エンターブレインファミ通文庫より出版されている、氷上慧一氏によるモンスターハンターのノベライズ作品
およびMH公式ファンクラブ・モンハン部にて連載されていた、小説版と世界観を共有する漫画作品。
原案はモンスターハンター漫画部、作画はノベル版の挿絵も担当していた布施龍太氏。
小説版は全5巻、漫画版単行本は全3巻、14話。
また小説版では第四弾「閃光の狩人」の漫画版を担当する山本普氏も挿絵作画に参加している。
概要
- 主にMHP2GまたはMH3をベースとした一話完結のショートストーリー。
交易船の船長を語り部として様々なハンター達の逸話が紹介されており、
登場人物は各ストーリーごとに変わる(ただし一、九、十三話は同じパーティが主役を務める)。
舞台となる地域もドンドルマ、ポッケ村、ロックラック、更にはオリジナルの村まで様々。
- ノベル版と漫画版で共通の登場人物が数多く登場し、
相互に読み比べるとキャラクター達の成長の様子がよく分かる。
また、氷上版小説(第二弾~第四弾)のキャラクターが数人ゲストとして登場している。
主要な登場人物
- ガイユ
- EPISODE novel.1の主人公で、この時点で24歳。
ノベル版初のスラッシュアックス使いで、パーティのリーダーを務める。
何事にも真正面から全力でぶつかる熱血漢で、村に伝わる「伝説の遺産」を追い求めている。
- コジャ
- ガイユより一つ年下。
良くも悪くも小物臭を漂わせる性格で、ミュジィ曰く「人としての器がドチビ」。
ガイユとは幼馴染であり、本人曰く「腐れ縁」だが、仲間の危機にはガイユ以上の熱血を見せる。
- ボルソン
- ガイユ、コジャと共にパーティを組むハンマー使い。パーティ最年長で、ガイユより四つ年上。
性格は穏やかで、ハンマー使いでありながら前線での戦闘より仲間の援護を得意とする。
モンスターの生態などに詳しく、モンスターの動きを予測しながら狩猟を展開する。
- ミュジィ
- ガイユより5歳年下のボウガン使い。
自他共に厳しく、仲間の事を思ってであるが故に指摘には容赦が無い。
コジャの策略と自らの性格が災い(?)し、一時的にガイユ達のパーティに入る事となったが、
今度はその実力を見たガイユに積極的に勧誘される事となる。
- シドウ
- EPISODE novel.2の主人公の一人で、この時点で26歳。
リオソウルUシリーズを身に纏う太刀使いで、「蒼空のサムライ」の異名を持つ。
過去のクエストで仲間二人を失い、その仇である片角のディアブロス亜種を探している。
- ネェレ
- EPISODE novel.2のもう一人の主人公。19歳の女性ハンターで、双剣を武器とする。
普段は姉と共に狩猟に挑んでいたが、諸事情で別行動を取っていた姉が死亡してしまう。
その遺品を引き取りにジャンボ村を訪れるも、その心には非常に大きな傷を負っている。
シドウの過去を知り、自分と重ねて見ている。
- エーデリカ
- 「魂を継ぐ者」から客演。ネェレとは旧知の仲であり、姉とも交流があった。
無謀な狩りを繰り返すネェレの身を案じ、シドウと3人での狩りを提案する。
- イオン
- EPISODE novel.3の主人公の一人。21歳の青年で、ノベル版では初の狩猟笛使い。
実直かつ良識のある性格で、あらゆる意味で常識外れなカリンの相棒兼ストッパー。
ひょんな事からカリンと口論となり、そのまま喧嘩別れしてしまう。
その直後、交易船の船長とホレイに出会い、ホレイの提案によって共に狩猟に出る事となる。
- カリン
- EPISODE novel.3の主人公の一人。19歳の太刀使いの少女で、イオンとは幼馴染。
特殊な来歴により片言の口調で話し、女性としてよりハンターとして評価された方が喜ぶ。
常識知らずな上に天然であり、
突然予想も付かない行動を起こす事も多く、度々イオンを振り回している。
「傷つかないハンター」の噂を聞き、自分も傷つく事の無いハンターを目指すと宣言するが、
そこから「傷を受けない=防具は不要」という考えに至り、イオンと衝突してしまう。
その後、謎のじいさんとクルトアイズに出会い、クルトアイズと共に狩猟に出る事となる。
- ホレイ
- EPISODE novel.3の主要メンバーの一人。この時点で21歳。
片手剣使いのハンターでありながら王立古生物書士隊の一員でもある関西弁口調の青年。
絵を描く事を生き甲斐としており、報告の資料の製作のため、狩り場にもスケッチブックを持ち込む。
一度集中すると相方の事を忘れてしまうほど没頭してしまい、狩猟を一時中断する事もある。
- クルトアイズ
- 「魂を継ぐ者」からの客演。カリンが言う「傷つかないハンター」に心当たりがあった事から、
行きがかり上パーティーを組む羽目になってしまう。
- アルゼン
- EPISODE novel.4の主人公の一人で、この時点で39歳。
「銀狼」の異名を取る壮年の太刀使いで、ベリオGシリーズを愛用している。
セラの住む村の居付きのハンターとして活動するが、
今回はセラの修行のために遠出し、そこでサリュエやレギと出会う。
- セラ
- 凍土の近くの村に住む12歳の少女。
ギルドガールになる事が夢であり、その修行のために遠出する事となった。
