シナリオ(初稿)

Last-modified: 2007-09-30 (日) 12:33:49

タイトル「ニコニコ動画の劇場」(仮)

作者:かく
いつまでもうpろだに置いとくのも何なのでコピペ

キャラ設定

全員名前は未定。

  • 主人公:男
    シナリオ中では主人公、名前は○○と表記します
    つっこみ。ニコニコユーザー。大学生。
    ニコニコには友人に勧められて登録した。
  • 友人:男
    シナリオ中では友人、名前は□□と表記します
    ボケ役(?)。ニコニコのスタッフの仕事をやっている。
    主人公とは幼馴染。PC関係の仕事の天才。
  • ヒロイン?:女
    シナリオ中では少女、名前は△△と表記します
    『ニコニコ動画の世界』で出会った妙な少女。見た目は主人公よりは年下。
    冷静沈着。

世界観

今より未来の時代(だいたい30年後を目安で)。世界の技術も進歩したが、
まだ車は空を飛んでいないし、ニートもいる。
そんな中で、ニコニコ動画は変わらず残っていた。
数々の作品を生み出してきた動画サイト、『ニコニコ動画』
登録者数は750万人を超え、全国色んな人々がニコニコできる動画サイトを目指して発展している。

あらすじ

「」内はセリフ、()内は主人公の心の声的なものです。

【主人公の部屋】
携帯電話で話している主人公と友人。

友人「もう最近は原因不明のサーバー異常とかで色々大変でさー、参った参った」
主人公「そうか、運営の仕事も大変なんだな」
友人「ホント、普通のサラリーマンになってりゃ良かったよ」
主人公「(二ワンゴは普通の会社だったような)で、でも自分で選んだんなら頑張れよ」
友人「お・・・・・・お前が俺を励ましてくれるなんて・・・・・・小学校以来じゃね?くーっ、泣けてきた!」
主人公「・・・・・・前言撤回。そんなにイヤなら辞めちまえ」
友人「だが断る。何しろ今のニコニコスタッフには俺の技術が必要だからな」
主人公「何かにつけて自慢しているようだが、本当にお前の技術って凄いのか?」
友人「お前はまだ若いからな・・・俺の素晴らしさがわからないのも無理は無いな。じゃ、俺は仕事に戻る!」
主人公「お前、俺と同じ年だろ?というか何者だよお前・・・」
ツー・・・ツー・・・
電話が切れた。溜息をつく主人公。
主人公(あいつは確かに頭がいいみたいだけど、若干イタいのが玉にキズだな・・・)

パソコンの電源を入れる。
ニコニコ動画のトップページを開き、ログインする。
主人公「・・・?」
いつもは動画の一覧が表示されているはずの画面には、一つしか動画がなかった。
タイトルは「挑戦状」。
主人公(・・・見てみるか)
クリックした。
動画プレーヤーには真っ黒の映像が現れた。
主人公(読み込みエラーかな・・・)
そう思って、更新ボタンを押した。
しかし、画面はなかなか切り替わらない。
主人公(参ったな、凍ったかな)
いきなり携帯が鳴った。
主人公「もしもし?」
友人「○○・・・(主人公の名前)!おまえ・・・ニコ・・・アク・・・ス・・・する・・・な・・・プロ・・・ムが・・・」
主人公「?電波が悪いみたいでよく聞こえないんだが」
主人公の視点 霞がかかっていく
意識が遠のいていく。
最後に見えたのは、画面に浮かんできた見覚えのある人間の顔・・・誰だっけ、確かニワンゴの偉い人・・・
誰も居なくなった部屋に、友人の叫び声だけが響いた。

