システム/全体防御率

Last-modified: 2023-10-30 (月) 10:23:16

モンスターの全体的な硬さを表す値。いわゆる「肉質」に乗算される。

目次

詳細

シリーズ通しての基本

  • 本来与えられるダメージを100%とした場合に、ダメージがどの程度軽減されるかを表すシステム的な数値。
    例えば全体防御率が80%(0.8)の場合、本来100ダメージ与えられる攻撃で80ダメージしか与えられない
    逆に全体防御率が120%(1.2)の場合、本来100ダメージしか与えられない攻撃で120ダメージ与えられる
    「防御」というワードから「高い方がダメージが入りにくいのではないか」と思いがちだが、
    実際は真逆で、全体防御率が低いほどダメージの軽減量は多い(=体感的な防御力は高い)
    野球の投手の「防御率」などと一緒で、高いほど打たれ弱い事を意味するので注意すること。
  • クエストランクによる補正や怒り時に掛かる補正は攻略本の類では単に「防御力」などと表現されている。
    この場合は高くなるほど打たれ強くなることを意味することが多いので注意。
    • MHP2G公式ガイドブックではダメージカットと表記されている。
      ダメージカット30%なら30%のダメージ減(つまり全体防御率70%)と割と分かりやすい表現であるが、
      あまり定着しなかったようだ。
  • 一つ上のランクにいくと同じモンスターでも怯みや部位破壊を取りにくくなるが、原因はこいつである。
    また、いわゆる「肉質無視」とされる拡散弾や爆発ダメージもこの全体防御率の影響は受けてしまう。
    G級の最上位レベル、一部のイベントクエスト、剛種などでは全体防御率が5~6割にも上る。
    つまり本来のダメージから40~50%カットされてしまう。
    MH3Gの超強化イベントクエスト群に至っては全体防御率は4割を切ると言われている
    ここから肉質による軽減、怒り中の防御上昇による軽減などが加わるわけで、
    大剣の溜め3斬りや睡眠中の大タル爆弾Gをもってしても思った以上にダメージが伸びない。
    • 一方で、「どこに当たったか判別できない」攻撃はこの全体防御率も無視できる。
      具体的にはダメージやガノスガブル釣りダメージ、
      ベルキュロスが部位破壊された際にショートを起こして自爆するダメージなどがこれに当たる。
      これらのダメージは全体防御率が低くなる=難易度が上がれば上がるほど、
      他のダメージと比べて相対的に効果が大きくなる。
    • また、部位にもダメージが入るためあまり認知されていないが、
      状態異常でのダメージのためか爆破属性も全体防御率を無視する*1
      全体防御率に干渉されない器用さも、初登場のMH3Gにおいて猛威を振るいまくった原因の一つと言える。
  • モンスターの耐久力は全体防御率だけではなく体力の増減によっても調整される。
    例えば、ある値を基準として「全体防御率50%」と「体力2倍」ではトータルの耐久力は同じだが、
    全体防御率によってダメージ自体が軽減されると怯みも起こりにくくなるが、
    それぐらいでは大した差が起こるとは言いがたい。
    この全体防御率の計算が適用される、総合ダメージを算出する際に行われる、
    ある処理が難易度上昇に意外な形で関与しており、それに全体防御率が強くマッチしやすいのである。
    例えば体力9990のモンスターAに、
    全体防御率が1.0の時に毎回99のダメージを与える攻撃を行うとする。
    モンスターAの全体防御率が1.0である場合、
    99 × 1.0 = 99 となり、一回の攻撃で与えるダメージは99となる。
    つまり、101回の攻撃でモンスターAを討伐する事ができ、ダメージが9余剰する。
    次に体力999のモンスターBに、
    全体防御率が0.1の時に毎回99のダメージを与える攻撃を行うとする。
    モンスターBの全体防御率が0.1である場合、
    99 × 0.1 = 9.9 となり、一回の攻撃で与えるダメージは小数点以下切り捨てにより9となる。
