武器/凶扇【黒風白雨】

Last-modified: 2023-10-29 (日) 16:31:25

天空を舞う神の双衣の具現。
荒れ狂う嵐に飲まれた者は
千の破片へ砕け散る。

MHP3で初登場したラスボス武器の双剣。嵐龍アマツマガツチの素材を用いて製作する。

目次

概要

  • 名前に『扇』とあることから殆どの方は予想が付いているかも知れないが、
    やはりこの武器の形状は剣ではなく扇子である。
    外見は嵐龍の角や鋭爪にて骨組みを作り、扇面に飛膜を貼り付けたもの。
    納刀時には扇がピッタリと閉じているが、抜刀すると扇が開くギミックが搭載されている。
    • 他の扇型双剣は納刀時にも開いたままのものが主流なため、地味に珍しいギミックとなっている。

MHP3

  • 本作にて初登場。主な特徴は以下の通りである。
    • 攻撃力240(ブースト込みで255)に会心率-20%(ブースト込みの期待値は242.25)
    • 斬れ味は微量の青と長めの緑、匠で青が延長
    • 水属性値6(武器係数を採用している作品の表記にすると60)
    • スロットなし
    基本的な性能は他のアマツ武器と同じであり、高めの攻撃力にやや大きめのマイナス会心率が付属している。
    斬れ味はデフォルトでの青が20と短い為、手数武器である双剣としては業物よりも匠を採用したいところ。
    一応他のアマツ武器と同じく微量の水属性が付属しているのだが、
    これが本当に微量の極みとでも言うべき数値であり、
    双剣が持つ属性値の減算補正もあって、事実上無いも同然の状況と化している。
  • 仮に凶扇を無属性武器であると見たとしても、やはり他の双剣の層が厚く、
    それらの立場を奪えるほどの活躍は見込めそうにない。
    無属性だけでも、匠で最高の物理期待値が得られる撲双剣ボッカボッカや、
    ヒットストップの掛からない緑ゲージ運用を得意とする覇爪アムルカムトルム
    デフォルトで実用的な白ゲを持った旋風連刃【裏黒翼】など、
    強豪の枚挙にいとまがないのである。
    そして斬れ味が白の状態でこれを超える物理期待値を出せる属性武器も少なくない為、
    MHP3に於ける当武器の肩身は狭いと言わざるを得ない。
  • 因みにこの武器が持つ属性値6と言う数値は、MHP3全武器種の中でも単独でワースト1位である。
    元となる数値が低過ぎるお陰で、属性武器の中では唯一、
    スキル水属性攻撃強化+1を発動させても数字が変化しない
    似たような設計思想を持つウカムル武器でも、近接ならば最低で氷属性値10が付いている*1ことを鑑みると、
    設定ミスなのかも知れない……と思われていたがXでも属性値は据え置きだった。

MHX

  • アマツマガツチと共に復活。
    さらに上位止まりながら新たな最終強化銘を得ており、「天嵐ノ扇【天つ風】」へ強化できる。
  • とはいえ性能の方は相変わらず。
    • 非常に高い攻撃力240
    • 会心率-20%
    • 水属性6
    • 素で長い緑と少しの青、匠+2で白が僅かに現れる
    MHXの双剣は属性減算補正がかからないのでMHP3よりはマシといえばマシではある。
    またスキルの仕様変更により、水属性攻撃強化+2を発動すればちゃんと威力は上がるが…やはり頼りなさすぎる。
    今作でも水属性武器としてカウントする双剣使いはほとんどいないだろう。
    • ちなみに匠+2で白ゲージが出るという大幅強化を受けた。
      が、たった10と短い上にスキル自由度がきつめの今作ではかなり装備が制限される。
      というか燼滅刃一式以外ではまともに運用することはできないだろう。
      こまめに研ぎながら白ゲージを維持すれば、最強クラスの物理ダメージをぶつける事はできる。
      なお、流石に覇鋭爪クーネアムカムには僅かに威力で劣るが、弾かれにくいメリットは一応ある。
      誤差レベルの水属性値よりは頼りになる差別点のはず。

