アイテム/トウガラシ

Last-modified: 2024-03-17 (日) 19:47:48

植物系素材の一種。現実世界にも存在する植物(ただし全くの同一かは不明)。

目次

概要

モンハンにおけるトウガラシ

  • 現実世界同様、一口かじるだけでも火を吹くような辛さが特徴の植物。
    ポッケ村などの寒冷地域では必須の調味料とされているが、毒テングダケにが虫
    平気で口にするハンターですら、そのまま食べられない程には辛いらしい。
    砂漠や砂原、火山といった暑い気候の地に自生しており、しっかりと手入れをすれば栽培可能。
    農場では赤の種から実る事もある。
    • 沼地や原生林、密林といった割合普通の環境でも手に入るが、
      森丘や孤島、渓流、遺跡平原と言った比較的拠点に近いフィールドに生えている事は少ない。
      後述にある鳥の食性によるモノだろうか。
  • 寒冷地域では誰もがお世話になるホットドリンクを始め、
    ホットミートや特産キノコキムチなど体を温める効果のある飲食物の調合素材。
    しかし、ホットドリンクは店で買える上に、ホットミートを常用しているハンターも少ないため、案外影が薄い。
    一般人からは調味料として需要があるものの、特に稀少でもないせいか取引単価も大した額にはならない。
    • 香辛料という事で料理師防具や植物繋がりでカボチャ防具(の腕)の生産時に出番がある事がある。
      メルホアのレベルアップに使われる事もあった。
    • 交易で増やそうとすると薬草カラハリネンチャク草と同等のポイントを必要とする。
      需要を考えるとボッタクリもいい所だが、狩猟以外の所で使われている事を考えればこれで妥当なのだろう。
    • ホットドリンク等のアイテム自体は体温を上昇させる物だが、
      火山などの灼熱地帯で服用してもデメリットはないどころか、スキル次第でメリットになる。
      後述のカプサイシンの効能を考えると、モンハン世界でも現実的な効能のアイテムと言える。
  • MH3Gでは辛さでアロワナを破裂させるのかハレツアロワナと調合する事で消散剤
    辛さで目を覚ますのか眠魚と調合する事で元気ドリンコを作る事が可能、と活用範囲が妙に広い。
    MH3の説明書に掲載された「ロックラック観光案内」にも、
    トウガラシ眠魚の斬新な出合い!」として元気ドリンコの広告が載せられている。
    表現からして、この調合方法が編み出されたのはMH3の時間軸より少し前くらいなのだろうか?
    • MH4では消散剤への調合のみハブられてしまった。旅団ポイントと交換すると52ptsかかる。
    • MHXで元気ドリンコも作れなくなったが、
      キノコキムチが復活し納品依頼にもなったため一度は調合する事になる。
    • MHWorldではホットドリンクが登場しないためトウガラシも登場せず。
      MHW:Iで再登場したが、寒冷地帯「渡りの凍て地」でしか手に入らないという、従来とは真逆の展開となった。
      恐らくXXまでのとは別種の、寒さに強いトウガラシなのだろう。
      メタ的に言えば、ホットドリンクを現地調達させる為の措置と推察される。
      ありがたく自動調合をセットしておこう。
    • MHRiseでもMHWorldと同様、ホットドリンクの不在とともに再度リストラとなってしまった。
  • 眠気覚まし効果はこっそりMHSTで引き継がれており、
    元気ドリンコの調合レシピがトウガラシとハチミツになっていたり、
    元気ドリンコに即応性は劣るが、単体でも確率でオトモンの眠気を覚ますことが出来る場合がある。
    MHST2では眠気覚ましの即応性は上がったが、
    今度は持続性(睡眠への耐性)の有無で元気ドリンコと差別化されることになった。
  • アイコンは火薬草と同じ赤い草。ついでに売値も同額である。
    MH世界では葉を使っているのだろうか。
    尤も落陽草の根キングサボテンオオモロコシも草の葉アイコンなので、
    植物系のアイテムであることを端的に表現しているだけだと思われる。
    • なお、もえないゴミと錬金するとその火薬草になる「火を吹くような辛さ」ってそういう事じゃ…。
      それ以前に不燃ゴミと合わせて発火作用を秘めた草になるってどういう事だ
      現実のトウガラシはナス目ナス科に、
      火薬草はサボテンの仲間であり恐らくナデシコ目サボテン科に属すと思われるので、近縁ではない。
      また火薬草は葉の部分を切り取って使う事が多いとされる。
      流石の錬金でも種族的に生まれ変わったり「実」が「葉」になるとは思えないが、
      そうなるとMH世界のトウガラシはやはり葉が辛いのだろうか?
      アイコンがいっしょくたなだけで、実際は似たような成分に変化して代用品になるだけ…と考えれば、まあ…
      因みにサシミウオと錬金した場合は、はじけイワシになる。
      こっちもこっちで小型化&飛び散る様になるという超変身を遂げている。
      やっぱりモンハンのトウガラシには爆発作用でもあるんじゃ

