モンスターハンターのオンラインモードにおいて同期の基準となるプレイヤーのこと、
若しくはそのシステムを指す。単にホストと呼ばれる場合が多い。
目次
概要
- モンスターハンターシリーズはオンラインゲームを土台として作られており、
敵となるボスモンスターがプレイヤーに対応して自由に動くゲームである。
このボスモンスターがリアルタイムでプレイヤーに応答し自由に動く、というゲームは
実のところ初期のオンラインゲームでは非常に珍しいゲームと言える。
なぜなら、光回線といった環境が充実していなかったPS2の時代は
「ADSL」環境全盛であり現在の光と比較してもプレイヤー同士のラグも非常に大きかった。
モンスターハンターにおいて多くの情報のやり取りは発生しないが、
インターネットが発達していないときは回線が弱く、混み合うことで
レスポンスが遅れてしまうようなことは過去において日常茶飯事であった。
さらに「TCP遅延」や「ACK」などシステム的な遅延もあり、良好と呼べるものではなかった。
そのため、プレイヤー同士のラグを体感的に抑えるものとして、
このエリアホストを用いて基準にするモンスターを常に同期させないという仕様になっている。
- エリアホストとは「モンスターの位置情報の基準となるプレイヤー」のことである。
MHシリーズはサーバー上でモンスターの位置を判定しておらず、
クライアント側でモンスターの位置の判定をしている。
上述したように基準にするモンスターを常に同期させないので、
エリアホストを持つプレイヤーのクライアント(画面)を基準にして、
残りのプレイヤーのクライアント(画面)にそれを伝達して反映させる仕組みになっている。
なおこれは通信プロトコルの関係上、インターネットを介した協力プレイでのみ存在する概念で、
ソロ、及び携帯機を直接持ち寄ってプレイする場合はこの概念はない。
- あくまで基準となっているのはモンスターの「位置情報」なので、
モンスターの攻撃については個々のクライアントで処理される。
モンスターの行動時に同期が行われるため、例えばエリアホストでブレスを吐かれているのに、
それ以外のプレイヤーでは突進をしてくるということは基本的には無い(後述するが例外有)。
また、モンスターの攻撃を実際に被弾したが、エリアホストの画面上では当たっていなかったのでセーフ、
ということも起こりえない。
その場合、エリアホストや他のプレイヤーから見ると、
画面上で被弾していないのにハンターが吹き飛ばされるというシュールな光景を目撃することができる。
もちろんその逆(どうみても直撃しているのにピンピンしている)もありうる。
従ってモンスターの攻撃を避ける事において、エリアホストかそうでないかを意識する必要は基本的にはない。
- 問題はモンスターへの攻撃を行った場合である。
モンスターハンターシリーズでは、大型モンスターへの攻撃に関しては、
「他のプレイヤーのクライアントは無視してホストの画面において攻撃判定を決定する」
という仕様になっている。
つまりホストの画面上で当たっていない攻撃は、ダメージとして扱われないのである。
これは状態異常なども同じである。
- 例えば仮に他のプレイヤーと0.5秒のラグがあると仮定しよう。
そこで突進してくるモンスターの頭に一撃を浴びせようと4人が同時に攻撃した場合、
エリアホストであれば純粋にモンスターの頭に攻撃を当てればいいだけなのだが、
非ホストの場合、0.5秒遅れで位置情報が伝達されるため、
理論上は0.5秒後にモンスターの頭が来るであろう位置を目がけて攻撃しないと、
非ホストの画面上は頭に当たっていても、ホストの画面上では頭以外の位置に当たってしまい、
頭へのダメージとみなされなくなってしまう。
- ネット上などでは「○○(武器種)がエリアホストを取った方がよい」と言う情報が流れているが、
これはエリアホストのプレイヤーだけは、
モンスターのある部位に攻撃を当てればその部位に必ず当たったことになるためである。
非ホストの場合、100%当たるという保証はない。
例えば気絶を狙う場合の打撃武器、睡眠時*1に弱点に一撃を浴びせる大剣、
ピンポイントで攻撃を浴びせる連射弓などがホストを取るべき武器種として挙げられることが多い。
- また、エリアホストと非ホストでは視覚上の情報伝達に差が生じるケースがある。
例えば怯ませて部位破壊を行うと、通常であればエリアホストと非ホストで表示上の差異は存在せず、
同じタイミングで部位破壊エフェクトが出る。
だがダウン、スタン、麻痺、シビレ罠など、モンスターがその場で静止していたり、
怯み無効の状態になっている場合、モンスターの位置及び外見の同期が行われるのは、