【真っ白な空間】
気がついたら、真っ白な空間に居た。
どこからか声が聞こえてくる。
「聞こえますか?」
女の子の声だ。
主人公「き、聞こえますが・・・」
「それでは、そちらへ」
突然目の前に少女が現れた。
主人公「あ、あの、ここは・・・」
少女「ニコニコ動画の中です」
主人公「はあ・・・ニコニコの・・・って何だって!?なんで俺がそんなデジタルな空間に!」
少女「さあ。それはわかりません。今、ニコニコ動画は封鎖の危機に陥っています」
そう言うと少女は手を地面につける。
つけると同時に地面が揺らぎ、白い部屋がいかにもデジタルな背景に変わった。
数字が流れ、あちこちで光が走っている。
少女は黙って自分の背後を指差し、振り返って歩き始めた。
主人公「お、おい、ちょっと」
主人公は困惑しながらもついていく。

道はどこまでも続いているように見える。
少女「先ほども申し上げましたが、今ニコニコ動画は抹消されようとしています」
主人公「あの・・・どこまで行k」
少女「それを阻止するのが私の仕事です」
言い終わらないうちに割り込まれた。
少女「今私はニコニコ動画の中枢となる場所に向かっています」
主人公「(なんだかんだで話は一応聞いてるのか)それで・・・君は誰なんだ?」
少女「私はスタッフです。名前は△△」
主人公「俺は○○っていうんだ・・・」
少女「どうしましたか?」
少女が尋ねると、主人公は困った顔をしている。
主人公「いや、なんというか・・・△△さんって綺麗だな、って思って・・・す、すいませんね、訳わからんこと言って」
主人公が赤面しているのを見ながら、少女は少しボーっとしていた。
主人公「いや、本当になんかごめん・・・で、この空間は一体?」
少女「え・・・あ、ここの事ですか?
この空間はニコニコ動画を管理する為の空間です・・・ニコニコ動画の中の世界のようなものと解釈してください」
主人公「俺はどうすればいいんだ?」
少女「私についてきて頂ければ、仕事が終わり次第元の場所に戻る手続きをします」
(ほっ・・・とりあえず自分の家には戻れるみたいだな。この子が言うには。しかしいつまでついていけばいいんだろう・・・参ったな)
主人公がそんなことを考えていると、目の前で電撃が炸裂した。
主人公「うわあああああああ!?」
少女「伏せてください」
少女が主人公に指示を出すと同時にまた雷のようなものが落ちる。
主人公「うおぉぉっ!」
慌てて後ろに下がり、伏せる主人公。
(なんだなんなんだ!ハンパなSFによく出てくるようなこのベタな落雷は!)
雷は主人公が伏せた後も落ち続けている。少女は平然と立っていた。
主人公「こ、怖くないのか?」
主人公がそう聞いた瞬間、雷は少女の頭を直撃した。
主人公「ヒィィィ!」
雷が直撃したにも関わらず、少女は平然と立っていた。体に傷は一切付いていない。
少女「怖くはありませんよ。『敵』ももう諦めるでしょう」
主人公「そ、そうですね。そうみたいですね」
少女の言ったとおり、雷を落としていた者が諦めたのか、電撃は一切起こらなくなった。少女「行きましょう。早く中枢に行かなければ『敵』に先を越されます」
主人公「『敵』って?」
少女は黙々と走っている。
(・・・なんだ、この気まずさ)
5分くらい走っただろうか。それらしいものが見えてきた。
いかにも、中枢である。それは大きな柱のようで、表面には光が走っている。
主人公「すごく・・・大きいです・・・」
少女「なんとか間に合ったようですね。敵も来てません」
呟いた瞬間、主人公達の背後で激しい爆音が轟いた。
もくもくと煙が上がり、煙の周りには火花が散っている。
友人「やっぱお前だったのか・・・△△(少女の名前)!」
主人公「な!?□□(友人の名前)!?なんでお前がここに!」
友人「それはこっちのセリフだ○○(主人公の名前)!でも今はお前と喋ってる暇はねぇんだよ!おい△△!よくもお前やってくれたな!」