    つまり、モンスターBを討伐するために必要な攻撃回数は111回となり、ダメージの余剰も発生しない。
    詳しくはこちらや後述を参照していただきたい。
    • 例示した「全体防御率50%」と「体力2倍」が実質的に同等という事は、
      モンスターの体力に対して仕様上設定した範囲を超える設定を想定することも可能という事である。
      例えば通常のモンスターにおける体力上限を32767(16ビット符号付整数における上限値)とした場合、
      体力5万というモンスターを作りたい場合は体力25000の個体に通常の半分の全体防御率を設定すればよい。
      MHFでは個体種別による補正が通常の補正に上乗せされる形であるため、
      ノノ・オルガロンのように「HCにすると全体防御率が上方修正されダメージが通り易くなり、
      体力が減少したかのように感じる」というケースもある。
    • ただし、全体防御率はあくまでダメージの量を上下させる要素であるため、
      同じ装備・同じランク・同じモンスターの同じ部位だけを攻撃し続けたという条件で比較すると、
      怯みが発生するまでの攻撃回数に対する差は発生する。
      これを打ち消し体力だけを仕様上の限界を超えた値にしたい場合は、
      後述の怯み倍率について全体防御率への影響を打ち消すレベルの補正を行う必要がある
      (例えば実質体力を2倍にするために全体防御率を通常の0.5倍にした場合、
      怯み倍率も通常の0.5倍とすることで怯み発生までのダメージ量も0.5倍とする必要がある)。
  • 全体防御率とは別にランクやクエストごとに怯みに補正が入る場合もある。
    現在では、怯み倍率またはよろめき倍率と呼ばれる。
    この補正により、高いランクのモンスターは全体防御率の影響もあるためかなり怯みにくくなってしまう。
    なお、初出はMHP2である。MH2からデータを受け継いだMHFはこの補正はあまり採用されていない。
    しかし多くの特異個体にはこの補正がかかるようになり、
    G10では下位と上位のモンスターに怯みやすくする方向の補正(よろめき倍率0.5倍など)がかかるようになった。
    • こちらは、剛種とG級の特異個体では補正は緩めである。
      これは剛種の部位耐久値そのものが当初異常に高く設定されていたため、
      強く補正する必要がなかったからであると思われる。
      G9.1で部位耐久値が緩和された後も特異個体補正はそのままである。
      G級では「怯むごとに該当部位の怯み耐性値が強化される」仕様があるため、
      怯み値補正は殆どのモンスターで発生せず、発生しても1.1倍など微弱なものとなっている。
  • 特異個体の場合は通常の全体防御率に上乗せで防御率○倍、怒り時の防御率○倍といった補正がかかる。
    ただし現在の特異個体では防御率の大幅な低下が発生するモンスターは少なく、
    むしろ怒り時などに上昇して耐久力が弱まるものもいる。
    • UNKNOWNも最初は普通の1.00であるが、最終形態ではやはり0.58で、怯み値も3.5倍に上る。
      また、ゴゴモア(今回の例示は剛種)は平常時は0.6だが、怒り時は0.48にまで軽減され、
      ココモアが離脱して激昂状態へ陥ると一転して0.72にまで緩和される。
      後述のイベント限定モンスターを除き、1回のクエスト中に防御率が
      ここまで大きく変動するようなモンスターはこの2種のみと言える。
      • ちなみにオオナズチ特異個体は全体防御率とはまた別で、
        透明化時のみ効果を発揮する「肉質無視ダメージの70%減補正」をもつ。
        肉質無視ダメージ限定の特殊な防御率なので、拡散弾などを用いる際は注意が必要。
      • 激個体もステータスに補正がかかるが、基本的に防御率に変化はない。
        若個体はそのほとんどが1.5倍の防御率であり(つまり通常の1.5倍のダメージが出せる)、
        体力に0.8~0.4倍の補正がかかっているのと合わせて非常にお手軽に仕上がっている。