状態異常から復帰するか別の状態(後者の場合、軸合わせや怯み無効状態の解除など)になった瞬間である。
その為例えば麻痺中に部位破壊を行った場合、部位破壊そのものはホストと非ホストでも同時に成立するが、
モンスターの外見が部位破壊された状態になるのは、
非ホストでは麻痺の解除や別の状態異常にした瞬間となる(ホストでは拘束中でもちゃんと外見が変わる)。- 尻尾切断については状況問わずホストと非ホストで同時に成立するが、
これは「尻尾を切られてモンスターが吹っ飛ぶ」動作の瞬間に再同期が行われるためである。
- これらはあくまで表示上のものであり、実際の部位破壊は(ホストで達成していれば)成立している。
MHFではパートナーやパートニャーを同行させると部位破壊時にチャットで教えてくれるが、
非ホストでもホストの画面上で部位破壊が成立した瞬間に該当のチャットが発信される。
- MHFの大討伐クエストやかつて配信されていたパローネ大航祭では、
部位破壊を行うと特定のポイントを得ることができるようになっているのだが、
このポイント表示も、拘束及びモンスターの怯み無効状態ではホストと非ホストでズレが生じる
(先述したとおり、破壊そのものはどちらも同じタイミングで成立する)。
大討伐では部位破壊が完了したか否かがかなり重要な情報として扱われる割に、
モンスターの怯み無効状態が発生するケースが極めて多いため、
ホストの画面で部位破壊を確認したらサインで他プレイヤーに伝達することが多い。
ラヴィエンテ猛狂期の支援クエストでもアイコン点灯でズレが生じるため、
非ホストから大砲を発射してもホスト側では無効となってしまうことがある。
そのため失敗時のリスクが大きい鎮静支援を行う際はホストが大砲を発射することが暗黙の了解になっている。
拘束中にペイントを投げても非ホストでは拘束が解けるまではマーカーが表示(または更新)されない。
そのマーカーに「捕獲可能」か否かを表示させる捕獲の見極めについても同様で、
マーカーが更新されることで捕獲可能表示の反映も行われるようになっているため、
拘束中に捕獲可能ラインに達した場合、
マーカーが反映されるまでの時間はホスト、非ホストではまったく異なる。
これは乗りによって拘束が頻繁に発生するMH4では特に重要であり、
ホスト以外が見極めをつけていた場合は見極めが発動して5秒でターゲットが死んだなど茶飯事である。- これについても、HP情報そのものはホスト・非ホストで大きな差異なく更新されているため、
拘束中に捕獲可能ラインに達した場合、ホスト以外が麻酔玉を投げてもちゃんと捕獲されるほか、
MHFにおけるレジェンドラスタの捕獲可能メッセージは、
拘束中であってもホスト・非ホストで発信タイミングにズレは生じない。
- 尻尾切断については状況問わずホストと非ホストで同時に成立するが、
- ちなみにエリアホストは各プレイヤーのモンスター位置の基準になるため、
エリアホスト側で通信遅延や瞬断が多発すると、全プレイヤーのモンスターの位置がずれやすくなる。
ゲーム用語/ラグやゲーム用語/通信トラブルなども参照してほしいが、
それによってモンスターが摩訶不思議な挙動を起こすケースもありうる。
- 上述したように、エリアホストは携帯機を直接持ち寄ってプレイする場合は設定されない。
従ってインターネットによる通信プレイを行う場合に意識する必要がある要素であると言える。
とは言え上述したようにモンスターからの攻撃回避はホストかそうでないかは対して影響はなく、
細かい攻撃を積み重ねてモンスターにじわじわダメージを与えていくモンハンのゲームデザイン上、
ホストとの通信ラグで1発2発攻撃を外した程度では大勢に影響が出ることもない。
拘束時の影響についても、拘束が頻繁或いは最初から最後まで発生しない限り、
致命的な影響が出ることはまず無い。
従ってエリアホストの概念は、常時オンラインプレイが前提という土台の元で、
気絶などを絡めて最初から最後までモンスターを拘束し続ける、
或いはモンスターを連続で怯ませ続けてクエストを達成する(いわゆる怯みハメ)のが当たり前だった、
黎明期のMHFで特に強く意識された*2ものであり、以後他のシリーズにも継承されている。
なおそのMHFにおいては、現在ではエリアホストの重要性が問われることはほぼ無くなっている。
エリアホスト決定までの流れ
- MHXとそれ以外のシリーズではエリアホストの決定方法が大きく異なっている。
まずはMHX以外のシリーズにおけるエリアホストの決定方法について記す。
なおMHFの具体例を多く記しているが、
それは上述したようにかつてMHFではエリアホストの知識が最も重要なものだったためである。