主人公「△△さん、まさか敵ってコイツのことですか?コイツは」
少女「□□さん、何のことですか?私は異常を修復する為に」
友人「バッくれても無駄だ、俺の目は欺けねえぞ!」
少女「あなたの目なら簡単に欺けますよ。だからあの攻撃も効かなかったんじゃないですか」
少女が薄ら笑いを浮かべ、友人を見る。
友人は歯軋りをして、叫んだ。
友人「何故だ!?何故・・・お前はニコニコ動画を潰そうとするんだっ!!!(ここ強調)」
主人公「えっ!?」
ショックを受ける主人公。
友人は少女を睨みつけるが、少女は睨む友人をバカにするようにじっと見ている。
少女「理由は簡単です。ニコニコ動画はこの世に必要ない。そう判断したからです。ニコニコ動画は多くの人間をダメにした。中毒者続出、ニートは増え、引きこもりも増えた。こうした状況から私は、『ニコニコ動画は日本の人間を堕落させた原因の一つである』と判断しました」
主人公「ということは・・・ニコニコを潰そうとしていたのは敵などじゃなくて・・・」
友人「そうだ!コイツだ!この生意気な野郎がニコニコ動画を潰そうとしたんだ!」
少女「証拠はありませんよね?」
友人「ハァ!?お前が約束を破ってここにいるってことが何よりの証拠だ!お前はこの中枢には来ないように指示しただろう!」
少女「別に・・・それもあなたがいなくなれば証明できないですよ?」
主人公と友人「!!」
少女「□□さん。あなたが私を止めるのは絶対に不可能です。仮に証拠があったとしても、私は絶対に捕まえられない。わかってますよね?」
主人公「ど、どういうことだ!君はここのスタッフなんだろう!?」
友人「○○。△△はスタッフなんかじゃねえよ。ましてや人間でも無い。アイツは、プログラムだ」
主人公「なんだって?」
友人「プログラムなんだよ。アイツは。このニコニコ動画を24時間管理する為に生まれたプログラムだ。当然データだから、逮捕はできない」
主人公「じゃあ、削除してしまえば・・・」
友人「お前も見てたんだろ。電撃がアイツに直撃してもアイツは全く動じなかった。あの電撃は俺と俺の仲間がアイツを削除しようとした動きが視覚化されたものだ」
少女「無駄でしたね」
友人「まさかあそこまで強力なプロテクトがかかってるとは・・・完全に油断していたよ」
少女「さて。そろそろあなたを消してもよろしいですか?□□さん。話も終わったようですし」
少女が友人に指を向ける。指は電気のようなものを纏っていた。
主人公「待ってくれ!」
少女「なんですか?」
主人公「・・・ニコニコは・・・世間から見ればおかしいサイトに見えるかもしれない。でも!俺はニコニコを潰したくない!俺は・・・ニコニコに救われた!勉強に疲れているときも、バイトから帰ってきたときも、ニコニコを見ることで疲れを癒し、また頑張るできたんだ!ニコニコが無かったら俺は、ニコニコすること・・・笑うことも満足にできなくなってたかもしれない!だから頼む!ニコニコを消すなんてことは・・・やめてくれ・・・!」
少女「いいえ、やめません。それはあなた個人の意見でしょう?」
主人公「ニコニコを見てる他の人も、同じことを思っている人が多いはずだ!」
少女「証拠は、ありませんよね?」
主人公「くっ・・・で、でも」
主人公が言い返そうとすると、空から声が聞こえてきた。
スタッフ「□□さん、準備できました!今から流します!」
友人「!・・・間に合ったか!ふふん、△△よ、あるぜ。証拠ならな」
友人がそう言うと、空中に何か言葉のようなものが流れ始めた。
様々な色の文だ。

「がんばれ!」
「ニコニコは俺たちが守るんだ!」
「閉鎖なんてしないでくれ」
「そこの奴の言うとおりだ、俺たちには必要なんだ」
「俺たちは屈しないぞぉぉぉぉ」
「消されてたまるか!」
「俺たちも協力するからな!」

