【2015聖夜】インキュバス【1】
「あはは!クリスマスの夜だってのにずいぶんと色気のない夢を見ているのね」 面と向かって嘲笑され、少女は、自分が夢の中にいる事に気付いた。机の上には広げられた本と筆記用具。起きている時と同じく、夢の中でも勉強をしているようだった。それはいつも通り。だが、目の前でなまめかしい姿の悪魔がこちらを見つめていた。 |
【2015聖夜】インキュバス【2】
「せっかくの聖夜よ?甘ぁい夢を見た方がいいわ」 少女の乾いた心を甘くとらかすような声でささやいた。インキュバスの、なまめかしい唇からコワク的な胸元から、少女は目を離すことができない。見ているだけで、痺れるような甘さが全身から湧き上がりはじめていた。 |
【2015聖夜】インキュバス【3】
「外すわよ、邪魔だから」 インキュバスの指が、少女の眼鏡のツルを掴み、とてもゆっくりと外した。少女の唇をやわらかな感触が包む。甘い息遣い、唾液の味、香水のかおり。同級生たちが、声を潜めて語り合っていた官能を、少女は今まさに与えられていた。 |
【2015聖夜】インキュバス
「うふふ、夢はまだこれからよ」 やさしく頬を撫でられながら、少女は欲望を抑えつけていたフタが壊されてしまったことを感じていた。痺れるような快感の中で、少女はこの夢から覚めてもこの悪魔とのヒメゴトばかりを思い続けてしまうのだろうと自覚した。それが淫魔の悪戯を受けてしまった人間の運命なのだ。 |