- ベースキャンプからクエストがスタートし、モンスターの居るエリアに侵入する一般的なクエストの場合、
ホストの決定順は、大型モンスターのエリアに入るまではクエスト受注者、
エリアに入ってからは、大型モンスターのいるエリアに一番最初に入ったプレイヤーとなる。- 大型モンスターのエリアに入るまでは、エリアホストか否かは大して重要なものではない。
ただしプレイヤーのエリア移動についてはエリアホストを持つプレイヤーが優先的に処理されるため、
特定のプレイヤーにエリアホストを譲りつつ大型のエリアに侵入する場合、
ホストの画面上で一瞬遅く入場する程度ではエリアホスト譲渡が行われないことがある。
- 大型モンスターのエリアに入るまでは、エリアホストか否かは大して重要なものではない。
- モンスターが2頭居る場合、一部の例外を除いてエリアホストは別々に設定される。
MHFの場合、ターゲットカメラの対象選択で赤色表示されているモンスターのホストが、
一番最初に侵入したプレイヤーであり、青色表示されているモンスターは2番目に侵入したプレイヤーが受け持つ。
ただし必ず別々のホストが設定されるわけではなく、
各種条件によっては同一のプレイヤーが2頭のホストを受け持つケースがある。
- ホストはエリアホストが存在しないときに、非ホストのプレイヤーがモンスターと同じエリアにいる場合
クエストを受注した順番で更新される。
また、クエスト開始直後のエリアに大型モンスターがいる場合や、
モンスター側が後からエリアに入った場合、ホストプレイヤーがエリア移動などでホストを失った場合も、
この法則に則って決定される。- 例えば一番目に受注したプレイヤーが二番目に受注したプレイヤーにホストを渡しながらも、
途中で力尽きてベースキャンプに移動してしまった場合、
エリアホストは一番目に受注したプレイヤーになり、もし一番目に受注したプレイヤーも同時に力尽きていれば、
三番目に受注したプレイヤーに変更される。
- 例えば一番目に受注したプレイヤーが二番目に受注したプレイヤーにホストを渡しながらも、
- クエスト開始時は全大型モンスターに対してクエスト受注者がホストを所有している。
普段はあまり意識する事はないが、MHFの一部モンスターの狩猟の際には影響が発生する。
アクラ・ヴァシムは、最初に地面から出てくる時に攻撃を加えると確定で結晶ビームを放つ習性があるが、
クエスト受注者以外が最初にエリアに進入するとこれを行わない場合がある。
また、ミドガロンも、エリア進入時にこちらを向いて吠えてから戦闘開始となるが、
受注者以外が進入すると明後日の方向を向いたまま吠えたり、すぐ行動開始したりして、挙動が安定しなくなる。
どちらも効率狩りを行うために重大な支障となる挙動であったことから、
これらのクエストを受注するプレイヤーの武器種(上記の場合はどちらも打撃武器)にも、
かつては強い視線が注がれていた。
- ちなみにMHFにおいてコンシューマーゲーム機でのプレイはPCでのプレイに比べ、
クエスト開始時のロード時間が若干長いのだが、これ自体はホストの決定に影響を及ぼさない。
両者が混在するサーバー1においても、コンシューマー機でプレイしている際にクエストを受注していれば、
ロード時間が若干長かろうが受注者が最初のホストとなる。
クエスト開始直後のエリアに大型モンスターがいてコンシューマー機が受注者だった場合、
PC側の画面上では一定時間モンスターが動かなくなる。
これはPC側ハンターが同エリア、CS機側ハンターが別エリアで始まった場合も同様で、
エリアホストは開始直後は受注者が持っている事を証明している。*3
ちなみにこの場合は、ホストのロードが完了した時点で通常のルール通りホストの決定を行う。- ただし闘技場など隣接するモンスターエリアに侵入する形でスタートする場合は、
最初にモンスターのいるエリアに入ったハンターがホストになるとは限らない。*4
CS機とPC版のロード時間の差はクエスト開始時のみ大きく、エリア移動時の差はほぼないため、
複数のMAPを跨ぐ場合は上記のような事象はまず起こらない。
PC側の画面上では一定時間モンスターが動かなくなる事は上述したとおりだが、
モンスターによっては「静止」ではなく「特定の行動をひたすら繰り返す」事がある。
ディオレックスやガルバダオラ*5が有名。
この両者はその「特定の行動」の後に最大級の大技に派生させてくるため、
PCプレイヤーはその対処タイミングが図りづらくなるケースがある。 - ただし闘技場など隣接するモンスターエリアに侵入する形でスタートする場合は、
- 特殊なケースとしては、クエスト開始直後(ムービーなど)で特定の攻撃を行うモンスターが挙げられる。