主人公「これは・・・コメントか!」
友人「今この様子は全部公開されている。みんな俺たちに対するコメントだ」
少女「こんなものを見せても、このサイトを消せば一緒」
友人「そうは問屋がおろさないぜ?」

「うおおおおおおおおおおおお」
「やってやるぞ!!」
「みんな続けええええええええええ」
「いくぜえええええええええええええ」

コメントが急速に増えていき、少女に降り注いでいく。
そのコメントは輝きを増し、凄まじいスピードで流れていく。
少女「何を・・・!!」
友人「お前はこのニコニコ動画を管理しながら、自分が俺たちスタッフに消されないようにする工作をしていたんだろう?俺たちじゃ、どんなことをしてもお前を消せなかったからな・・・でも、外部のコメントをエネルギーにしてで攻撃するなら話は別だ」

「いっけえええええええええええええ」
「ニコニコよ永遠に!」
「おおおおおおおおおおおおおおおおお」

少女「そんなことじゃ私は消えません・・・と言いたいですが、あまり余裕は無いですね。良かったですね。あなたたちの勝ちですよ」
少女の体のあちこちが記号や光に変わっていく。
友人「そうみたいだな」
コメントの流れが急に止まった。
少女「残念です。日本を立て直すいい手段だったのに」
主人公「なぜだ、何故なんだ?何故ニコニコ動画を管理する役の君が・・・」
少女「さあ。正直な所、私にもわからないです。ふと、思いついたんですよ」
少女は無表情で立っている。
少女「きっと・・・そうプログラムされていたのでしょうね。全てはあの人の演出だったのです。私はその為の役者だったわけです」
主人公「君を作った人は何故こんなことを?」
少女「人々をニコニコさせる為に、このサイトは存在しているそうです。私も人々をニコニコさせる為に存在している。要するに、楽しませる為ということです。ニコニコ動画の結束を試すイベントとして、私にプログラムしていた・・・そう考えられます」
友人「確かにこの事件は一種のショーだったのかもな。・・・あの人なら、やりかねないかも・・・」
主人公「ニコニコできないじゃないか」
主人公が呟く。そして叫ぶ。
主人公「これじゃあ君は・・・△△は、ニコニコできないじゃないか!!それでいいのか!?」
少女「そうですね。そもそも私はニコニコなんてできるんでしょうか?」
主人公「君は最初に「自分はスタッフだ」と言い、わけもわからず戸惑っている俺を助けてくれただろう?俺は、嬉しかったよ」

主人公「人を自分の力でニコニコさせられる・・・喜ばせる事ができるなら、ニコニコすることもできるはずだ。違うか!?」

少女の回想
「お前はこのニコニコ動画を守るためのプログラムだ」
「アイツは人間なんかじゃない、プログラムだ!」
「私は人を喜ばせるためだけの為の役者」
「お前のせいで俺の仕事はなくなった」

「あの、なんというか・・・△△さんって綺麗だな、って思って・・・あ、ご、ごめん!訳のわからんことを言って」

少女「あの時私も・・・嬉しかった」
少女の姿が消えていく。かすかにだが、顔が見える。
彼女は、そう。ニコニコと笑っていた。
主人公と友人は、黙っていた。

その後、友人が俺を家に戻す手続きをしてくれた。
結局何故俺があんなところに行ってしまったかのかはわからない。
時計は夜中2時。明日は朝から講義だから、早く寝なければ。
携帯を開くと、メールが送られてきていた。まだあの世界に入る前の時だ。
見たことのないアドレスからだった。

「ありがとう」
文面には、その一文だけだった。
PCの画面には、ニコニコ動画が映っていた。
左上のアイコンが、心なしか△△の姿に似ていた。
ニコニコ動画を作った奴が誰かは知らないが、そいつの笑い声が聞こえた気がした。