  • シリーズ中最低(つまり最もダメージが通らない)の全体防御率を持つのは、
    MHFのイベント限定で登場する最高に貧弱なモンスターの0.0であるが、
    これはエイプリルフールイベントの特例と言える、例外的な存在であり、
    なおかつ特殊な条件下では1.0と通常通りの値になるため例外中の例外と言ってよいだろう。
    よって、通常のモンスターで最低の全体防御率を持つモンスターという話にはなるのだが、
    2018年8月現在、これらは何れもMHFのモンスターが上位を独占しており、
    第一位は防御率0.01ラヴィエンテ猛狂期【極】で、
    上述した例外と比較してもほぼ大差ない程の、極限とも言える値にまで達している。
    第二位に極み灼き凍るエルゼリオン極み襲うボガバドルムの0.03、
    第四位に【極】ではないラヴィエンテ猛狂期と上級至天ディスフィロア
    極み傲るドゥレムディラ極み耀くゼルレウスが0.04で続き、
    それ以降についても、同作の超高難度コンテンツである"極み"モンスターや
    極限征伐戦Lv9999モンスターの0.05台が占める形となっている。
    • ちなみにMHFのG級モンスターの体力は上限が30000になっており*2
      上記のモンスターも体力はいずれも30000である。
      同作のハンターの戦闘力強化に合わせ、全体防御率を用いて疑似的に体力を引き上げている、
      と言い換えることもできる。
  • 全体防御率適用後に行われる小数点以下の切り捨て処理に関しては、
    ダメージが小さいほどにその影響が大きくなる。
    これは、全体防御率適用前のダメージに対して、
    切り捨てられる1以下のダメージ分が占める割合が関係しているからで、
    モンハンだから、というよりは数学的な話に近くなる部分である。
    これについて、わかりやすく説明すると、
    • 全体防御率適用後のダメージが100.8だった場合、
      切り捨てられる0.8が100に対して占める割合は1%にも満たない。
    • 同じく、適用後のダメージが50.5だった場合、
      切り捨てられる0.5が50に対して占める割合は1%に達する。
    と言ったように、全体防御率適用後の小数点以下切り捨て処理によって残る、
    実ダメージの値が小さければ小さいほど、
    切り捨てられる小数点以下のダメージの影響が大きくなってくるのである。
    • なお、武器ダメージは物理と属性を合算した値に対して切り捨て処理を行うので、
      属性単体で切り捨て処理を考える必要は無い。
      時には属性ダメージだけでは0であっても、その小数点によって実際の総合ダメージが1繰り上がる事もある。
    • 上述の"極み"モンスターのような極端に全体防御率が小さいモンスターは、
      切り捨て処理の性質の影響を強く受けるため、モーション値の低い手数武器の場合は、
      武器倍率100を増加させても整数部分が変化せずにスキルをつける意味がない、
      ということが発生しやすくなっている。
      逆に整数部分に繰り上げることが(相対的に)大きなダメージの変化に繋がることもあり、
      それを意識した調整をすることが推奨されている。
  • 後は、全体防御率自体が低いほど与ダメージの差も小さくなってくる。
    元々10ダメージと11ダメージを与える攻撃があり、それを防御率70%でカットする場合
    本来は1.1倍ものダメージ差があるにもかかわらず前者も後者も7ダメージになってしまうのである。
    先述の通り元々のダメージ値が小さいほど影響が大きいため、
    特にモーション値が小さめの片手剣などでは見た目以上に差が縮んてしまうこともある。
  • 切り捨て処理には例外があり、全体防御率適用後の値が0より大きく1未満の場合は繰り上げられ、
    1のダメージは保証される。
    そのため、全体防御率が0でない限りはキックなどでダメージを与えられえる他、
    双剣などの手数武器では剣術+2が本来より大きな効果を発揮することも起こりうる。

