モンスターの分類カテゴリーの一つ。飛行能力を持たず、泳ぐ事に特化した進化を遂げた竜。
目次
概要
- その名の通り、「魚」が大型化したような外見を持つ竜の一種。
かつては飛竜や鳥竜などと共通の祖先から分化したものと思われていたが、
後の研究により、飛竜などよりむしろ魚類に近い存在であることが判明している。
魚類との最大の相違点として「(エラ呼吸ではなく)肺呼吸である」という特徴を持ち、
また該当する種はいずれも比較的発達したヒレを有する。- 飛竜のような2本の脚や翼状のヒレを持っているものがいるのは、同様の環境に適応した収斂進化の結果。
メタな余談だが「収斂進化だと判明した」という部分の設定まで、無印の時点で完成している。
このあたりの事情は「ハンター大全」より、攻略本「ハンター職業安定書」に詳しい。
- 飛竜のような2本の脚や翼状のヒレを持っているものがいるのは、同様の環境に適応した収斂進化の結果。
- 上記の収斂進化により、多くの魚竜種は飛竜種と類似した骨格構造を持ち、
陸上ではタックルや噛み付きといった大型飛竜を思わせる行動を取るものも見られる。
一方で、流体内における動きはもちろん、威嚇時、怒り移行時、討伐時など、
基本的なモーションの時点で飛竜種と異なる部分も多数存在する。
- 大まかな特徴として、海竜種と比較してもより流動体中での生活を重視した生態を持つ。
一部の種については流動体中に適応した進化を遂げたために大型化が進んだとされており、
事実、ガノトトスは最大級の大型飛竜種にも匹敵する程のサイズを誇る。- 一方で、陸上での活動をあまり視野に入れない進化を遂げたがゆえに、
海竜種などと比較しても地上での挙動はかなり鈍重。
瞬発力はともかくとして、激しい動きを長時間持続することはできず、
自重の問題も相俟って長期に渡る陸上での活動は好まない。
また、ガノトトスに関しては「過度に体表が乾燥すると危険」という設定が存在している。 - なお、海竜種には同じく深海(水中)での生活に特化した進化を遂げたラギアクルス希少種が存在する。
ラギアクルス希少種には「巨大化したことで自重により陸上での活動が難しくなり、
深海へとその生活領域を移した」という裏設定が存在しており、
進化の結果として獲得したおおまかな性質は魚竜種と似通っている。 - 切断可能な種の方が多い海竜種と違い、尻尾が切れた事が確認されていない。
更に言うと複数の大型竜が存在する種の内、一種類も"尻尾を切り落とせた"と言う
報告例の上がった事がない唯一の種族である(尾ビレが破れる事はある)。
海竜以上に泳ぐのが必要なため、それだけ筋や骨が発達しているのだろうか。
何にしろ随分丈夫な尻尾である。
- 一方で、陸上での活動をあまり視野に入れない進化を遂げたがゆえに、
- 種に共通する特徴として眼の退化が見られ、殆どの種は眼が殆ど点のようになっている。
これは、適応した特殊な環境において視力以外の感覚を発達させたため。
実際、魚竜種には砂中や溶岩内部など目が役に立たないであろう領域で生活する種が多く、
進化の方向性としては妥当と言える。- 眼が退化しているという設定から、視覚に影響を及ぼす閃光玉の効果が薄い種が見られ、
効果時間が短いガノトトスのほか、ガレオス種のように全く効果がないモンスターも存在する。
代わりと言っては何だが、ガレオス、ガノトトス、デルクスは聴覚器官を発達させており、
高音でパニックに陥ることが確認されている。
ヴォルガノスやジュラトドスに関しても音爆弾に反応を示すため、
上記3種ほどではないが聴覚器官が発達しているらしい。
また、こやし玉については全種に共通して効果があることから、
嗅覚についても他のモンスターと遜色ない程度には発達しているものと推測される。
- 眼が退化しているという設定から、視覚に影響を及ぼす閃光玉の効果が薄い種が見られ、
- 怒り状態への移行モーションは2種類あり、首をかしげるような動きの後小さく跳ねるようにして吼えるものと、
警戒時と同様のモーションで辺りをキョロキョロと見回すものがある。
前者は主にガノトトス、後者はヴォルガノスなどが行う。
なかなかユーモラスで和むと評判だが、魚竜種は怒り中の攻撃力上昇率が全体的に大きいので、
和んでいると一撃で叩き伏せられてしまう。- 旧作ではなんと怒り状態移行モーションが存在せず、