MHXX

  • 初のG級アマツマガツチの実装と共に、「太虚ノ扇【昊天】」という新たな名前を得た。
    具体的に性能を見てみると…
    • 水属性双剣でナンバーワンの攻撃力360
    • 変わらない会心率-20%
    • 水属性9
    • 素で白20、匠+2で白ゲージが延長
    G級でも一桁の属性値はもはやギャグの領域。
    物理特化に絞って考えても、素でこちらと同じ斬れ味なのに匠で紫ゲージが出現し、
    なおかつ物理期待値の差は2低いだけのハイガノスマチェーテに完全に喰われている。
    おまけにあちらはG4でアグナコトルを制すればHR解放前に究極強化可能なので、本当に立つ瀬がない。
  • レア素材(天空の龍神玉)を1つしか使わないので、作成難度はとても高い訳ではない。

MHR:S

  • Ver.15にてアマツマガツチの復活に伴い、この武器も無事実装。
    過去作通りの性能なら、大属性時代たる今作の環境についていけるはずもないが果たして……
    • 頼りになる攻撃力350
    • やはり低いまま会心率-20%
    • 大出世を遂げた水属性38
    • 斬れ味はまさかの素紫を獲得。長さはデフォルトで20
    • スロットは0-0-0で拡張性なし
    • 文句なしの百竜装飾品スロットLv3
    • 武器固有の効果として鉄蟲糸技強化を持つ
    と、このように、かつての黒風白雨を知る者なら誰もが目を疑うような超強化を受ける。
    特に大きいのはXX比で4倍にもなった属性値、属性補正によってその価値を増した紫ゲージの獲得、
    そして鉄蟲糸技強化。
    双剣は強力な鉄蟲糸技である螺旋斬をかなりの頻度で撃つ武器種なので、
    属性値の差をひっくり返してこの武器は覇権に……なれなかった。
  • まず重大な問題として、属性ダメージは鉄蟲糸技強化の対象外である*2
    螺旋斬の威力はその大部分が属性に依存している。
    そしていくら強化されたとはいえ、38という数値は低くはないが決して高くない。
    黒風白雨が撃っても思うほど火力は伸びないのだ。
    そういうわけで、螺旋斬運用では属性のエキスパートであるD=シュレンダにほぼ勝てないことになる。
    こちらが紫で向こうが白であったとしても負けてしまうほどなので、差は決して小さくない。
    • 仮に属性も強化されたとして素紫であることも含め、更に傀異錬成を属性全振りにした前提に
      白ゲージ換算で1.1×(1.25/1.15)×(38+53)=108.8となり
      やはり同条件におけるD=シュレンダの属性値115に対しビハインドを負う。
      会心率の都合上、会心撃【属性】で更に引き離される。
      勿論、あちらには匠によって紫ゲージ勝負に持ち込む手段もある。
      属性寄りの螺旋斬で属性強化があった場合でさえこれなのに
      属性強化すら無いと来たら、この技に向いた武器では無いことは確か。
  • かといって鉄蟲糸技強化を捨てても同じこと。
    なので、必然的にこの武器は残されたもう一つの必殺技、鉄蟲斬糸メインで運用されることになる。
    こんなに属性値が強化されても結局物理運用に帰結する
    ここで朗報として、物理に特化して鬼人化【獣】を用いた時、この双剣は全双剣で最も高い火力で鉄蟲斬糸を撃てる。
    そして悲報として、それだけである。
    実戦では、余程の手練れでない限り、かなり癖の強い技である鉄蟲斬糸を常に最大威力で当て続けることはできないし、
    乱舞にしろ突進連斬にしろ、鉄蟲糸技の関わらないダメージの割合が増えてくれば他の双剣に容易に抜かされてしまう。
    同じ水属性の間で競ってこんな具合なので、
    水が効かないオロミドロのような相手に火双剣と争ったりした暁には到底勝てる道理はない。
  • 結論としては、過去のイメージを払拭するような超強化を受けたものの、環境にそぐわなかった悲劇の双剣である。
    • ……と、ここまでさんざんこき下ろしてしまったが、仮想敵はいないでもない。
      それはボルボロスやジュラトドスといった泥によって属性肉質を変えてくるモンスター。
      属性特化の構成では、今担いでいる属性が効かない形態のときは下位武器もかくやというダメージしか出せないが、
      黒風白雨は物理メインなので、泥が剥がれたあとも最低限の火力を出せる。
      もちろん、泥が剥がれるまでは水属性も活きてくる。
      また、怒ると前脚と吸気中の胸部以外に属性が効かなくなるバルファルクに用意するのもいいかもしれない。
      この場合は前脚を安定的に狙えない*3か背中や翼・尻尾の破壊に用がある際に有効であり、
      会心率で攻める物理型のミツネ双剣と競合する。
      鉄蟲斬糸を多用するならアマツ、超会心を活かすならミツネか。
    • それに、思うほど火力は伸びないとも言ったものの、傀異錬成で属性に全振りした際の属性値は実に91にも達する。
      これを上回る競合相手こそいるものの、十分に実用圏内であることは間違いない。
      ちょっと気分転換したくなったとき、過去作では考えられなかった属性で攻める黒風白雨を見たいとき、
      この武器を一度手に取ってみてはいかがだろうか。
    • 今作のアマツマガツチは本気を出すと雷属性攻撃も放つようになるので今作の黒風白雨もそれに合わせてたら…
      水と雷の双属性だったら、ジュラトドスは勿論、(怨嗟響めく)マガイマガド相手にも活躍できていただろうし、何より通常属性同士の双属性双剣として確立されていたことも明らかだっただけに
      これがある意味最も惜しい点だったかもしれない。
  • なおVer.16直前に配信されたスペシャルプログラムでは、
    何故か鉄蟲斬糸が人気(おそらく使用率が高い)の鉄蟲糸技として紹介されていた。
    集計時期は不明ながら、アマツ双剣ならば或いはと鉄蟲斬糸を試してみた双剣使いがそれなりに居たのだろうか?

