アクション/矢切り

Last-modified: 2023-06-10 (土) 13:43:07

弓の近接攻撃。矢を一本手にとって振り回す。なお現実の矢でやるとほぼ間違いなく折れる。

目次

現実の概要

  • 多くが史実の延長にあるモンハンの武器術においては比較的珍しいと思われる、
    実際には存在が確認できない、モンハン特有と思われる架空の戦闘技術である。
    モンハンの矢は大きく重く頑丈に出来ているがために近接攻撃が可能なのだが、
    現実の矢だと強度不足でへし折れる上にダメージも微々たるもの、
    もし仮にまともな斬撃が可能なほどの大型の矢尻とせん断応力に耐えられる頑丈な矢柄を持たせた場合、
    今度は射出が困難になり、本来の飛び道具として役に立たなくなるからである。
    矢を握り込んで直接突き刺す方法もなくはないが、やはり強度や効果が頼りない。
    故に日本の弓術では弓で近接戦闘を行う際に、弓本体に弭槍・打根などと呼ぶ
    刃物を括り付けることで、弓を槍として用いる技術が現代に伝えられている。
  • なお「近接戦闘用に矢そのものを大型化する」と言う発想は昔にも有ったようで、
    実は上述した「打根」こそが、まさに矢の形を保ちつつ太く頑丈にした代物であった。
    とは言え結果もまた上記の通り、短槍や小刀・銃剣に近い運用は可能だったものの、
    大きく重くなったために肝心の射出が不可能になり、補助用や隠し武器に留まった。
    結局のところ、モンハンのように矢と近接武器を統合することは上手く行かず、
    最終的には弓矢とは別に刀でも携行すればいい、という結論に落ち着いたようで、
    現実世界においては、弓矢のみでの真っ当な近接戦闘術は成立しなかったのだ。
    いずれにせよモンハン世界の矢切りは、極めて頑丈な矢尻と矢柄を備えた矢本体に加えて、
    現実における人類の限界を超えた怪力無双のハンター
    そして尋常ならざる道具の物理特性ならではの荒業と言えよう。

モンハンの概要

シリーズによる変遷

  • 横払い→袈裟懸けの二段攻撃で、一段目より二段目の方が威力が高い。
    一段目後に溜めに派生することが出来る。
    どの段からもバックステップに派生可能…というより通常の回避には派生できない。
    モーション値は片手剣と同程度だが、振りが遅くスキが大きい。
    斬れ味も補正が付いていない(ゲージで言えば黄色に相当)ため弾かれることも多い。
    よって大したダメージは望めないが、貫通弓で目の前の雑魚を掃除したい、等の場合には使えなくもない。
    少なくとも旧作ではボウガンの打撃より使い道のある作品が多かった
    • ちなみに、誰もやらないだろうが心眼で弾かれを無効化することが可能。
  • 切断属性を持つため、尻尾を切断したりもできる。
    MHP2Gまでは打撃属性も付いており、切断と比較して高いほうのダメージが適用されるが、
    打撃を必要とする部位破壊は不可能。作品次第だがランスの性質と似ている。
  • ビンを付けていれば、ビンを消費すること無くその効果を発揮できる
    強撃ビンを使えば威力が上がり、接撃ビンを使えば斬れ味が大きく上昇する(ゲージで言えばに相当)が、
    スキの大きさは変わらない。
    そもそも弓はガンナーであるため防御力が低く、接近戦は危険極まりない。
    本当に尻尾を切りたい時以外で使うのは無謀である。
    また、状態異常ビンの属性値はかなり低く、大型モンスターを状態異常にするのは不可能と言ってもいい程。
    毒ビンで虫退治をと思っても毒が通る前に砕けることが多い。
    • ちなみに、MHFに登場する爆撃ビンで矢切りすると肉質を無視する

MHP3

  • MHP3でもガンナー唯一の尻尾切断手段と思われていたが
    MH3に登場した斬裂弾が続投したために株を奪われた。
    ぜひとも「斬裂ビン」を実装してほしいものだ
    (ただ、そうなると定点攻撃に特化した連射弓だけが持て囃される…ということにもなりかねないが)。