現実におけるトウガラシ

  • 南アメリカ(北アメリカ説もある)原産の、ナス目ナス科トウガラシ属の植物。
    単にトウガラシと言えば概ねそのの事をいい、洋の東西を問わない世界的に使われている香辛料である。
    食料としては勿論、中国や韓国では魔除けアイテムや家内安全のお守りとしても使われている。
    防虫効果を持つ成分が含まれており、米を食い荒らす害虫への忌避剤としても利用されている。
    漢字では「唐辛子」すなわち"唐"から来た"辛子"と書く*1
    「鷹の爪」や「獅子唐(シシトウ)」という呼び方もあるが、鷹の爪はトウガラシの品種の一つ
    獅子唐はトウガラシの甘味種の事であり、一口にトウガラシと言っても様々な種類がある。
    世界中で使われるだけあって、辛さ重視の品種から野菜としての味わいが強いもの、
    生食用から乾燥して種まで使うものまで国や食文化によって多種多様な「トウガラシ」があり、
    野菜として食べられているピーマンやパプリカも甘味種トウガラシの一種である。
    • また、ビタミンCは同量のオレンジより、目に良いといわれるビタミンAも人参より多い。
      コレステロールもなくカロリーも低いため、唐辛子自体は実に素晴らしい栄養源となる。
      オレンジ1個分・にんじん1本分と同量の唐辛子を食べるのが現実的かという点に目をつぶればだが。
      どうしても食べたいならピーマンなど甘味種を野菜として食べるのが現実的だろうが、
      後述のように、何事もほどほどに。
    • 世界に目を向けると、ブータン王国においてはトウガラシを日常的に使用する食文化のようで
      子どもがおやつ感覚で生のトウガラシに塩をふって食べていたり
      一般家庭では乾燥トウガラシ1kgを1週間から10日ほどで使いきる所も多いという。
      ポピュラーな家庭料理にエマダツィというものがあり、これはトウガラシ(エマ)とチーズ(ダツィ)の煮込みのことだが
      1日3食の食卓に必ずある、という人も少なくないのだとか*2
  • トウガラシの代名詞たる辛さをもたらすのが、トウガラシに含まれるカプサイシンという成分。
    摂取したカプサイシンが交感神経を刺激して血行が良くなり、体温上昇や発汗作用をもたらす。
    カレー等を食べると体が熱くなってくるのは、この作用によるもの*3
    有酸素運動と組み合わせることで、体脂肪の分解・新陳代謝機能、デトックス機能なども促進できるが、
    食べ過ぎると胃腸と肛門に大きな刺激を与えてしまうので、摂食は程々に
    ほぼ全ての物に言える事だが、理論上素晴らしい栄養源でも過剰摂取するべきではないのだ。
    • ただしそのまま体温上昇効果として利用できるかどうかは場合による。
      気温がかなり低い場所で辛いものを食べた場合、多少体温が上がっても汗をかかないので、
      そのまま体を温める食べ物として利用できる。
      一方、ある程度以上気温がある場所で辛いものを食べた場合は当然汗をかくため、逆に体温が下がることになる。
      暑い地域と寒い地域のどちらでも辛い料理が好まれているのはこのためである。

余談

  • 「辛み」は舌が感じる味覚ではなく、
    「痛み」を起こす成分のうち食材に含まれるものを「辛い」と表現しているだけである。
    料理の基本である「五味」においても、甘味、酸味、苦味、塩味に続くのは辛味ではなく旨味である。
    辛み成分の多くは鼻や目などの粘膜にも強い痛みを与えるので、
    現実でも防犯用や暴徒鎮圧や緊急時の熊対策に、抽出したカプサイシンを噴射するスプレーが売られている。
    モンハン世界でもベリーホットな武器が実用化されているが、
    これにも傷口に塩ならぬ傷口にトウガラシという拷問じみた効果があるのだろうか。
    • ちなみにカプサイシン単体は白い物質で、化学的に精製すると純度の高い結晶として取り出すこともできる。
      尤も、こうなったカプサイシンは最早辛味でもなんでもない劇薬扱いとなる為、
      一般的にはまずお目にかかれず、実験専用かつ完全に毒袋や火炎袋並の取り扱いである。
  • 現実世界にはトウガラシの辛さの単位として、
    「辛さを感じなくなるまでエキスを砂糖水で薄めた時の希釈倍率」を現す「スコヴィル値」が用いられる。
    激辛で有名な唐辛子といえば、スナック菓子の名前にもなった「ハバネロ」だが、
    ハバネロのスコヴィル値は25万~45万スコヴィル。
    一般的な唐辛子が大体3万~5万スコヴィルなので、8~9倍は辛いということになる。
    「一口かじるだけでも火を吹くような辛さ」とされる
    モンハン世界のトウガラシのスコヴィル値も気になるところである

