うだつ

Last-modified: 2006-01-19 (木) 14:32:25

うだつ

うだつとは、2階の壁から突き出した小さな屋根付きの袖壁(そでかべ)のこと。
日本の家屋は木造なので火に弱い。そこで、江戸時代に裕福な商人達が、火事の延焼を防ぐために、
火が軒下を這わないよう隣家との境界に防火用の壁を設けたのが始まり。
耐熱性を高めるため、荒壁(あらかべ)、中塗り壁、漆喰(しっくい)など10層で塗り固めており、
厚さは40~50cmにもなる。

明治以降になると、次第に防火用としての性格が薄れてくる。
うだつの建築には多額の費用がかかることから、商人達は自らの財力を誇示するために、
より高く、より立派なうだつを上げるようになった。
いわゆる『化粧うだつ』と呼ばれるもので、うだつが富の象徴になった。

ここから転じて、『うだつが上がらない』とは、立派なうだつを上げるだけの甲斐性のない人、
つまり、『いつまでもぐずぐずして一向に出世できない人』のことを指すようになった。