情の起伏に乏しく、メンタルも弱い。

 

・【B】
42歳。男性。
オンラインサーバーの管理人であり、またプロリーグ設立にも一枚噛むなど、ギャモン界で活動している。

 

・【C】
15歳。【A】と同学年。女性。【B】の娘。
【B】の影響でバックギャモン歴はそこそこだが、そこまで強くない。
高校入学後に【A】の友人となる。

 

・【D】
16歳。【A】の1学年上の先輩。男性。
バックギャモンの腕は確かであり、若手の中では有名。PRも良いが、相手のパフォーマンスを破壊するようなプレイが特徴的。

 

概要

●▲年3月
(1)数週間前から、バックギャモンのオンラインサーバーに、あるプレイヤーが出没していた。データ登録上は15歳、毎週決まった日時にしか現れず、PR1点前後をコンスタントに叩きだすその腕前は、数字上は世界チャンピオンを凌駕していた。サーバーの管理人チームの中では彼をbot(ソフト指し)としてBANすべきだという声も挙がるが、【B】は、持ち時間の使い方・ミスする局面の傾向・自身の直感から、このプレイヤーは人間である可能性が高いと判断する。常々バックギャモン界に若いスターが必要だと考えていた【B】は、このプレイヤーに連絡を取ることを試みる。

 

(2)【B】は謎のプレイヤーに対し、自身の身分を明かした上で、一度会いたい旨をメッセージ送信する。返答は、「私にオンライン対局で勝てたら会っても良い」というもの。【B】はそれを了承し対局する。相手の方が実力が上であるため【B】は敗北寸前まで追い込まれるものの、6ゾロを出せばマッチ勝ちだがそれ以外はマッチ負け、という状況で6ゾロを出して勝ってしまう。運で勝った形となってしまったが、謎のプレイヤーは「勝ちは勝ちだから」ということで会うことを了承。指定の日時に指定の場所で【B】を待っていたのは、4月から女子高生となる【A】だった。

 

(3)話を聞いたところ、【A】のバックギャモン歴は僅か2年、Extreme Gammon(XG)との対局・解析・復習を繰り返して練習を続けていた。リアルギャモンの経験はなし。実際にその場でXGと対局させた際にオンライン上と同等のパフォーマンスを発揮する【A】を見て、この子は本物の天才だという確信を【B】は持つ。【B】は5月に迫る第1回プロリーグ一般予選への出場を勧めるが、「興味ないので」と返される。

 

(4)視点は【B】から【A】に移る。【A】が帰宅すると、【A】の母により早く習い事や勉強に取り掛かるように急かされる。実は【A】は、裕福ながら厳しい母親に毎日しごかれるという環境で暮らしていた。オンラインサーバーに特定の時間帯にしか接続できないのは、【A】の母の家を空ける日時が固定されているためである。【A】の母はゲームに対しても強い偏見を持っているため、当然ながら終日開催のバックギャモンの大会に出場するなどいったことは事実上不可能。【B】に「興味はない」と告げたのも嘘だが、極端に抑圧された家庭環境で育ったため、そもそも自分の本心に気づけていない。

 

●▲年4月
(5)新学期。近年に設立された「バックギャモン部」の校内掲示を【A】が眺めているところをクラスメイトの【C】に発見される。【C】は実はバックギャモンプレイヤー(強くはない)であり、掲示を見ていた【A】に声をかけたのだった。【C】に勧められ一緒に新歓へ。新入生と上級生の入り混じった緩い大会において、【A】は意識的に手加減をするも、素の実力が大差であるため優勝してしまう。周囲が凄い凄いと褒めるなか、その様子を観察していた一人の上級生【D】がいた。

 

(6)家の門限が厳しいものの、その範囲内で【C】らと遊んだりバックギャモンをやったりすることで、ささやかに高校生活を楽しみ始めた【A】。ある日の帰り道、【D】が【A】の前に現れる。【D】は【A】が新歓の大会で手加減をしていたことを見抜いていた。【A】は【D】にバックギャモンの勝負を挑まれ、バックギャモンカフェへ連れていかれる。門限に間に合わなくなってしまうが、【A】は拒絶できない。

 

(7)バックギャモンカフェにて対局開始。開始の様子を見ていたカフェのマスターは内心で「あの女の子は勝てないだろうな」と感じる。実際その通りに対局は進行し、【A】は敗北する。それはただの不運による敗北ではなく、普段では考えられないようなミスを連発することによる敗北だった。【D】は相手のプレイを崩すことに長けており、スキルは高いもののメンタルの弱い【A】は相性が最悪であった。放心状態で帰宅する【A】。【D】は勝ったものの、随所に見られた【A】の15歳とは思えないような高精度のプレイを思い返し、「一体何者だ……?」と若干の恐ろしさを覚える。

 

(8)帰宅した【A】は衝撃の事実に直面する。パソコンの中にこっそりインストールしていたXGが母親により見つかってしまい、今までの棋譜やプロファイルを含めて全て処分されてしまっていたのだ。先ほどの敗戦も相まって、【A】は衝動的に家を飛び出してしまう。

 

(9)あてもなくふらふらする【A】は偶然にも【C】と遭遇する。ただならぬ様子の【A】を見かねた【C】は家に来ることを提案。家に行った【A】は驚くべきことに【B】と再会する。【B】と【C】は親娘だったのだ。【B】と【C】の温かさに触れ、泣いてしまう【A】。【A】の心中は、親に対する形容しがたい感情と、【D】にバックギャモンでわけの分からない負け方をしたことによる悔しさの2つが渦巻いていた。【B】は【D】のことを知っており、相手のプレイング、さらにはメンタルを破壊するようなプレイを好むプレイヤーだと【A】に告げる。【A】は、【D】にバックギャモンで負けたことと、自分の人生が母親の意向に振り回されていることの根幹にあるものが共通しており、それは自分の心の弱さにあると自覚する。【A】は自宅へ戻ることを【B】と【C】に告げる。

 

(10)自宅へ戻った【A】を待っていた母親の折檻に対し【A】は反発。最終的に、「5月のプロリーグ予選で優勝できなかったらバックギャモンを辞めるが、もし優勝できたら以降は口を出させない」と啖呵を切る。【A】の母親は、【A】の瞳の中に今までの15年間で見たことのない強靭な意志を見出し、ひるむ。

 

(11)大会当日までの特訓。自宅だけでなく、【B】と【C】の家で練習したりもする。カリカリしている母親に対し、父親は「本当にやりたいことがあるならそれを応援すべきなんじゃないか」と漏らす。

 

(12)プロリーグ予選、通過者は優勝者のみという中、【A】と【D】は決勝で激突する。さらに苛烈さを増す【D】の破壊的なプレイに【A】は屈しそうになるも、耐えて逆転、激戦のうえ勝利する。勝った後の【A】の笑顔は、今までになく晴れ晴れとしていた。

 

(「プロリーグ編」の構想も書くと長くなりすぎるのでプロットヒットコンテストへの提出はここまでとします)

 

他の方がこのストーリー案を参考に作品を作りたい場合

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