    ……が、ハバネロは世界一辛い唐辛子ではない
    現在、世界最凶の唐辛子とされるのはドラゴンズ・ブレス・チリと、ペッパーXという品種。
    ドラゴンズ・ブレス・チリは2017年に世界一辛い唐辛子としてギネス世界記録に認定された品種で、
    スコヴィル値は約248万。なんとハバネロの5~10倍の辛さという代物である。
    先を少しかじっただけで舌を焼かれたような痛みを感じ、
    食べると気道が炎症を起こして塞がり死亡する可能性があるため、もはや食用に向かないレベルとの事。
    ペッパーXはギネス世界記録に認められてはいないもののスコヴィル値は318万に達し、
    試食した人間は全員辛さのあまり嘔吐したという逸話が存在する。
    竜のブレスとは親近感を感じる名前である。
    しかもこれだけでは終わらず、世界一辛いトウガラシの称号を得る為、
    現在もギネス・ワールドレコーズ社に多くの激辛トウガラシが記録を申請しているとか…*4*5
    • 日本では「辛富士」という純国産の品種も存在する。
      インド・カシミール地方の野生種の唐辛子の中でも、カプサイシンが多く含まれているものを選び、
      数代にわたり配合し育成され誕生した品種であり、その辛さは日本一とされている。
      含まれるカプサイシンの量がハバネロの約三倍あり、直接手で触るのは勿論
      目に入った場合もとても危険なので、取り扱いに注意。
      強烈で刺激的な辛さを持つ一方で、辛味の感じ方が柔らかくキレが良い為、食欲をそそる効果もある。
    • 因みに辛いものを食べる際は、牛乳やヨーグルト飲料などの乳製品を飲むと刺激を和らげることができる*6
  • ここまで見ると、人間以外の食害が考えられない植物なのではないかと思うかもしれないが、
    例外的に鳥類は積極的にトウガラシを摂食する。
    鳥類の感覚器はカプサイシンをほとんど感知できない構造となっており、トウガラシを食べても痛みを感じない。
    これがトウガラシにとって困ることかと思いきや実は大歓迎であり、
    何を隠そうこれこそがトウガラシの狙いである。
    • トウガラシに限らず、植物が広範囲に繁茂するために種子を遠くに運ぶ手段の一つとして
      「動物に実を食べてもらい、実の中に入れてある種子をその動物を介して遠くに運ばせる」
      というものがある。
      それを効率よく行うには、空を飛べるために遠くに移動し、
      なおかつ丸飲みによって種子をそのまま排泄する鳥類にのみ実を食べてもらうことが最適であり、
      鳥類のみが寄り付く果実を実らせるように進化した種が残った…というわけである。
    また冒頭でも記した通り、一般的にトウガラシは防虫効果があるとされているが、
    そのトウガラシすら食べてしまう害虫なんていうものも現実には存在していたりする。
    虫食いされた果実が紛れていたりするため、栽培する人はトウガラシと言えど害虫防除は万全に。
  • 市場や家の玄関などでトウガラシを吊るす装飾を見かけることもあるが、
    これは虫除けだけでなく邪気を祓うという意味合いも兼ねている。
    自動車の車内に吊るせば事故を防ぐ交通安全のお守りにもなると言われている。
  • 牛肉にも「トウガラシ」と言う名称の部位がある。
    場所は肩の肩甲骨付近で、形と赤い色が植物の方の赤トウガラシに似ているからそう呼ばれている。

関連項目

アイテム/火山椒の実 - 香辛料仲間。ただし圧倒的に存在感が無い。
アイテム/ホットドリンク
武器/唐辛子銃槍


*1 ここでの『唐』は「(漠然とした)海外」程度の意味であり、西暦618年~907年頃の中国王朝の事ではない。同様に「(単純に)外国の辛子」という意味で「南蛮辛子」とも呼ばれていた
*2 かつてのブータン王国は地理的な条件から栽培できる作物に限りがあり、野菜としてトウガラシを使用する文化が根付いたのだそう。栽培や流通の技術発達により様々な野菜が手に入るようになった今でもトウガラシの人気は衰えておらず、主食であるご飯との相性も相まって、トウガラシを使った家庭料理は今なお脈々と受け継がれている
*3 発汗作用は食物として摂取するのが最も手軽ではあるが、作用だけなら成分を含有させた布で作った靴下の着用、塗るカイロの使用(トウガラシの成分が含まれている)など、直接皮膚に触れさせる使い方も効果が高い。
*4 ちなみに、理論上最大の辛さは上記の「精製したカプサイシンの結晶」で、数値は完全に桁違いの1600万スコヴィル。今後これを達成するトウガラシが現れることはまず永遠に無いだろう。あったところで使いどころもないだろうが
*5 なおカプサイシンより辛い物質というものも存在する。ハッカクキリンという多肉植物に含まれるレシニフェラトキシンがそれで、数値はもう訳が分からない160億スコヴィル。汁に触れるだけで皮膚が腫れるといわれる。当たり前だが食べるなどもっての他。
*6 乳製品に含まれるタンパク質の一種「カゼイン」がカプサイシンと結びつく事で、口の中の神経を刺激するカプサイシンの働きを緩和する。同様に胃腸の神経への刺激も緩和する効果もあり、食前に採っておくとより効果的。なおカプサイシンは水に溶け難いので、冷たい水を飲んで唐辛子系の辛さを和らげようとすると口にすると辛さが全体に広がる結果になる