余談

  • 銘にある【黒風白雨】は「こくふうはくう」と読み、暴風とにわか雨を指す言葉である。
    MHP2Gでは名前の似ている双龍神【黒天白夜】が登場しているが、
    古龍種素材の双剣であること以外関連性はない。
    ただし武器銘を決めるに当たって、意識した可能性はある。
    最終強化時の【天つ風】「あまつかぜ」とは、大空を吹く風を指す。
    究極強化時の【昊天】「こうてん」とは夏の空、大空といった意味を持つほか、
    古代中国の“九天”の思想において西の空といった複数の意味を持つ。
    • ちなみに【黒天白夜】とはMHXXにて共演を果たした。
  • 扇が武器として使えるのかというと、昔は使っていた。鉄扇である。
    とはいえ閉じた状態で打撃・防御するのが一般的だった模様。
    この武器の場合、扇の枠組みや骨で斬っているというところであろうか。

関連項目

モンスター/アマツマガツチ
武器/アマツ武器
武器/テッセン - 扇子双剣仲間その1。
武器/双鉄扇【ガバス】 - 扇子双剣仲間その2。
武器/MH部員特製扇子 - 扇子双剣仲間その3。


*1 弓は氷属性値9であり、これと同じく属性武器の中では唯一氷属性攻撃強化+1で数値が変化しない
*2 Rise時代の百竜スキルだったころからこの仕様なので、これは当然と言えば当然
*3 逆に言えば前脚への攻撃が安定すればD=シュレンダが水属性双剣で最もダメージ効率に優れることになる。