王の憎しみを体現した狩猟笛。
大地を震わす凄烈な咆哮の如き旋律は、まさに獄界の狂想曲。
目次
概要
- MH3Gから登場したジンオウガ亜種の狩猟笛。
見た目は他の狼牙武器に違わず、王琴トドロキの色違いである。
獄狼竜の素材をふんだんに活かした、非常にカッコいいダークベースに仕上がっている。
音色もギターロック調でこれまたカッコよく、見た目と相まって高い人気を誇る。
性能
MH3G
- 攻撃力1150、龍属性320を備える。
また、素で白ゲージ、斬れ味レベル+1で長い紫ゲージを得られる。
おまけにスロットも一つ空いている。
これだけでも一線級の属性笛なのだが、この武器の真価は弾き出される弦の音色にあった。
- この音色は、赤橙紫という組み合わせである。
そう、MH3Gで唯一の赤と橙を併せ持っている笛なのである。
吹ける旋律を並べてみると、 ご覧の通りである。
特に全旋律効果延長が目玉。ちょっとしたスキに3つの音色を揃えて奏でることで、
全ての旋律効果を延長することができるこの上ないほどの便利旋律である。
また、攻撃力強化【大】により、低くない攻撃力もさらに高めることができ、どんな相手にも担いでいける。
扱いやすい龍属性である点も優秀。勿論、無属性武器として扱っても、他の武器に引けを取らない。
基本的な性能が優秀なのは勿論、種類こそ少ないものの扱いやすい旋律が揃っているため、
カリピストならぜひとも手に入れたい一品である。
- だが、問題は素材である。
まず、「ご苦労」竜の天玉に文字通り苦労することになるが、
天玉は「凍土の大合戦」の追加報酬にて5%という比較的高い確率で出るので、
それでマラソンすればこれは比較的入手しやすいだろう。
他は(スタンついでに折れる)剛角や(捕獲・剥ぎ取り・報酬で楽に手に入る)龍殻などで集めやすい。
…が、強化前のリュウセイに、カリピスト一筋の方には苦しい靱尾を2つ要求される。
尻尾の剥ぎ取り以外では入手する術がないため、柄殴りかブーメラン、大砲で狙うほかない。
しかしHDが出たことにより、PTの斬属性に切断を頼むことで入手は相対的に楽になった。
その際には攻撃力強化の旋律やスタンによって補助してあげるとより捗るだろう。
- 強化前の鳴雷も、ディオスベルやロア=ルドラなどと並ぶ優秀な攻略用雷笛。
雷属性弱点のG級ガノトトスやナルガクルガなどには十分通用し、
その気になればジンオウガ亜種に担いでゆき、素材がたまったらそのまま強化なんてこともできる。
MH3Gに移り、メインモンスターから外れても決して色褪せないどころか更に強化されているその性能、
どこかの暴走族やブロックにも見習って欲しいものである。
MH4
- 上位までなので獄琴リュウセイが最終形となり、
音色が紫赤緑に変更された。
攻撃力強化【大】が吹けるのは相変わらずだが、他の旋律が回復小と回復速度大に。
紫赤橙は同じ龍属性ギターのミラメノスに譲った。
龍属性笛はTHEレクイエム、ミラメノス、アヴニルオルゲールと数が多いが、
物理重視の性能で更に攻撃力強化を吹けるので、殴り性能はトップ。
というか物理重視のTHEレクイエムが属性攻撃力強化旋律しか吹けない、
属性重視の2本が攻撃力強化を吹けるという事が起こってるからなのだが
- また、発掘武器にも「獄琴」という武器が存在する。
MH4G
- G級クエストの追加に伴い最終形として再登場。
- 攻撃力・属性値ともにそれなりに高めで、属性武器としては十分な殴り性能を持つ。
匠を付けた時の紫ゲージが少し短めなのが気になるが、まぁこの程度なら許容範囲内か。
演奏効果はMH4からの据え置きなので、攻撃大を維持し続けることさえできれば
龍属性笛の中でもトップクラスの火力を発揮出来るだろう。
- …だが、前作では属性偏重型の性能だった筈のミラメノスの強化形、
ミラメノスアギカに攻撃力で並ばれてしまっており、斬れ味や属性値に関しては完全に後塵を拝している。
とはいえ、そこまで性能面で大きく遅れを取っている訳ではなく、
また敵の攻撃が苛烈になってくる今作のG級クエストでは
回復速度【大】の効果も案外馬鹿にはできなかったりするので、正直好みで使い分けても問題ないレベルだろう。
- 強化に際して太古龍骨を要求されるため、作れる時期は割と遅め。
強化前のリュウセイ改の時点でも攻略用の装備としては十分な性能があるので、あまり気にはならないが。
しかしリュウセイ改に交換素材の白海竜の雷電殻を要求されるため、天弩の好敵手をクリアする必要がある。
ちなみに武器の強化で交換素材を要求されるのはリュウセイ改だけである。
MHW:I
- アップデートによりジンオウガ亜種が追加され、この笛も復活。
生産時の銘は獄琴リュウセイ。最終強化で狼牙琴【異獄】となる。
- 狼牙琴【異獄】の性能は
- そこそこの攻撃力1134 (武器倍率270)
- やや低めの龍属性360(龍封力中)
- 会心率0%
- 斬れ味は素で紫40。匠で延長可能。
- Lv2スロットが1つ。
- 音色は通常種と同じ紫黄橙。演奏可能な旋律は、
- 全属性耐性値UP
- 属性攻撃力UP
- 全属性やられ無効
- 聴覚保護【小】&風圧無効
- 高周波
- 響音旋律:属性系効果UP
- 響音旋律:響周波【龍】
- 通常種の笛と同じく属性強化と属性保護に特化した音色を持っており使い方は同じなのだが、
この笛は現状かなりの逆風に晒されている...