MHWorld以降での扱い

  • とまぁ、こんな感じで決して無視できない要素でありながら、
    解析や詳細な攻略データが無い限りは分からないというシステムがこの全体防御率であったが、
    昨今のシリーズにおいてはほぼ空気に等しい存在
    (=全体防御率がどのモンスター・クエストでも1.0(100%)で固定)と化している。
    • 最大の理由としてはMHWorldから導入された「与ダメージの可視化」であろう。
      ダメージが見えるようになったことで、このような隠し補正を適用しにくくなり、
      実質的に廃止に近い形で収束したものと思われる。
      実際、これまでのG級に相当するマスターランクでも防御率100%相当というのは異例なことである。
    ただしそれによってモンスターが脆くなったのかというとそういう訳ではなく、
    高難度になるにつれ、純粋にモンスターの体力がUPする方向で設定されている。
    全体防御率は少し下げるだけでも見かけ上のモンスターの体力が大幅に上がるので、
    それを加味してか高難度では従来作から見ると考えられないぐらいに体力が上がったモンスターが多い。
    (無論、全体防御率やハンター側の強化を鑑みればそこまでタフでも無かったりするが)
    • ただし、MHW(:I)ではフリークエストは全て1.0倍だが、
      調査クエストに限り0.85~1.15倍の範囲で変化しているのが確認されている。
    • MHW:Iのマスターランク古龍はどれもHP3万程度。
      これは過去作で言うと全体防御率70%でも21,000のHPがないと実現しない耐久である。
  • MHRiseでは現時点で全体防御率が1.0を下回るクエストはなく、
    クエスト補正としての全体防御率は事実上廃止されたとみなして良い状態となっている。
    代わりに上位にもかかわらず体力が15,000を超えるモンスターもザラで、
    超大型モンスターではラスボスのHPは30,000を超えている。
    それでもハンター側の強化の方が大きく、件のラスボスは10分足らずで乱獲されているくらいである。
    • MHRiseにおいて全体防御率の影響を大きく感じられるのはオオナズチ戦で、
      橙の花粉が取られたときは肉質無視ダメージも含めてほぼ全てのダメージが2割減(=全体防御率0.8倍)となるようだ。
      またごく一部だが怒り時に全体防御率が減少するモンスターが居るようだ。わかりやすいのはバサルモスである。
    • MHR:Sに至ってはソロ(本来)の体力値でHP5~7万に到達するものさえおり、
      マルチプレイ時には19万近くにまで達するモンスターもいる。
      一方そんなモンスターすらも、手練れが揃えば5分、
      下手をすると2分そこらで討伐できてしまうため、ハンターの強化を鑑みた調整であると見るべきであろう。
      体力を大きく削るための特定の措置も設けられており、余程のことが無い限り『時間との勝負』になることは無い。
    全体防御率が事実上廃止された事で、毒や爆破属性はかなり厳しい立場に追い込まれている。
    序盤こそ特に問題なく有効なダメージソースとして機能するのだが、
    後半になってくるとモンスターのHP増加に固定ダメージが追いつかなくなってくるのである。
    これまでの作品であれば全体防御率が下がって見かけのHPが上がることで、
    相対的に毒や爆破のダメージが機能しやすくなったのだが、純粋にHPが上がってしまうのでこうなってしまう。
    一応、上位やMRではこれらのダメージが多くなるような仕掛けにはなっているのだが、
    やはりと言うべきか最終的にはモンスターのHPとハンターの攻撃威力に追いつかなくなってしまい、
    実質的に無属性に多少のおまけがついた程度にしかならなくなる。
    もっともこの辺りは全体防御率があった時代でも調整次第でこうなってしまっていたので、
    全体防御率が廃止された事だけが理由ではないが。

関連項目

システム/ダメージ計算式
システム/肉質


*1 MHF-Gは影響を受ける
*2 HRモンスターの「覇種ドラギュロス」のみ、体力が30000を超えている。また「G級システム」自体のβテスト時には、体力80000超えというG級モンスターも存在した。