直訳で「方法」、「癖」、「行儀」を意味する英語。日本語では行儀に近い用法として使われることが多い。
概要
- ぱっと聞くと恒常的に守らなければならない事項のようではあるが、
それはどちらかというと「ルール」の方であろう。
マナーはあくまでも「礼儀・作法」であるのでその良し悪しは状況・価値観に大きく左右される。
言ってしまえば、国や地域によって全く違うものと言っても差し支えないだろう。- 例えば本邦では、ご飯を食べる時には箸を使い茶碗を持って食べる様式が一般的だが、
同じ箸と茶碗の文化圏でも、茶碗を持たない作法が一般的な国は存在する。
また、我らが分身たるハンターが家で食事を取る時はワイルドに素手で食べるが、
実際に家庭でも正式な場でも、道具を使わず素手で食事を行う様式の国も少なくない。
とは言え各地の手づかみ食にもきちんと繊細なマナーが備わっていることが基本であるため、
ハンターのように夢中になってがっつくやり方は、無礼講でさえ軽蔑されかねない。*1
それは日本人が箸を適当に持ち雑に使って食事する者に眉を顰めるのと同じで、
素手で食事をする文化圏であっても、素手ならオールオッケーという訳では断じてない。
マナーはルールや様式とイコールではなく、あくまで文化や観念に基づく振る舞いなのである。
- 例えば本邦では、ご飯を食べる時には箸を使い茶碗を持って食べる様式が一般的だが、
- マナーは「他者への気遣い」から生まれた知恵であるとされる。
時には煩雑で堅苦しく感じるかもしれないが、
基本原則としては他者を気遣い、社会の中で人が気持ちよく生活するための要素であると言えるだろう。
ルールではないため守らなくても罰則が与えられることはないが、相手を不快にさせたり、
それが巡って自身が気持ちよく生活できなくなる可能性がある事は起こりうる。
- 近い言葉にモラル(moral)がある。
マナーが「礼儀」を意味するのに対し、こちらは「道徳」と言った具合。
客観的な観念であるマナーとの違いは
一人一人の道徳観、公序良俗を表すという事で、生活環境・生活習慣によって変わってくる
主観的な観念である。*2
モンハンにおけるマナー
- モンハンにおいては、この「マナー」の存在が度々物議を醸している。
モンハンは初期シリーズからオンライン、つまり顔の見えない人同士の協力プレイという、
他者への気遣いがないと成り立たないゲームプレイに対応しているが、
例えばオンラインでチートを使う、ハラスメント的言動をチャットで行うなど、
マナー以前に規約違反*3である事を除くと、これと言って明確な「マナー」が長い間確立してこなかった。
そのため、「オンラインのマナー」などが語られる際にはしばしば大論争を巻き起こすこともあった。
- これは、MHシリーズが大普及する事になった作品であるMHP2(G)が
「ゲーム機を持ち寄っての協力プレイ」を想定した作りになっていたためと思われる。
顔が見える友人や家族など、ある意味マナーをそこまで意識しなくてもいい状況のプレイが主体となり、
その後MH3Gまでの作品でオンラインに標準対応するのがMH3のみであったため、
顔の見えない人同士の協力プレイにおける「他者への気遣い」がどのようなものか、
中々浸透しなかったという事であろう。
- よく言われる例としては対人戦が挙げられる。
剥ぎ取り回数が非常に多いモンスターや、相手がその意思を示していないのに対人戦を仕掛けるのは、
一般的に言ってマナーが悪い行為とされ、理由なく抜刀することすら不快に思う人も少なくない。
一方で、全員剥ぎ終わって採集もせずボーっとしている最中に仕掛けるのは問題ないという人もいる。
顔が見える友人や家族などであればその時のノリで行ったり行わなかったりするが、
オンラインでは人の感情が読み取りにくいため、その「ノリ」を把握するのが非常に難しく、
上記の判断基準も人によって違うため、トラブルになりやすい。
- マナーは相手を不快にさせないための知恵と概要で述べたが、
「マナー」から外れる行為を行ったプレイヤーは地雷の扱いを受ける事が多い。
これはそもそも、地雷という用法自体が元々は
「他者への気遣いができない、もしくは迷惑をかける」プレイヤーを指したものだったためである。
ただしこの判断基準も決して確立・明文化されたものではなく、
自分のマナーと異なるからといって本人の前や他人に向けて地雷だ地雷だと騒ぎ立てるのも問題で、
自分が地雷扱いされても仕方の無い行為となっている。
- このため、MH3Gまでは「マナー」とは決して画一的な決定事項なのではなく、
周囲やその場のノリにあわせるのが最良で、執着してまで守るべきという堅苦しいものではない、
という感覚がメインシリーズプレイヤーの間では一般的であった。
それを知らないマナー執着厨は街のローカルルールに合わせられないために移動が多発し、
結果、仲間を失って限られたメンバーと共に楽しくない狩猟を余儀なくされるのが大抵である、
と言われていた。
ところが、MH4ではMHP2G以来の爆発的なプレイ人口増加という状況下において
「極めて手軽にオンラインでの協力プレイができる」という環境の激変が合わさり、
その結果としてオンラインでのトラブルが爆発的に増加することになった。
これ以降、「オンライン(インターネット)でのマナー」が多くのプレイヤーの間で強く意識される、
というより意識せざるを得ない状況になっている。
もっとも、これはモンハンに限らず昨今のオンライン対応ゲーム全般に言える事ではあるのだが。
- ちなみに、完全なオンラインゲームとして発展してきているMHFに関しては、
黎明期から「ネットゲームのマナー」という概ね明文化されたものがかなり重要なものと捉えられている。
基本的にこのネットゲームのマナーを守ることが大前提で、
それ以外の部分についてはPT内の空気に合わせて自由に、という風潮が強い。
言い方を変えれば、ネットゲームのマナーを守れない者は、
MHFでは如何なる理由があろうとも地雷扱いされても仕方の無い行為を行っている、とも言われる。
なお、MHFのプレイマナーは他シリーズのオンラインにおけるプレイマナーと大差はないのだが、
この状況はMH3Gまでのメインシリーズから見ると多くのプレイヤーにとっては奇異なものであり、
MHFではそれが原因となるトラブルも度々発生していた。
MH4以降は上述したプレイヤーの認識変化もあり、そのようなトラブルや認識の違いは起こりにくくなっている。
- ちなみに、MHFのプレイマナーについては、公式サイトで詳しく解説されている。
特にクエスト中の行動についてはあのクック先生が身を以て指導してくださっている。
上述したようにMHFと現在のメインシリーズでのプレイマナーは大差はないため、
MHFプレイヤーのみならず、他シリーズプレイヤーも一読してみるとよいだろう。
関連項目
ゲーム用語/暗黙の了解
ゲーム用語/キックアウト
ゲーム用語/寄生
ゲーム用語/効率厨
ゲーム用語/地雷
モンハン用語/ふんたー