御所人形

Last-modified: 2006-02-11 (土) 16:52:32

ごしょにんぎょう

御所人形は、愛くるしい幼児の裸の姿が原形で、江戸時代、「頭大」「三つ割」「白肉」などと呼ばれていたように、
頭が大きく三頭身で肌が白いのが特徴。
江戸時代に京都で制作され、御所や公家方で贈答品として使われたり、大名家など上級武士階級で愛好されていた。
その芸術的、技術的な完成度から、日本人形の粋とされる。

おもに桐を使った木彫りの母型に胡粉(白色の顔料。牡蠣の貝殻の裏の白い部分を細かくすりつぶした粉)を
何重にも塗り、乾燥させ、磨いて肌に艶を出したのち、目鼻などを描き口に朱をさして仕上げる。
その工程は一年にも及ぶため、制作個数は限られるが、洗練された技巧が高い品格と精神性をもたらす。

 御所人形には裸形のほか衣裳を着けたものも多く、公家方や町方の子供たちのあどけない姿を表わしたものは、
当時の風俗を伝えていて興味ぶかい。
また見立てと呼ばれる、能や狂言の舞い姿や英雄や豪傑などをかたどった、
武家文化の影響が強い高級品も多く作られた。__銅鐘