にわかとは「芸事の心得の無い人物が、祭事において即興の演目を行うさま」を現す「にはか」を語源とする言葉。
後にプロの狂言師がその場の思い付き(即興)で行う狂言を「俄狂言」と呼ぶようになり、
次第に即興から「急に」「突如」「前触れなく」といった「物事が不意に起きるさま」を指す言葉となった。
現在では「間に合わせ」とか「付け焼刃」「ミーハー」「一時的」、
転じて「流行に乗っかるべく、古参のふりをしている(背伸びした)新参者」の様な意味で用いられる。
概要
- モンハンは繰り返しバランス調整がなされ新作が発売され続けるゲームである以上、
作品によって大体「強い武器・弱い武器」というものが生まれる。
そしてその作品において性能で恵まれた武器は使われる頻度が高くなり、いわゆる流行となる。
プレイヤーにも流行関係なく特定の武器種を使い続けるプレイヤーもいれば、
流行となるような強い武器を選んで毎回違う武器を使うプレイヤーもいる。
そうして毎回違う武器を使うプレイヤーでも、特定の武器の専門家ほどの熟練度とまではいかなくとも、
きちんとその武器を最低限使いこなせていれば問題はないのだが、
中にはその武器が強いという情報を聞いただけで、その武器種を使いこなす最低限の知識や習熟もできていない
…と言うプレイヤーも存在する。
- にわか仕込みということで知識や腕前が未熟なケースが多く、
伝聞で聞いた知識などを披露して赤っ恥をかいてしまう事があったり
強いと聞いて使ってみたはいいもののその武器(種)の性能を引き出しきれないということも。
- 近年のメインシリーズでは武器種の専門家傾向が強まっているが、
オンライン、及びネット環境の充実により強武器(種)とされる武具の情報は非常に手に入りやすい。
しかし、いくらネット環境が充実しようと、「詳細を調べて理解する」ことは情報を受け取る側がすることなので、
情報を受け取る側にそれ以上のやる気が無ければ「○○が強い」と言う情報だけで止まってしまう。
そのため、強いと聞いてよくわからないまま手を出してしまい、結果却って火力不足となるケースも。
それで諦めるならいいが、最悪の場合味方に迷惑をかける行動や、
与ダメージで全く貢献できない行動を行ってしまうこともある。- よく言及されるものとしては、片手剣の盾コン、
大剣の斬り上げ、太刀の斬り下がり、ランスの突進、ガンランスの砲撃などを所構わず使ったり、
ボウガンの貫通弾などを超遠距離から撃つ、弓で溜め1を連射する…などがある。 - また、武器によっては真価を発揮するために必須とされるスキルを付けておらず、
本来想定されている運用が不可能なまま使われていることすらある。- 一例を上げればMHP2G~MHXまでの覇弓レラカムトルムでの装填数UP、
MH3Gの剛断剣タルタロスでの斬れ味レベル+1、
MHXXのビヤラースヴァリアやモラクディアーカでの反動軽減+1、
真名トリスメギストスや真名ラーホルアクティでの弾追加スキル等。
- 一例を上げればMHP2G~MHXまでの覇弓レラカムトルムでの装填数UP、
- よく言及されるものとしては、片手剣の盾コン、
- また、簡単に強力な効果を発揮できる武器、装備のみを用いる傾向にあるのも、
にわか○○の特徴であると言える。
この場合真に強力な性能を発揮できていればまだいいのだが、
見当ハズレな行動をとっていたり、微妙に間違った構成になっていたりする場合が少なくない。
そのような場合、安直さが目に見えるということで好ましい目線では見られない。
「簡単に」と書いたが、実際には運用そのものは簡単ではないものも多く、
最悪の場合容易に力尽きたり、ダメージを全く与えられないという事態も起こりうる。
「何故強力と言われているのか」をしっかり調べ、十分に使いこなせるよう努力するのも一流ハンターへの道である。
- ここまで書いてきたためカンの良い人は気付いたかもしれないが、
上で挙げられている「にわか」の例は、イコール「地雷」である。
また、にわかと初心者の違いは本来立ち居振る舞いなどの差にあるはずなのだが、
「にわか」がネット上で煽り用語として乱用されてきたという背景もあり、
そこまで明確に区別されていないのが現状である。
つまりモンハンで言えば特定の武器種に強い愛着を持つ自称「○○使い」も、
