世界観/竜

Last-modified: 2022-09-12 (月) 19:28:09

蛇やトカゲに似た姿をした巨大な生物。

現実世界における竜

  • 現実世界において、世界中の神話や伝承で巨大な蛇やトカゲに似た姿の生物が伝えられている。
    日本語ではひとまとめにして竜(龍)、あるいはドラゴンと呼ばれるが、
    実際は地域によって様々な姿や性質の伝承が伝わっている。
    • 例えば『浦島太郎』の乙姫が鎮座する居城の名が「竜宮城」とある様に
      「乙姫の正体は海竜が人間に化けた姿である」と言った類の擬人化された竜伝説も多くある。
      (人間の姿をしている亜人の竜族である、など複数の派生解釈もあるが仔細は省略する。)
  • 現代においても、主に古生物の分類としてラテン語の「saur-」に「竜」の字が当てられる。
    ちなみに本来は「トカゲ」の意味である。要はティラノサウルス(暴君竜)などのサウルスだと思っておけばよい。
  • 近年のファンタジー作品においては、主に東洋の竜と西洋の竜として二分化されることが多い。
    人によっては東洋の、特に中国の龍のことを「龍」と呼び、
    西洋の龍のことを英語で「ドラゴン」と呼ぶこともある。
    つまり、西洋由来の龍を外来語として区別しているというわけである。
    • 「竜」と「龍」は、同じ漢字の異体字であるというだけなので本来は意味に違いはない。
      ただしモンスターハンターシリーズもそうであるように、創作物によっては使い分けられる場合もある。
  • 中国の伝承では、蛇のように身体が長く、一対の角や手足を持っている。
    また、翼は無いが飛行や水泳を自在にこなす能力があるとされ、人間以上の知能も備える。
    水や天候をも操作することが出来る場合もあり、それらの化身ともされ信仰の対象になることもある。
    MH世界でいうなれば、嵐龍アマツマガツチのイメージが近いか。
    尚、嵐を呼ばない時期は地中に潜っているらしい。
  • 一方、西洋の竜は東洋のそれと比べると頭が小さめで、翼があるものも多い。
    東洋の龍の神々しさ・美しさとは逆に、力強く猛々しい印象を受ける。
    また、口から火炎を吐き、爪には毒を有することもあるとされ、性格も凶暴無比なものが多い。
    主に悪の存在とされているため、伝説などでは最終的には主人公の勇者等に討伐されるケースが多い。
    此方は、MH世界でいう黒龍ミラボレアスのイメージそのものである。
  • もっとも上記はあくまで傾向に過ぎず、例外も多い。
    有名なものでは、日本のヤマタノオロチは神に打ち倒される存在であり、
    また、ヤマタノオロチそのものも水の神と考えられている。
    ウェールズの赤い竜は国旗にも描かれる守護神であり、
    他国においても力の象徴として紋章に描かれた例は数多い。
    聖獣とされる中国の龍でさえ「逆鱗」のような恐ろしい伝承が知られていたり、
    近世文学においては孫悟空のような英雄に負かされる存在でもある。
    いずれにせよ強大な力の象徴であることには違いない。
    • 神話に登場する竜は、自然信仰の象徴であるとする説がある。
      トカゲや蛇のような爬虫類は、地を這うことから大地の守護者ととらえられ、
      脱皮を繰り返すことから常に生まれ変わる=力強い生命の象徴とされた。
      さらに、天を舞う能力や翼を持つことで、天候の象徴といった意味合いも持つようになる。
      細長い身体は川を表し、火を吹く能力は噴火を表し、雷や嵐を起こす能力は天を表す。
      巨大な身体は自然そのものの雄大さと生命力を表すことになる。
      圧倒的な力は天災を表し、人々は畏怖することとなった。
      東洋において信仰の対象となることが多いのは、古来よりそうした自然の脅威から
      恵みを受けてきた事を理解し、感謝を示してきたという、文化的な側面があるという。
      一方で西洋や中東では悪の存在とされて討伐の対象となるのは、
      竜(=土着の自然信仰)を英雄(=神)の力によってうち滅ぼすという宗教上の側面もあるとされる。
  • 余談ではあるが、この「竜」という存在については、古来から交流のあったユーラシア大陸はもとより、
    地理も歴史も全く違う南北アメリカ大陸においても類似した信仰が存在する。
    蛇などの爬虫類をモチーフとして同様の扱いで神格化されており、
    それが古来文化の共通項として認知されている。
    なぜ「竜」は古来より万国共通なのか?そのミステリーも、竜の魅力の一つなのかもしれない。

モンハン世界における竜

モンスターハンターの世界における代表的なモンスターであり、数多くの種族が存在する。
上記のような伝説や神話に登場する存在ではなく、恐竜や翼竜のようなれっきとした生物の一種と言える。
しかし、後述の「龍」は竜とは厳格に区別される。

生態

  • 現実世界の動物と同様、食性は大きく肉食性のものと草食性のものに分けられる。
    ゲーム内に登場する種を大まかな食性で分けると、圧倒的に肉食の種が多いが、
    個体数では草食種の方が遥かに勝っており、比率は現実世界のそれとほぼ同じであると推測される。
    もちろん、各地域の食物連鎖の中では大型の肉食竜が頂点に君臨している。
    中には昆虫を食べる種、腐肉食種、さらに現実では微生物にしか存在しない鉱物を主食とする竜もいる。
    いずれの竜も環境に適した餌を食べて生きているという点では同様である。
    なお、危険性の少ない草食竜は草食獣と共に草食種に纏められているが、
    ディアブロスやドボルベルクなど草食でも大型で危険性が高いモンスターも存在し、
    それらは草食種という区分には分類されていない。
  • 小型の種は群れで行動し、食料を求めて移動する。姿は恐竜に似ている種が多い。
    特に鳥竜種の小型肉食竜は、骨格から生態までドロマエオサウルス科の恐竜にそっくりである。
  • 大型の種は単独で行動し、特定のエリアを縄張りとしている種が多い。
    大多数は肉食で気性が荒く、縄張りに入った者は排除しようとする傾向が強い。
    その性質故に一般人に被害が及ぶ事もあり、よくハンターがメインで討伐する対象となる。
    しかし、後述するとは違い大きな街を襲撃するようなことはあまりなく、
    大規模な迎撃戦が行われることは基本的に無い。
    それでも強大な力を持った超大型の竜を、ギルドやハンターが激戦の末に退けたという事例はある。