怒り状態に突入すると唐突に攻撃倍率が上昇し、キャンセル攻撃を仕掛けてくるという恐ろしい仕様だった。
何も考えずに攻め立てていたらいきなり超威力の攻撃で迎撃され瀕死、という事態もままあり、
事故死の危険が高い種として怖れられていた。
- 旧作ではなんと怒り状態移行モーションが存在せず、
- ハレツアロワナや眠魚など一部の魚系アイテムは、実は小型の魚竜という設定であり、
エラ呼吸ではなく肺呼吸を行うことが明らかになっている。
魚類というおあつらえ向きの種族があるだけに、意外に思った人もいるかもしれない。
なお、絶滅種とされるエンシェントサーペントも魚竜種である。
- MHWorldでは、新たに「咬魚」ガライーバという小型モンスターが登場したが、
その姿や行動パターンがMH3(G)に登場したナマズと酷似していたため、
発売前はどの種に分類されるのか、一部のファンの間ではちょっとした議論の種になっていた。- 発売当初、このガライーバはゲーム内で「魚竜種」に分類されると表記されていた。
しかし、2018年4月19日のアップデートにおいて、なんと魚竜種という記載は誤りだったことが判明。
実はナマズとなんら変わりない魚類だったようである。
これにより、初代MHからMHXXに至るまで続いた「魚竜種の小型モンスター」の系譜は断絶した。 - この「魚類」という表記は攻略本では事前に確認されており、そちらが正解だったようだ。
ただし、修正が行われるまでは「魚類」に分類されるモンスターが他に存在せず、
「MH3のナマズと勘違いした関係者による情報提出時のミス」との見方が強かった。
- 発売当初、このガライーバはゲーム内で「魚竜種」に分類されると表記されていた。
- MHRiseではPVの段階で水没林に進出したジュラトドスの姿が確認されており、無事に続投となった。
しかし2021年4月の段階で登場している魚竜種はジュラトドスとデルクスのみ。
小型・大型合わせて2種で新種の実装は無しと、MHWシリーズを下回る状況になってしまった。
まぁデルクスだけでバトンを繋いだ作品も幾つかあるので"2種いる"だけマシかも知れないが……。
- 有脚魚竜直系の祖先としては、ガルトトの存在が推定されている。
余談
- 魚竜種ということでどの種も水中に生息しているかと思いきや、溶岩などにも生息している。
というか、水中に棲む魚竜種は派生作品を含めてもガノトトス(亜種)とジュラトドスしかいない*2。
姿かたちが魚に似ている竜、という意味で「魚竜種」と名付けられただけとはいえ、
我々の常識からすればとんだ詐欺種族である。
翼すら無い飛竜や水の苦手な海竜や牙の目立たない牙獣や、
近年まで甲虫目の不在だった甲虫種などもあるし、今となっては些末事だが。- 砂漠に生息している種については、
少なくともデルクスはかつて大海原だったとされる大砂漠に住んでいることから、
元々海中に住んでいた種が干ばつに適応したと考えることが出来るかもしれない。 - ガレオスもかつては水中に生息していたが、
大きな環境の変化と長い期間を掛けた進化の結果、砂への適応に成功したとされる。
その名残なのか幼体は半ば水中に棲息しており、
生まれつき砂の中で生活する事は出来ず、雌はオアシスの水中に卵を産む。
卵は乾期に入る直前に孵化し、干上がりゆく泥の中で泳ぎの練習をし、徐々に砂に慣れていく。 - 余談だが、溶岩に棲む魚竜種、という存在はMH無印の頃から既に示唆されており、
ハレツアロワナなどが火山の溶岩から釣り上げられる。
魚自身の適応力もさることながら、釣り糸の耐性が気になるところである。
水にも棲んでいるため、これを含めると水棲魚竜種の数はもう少し増える。
- 砂漠に生息している種については、
- 現実世界においても「魚竜」という生物が古代に生息していた。
その名のとおり魚のような姿をした完全に水棲の爬虫類で、
四肢はヒレに変化しており、陸に上がるための脚は持っていない。
MHの魚竜の中では、デルクスが実在した魚竜に比較的近い形状をしている。
- 『灯魚竜』の別名を持つモンスター、チャナガブルの種族は海竜種である。
しかしアンコウとハリセンボンを足した様な外見、水の豊富な環境にしか生息が確認されていない生態、