MH4

  • MH4からはジャンプ攻撃として「ジャンプ矢切り」が登場
    (ガンナー系武器は共通して近接攻撃系がジャンプ攻撃に割り当てられている)。
    地上1段目の横払いをそのまま空中で繰り出すようなもので、
    リーチ自体は相応だが範囲は意外と広い。
    攻撃判定の発生は振り回したときのみで、落下中の持続はないことに一応注意。

MHX

  • MHXからはジャンプ攻撃の択にジャンプ射撃が追加。
    射撃であるため矢切りより遥かにリーチがあり、
    溜め2相当とはいえ余程弾と切断の肉質差がない限り威力面でも上回る…と、
    ジャンプ攻撃としての需要はほぼあちらに奪われてしまった。
    一応、ジャンプ射撃と比べて真下が狙いやすい、乗り蓄積が大きいといった微妙なメリットはある。
  • 尻尾切りに関しては、狩技「ブレイドワイヤー」が出て矢切りの影は薄くなった。
    …と思われていたがブレイドワイヤーのモーション値は矢切りより低いため尻尾切りは非常に困難。
    そのため弓で尻尾を切るなら接撃ビンを付けた矢切りのほうがまだ現実的である。

MHXX

  • MHXXでは狩技「身躱し射法」が登場。
    身を躱した際、すれ違いざまに矢切り攻撃も同時に行う。
    モーション値は30で、通常の二段攻撃の合計よりもやや低い。
    尤もこの狩技のメインは回避と長距離移動、その後の射撃の補助であり、
    矢切りの威力はさほど重要ではないが。
  • ちなみに前作で散々な性能だったブレイドワイヤーは今作で充分実用的な性能になり、
    尻尾切りだけではなく威力もある狩技となったので、矢切りの価値は大きく下がることになる。

MHWorld

  • MHWorldでは「矢切り」に相当する攻撃はすべて「~~近接攻撃」という無難なアクション名になっている。
    通常版については二段攻撃が廃止……どころかモーションから派生までがらりと変わって実質別アクション化。
    その名も「飛び込み近接攻撃」なのだが、矢切りというより矢刺しとでも呼ぶべき攻撃になった。
    CSからの派生で繰り出すことが可能で、飛びかかってぶっ刺すという殺意満載のアクションになっている。
    目に当てると凄く痛そう。
    乗りも狙える上、モーション値35と通常射撃溜め4の合計物理モーション値より威力が高いが、
    強撃、接撃ビンを含む全ビンの効果が乗らないという弱体化も受けている。
    また、これまでの往復2連撃とは違い単発の強モーション攻撃となったためダメージ効率が悪化し、
    尻尾切りにも竜の一矢が登場した上、弓と乗りの相性と相まって高い評価は得られていない。
    が、矢刺しでトドメを刺すと凄くカッコいい。
    • 跳びかかる距離とCSの距離がほぼ同等なので、
      CSで後退→再度跳びかかりを繰り返すことで定点攻撃が可能。
    • ジャンプ攻撃については「ジャンプ近接攻撃」と名を改めただけでモーションは一緒。
      従来の矢切りが恋しいという方はこちらをどうぞ。

MHW:I

  • MHW:Iではクラッチクローの武器攻撃として使用するようになった。
    2度軽く切りつけたあと大きく切り裂いて空中に離脱、そのまま矢をつがえ一瞬で溜め3状態になる
    傷つけのための重要アクションでもあるが、単発攻撃として見てもなかなか強い。
    大体は溜め4の通常射撃よりやや高い威力を持つ。もちろん尻尾切断も可能。