その攻撃中はモンスターの同期は完全に無視され、どのプレイヤーにも同じタイミングで攻撃が仕掛けられ、
攻撃が終わった後に改めてホストが設定される。
現在のところ、ディスフィロアのみ確認されている。- 上述したように、エリアホストはモンスターの位置情報を同期するための基準に過ぎず、
ディスフィロアの開幕攻撃はハンターの攻撃が届かない空中を旋回し、
決まったポイントに氷塊を落としてそこに目がけてダイビングするというものなので、
開幕の攻撃に限っては、位置情報の基準を決める=エリアホストを設定する必要がないためと思われる。
- 上述したように、エリアホストはモンスターの位置情報を同期するための基準に過ぎず、
- MHXではエリアIN順に関係なくエリアによらずモンスターによってホストが変わる。
単体狩猟クエスト、または2頭同時狩猟クエスト*6時のターゲットカメラの左側に出るモンスターは
クエスト受注者がホストとなり、乱入モンスターやターゲットカメラ右側のモンスターは、
2番目にクエストを受注したハンターがホストとなる。
クエスト受注者がクエストそのものから離脱しない限りその状態が維持され続ける。
そのため、通常のプレイングにおけるホストの譲渡は不可能となっている。
この仕様のため、従来の「エリアホスト」という考え方はMHXには当てはまらなくなっている。- オンラインで回線切れが起こってしまった場合、一方のモンスターは固まっているが、
もう一方のモンスターは問題なく動いているという現象が起こるが、これが原因である。
- オンラインで回線切れが起こってしまった場合、一方のモンスターは固まっているが、
- MHW及びMHW:Iでも一応ホストゲストの関係はある。
クエストだろうが探索だろうが、募集をかけた側(クエストなら貼り主、探索なら呼び出し可能な側)が基準となる。
エリアという概念が存在しないため、エリアインでホストが変化することなどもない。- ラスボスクラスのモンスターは専用ステージがあって翼竜で戦闘場所に行くことが多いが、
これは別エリアに飛んでいる訳ではなく、同じフィールドの別地点に移動しているだけである。
事実、ムフェト・ジーヴァが下層へ移動するときに双剣で空中鬼人乱舞で動きを同期させると、
くっついて下層へ移動することもできるし、
淵源の孤島では仲間がネルギガンテやアン・イシュワルダと戦う姿を崖上から観察することもできる。
無線LANでも高速な周波帯に対応していることなど、遅延が発生する状況があまり起こりがたいので、
意識されない、あるいは新規勢ならエリアホスト?なにそれ?となるハンターも多いのだとか。
しかしながら回線が安定していないプレイヤーとマルチプレイした際は、これまでのようにモンスターの挙動が不安定になる。
ただダメージ自体は位置ズレしていても加算されているようなので、狩猟が不可能になる訳では無い。 - ラスボスクラスのモンスターは専用ステージがあって翼竜で戦闘場所に行くことが多いが、
- MHW:Iではクラッチ関連にホストゲストの関係が大きく関係するようになった。
同じ場所にクラッチしてしまうことは日常茶飯事で通常なら先にクローが刺さったハンターが優先されるのだが、
自分より後にクラッチしたハンターに横取りされたことがあるハンターは多いのではないだろうか。
実はホストとゲストが場所被りを起こした場合は基本的にホストが優先される。
この判定時間がけっこう幅広いため、先に張り付いてクロー攻撃をしたあたりで横取りされることもある。
余談
- かつてMHFではエリアホストに関する知識や立ち回りは暗黙の了解、
人によってはマナーとすら言われるほどの最重要要素とされていたのだが、
エリアホストの有無で重篤な影響が起こらない打撃武器である穿龍棍が実装、大普及し、
それを契機として効率狩りを最優先する風潮が打破されたことにより、
ホストを意識することが暗黙の了解であるという意識や、エリアホストを利用する戦術が廃れ、
現在では重要性を問う声も聞かれなくなっている。
細かい部分に影響を及ぼす要素であることには変わりは無いが、知っていると便利、レベルの認識となっている。
- 上述したようにエリアホストと非ホストでモンスターからの攻撃技が変わるというケースはない。
ただし通信ラグによって、エリアホスト側では尻尾回転を怯みでとめたのに、
非ホストでは一瞬だけ尻尾回転の判定が発生して吹っ飛ばされる、ということはありうる。- また、アクラ・ヴァシムとアクラ・ジェビアは尻尾切断ができる条件を満たすと長時間転倒するが、
この転倒時にはホスト画面でのみ身体をバネのようにしならせて暴れまわるという特徴がある。
- また、アクラ・ヴァシムとアクラ・ジェビアは尻尾切断ができる条件を満たすと長時間転倒するが、