プロットヒットコンテスト No3

Last-modified: 2017-01-08 (日) 00:08:15

テーマ

ギャモン中毒者のお話

 

あらすじ

時は・・どれくらいたったのだろうか・・

 

もう何年・・人を見ていないだろうか・・

 

人に・・会いたい・・

 

世界は機械に占領された、愚かにも人が改良に改良を重ねた機械によって、人類は自らの数が減少していく・・機械によって滅亡されていく未来をコントロールされてしまった・・手段は不明だ・・気づいたら人類は滅亡していたのだ・・

 

いや・・正確には滅亡はしていない・・そう・・私がいるのだ・・

 

なぜ私は人類が滅亡したとわかったのか・・なぜ私の周りにいる人間は人間の皮を被った機械・・昔ターミネーターという映画があったが、そのターミネーターだとわかったのか・・

 
 

私はバックギャモンというボードゲームをこよなく愛している、サイコロを振り、その出た目に合わせて駒を動かす、単純だが奥が深いゲームだ。

 

不規則なサイコロの目に合わせて、対戦する両者が最善の一手を追及する、だが、このゲームの真に面白いところは、最善の一手がそのゲームにおいて必ずしも最善の一手になるとは限らないのだ。

 

あくまで確率論なのだ、次に相手が出すサイコロの目など誰にも分らない、最善の一手を打ったつもりが、ある特定の目が出ると、それが最悪の一手になることだってありうるのだ。

 

その不規則なさいころの目に一喜一憂する、ゲーム終盤まで何が起こるかわからない、私はこのゲームほど、相手の心情を察し、自分の心情を察せられるゲームはないと思っている。

 
 

今考えれば、違和感を覚えたのは私がこのゲームをよく理解していたからこそなのだろうか・・

 
 

私にはこのゲームでよく対戦する友人が複数いる、私と同じで、このゲームの面白さに気づいてしまった(私が気づかせたと言っても過言ではない(笑))友人だ。

 

私は彼らとこのゲームをしている時間がたまらなく好きだった、気心のしれた相手と一喜一憂する楽しさはそれはもうたまらない。

 
 

・・・ふと感じたのだ・・・それは、本当に・・ふと感じた・・

 

最近友人と対戦するときに、あまり一喜一憂を感じないのだ。

 

数えきれないほど対戦してしまったからか、いや違う、友人の誰と打っても、同じ感情しか湧かないのだ。

 

このゲームは人間が相手である以上は少なからずその人間の個性が出るはずなのだ、それなのに、どの友人と対戦しても、個性がない、同じなのだ。

 

口調はみんな違う、性格も違う、見た目も違う、なのに、バックギャモンというゲームをしてる間だけみんな同じなのだ・・・・・

 

私の違和感は気のせいなのだろうか、私はこの違和感を解消するべく、あらゆるゲームの棋譜を取り、解析してみた・・・

 

衝撃だった・・私と対戦したすべての友人が・・確率論に乗っ取った最善の一手のみを試合の最後まで打っていたのだ・・まるで機械と試合してるかのように・・

 

数試合ならわかる、私だって機械と全く同じ手を最後まで打つことはたまにある。だが、何十・・何百といった試合の棋譜が全てなんてことが起きるはずがない。相手は人なのだ。

 

私は次第に友人を避けるようになってしまった、友人が友人に見えなくなっていたのだ。

 

ある日・・私は気分を変えようとバックギャモンの大会に参加した。友人と試合するのとは違い、赤の他人と試合をすることで、一喜一憂する楽しさをまた味わいたかったのだ。

 

・・・おかしい・・・個性が・・・ない・・・

 

恐怖した私はその大会の試合すべての棋譜をもらい、家にもどり解析してみた。

 

結果は予想通りだった、私以外の全ての人間が全ての試合において確率論に乗っ取った最善の一手を打っていたのだ。機械的に・・すべて機械的に・・

 

それからは明らかだった・・私以外の人間はみんな歳をとっていない、誰も死なない、中身も見た、それは人間ではなかった・・私以外・・家族、友人、みんな・・

 

なぜ私だけ生き残っているのか・・私以外の人間は私の知らないどこかで生き残っているのだろうか・・

 

私の目からは自然と涙が流れた・・もう一度だけでいいから・・人間に会いたい・・会って・・
あの一喜一憂を楽しむバックギャモンがしたい・・

 

私はジョン・コナー

 

私は諦めない

 

どんな手段を使っても必ず

 

人間を見つけ

 

バックギャモンをするのだ・・

 

続く

 

主要人物

私・・ジョン・コナー(自称)

 

【 他の方がこのストーリー案を参考に作品を作りたい場合 】:

許可しない

 

【 コンテスト終了後の作者名の公開 】:

しても良い