MHRise

  • MHRiseではMHXXまでのワンボタン矢切りが復活した上、MHWの飛び込み近接攻撃も継投。
    モーションに大きな変化はないが…。
    • モーション値が大きく上昇。MHXX時代と比較してなんと約1.6倍
      加えて素で弾かれ無効となった*1
      ただし、鈍器スキルの補正はかからなくなり、飛び込み近接攻撃で操竜蓄積もされない。
      またXX以前の抜刀矢切りは復活しなかった。
    • 接撃ビンの効果も再び乗るようになったが、それどころか
      物理ダメージ1.2倍と斬れ味補正1.33倍が相乗し、実に1.596倍ものダメージ補正がかかるようになった。
      こうなると矢切り単体で見れば強撃ビン装着時より接撃ビン装着時のほうがダメージが高くなる。
    • 剛力の弓がけを行うと、通常の射撃と同じく矢切りの威力も一定時間1.1倍になる。
  • さらには入れ替え技で身躱し矢斬りという新アクションまで登場。
    詳細は当該項目に譲るが、ステップ回避に付随して通常の矢切りと同等の切断攻撃を発生させられる。
    これの登場により、冗談でなく弓を一切使わず矢切りのみでモンスターを討伐することも
    現実的に可能になった。やはり弓は近接武器
  • 鉄蟲糸技の「飛翔にらみ撃ち」では空中に飛び上がった後、Xボタンで矢による空中落下近接攻撃が可能。
    モーション値は50と近接攻撃の中では最高値で、判定時間も見た目以上に長いなど妙に高性能。
    ガンナーで相手に突っ込むのはリスクを伴うが、矢を握り締めて猛然と急降下しながら鏃を突き立てる様は、
    アサシンじみておりなかなか画になる。例によって矢切りというより矢刺しなのだが。

MHR:S

  • 遂に矢切りの入れ替え技が実装。技名は「甲矢突き」。
    矢の代わりに、追加ダメージを与える巨大な杭をモンスターに突き刺す技となっている。
    詳細はリンク先を参照してほしいが、汎用性で言うなら甲矢突きの方がなにかと優れているため、
    通常の矢切りを選択する弓使いは大きく減ってしまった。
  • 尻尾切りに関しても、切断属性を持つ新たな鉄蟲糸技「一手」が登場。
    ダメージ効率があまり良くないため肝心の尻尾切断にはやや苦労するものの、
    高い位置にも攻撃が届きモンスターに密着せずに済むため、運用するなら矢切りよりは格段にマシ。

MHF

  • MHFの秘伝書、天ノ型/嵐ノ型を適用時にはこれが「昇龍弓」に置き換わる。
    詳細は上記リンクを参照のこと。

余談

  • 矢(というか矢筒)が無い武器では矢以外の何かで切ることになる。
    例えば、MHP3以降の作品に、矢ではなく鉄球を発射する「鹿角ノ弾弓」という弓が存在する。
    この武器の場合、矢ではなく付属の山刀で斬る。
    しかし、困ったことにこの矢切りが無駄にかっこいい
    そのため小型モンスターが無駄に斬られることになる。
    • さらにこの鹿角の弾弓、MH3Gで覚醒を発動させた場合は小型モンスターが爆発する
      弓の属性は矢切りにもそのまま反映されるため、
      状態異常ビン装填時と異なり矢切りでも十分に蓄積が可能なのだ。
      山刀の一閃で小型モンスターを爆殺する様はかなりスタイリッシュ。
      今日もジャギィやブルファンゴが切られて爆発している…。
  • 他武器の切断系攻撃が主に「○○斬り」となっているのに対し、
    弓の近接攻撃のみ「矢切り」と表記される。
    やはり、元々は斬撃用の武器ではないからだろうか。
    • MHRiseの新アクションである身躱し矢斬りは「矢斬り」である。
      ここに来てようやく切断系近接武器としての仲間入りを果たしたと言えよう。
      そしてその名に違わず、多くの斬撃武器の基本的な攻撃と比べても遜色のない性能を有する。
      もっとも身躱し矢斬り以外の近接攻撃はMHWに引き続き「近接攻撃」呼びのままだが…

関連項目

武器/弓
武器/弓/派生作品
アクション/近接攻撃 - ボウガンの近接攻撃。


*1 修練場のカラクリの背甲は斬れ味青まで弾くが、いずれの矢切りも弾かれなかった。接撃ビン非装着時は心眼時のような弾かれ音が発生し、装着時は発生しない