と魚竜種より魚っぽい要素が多々みられ、プレイヤーを大いに困惑させた。- MHW:Iでは更に事態が複雑化し、
『凍魚竜ブラントドス』という全く同じ読み方の別名を持つ魚竜種の存在が確認された。
渡りの凍て地に棲まう魚竜ということでこれ以上ない程にベストな別名ではあるが、
別名を見てますます混乱するハンターが増えたのは間違いないだろう。
- MHRiseでは逆に『人魚竜イソネミクニ』いう海竜種が追加。
人のような魚竜ではなく人魚めいた竜なので
ネーミング自体は妥当とはいえ、モロに被せられる魚竜種からしてみればとんだ冷やかしである。
チャナガブルからの流れを踏まえると、
少なくともカプコンは海竜種に〇魚竜と名付ける事になんら抵抗がない事はうかがえる。
- MHW:Iでは更に事態が複雑化し、
- 地味ながらシリーズ皆勤賞という誉れ高い称号を持つ種族。
一方でモンスターのレパートリーはかなり少なく、その上なかなか新種に恵まれない。
MHP2Gまではガレオス、ドスガレオス、ガノトトス、ヴォルガノスしかおらず、
MH3、MHP3、MH4では小型モンスターのデルクスのみしか作品に登場することが叶わなかった。
MH3Gではガノトトスが、MH4Gではドスガレオス一味が追加されたためぼっち種族回避には成功したものの、
狩猟対象となるモンスターは実質的に一体のみかつ旧作からの復活組である。
MHXではようやくドスガレオス、ガノトトス、ヴォルガノスの大型魚竜種モンスター三体が共演したが、
今度はしれっとデルクスがリストラされ、新種が追加されることもなかった。
そんな中、MHWorldでは大型の泥魚竜ジュラトドスが登場し、
実に9年ぶりに新種の魚竜種が登場することとなった。
そしてMHWorldの大型拡張コンテンツMHW:Iでは、
新たに「渡りの凍て地」と呼ばれる寒冷地を根城とする凍魚竜ブラントドスが登場した。- 上述の通りガライーバも当初は魚竜種と説明されていたが、
これは誤記であり、魚類であると図鑑の解説文が修正されている。
- 上述の通りガライーバも当初は魚竜種と説明されていたが、
- バリエーション豊富で、メインモンスターを輩出した功績も有りながら、
世界観やシステムの一新で二度も総リストラ経験のある牙獣種や海竜種とは対照的と言えよう。
外見通り細く長い種族である。- 派生作品においても新種はほとんど存在せず、
MHFでヴォルガノス亜種、およびヴォルガノスの近縁種らしいアルガノス・ゴルガノスが登場したのみ。
いずれもヴォルガノス関係のモンスターとなっており、
ここでもレパートリーの少なさが浮き彫りになっている。
- 派生作品においても新種はほとんど存在せず、
- 既述の通りシリーズを通して出演を続けているが、華々しい待遇に恵まれない種族である。
古龍級生物は当然として、希少種や特殊個体、二つ名持ちモンスター、極限状態といった
特別なカテゴリに属するモンスターが一切存在していない。
MH3G以前の時点で存在していた種族の中では、小型モンスター専用の分類を除くと
古龍級ないし危険度6クラスのモンスターを輩出していない唯一の種族でもある。
種族のトップを張るのがガノトトス(亜種)およびヴォルガノスという関係もあって、
そもそも強豪として遇される機会自体が殆どないのが現状である。- MHW:Iでは導きの地の登場でほとんどのモンスターに狩猟価値が発生した中、
ヴォルガノス以外の魚竜種は地形の問題か登場できず、この点でも冷遇されている。
- MHW:Iでは導きの地の登場でほとんどのモンスターに狩猟価値が発生した中、
- 何故か現在登場している全ての魚竜種モンスターは名前が「ス」で終わっており、
地味に統一感を醸し出している。- アルガノス以外は頭に濁点が付き、デルクスを除けば最後の一つ前も母音がOで統一されている。
開発陣のこだわりだろうか。
- アルガノス以外は頭に濁点が付き、デルクスを除けば最後の一つ前も母音がOで統一されている。
- MHFに登場するパリアプリアは飛竜種に分類されているが、
サンショウナギとの類似点を数多く指摘されており、魚竜種にも近い方向の進化を遂げている。
獣竜種に分類されるガスラバズラも、元は水棲生物であったらしく、
怒り時には魚竜のようなヒレが見受けられる。
該当モンスター
- リンク先に一覧表あり。