風圧無効が吹けるのに
- 優秀な斬れ味とそこそこの攻撃力と属性値を持つので攻撃性能はなかなかあるのだが、
龍属性界隈は非常にライバルが多いため強い個性がないと活躍させにくい。
具体的には このようにかなりの群雄割拠状態である。
- そもそもアイスボーン環境では龍属性自体活躍できる場面が限られており、第一弱点のモンスターが少ない。
ムフェト・ジーヴァなど龍封力に期待して殴る場面もあるが、
この笛の龍封力は中であり龍封力強化スキルを付ける必要性が生じるうえに
ムフェトはそこまで厄介な属性やられを使ってこないので*1
結局は攻撃力UPを吹ける笛のほうが活躍できてしまう。
自身も龍弱点なのに龍属性を使ってくる怒り喰らうイビルジョーに担いでいくのが一番良いであろう。
雷も弱点なので通常種の笛でいいじゃんと言ってはならない。
- それならば狩猟笛らしく音色で差別化したいところだが、
後のアップデートで異獄の立ち位置を根底から覆す存在が登場してしまう。
その名は煌黒琴アルリゼ。泣く子も黙るアルバトリオンの狩猟笛である。
攻撃力は一段階上の1176(武器倍率280)、非常に高い龍属性値780、
斬れ味は素で紫90、おまけにレベル2スロットが2つ。
異獄が勝っているのは龍封力中であることだけ。どうしてこうなった...
- 他武器種でもアルバ武器と狼牙武器の関係は似たような状況にあるのだが、
狩猟笛は音色で差別化できるという要素があるところを
音色まで一緒になってしまったことで本当に救いがない状態になってしまった。
せめて過去作の音色であればと思ったハンターも多いであろう。
- この笛のもう一つの欠点に強化の面倒くささが挙げられる。
獄琴リュウセイから異獄へ強化するのに歴戦の滅龍殻が必要なため、氷雪地帯のレベルを7に上げる必要がある。
このため導きの地をやりこんでいなかったり、氷雪地帯レベルが低いハンターには
他に龍属性笛や同じ音色の笛があるといった理由で制作を後回しにされがちになるのが痛い。
- では狼牙琴は何の魅力もない笛なのかと言われるとそうではない。見た目と音で差別化が可能である。
過去作でも人気であった笛デザインが高品質のグラフィックで復活。
漆黒の甲殻に妖しく輝く真紅の弦。えもいわれぬ格好良さと美しさを放っている。
ギターやベースが好きなハンターにとっては堪らない魅力であろう。
演奏サウンドも王牙琴と同様に閃烈なる蒼光が流れる。
もちろんポーズセット「武器構え」で音が鳴る。
この唯一無二の要素がある限りこの笛はハンター達を魅了し続けるであろう。
武器の重ね着?なんのことですかね...
余談
- 「異獄」の銘はダンテの『神曲』に登場する地獄の第六層、「異端者の地獄」からと思われる。
あらゆる宗派の異端の教主と門徒が堕ちる地獄で、火焔の燃え盛る墓孔に頭から突っ込まれ、
永劫に身を焼かれ苦しみ続けるという。- このゲームの武器種の中でもかなり異色の武器である狩猟笛らしい元ネタと言えそうである。