分類

  • 現在のところ、ハンターズギルドにおける狩猟対象の分類では、
    飛竜種、鳥竜種、魚竜種、獣竜種、海竜種、牙竜種、蛇竜種、翼竜種の8種類に分けられる。
    さらに、哺乳類を含む小型の草食動物はこれらとは別に草食種としてまとめて扱われる。
    各々を外見の特徴からかなり大雑把に分けると、
    • 二脚、クチバシ:鳥竜種
    • 二脚、翼あり:飛竜種
    • 二脚、翼あり、主に流体内に生息:魚竜種
    • 二脚、翼なし:獣竜種
    • 四脚、主に陸上に生息:牙竜種
    • 四脚、主に流体内に適応、首長:海竜種
    • 蛇のような姿:蛇竜種
    • 小型、翼あり:翼竜種
    • 危険度小、草食性:草食種
    といった感じになる。
    もっとも、特に翼のあるなしでは例外も多いため、最終的には骨格の仕組みで判断しているようだ。
  • ティガレックスなどの「四脚で走行する飛竜種」は、
    前脚の翼が発達段階にあるモンスターであり、飛竜種の祖先に当たる骨格とも言える。
    現在のところ、上記に当てはまるモンスターは、ティガレックス、ナルガクルガ、ベリオロス、
    ギギネブラ、パリアプリア、デュラガウア、ヒュジキキ、ミ・ル、ディオレックスが確認されている。
    また、アカムトルムやウカムルバス、オディバトラスは、翼を思わせる部分が存在していないが、
    骨格的にはほぼ同一であると判断されている(当初は古龍種にするという議論もあった)。
    これは火山の奥地や溶岩峡谷、雪山深奥や極圏など、外界とは隔絶した環境下で生息していることが
    翼を進化させるに至っていない原因ではないかと言われている。
    オディバトラスも太古の昔にセクメーア砂漠を現在のような環境にまで破壊し尽くしたのち、
    長き眠りについたとする説もあり、生物としての形態の変化がそこで停止したと考えることもできる。
    • なお、これら同じ飛竜種のなかでもパリアプリアに関してのみ、
      サンショウナギという水棲生物から独自に発達した収斂進化である可能性も示唆されている。
  • 牙竜種はかつて分類されるモンスターがジンオウガとその派生種のみであったため、
    種固有の特徴というものは「獣のような姿」と纏められていた。
    しかし新大陸にて発見された新たな牙竜種は、従来の枠組みから大きく外れる特徴を多数有しており、
    「飛竜、海竜以外の四足竜」というかなり大雑把な部分でしか共通項を認められなくなった。

  • 」の字はモンスターハンターの世界においては「竜」とは厳密に使い分けている。
    「龍」の字を使うのは古龍種のみであり、それ以外は全て「竜」を用いる。
    ただし龍属性攻撃を使うのは「龍」に限らない(恐暴竜など)。
  • 古龍種はかなり特殊な存在であり、現実世界の竜のように、伝説や神話に登場するような存在であることが多い。
    生態がよくわからない強力なモンスターは総じて古龍種として扱われることとなるようだが、
    血液など分類の基準が全くないわけでもないようである。
    • ただし、例外としてシェンガオレンのみ謎の龍と呼称されることがある。
      甲殻種に分類されているが、世界観上では巨大龍(ラオシャンロン)と誤認されることもあるようだ。

その他

  • ラヴィエンテも「大巌」であるが、これは記録が全くと言っていいほど残っておらず、
    また、その骨格から分類が困難であり、更にその危険性から生態の調査もままならないため、
    とりあえずこの名で呼ばれている、というのが実状である。
    そのため「竜」ではあるものの上記の7分類のいずれにも属さない「種族不明のモンスターとなっている。
  • ゴア・マガラも「黒蝕」という別名であるが、
    背中に翼脚という“第三の脚”とも呼べるような器官を持つなど、
    その骨格は既存のどの竜にも当てはまらない特異なものであったため、
    ユーザーの間では発売前からその正体について様々な議論がなされた。
    具体的な正体についてはゲーム内で確かめていただきたい。
  • UNKNOWNは素材名が「飛竜の○○」という表記、ゲームシステム上飛竜種として扱われていること、
    また見た目がリオレイアに酷似していることから、飛竜種であるという見解が強かったが、
    種族に関して長い間公式からの発表がなかった(ラヴィエンテと同様「分類不明」、「??種」と表記)。
    現在では公式で「飛竜種」との表記がなされ、正式に飛竜種であると確定している。
  • グラン・ミラオスは古龍種であり、「煉黒龍」という別名だが、
    このモンスターの素材から作られる狩猟笛の説明分に「煉黒」と表記されており、
    世界観的に重大な誤植をやらかしてしまっている。
  • モンハン世界では、モンスターを便宜的に総称する際に「竜」と呼ぶ事例もある。
    この場合は牙獣種や甲虫種など、竜ではないモンスターも含まれる。
    狂竜ウイルス」や「百竜夜行」などの名称に使われているものが好例だろう。