見得

Last-modified: 2006-01-21 (土) 00:02:32

みえ

歌舞伎の花形芸と言えば『見得』。
「見得を切る」などと使われるこの『見得』とは、感情や動作の高まりが頂点に達したことを示すために
動作を一瞬静止させ、目を大きく見開いて睨んでみせることをいう。
いまでもロングラン大ヒットを続ける『ライオンキング』は、女性演出家のジュリー・テイモアが
歌舞伎の『見得』をヒントに、動物たちの動きを作り上げもの。
更にこの『見得』は、日本のあるエンターテイメントである『日本アニメ』にも応用されている。
『巨人の星』や『あしたのジョー』で多用されたストップモーションも歌舞伎の『見得』から生まれた手法
だと言われているのだ。

歌舞伎でよく目にする、片足で跳びながら去っていく動きは、『六方』と呼ばれる芸。
感極まった思いを胸に全速力で走り去って行く姿を表現している。
様々なバリエーションがある六方の中でも有名なのが、『勧進帳』幕切れの弁慶や、
『鳴神(なるかみ)』などで見せる「飛び六方」。
実はこの『六方』、その特徴は、現在の我々の歩き方とは違い、右足が出たときには右手を、
左足が出たときには左手が前に出てくる。
この動きは『なんば』と言い、江戸時代以前の日本人は、みんなこうした歩き方をしていた。