幼くして父親を失っており、アルゼンの事を実の父親のように慕っている。
- サリュエ
- 火山の近くの村のギルドガール。24歳。
ギルドガールとしての能力は極めて優秀であり、
若くして多方面に顔が利き、近隣の村や街でも人気がある。
ハンターの武具やモンスターの生態についても幅広い知識を持ち、
ほぼ全てにおいて非の打ちどころが無い。
行商人であるが故に普段から家を空けている両親に代わってレギを育ててきた。
- レギ
- 第四巻の主人公の一人。火山の近くの村を拠点とするスラッシュアックス使いの青年。19歳。
何かと優秀な姉のサリュエと比較される事が多く、周囲からはあまり評価されていない。
誰からも頼りにされるハンターになる事を目標とし、アルゼンには憧れの目を向けている。
サリュエを親代わりに育ったため、彼女に対しては全く頭が上がらない。
- ハイギス
- ジエン・モーランの接近を聞きつけてロックラックを訪れたハンター。42歳のハンマー使い。
カレムの叔父であり、彼を気にかけている。
ロックラックにやって来たのもジエン・モーランをカレムに見せたかった事が大きい。
劇中では砂上船での援護担当となったため、直接的にジエン・モーランと交戦する事は無かった。
- カレム
- 僅か18歳で上位ハンターとして活躍している大剣使い。ハイギスの甥。
類稀なる才能の持ち主であるが、それ故か他者を見下すような態度を取り、ぶっきらぼうな返事が多い。
現在のハンターランクで狩猟を許されているモンスターは全て単独での狩猟に成功している。
ハイギスと共に砂上船での援護担当となったが、
主となってジエン・モーランに挑んでいるメンバーの動き方に対して苛立ちを募らせる。
- アディ、バノン
- この時点で21歳。
双子の兄弟だが、普段はすこぶる仲が悪く、何かと口喧嘩が絶えない。
二人揃ってスラッシュアックス使いで、アディは道具なども駆使して手数で勝負する一方
バノンは武器の攻撃力こそ最重要と考えているパワータイプとスタイルは対照的。
以前はとにかく衝突してばかりだったが、現在では狩猟の際には連携を取れるようになっている。
- レギア
- この時点で29歳。
旧大陸出身のハンター「ドスト三兄弟」の長女であり、パーティのリーダーでもある。
豪快かつ破天荒な性格で度々弟たちを振り回すが、同時に何よりも大切に思い、信頼している。
大剣使いだが、ジエン・モーランから採掘される鉱石が狙いだったため、
一度も武器を抜く事は無かった。
- ダギ
- この時点で26歳。
旧大陸出身のハンター「ドスト三兄弟」の長男で、最も常識のある性格。
しかしレギアの勢いを止めるほどの力は無く、大概はそのまま巻き込まれ、やむなくそのサポートを行う。
ヘビィボウガン使いで、バリスタの狙撃もこなす。
- ノイル
- この時点で19歳。
旧大陸出身のハンター「ドスト三兄弟」の二男で、
ハンターとしての才能は兄弟の中でも随一の片手剣使い。
姉と兄の関係を見て育ったためか、どこか達観した雰囲気を醸し出している。
レギアの性格についてはほぼ諦めており、基本的にレギアのサポートを主体として立ち回る。
- ジル
- この時点で22歳。
旧大陸出身の双剣使いで、幼馴染のフィジカとコンビで活動している。
ハンターとしての実力を磨くと同時に探究心を満たすため、フィジカと共に世界の各地を巡っている。
- フィジカ
- この時点で22歳。
旧大陸出身の大剣使いで、幼馴染のジルとコンビで活動している。
数年前はモンスターに対する恐怖心のあまりランポスすらまともに狩猟できなかった。
しかしハンターとしての才能はジル以上に高い。
- トリア
- 年齢不詳の女性ハンター。
ドンドルマ出身の太刀使いで、一人称は「ボク」。
過去の経験から小さな村やそこに住む人々を守るためのハンターを目指し、
ガガンとリリィを心の師と仰ぐ。
- ガガン
- ハンター歴60年を超える大ベテランで、現在80歳にして現役のハンター。
暁丸・覇シリーズを身に纏い、その存在感は圧倒的。
無愛想かつ寡黙な性格で、必要最低限の事しかしゃべらない。
- リリィ
- ガガンと同じく80歳にして未だ現役のハンター。
凛・覇シリーズを身に纏い、やはり圧倒的な存在感を放つ。
ガガンと比べると物腰が柔らかく、優しい笑顔を浮かべている事が多いが、
彼女もまた無駄に口を開く事は無い。
- アルゼン
- 前巻より引き続き登場。
船長からの依頼を受け、トリア達と共にジエン・モーラン戦の大取りを務める。
余談
- ノベル版の挿画、漫画版の作画を担当した布施龍太氏は、ノベル版や漫画版と並行して、
モンスターハンターのモンスターたちを描いた「龍天動地」という画集も発表している。
また、pixivにもアカウントを持っており、そこでもモンスターハンターのイラストを多数投稿している
(ノベル版や漫画版の表紙として使われたものは勿論、pixivでしか見ることのできないイラストもある)。- pixivでは、自己紹介の欄や投稿した作品に、「モンハン最高!!!」とコメントされており、
布施氏のモンハンに対する愛情の深さがうかがい知れる。
- pixivでは、自己紹介の欄や投稿した作品に、「モンハン最高!!!」とコメントされており、