ハリケーンユニオンスピリットドライブガンダム

ハリケーンユニオンスピリットドライブガンダムは、アニメ『機動戦士ガンダムスピリット』に登場する架空の兵器。

機体解説

ハリケーンユニオンスピリットドライブガンダムは、リコルド・V・エモシオンが開発したモビルスーツ（後述）である。形式番号は「USD-R01」、正式名称は「ユニオンスピリットドライブガンダム」、パイロットはアウラ・レントゥス。

名前の由来

リコルド・V・エモシオンは、ユニオンスピリットドライブ（後述）を搭載したMSを２機製造している。それぞれ形式番号は「USD-R01」「USD-R02」であり、機体名称も「ユニオンスピリットドライブガンダム」「ユニオンスピリットドライブガンダムMk-Ⅱ」と名づけられたのみである。そのため、Mk-Ⅱとの明確な区別をつけるために、パイロットのアウラ・レントゥスは「ユニオンスピリットドライブガンダム」に「ハリケーン」の愛称をつけた。このような理由から、この機体は正式名称で呼ばれることよりも「ハリケーン」あるいは「ハリケーンユニオンスピリットドライブガンダム」と呼ばれることの方が多い。

ユニオンスピリットドライブ

リコルド・V・エモシオンが考案・開発した動力炉。スピリットドライブ（後述）を改良する形で作られている。リコルドは大気中のスピリットは人間の精神に強い干渉を受けるということに気づき、一定環境下で動力源として用いると非常にエネルギー効率が高くなるという性質を発見した。通常のスピリットドライブはそれを全く生かしきれていないことに気づいた彼は、自身の理論に基づき新たな動力炉「ユニオンスピリットドライブ（以下USドライブ）」を開発し、MSに組み込んだ。それがハリケーンユニオンスピリットドライブガンダムである。USドライブは、パイロットの精神波と大気中のスピリットを統合（ユニオン）することで、パイロットの精神波の状態やその指向性の違いにより動力路の発するエネルギーが大幅に変動するという極めて特殊な性質を持つ。そのため、特定の環境化では爆発的なまでのエネルギーを生み出すが、場合によっては通常のスピリットドライブを下回る出力しか出せないという、パイロットの状態に依存した極めて不安定な動力炉である。

武装

拡散スピリットドライブビーム

荷電粒子砲の一種であり、中距離の白兵戦を想定したビーム兵器。USドライブから取り込んだスピリットを圧縮、縮退させ生成した荷電粒子（SP粒子）を粒子加速器によって発射する兵器であるが、通常のスピリットドライブと違い、USドライブから取り込んだSP粒子（ユニオンSP粒子）は収束率が悪く粒子が拡散してしまう。そのため、この武装が拡散ビームであるのは意図的なものというよりも収束が実現できなかったという技術的な理由によるものである。しかし、拡散による広範囲への高出力ビームは中距離においては十分に実戦的な兵器となっている。

エナジーサーベル

前述の通りユニオンSP粒子は収束させるのが難しく、SP粒子を用いれば実現できるようなビーム状の刀身の形成がユニオンSP粒子では実現できなかった。そのため、側面全体からユニオンSP粒子を放出する棒状のユニオンSP粒子放出器を刀身として用いて、そこから粒子を放出させている。これはUSドライブの出力の高さを利用してエネルギーを刀身状にただ放出しているだけの状態であるが、高出力時の破壊力はSP粒子によるエナジーサーベルのそれを大きく上回る。

スピリットドライブユニオンフルバーストハリケーンスパイラル

リコルド・V・エモシオンはパイロットの精神波とスピリットのユニオンシンクロ率が80%を越えた状態を「ユニオンフルバースト」と名づけた。これは、ユニオンシンクロ率が上昇するとUSドライブの出力は幾何級数的に増加するため、ユニオンシンクロ率が80%を越えたときにこそUSドライブはその真価を発揮するためである。この状態でのエナジーサーベルでの攻撃をパイロットのアウラ・レントゥスは「スピリットドライブユニオンフルバーストハリケーンスパイラル」と名づけた。実際は技と呼ぶべきものではないが、この攻撃をアウラは事実上の「必殺技」として用いている。

関連技術

スピリットドライブ

カルディア・ドゥーシャにより提唱された、大気中に粒子状に残留しているスピリット（生物に内在する“生命力”とも呼ぶべきエネルギー）をエネルギー源として動作する動力炉。エネルギーが大気中に遍く存在しているため、事実上ほぼ無限の動力が得られる。

モビルスーツ

白兵戦を想定して造られた人型の兵器。殆どは人間がコクピットに乗り込む形で操縦を行う。スピリットドライブが登場する以前にも人型兵器は存在したようだが、「モビルスーツ」と呼ぶ場合スピリットドライブを搭載した人型兵器を指すのが一般的である。