腕前や知識が不足していれば「にわか○○」と言われてしまうのである。
つまり「にわか」はネット上では自虐か煽りぐらいにしか使えないという現状があり、
自分に対して自虐的ににわかというのはともかく、他人に対して「にわか○○」だというのは、
「地雷だ」「初心者だ」「下手だ」と言っているのと大差ないということになる。
使う場合はくれぐれも注意したい。
- なお、モンスターと武器種によっては、当然のことながら相性の良し悪しがあるのも事実である。
例えば素早く動き、頻繁に距離をとるモンスター相手に
ガンランスやスラッシュアックスは(作品にもよるが)機動力不足であるし、
ほとんどこちらを狙わないラオシャンロンと、回避を主軸としたブシドースタイルの相性はかなり悪い。
あるモンスターと戦って、どうも自分の今使っている武器だと倒しにくいから別の武器で挑んでみよう…
というのは戦略的に決して間違ってはいない*3。
場合によっては、それがきっかけで別の武器の面白さに目覚めていくことも十分考えられる。
そのため、当たり前だがメインシリーズにおいては一時的にせよ他の武器を使うことが間違っている訳ではない。
そして至極当然の事だが皆、始めたては素人でありその素人を否定していてはやがてコンテンツは死ぬのである。
にわかにわかと過剰に忌み嫌うのは己の首を絞めるのと同義と言える。
ただし、慣れない武器を使う側のプレイヤーも、
いきなり実戦に投入する前に個人で最低限の練習はしておいた方が良い。
まだ慣れていないのにオンラインでその武器種を振るうのは他人の足を引っ張ることになりかねない。
このゲームに限らず多少の知識不足は受け入れる寛容な心を持ったり、
逆に足を引っ張らない程度には知識をつけようという真摯な態度を持ったり、
とにかく大切なのは相手を不快にさせないための思いやりである。
- MHW:Iにおいては、防具/龍紋シリーズがにわかの代表としてとられることもある。
詳しくは、モンハン用語/ふんたーを参照のこと。
- MHFにおいては○○使いとして振舞うのが難しかったという環境から、
当初は上で挙げたにわか○○がそこまで問題視はされなかった。
というより、にわか○○でもクリアできるような戦術が多数編み出されていった結果とも言える。
そのような戦術が廃れてからは、他のシリーズと概ね同じような考え方がされるようになっていった。
余談
- にわかは上述したように「初心者」を馬鹿にした言い方なため、言い逃れようのない悪口である。
口にする前に一呼吸いれて落ち着こう。
類義語として「新参」という用法もあるが、これも自虐して言う場合を除けば大抵の場合煽り文句となる。
- 悪口として使う人が多いせいで、にわか=悪のようなイメージをもたれがちな昨今ではあるが、
にわかが多いということはイコールそのジャンルが活気付いているということの証明でもある。
○○使いであればにわか○○は憎悪や侮蔑の対象としか見られないかもしれないが、
逆に言えば同好の士を増やすチャンスであると考えることもできる。
○○使いの中にも、元は上のようなにわかと呼ばれる人だったというケースは決して少なくはないだろう。
繰り返しになるが誰だって最初は素人なのである。- 2019年に日本で開催されたラグビーワールドカップでは
にわかファンであってもラグビーに興味を持ってもらえるのは有難く、
定着するファンの入り口でもあるとして、にわかを肯定するメッセージが積極的に発信された。 - 格闘ゲームや対戦型トレーディングカードゲームなどの「対戦相手」がいないと成立しないジャンルのゲームでは、
とにかく新規プレイヤーである初心者を取り込んで定着させる事の大切さが叫ばれる事も多い。
中でも「ベテランが初心者にカードを譲り渡して教える」と言う事で取り込みをしやすいトレカ界隈では、
上級者が積極的に「使いやすくて強い」カードをまとめて教えて渡して誘導する事もよく行われる。
- 2019年に日本で開催されたラグビーワールドカップでは
- 「にわか」は漢字で書くと「俄か」もしくは「俄」。
まず誰も読めないので体裁は悪くとも平仮名で書くことをお勧めする。
関連項目
ゲーム用語/地雷
モンハン用語/○○使い
モンハン用語/地雷装備 - にわかモラクディアーカ使いを象徴した呼び方である「モラクニワーカ」の解説あり。